「一歩踏み出せば世界は変わる」eスポーツアナウンサー柴田将平は世界一を目指す

「世界一のeスポーツアナウンサーになる」

そう語るのは、テレビ局のアナウンサーからeスポーツアナウンサーに転身した柴田将平さん。自分の「直感」を信じ、転身してから3年が経ちました。

そんな柴田さんにeスポーツアナウンサーになろうと思ったきっかけや、自身の経験をもとに、やりたいことが見つからない人に向けたアドバイスをお聞きしました。

※取材は緊急事態宣言前におこなっています。

「一歩踏み出せば世界は変わる」eスポーツアナウンサー柴田将平は世界一を目指す

柴田 将平(しばた しょうへい) さん プロフィール

ODYSSEY所属のアナウンサー。大学卒業後、静岡第一テレビにアナウンサーとして入社。 全国高校サッカー選手権など、スポーツ中継の実況を担当。 また、スポーツ番組のMCやナレーション、情報番組リポーターや 報道番組キャスターなど、多岐にわたるジャンルの業務を経験。

アナウンサーとしての原体験は『ごんぎつね』の朗読

ーーまずはじめに、柴田さんのことを知らない方に向けて、どのような活動をしているのか教えてください。

eスポーツ大会の実況やMCなど、アナウンサーの経験を活かして活動しています。ほかにも、はじめしゃちょーやヘラヘラ三銃士といったYouTuberさんの動画でナレーションや実況をしています。 

2018年から「ODYSSEY(オデッセイ)」という事務所に所属しています。ODYSSEYは大学の先輩でアナウンサーの先輩でもある平岩(康佑)さんが代表をつとめています。平岩さんには大学生時代、就活のときにお世話になっていました。

ただ、大学を卒業してからの交流はなかったんです。あるとき、平岩さんが事務所を立ち上げたというニュースを見て、直感で「これだ!」と思ったんです。すぐ平岩さんに連絡して、事務所に入れてもらいました。10年振りくらいに連絡しましたね。

あとは「αD(アルファディ)」というeスポーツチームにもアナウンサーとして所属しているのですが、テレビ局出身のアナウンサーがeスポーツチームに所属するのは日本初です。

ーー決断力がすごいですね。柴田さんは声優の養成所に通いながら、アナウンサー試験に受かってアナウンサーになったそうですが、もともとは声優を目指していたのでしょうか?

声優と決めていたわけではありませんが、昔から声の仕事をしたいと思っていました。小学校1年生のときに『ごんぎつね』を朗読して褒められたことが心に残っていたことが、原体験としてあります。

法政大学在学中に声優・俳優事務所「俳協」の養成所に通いながら、大学の自主マスコミ講座にも通っていました。この自主マスコミ講座は、これまでにも数多くのアナウンサーを輩出しています。就職活動をして静岡第一テレビに受かったので、養成所は辞めて静岡でアナウンサーになると決めました。

 

静岡第一テレビのアナウンサー時代、偶然にもディズニー・ピクサー映画の『ファインディング・ドリー』に声優として出させていただきました。2016年のことです。エンドロールに自分の名前を載せてもらえたのは、感動しましたね。

もし声優になっていたらどうなっていたんでしょうね……。チャレンジしてみたかった気持ちもありますが、やはり大変だと思います。

ーー小学生時代の記憶は確かに心に残りますね。テレビ局のアナウンサーからeスポーツのアナウンサーに転身されましたが、直感以外に理由はあるのでしょうか。

一番の理由はゲームが好きだったからです。自分がプレイすること以上に友達がプレイしているのを見て、ワイワイするのが好きなんです。子どもの頃によく友達の家で集まってゲームをしませんでしたか? あの空間が好きだったんですよ。eスポーツはその空間の延長になりうると思っています。

選手のことを誰もがわかるように実況して伝えられたら、会場のみんなでゲームを楽しめると思うんです。

自分の直感を信じたかった

自分の直感を信じたかった
 

ーーテレビ局を辞めてeスポーツアナウンサーになるというのは、かなりのチャレンジだと思うのですが、転身を決めた際の家族や同僚・先輩からの反応はいかがでしたか?

あまり相談をしなかったんです。自分の直感を信じたかったので。静岡第一テレビに入社して5年が経ち、アナウンサーとしてこのままでいいのかと悩んでいた時期でもありました。悩んじゃうタイプなんです(笑)。そのとき、同期が俳優になってチャレンジしているのを見て、自分もチャレンジしたい気持ちがこみ上げました。

もちろん、テレビアナウンサーの仕事もやりがいがあります。とくに高校サッカーの実況が大好きでした。あのとき学んだ選手の想いを伝える意識は、いまのeスポーツ実況にも活かされています。

会社員時代と比べて、出会いの幅が広がった

ーー転身してからもうすぐで3年経ちますが、実際に転身してみて感じたことはありますか?

一番大きいのは出会いの幅が広がったことですね。これほどいろいろな人に出会えるのかと感じました。会社員だと普段関わる方は、ある程度同じですから。

具体的にいうと、フリーになってゲーム実況の仕事をしてから、はじめしゃちょーと出会えました。はじめしゃちょーは、ずっと同じ市内に住んでいたんですけど、それまで会ったことがなかったんです。フリーになってから縁があり、はじめしゃちょーのグミを食べる動画をニュースっぽく伝える動画に出演することになりました。会社員のままだったら、ありえなかったでしょうね。

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会社員時代にはできなかったSNSにも力を入れています。とくに力を入れているのがTikTokです。実況動画を上げています。

ーー柴田さんが出演している動画は600万再生を超えてますね! これからeスポーツアナウンサーを目指す人も増えていくと思いますが、必要な能力はどういうものでしょうか?

実況と解説で異なります。実況でしたら、選手のことをうまく伝えられる能力です。解説でしたら、ゲームを極めることです。

そういう意味では、コロナの影響で選手に直接取材できないのは寂しいですね。オンラインでも取材はできますが、温度感などオフラインで得られる情報のほうが多いですから。

インターネットの力でルートが広がった

インターネットの力でルートが広がった

 

ーーeスポーツアナウンサーになるには、どうしたらよいのでしょうか?

いまの時代、インターネットがあるので、さまざまなルートがあります。やり方はいろいろあると思いますが、YouTubeなどで自分を発信することが大事ではないでしょうか。それが評価されれば、仕事の依頼が来るでしょうし。

見せ方がうまければ、スキルはやりながら身につけていけばいいと思います。自分の声を発信する手段はたくさんあります。最近は歌手の方も、TikTokがきっかけでデビューが決まるケースもありますから。

私のようにテレビ局でアナウンサーとして活動してから、eスポーツアナウンサーになるのもひとつの手段としてはいいですが、時間はかかりますね。

ーー柴田さんはやりたいことを見つけていますが、「やりたいことが見つからない」という人に向けてアドバイスをいただきたいです。

「好奇心」「探究心」「行動力」。この3つが大事です。

好奇心で物事に興味を持って、探究心で調べて、行動力を持って実行する。一歩踏み出すだけで世界が変わります。 

この間、応募しようか迷ったんですけど、仕事の都合上あきらめたことがあります。普段、料理をしませんが、ふと料理できるようになれたらいいなと思いながら街を歩いていると、飲食店のキッチンスタッフの募集が目に入ったんです。

料理できるようになりたいと思っていなかったら、目にも留まらなかったと思うのですが、アンテナを張っているといろいろな情報が飛び込んできます。

面白いなと思ったことは調べたほうがいいです。やってみて楽しかったら、それを極めると仕事になるかもしれません。

目標は「世界一のeスポーツアナウンサー」

目標は「世界一のeスポーツアナウンサー」

 

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、柴田さんが今後やりたいと思っていることと、それをできるに変えるためにおこなっていることを教えてください。

海外進出です。世界一のeスポーツアナウンサーを目指しています。三大eスポーツ国のアメリカ、韓国、中国は意識しています。その中でも、とくに中国はマーケットが大きいので、TikTokに力を入れていますね。

中国語の勉強もしようと思って参考書を買いました。プロのeスポーツ選手も、どんどん海外進出をしていくのではないでしょうか。eスポーツの力で、国の友好をつないでいければいいなと思います。

ーー世界一のeスポーツアナウンサーですか! 応援しています。最後に柴田さんがインターネットを通じて実現できたことを教えてください。

インターネットがあったからこそ、実現できたことばかりです。本当に面倒くさがりなので、インターネットがなかったら、どうなっていたのかわかりません。就職活動の情報収集もインターネットを使いました。

ゲームの世界もインターネットでつながっていますし、YouTubeがなかったらはじめしゃちょーのような存在にも出会えませんでした。TwitterやLINEがなかったら、連絡手段もありません。本当に、インターネットがなかったらどうしてたのかなと思いますね。

ーー柴田さん、ありがとうございました!

 

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