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【みんな勘違い】これだけは理解したい!NPO法人に関するよくある誤解4選

 

【みんな勘違い】これだけは理解したい!NPO法人に関するよくある誤解4選

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フリーランス国際協力師の原貫太です。

 

世界的にSDGs(持続可能な開発目標)が社会のスタンダードになり始め、ビジネスの世界でもCSV¹やESG経営²といった言葉があたりまえのように使われている昨今。

ポスト・コロナの世界では、企業とNPOをはじめとしたソーシャルセクターが手を取り合い、社会的なインパクトを生み出していく必要性がますます高まっていくはずです。

その一方で、ビジネスパーソンの中には「NPO法人という言葉自体は聞いたことあるけど、その実態について詳しくは知らない…」といった方も多いでしょう。

 

今回はNPOに関する、非常によくある誤解を4つ紹介します。この記事を読むだけでNPO法人に関する基本的な知識が頭に入りますので、ぜひ最後までご覧ください。

¹CSV…Creating Share Valueの略称。日本語では「共有価値の創造」と訳し、自社の利益に繋がる経済的な価値を生み出しながらも、同時にその本業を通じて、社会的な価値も生み出していこうとする姿勢を指す。

²ESG経営…環境を意味するEnvironment、社会を意味するSocial、企業統治を意味するGovernanceの頭文字を取った略称で、「ESG経営」「ESG投資」のように経営や投資という言葉とともに使われることが多い。

NPO法人に関するよくある誤解①「非営利だから儲けてはいけない」

これはNPO法人で働く側の人間としては、困ることもある誤解の一つです。

例えばNPOが何かしらの事業をやったり、イベントを開催したりする時、お客さんから費用を取ろうとすると「どうしてNPOなのにお金を取るんですか?」と質問されることがあります。

また、企業がNPO法人とコラボする際にも、「NPOなのだからボランティアでいいですよね?」といった提案がされることもあると聞きます。 

 

「NPO法人は非営利団体だから儲けてはいけない」と考えている人がいますが、これは多くの人が勘違いしている誤解です。

NPO法人が儲けること、言い換えると利益を上げること自体には、何ら問題がありません。

 

NPO法人も一般企業と同じように、利益を出して大丈夫です。むしろ利益を出し続けなければ事業を維持することも、拡大することもできません。

ただ、一般的な株式会社のように、儲かった利益を役員や会員で分配することがNPO法人には認められていません。

 

これが、利益を株主の間で分配することが認められている株式会社とNPO法人との、最も大きな違いの一つです。

NPOはNon-Profit Organizationの略称です。日本語では非営利団体と訳します。

この非営利という訳し方が「NPOは儲けてはいけない」と誤解を招く、大きな原因になっています。

 

NPOの「非営利」とは、あくまでも活動によって得た利益を役員や会員で分配してはならないという意味での「非営利」だと理解してください。

もしくは、営利の追求が一番の目的ではないのがNPOと理解してもらえたらと思います。

株式会社のように「今年はよく儲かったからみんなで分けよう」というのはダメですが、事業を通じて利益を上げ、職員に給料を払うこと自体は問題ありません。

 

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NPO法人に関するよくある誤解➁「NPOとNGOは違う組織である」

NPOをはじめとしたソーシャルセクターに関する情報発信をしていると、「NPOとNGOの違いは何ですか?」とよく質問をされます。

NGOという言葉も、ニュースを見ていると、たまに見聞きする言葉ですよね。

結論を最初に言うと、NPOとNGOは、違いが明確に表れるような対立する概念ではありません。NPOとNGOは並存できる概念です

もちろん言葉としての違いはあります。先ほども解説したように、NPOはNon-Profit Organizationの略称を指し、日本語では非営利団体と訳します。

一方のNGOはNon-Governmental Organizationの略称を指し、日本語では非政府団体と訳します。

 

NPOは役員や会員で収益を分配することなく、社会問題の解決を一番の目的とする団体を指します。 

NGOは政府や国際機関とは異なる民間の立場から、貧困や紛争など、国際的な問題を解決するために活動する団体を指します。

NPOとNGOは似ている言葉のため、NPOとNGOの違いが気になる人も多いかもしれません。

 

ですが、NPOとNGOは似ている言葉なだけであって、違いが明確に現れるような対立概念ではありません。

対立軸で捉えるなら、非営利団体を意味するNPOは一般企業(営利団体)と対立し、非政府団体を意味するNGOは公的機関(政府団体)と対立するからです。そもそも対立軸が違います。

そのためNPOであり、また同時にNGOでもある団体はたくさんあります。つまり、NPOとNGOは並存できる言葉ということです。

NPOとNGOは両立できる概念だと理解しておきましょう。

NPO法人に関するよくある誤解③「NPOはみんなボランティア」

NPO法人に関するよくある誤解③「NPOはみんなボランティア」

 

僕が就活する道を捨て、大学4年生でNPO法人を起業した時、こんなことを言ってくる人がいました。

「NPOって、お金の出ないボランティア活動ですよね?原さんはどうやって生計を立てていくのですか?」

このようにNPOはボランティアだと勘違いしている人がとても多いですが、NPO法人の正職員になれば給料はちゃんと支払われます。

 

内閣府が実施した調査によると、全国のNPO法人の平均年収は231万円です。この金額を多いと考えるか、少ないと考えるかは人によって変わりますが、一人暮らしや共働きの家庭であれば、決して生活ができないレベルではありませんよね。

 

また、大きなNPO法人になると年収が400万円から500万円くらいの団体もあります。

ただ、231万円という金額はあくまでもNPO法人全体の平均年収のため、無給、もしくは給料が出てもほんのわずかという団体が多いのも事実です。

 

NPOは限られた資金で活動している団体が多いため、ボランティアや無給のインターンによって支えられているという側面もあります。

ですが、NPOで働いている人がみんなボランティアというわけではありませんし、正職員になればちゃんと給料は支払われますので、そこは誤解しないようにしましょう。

 

NPOの詳しい給料事情を知りたい方は、こちらの記事も読んでみてください。

NPO法人の給料は231万円!どこから出る?待遇は?元NPO職員が全部教えます

NPO法人に関するよくある誤解④「収入源は寄付だけ」

NPOは非営利団体と訳されるため、どこから収入を得ているのか疑問に思う人もいるかもしれません。

NPO法人の収入源として、代表的なものは寄付です。クラウドファンディングやマンスリーサポーターを通じてお金を募り、そのお金を使って社会問題の解決をおこなっています。

 

ただ、NPOの収入源は寄付だけではありません。むしろ株式会社と比べて多様な収入源があるのがNPO法人の特徴です。

 

NPO法人の収入源には、寄付以外にも例えば

  • 会費
  • 助成金や補助金
  • 受託事業収入
  • 事業収入

などがあります。

この記事でそれぞれの違いについてまでは解説しませんが、寄付以外にも多様な収入源があるのがNPO法人の特徴と理解してください。

 

ただ、日本全体のNPO法人のうち3割は年間の資金規模が500万円以下といわれており、そのほとんどは収入を寄付だけに頼っているというのも事実です。

今後、NPOが社会の中で大きな影響力を持つためには、寄付だけに頼らない収入構造を作っていくべきではありますね。

さいごに

NPO法人に関するよくある誤解を紹介しながら、NPOの基本的な知識を解説してきました。

コロナ禍では、公的機関が対応できない分野でNPO法人が活躍したことで、NPOに対する認知度も高まってはきました。

一方で、NPO業界に対しては「なんか怪しい」「何をしているかよくわからない」という方も多いです。

SDGsの理念が普及して世界では、NPOの社会的なプレゼンスが相対的に高まることは間違いありません。

NPOを正しく理解する人が増えれば嬉しいです。

 

こちらの記事もあわせてご覧ください→怪しいNPO法人を見分ける5つのポイント【知らないとダマされます】

 

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執筆

原貫太

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。 フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでにウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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