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エイプリルフール企画「VPSちゃんのお仕事大作戦!」ができるまで

さくらインターネット非公式キャラクター「VPSちゃん」。このキャラクターと一緒に、データセンター内でさまざまな人を手助けするゲームを、2021年4月1日エイプリルフールに公開しました。

その名も「VPSちゃんのお仕事大作戦!どきどきわくわく内緒のデータセンター」。今回はそんな不思議なゲームがなぜ作られたのか、そもそもVPSちゃんって何者?そんな謎だらけのゲーム制作の舞台裏を取材してきました。

VPSちゃん

ゲームのプレイはこちらからできます>>

 

このエイプリルフール企画を推進した、さくらインターネットの社員3人に話を聞きました。

以前にVPSちゃんが登場した記事はこちら

VPSちゃんの潜入大作戦! さくら社員のテレワーク環境を見る会

【取材を受けてくれた社員】

さくらインターネット クラウド事業本部 クラウドサービス部 鈴木 雅広(すずき まさひろ)

さくらインターネット クラウド事業本部 クラウドサービス部  妹尾 邦陽(せのお くにあき)

さくらインターネット クラウド事業本部 クラウドサービス部 山田 望(やまだ のぞむ)

「非公式キャラクター」VPSちゃんとは?

ーーよろしくお願いします。早速ですが、そもそもVPSちゃんってなんなんですか? なんで「非公式」なんですか?

 

VPSちゃん

(VPSちゃん)

 

山田:VPSちゃんは「さくらのVPS」の非公式キャラクターです。VPS”ちゃん”といってますが、特に性別設定はありません。

もともと、さくらのVPSにはキャラクターがいませんでした。他社にはキャラクターがいて、売り方がうまいなと思っていたんです。それもあって、昔からキャラクターを作ってみたかったんです。

ただ、すでにさくらインターネットには「まりな」ちゃんや「桜葉愛(さくらは あい)」ちゃんなどの、公式キャラクターがいます。

 

まりな&桜葉愛
 

愛ちゃんたちには、さくらインターネットとしてそれぞれ重要な仕事があるので、さくらのVPSとして、小回りがきくキャラクターがいると、さくらのVPSというサービスを売り出しやすいと思ったんです。

その頃ちょうどチーム内でも「キャラクターを作りたい」という話があったので、冗談でキャラを作成してVPSチームのSlackチャンネルに送ったら、妹尾さんがいつのまにか3Dモデル化してくれました。作ってくれたものがすごかったので「これでなにかやりたい」となりました。

 

チーム内で生まれたVPSちゃん  左:超初期案 右:よく見るやつ

チーム内で生まれたVPSちゃん  左:超初期案 右:よく見るやつ

  

VPSちゃん powered by https://vroid.com/

VPSちゃん powered by VRoid

 

このモデルを使って実現したのが昨年のエイプリルフール企画です。

VPSちゃんは当初、さくらVPSというサービスに親しみを持ってもらえるよう、自由に立ち回ることを期待されていたので、このあたりがVPSちゃんの自由奔放な性格に反映されました。とはいえ、VPSちゃんはキャラクターとしてちょっと危ういところもあるし、まだブランディングもできていないので、いまのところ非公式扱いです。

 

ーーいつか公式になれるといいですね。今回のエイプリルフール企画は、どうしてはじめようと思ったのでしょうか?

 

鈴木:2020年、VPSちゃんの記事がさくマガに出て、VPSちゃんを取り上げた企画をなにかやりたいと思っていました。そんなときに、2021年の2月頭くらいにエイプリルフール企画の話が動き出したんです。そこで、VPSちゃんを使ってなにかやろうと話が進みました。

エイプリルフール企画で気をつけたこと 

ーー炎上したり、埋もれてしまったりで、企業にとってエイプリルフール企画は年々難しくなっていると感じます。企画するうえで気をつけたことはなんでしょうか?

 

鈴木:気をつけたことは炎上対策ですね。時期も時期ですし、おふざけとの加減が難しかったです。チーム内では「面白いからやってみよう」という温度感ですが、世間一般のエイプリルフールへの認識や熱量みたいなものも考えました。VPSちゃんというキャラクターをどう活かすか? も課題でしたね。 

あと、炎上しないように広報担当者へ事前に相談もしました。

「こんな感じでやりたいんですけど、大丈夫でしょうか?」とお話して、打ち合わせをしましたね。エイプリルフール企画をするうえで、広報との連携は大切だと思います。

 

ーーエイプリルフール企画のバナークリック数が、通常よりもかなり多かったそうですが、普段のバナーと比べてどのくらいクリック数が多かったのでしょうか?

 

鈴木:通常の約9倍クリックされました。新しいサービスなどを差し置いて、ここ最近ではダントツにクリックされましたね……。バナーのVPSちゃんは、美大出身の社内デザイナーに描いてもらいました。それをもとに山田さんにバナーを制作してもらいました。

 

通常の約9倍クリックされたバナー

(通常の約9倍クリックされたバナー)

 

山田:バナーについては、とにかく興味を持ってもらえるように、ゲームのパッケージや本の装丁などをイメージして作りました。描いてもらったVPSちゃんの画像がとても可愛くて素敵だったので、それを生かしたデザインにしました。

キャッチはどこか意味ありげですが、よく考えるとそれほど意味がないような言葉が面白そうだと思って、SFのタイトルみたいなイメージにしました。

 

一方、精巧なVPSちゃんとの対比で、コミカルなバージョンのVPSちゃんがいるとおもしろいと思って、別のバナーではギャップのあるVPSちゃんを描きました。

SNSによってはバナーが正方形に切り取られるので、左右のVPSちゃんがいなくなるのも、それはそれでVPSちゃんらしくてよいかなと思いました。

 

SNS等にリンクが貼られたときに表示されるバナー

(SNS等にリンクが貼られたときに表示されるバナー)

ゲーム制作でのこだわり

ーー「VPSちゃんのお仕事大作戦!どきどきわくわく内緒のデータセンター」。このゲームの制作期間はどれくらいでしたか?

 

妹尾:エイプリルフール企画がはじまったのが2月頭なので、制作期間は2か月くらいです。ほかの業務と並行してなので、フルに時間を使えたわけではないですが……。

もともと企画とは関係なく、以前からブラウザ上で3D表現をできないかと考えていて、3Dダンジョンっぽいものを制作して、社内のSlackチャンネルで公開していました。そのときに素材としてVPSちゃんを使っていたのですが、それがエイプリルフール企画に移行することになりました。。 

正式に企画として動くにあたって、ゲームの企画書、シナリオの草案も僕が作りました。去年のエイプリルフールから1年間、VPSちゃんは音沙汰がない状態ですので、そのあたりの立て付けを考えてシナリオを作りましたね。

 

ーー具体的には、どう考えてシナリオを作ったのでしょうか?

 

妹尾:具体的にいうと、1年間音沙汰がなかったVPSちゃんが再登場するときに、どういう話が自然かな? と考えました。

そこで参考にしたのが、当時たまたま読んでいた『キン肉マン』の超人墓場です。これでVPSちゃんは無間地獄にいる方針が決まりました。その無間地獄から脱出する物語にしようとなりました。

あとは、ゲームっぽくするためにはプレイヤーに対してチュートリアルをする必要があります。そこをVPSちゃんに担ってもらおうとしたんですが、VPSちゃんはぶっ飛んだキャラクターなので、丁寧な説明がしっくりこなかったんですよね。 

最初のシナリオ草稿を作って打ち合わせをしたときに「思ってたよりおとなしい」という意見をもらって、たしかに解釈違いだなと思いました。

そこで、いっそ解釈違いにしっかりとした理由をつけようと考えて、最終版のシナリオが出来上がりました。この形になったことで、VPSちゃんを推すキャラゲーという方針が明確になったと思います。

これにともなって、制作期間の都合もありましたが、VPSちゃんを推すのを阻害する要素はどんどんスポイルしてしまえとなりました。みなさんにはぜひスタッフロールの最後まで楽しんでいただきたいですね。

 

ーー妹尾さんは前職などでゲーム制作をしていたのでしょうか?

 

妹尾:仕事で制作をしていたことはないです。個人的な趣味で作っていました。

 

ーーそれはすごい! ゲーム制作でこだわった点を教えてほしいです。

 

妹尾:「ゲームっぽさ」にこだわりました。世間のゲームってその辺りどうやっているんだろう? と思い、いろいろなゲームを調べました。

一番ゲームっぽくなったのは、スタート画面でマップがぐるぐる回っているところです。ユーザーが操作しなくても、世界が勝手に動いている感じがゲームっぽいんです。

アニメーションもいろいろ試して、ゲームっぽい感じの画面を作っていきました。普段のWeb開発業務ではやらないようなことがやれて面白かったです。

このゲームは、いまのところアップデートする予定はないんですけど、ゲームエンジンっぽい部分はしっかり作っているので、来年のエイプリルフールにも使えるかもしれません。

 

山田:たとえば、ゲームをクリアしたら、さくらのVPSのクーポン取得ができるとか良いかもしれないですね。

 

ーーゲーム制作のこだわりを聞きましたが、エイプリルフール企画の反響はいかがでしたか?

 

鈴木:とくに炎上することもなく、無事に終わりました。欲をいえば、もっと話題になってほしかったですね。上司からはGIGAZINEさんに掲載されることを目指そうと言われていたので、掲載いただけたのはうれしかったです。 

GIGAZINE エイプリルフールに便乗しているサイトまとめ2021年版

エイプリルフール企画、社内調整の難しさ

ーーエイプリルフール企画って社内調整が難しそうですが、広報担当者以外の調整はどのようにおこないましたか?

 

鈴木:最初の数週間でプロトタイプ版を作ってから、プロモーション担当に相談しました。あと、絵の素材をもっている社内デザイナーにも使用許可の確認をしました。偉い人には自分の上司を通して話をしてもらいましたね。

企画について、どのレベルの人まで了承をとればいいのか、手探りでやっていました。

 

妹尾:「VPSちゃんファンクラブ」みたいなノリではじめて、表現も結構すれすれなので……。そのあたり、鈴木さんに迷惑をかけたかもしれません。

 

ーー前回は登場してから1年間音沙汰なかったですが、今後のVPSちゃんについて考えていることはありますか?

 

山田:VPSのキャラクターなので、VPSの初心者向け記事に解説キャラクターとして登場してもらう予定です。もう半分公式ですよ!

 

鈴木:なにをもって公式なのかわからないですね(笑)。

 

妹尾:じつは、マニュアル内のバナーにこっそり登場しています。

 

さくらのVPSちゃん マニュアルドキュメント

さくらのVPSちゃん マニュアルドキュメント

エイプリルフール企画を考えている方へアドバイス

ーー最後に、今後エイプリルフール企画をしようと考えている企業担当者の方にアドバイスをお願いします。

 

山田:なんもえらそうなことはいえないです……。エイプリルフール企画をやろうと思っている、1年前の4月2日から企画したほうがいいと思います! 考える期間が長ければ長いほど、いろいろなことができますから。企画や制作の期間が短いとつらいです。

 

妹尾:なんもえらそうなことはいえないです……。でも、企画段階でターゲットはしっかり決めておいたほうがいいです。あとは、広報を視野に入れて内容を考えるべきです。VPSちゃんは迷走しました。

 

鈴木:なんもえらそうなことはいえないです……。おふたりがおっしゃるとおりですね。今回は2か月で企画と制作をおこなったので、大変でした。ターゲットや目的を事前にしっかりと整理して、効果的に時間を使えるようにしたほうがよいと思います。

 

VPSちゃんのお仕事大作戦!どきどきわくわく内緒のデータセンター

VPSちゃんのお仕事大作戦!どきどきわくわく内緒のデータセンター

 

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<今日のウルテク>

やぁみんな、VPSちゃんのお仕事大作戦を楽しんでくれてるかな!?よいこのみんなにビッグなウルテクを紹介するぞ!

まずはブラウザのアドレスバーをクリックしよう!ここに表示されているのを URL (ユーアールエル) というんだ!この URL の末尾に #viewer  とこっそり書き足して Enter (エンター)キーを押してみてくれ!もし何も起きなかったら、 F5 (エフご)キーも押してみよう! するとなんと!ゲーム内のマップやセリフが一度に見られるページが表示されるんだ!パパやママには内緒だぞ!

 

 

執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

編集

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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