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テレワーク、プチ不便のススメ。緊張感を演出してマンネリ感を払拭しよう

こんにちは。フミコフミオです。今回は少し真面目にこれからの仕事の在り方について今僕が考えることをお話したい。

そしてテレワークは続く

昨年から続くテレワーク推奨は、まだまだ続きそうな気配だ。営業マンとして働いている僕も例にもれず、顧客との面談をのぞけば、2週間に1回程度出勤するだけの原則テレワークである。

顧客との面談も、ネット環境が整っていない顧客や直接面談でなければ商談をしてくれない顧客(まだまだ多い)には足を運んで話をしているけれど、基本的にはオンラインや電話で済ませるようになっている。

 

古参社員のなかには「営業にテレワークは無理」と言う人もいたが、実際にやってみれば何とかなるものである。

だが、これまでの「足で稼ぐ」「置いてきた名刺の数が決め手」といった体育会系なものから、「拭くための清潔感のある白いハンカチ持参」「マイスリッパの準備」という効果が疑わしいものまで、昭和時代から蓄積されてきた、いわゆる営業テクニックは無効化されてしまった。その現実を受け入れなければ、営業マンは生き残れない。

 

逆にいえば、既存の考え方・やり方にとらわれずに、新しい取り組みが出来て、しかも、仮に取り組みがうまくいかなくても、全部コロナのせいにできてしまう今は、挑戦には適している時代だ。

個人的には、営業という仕事を20年以上続けてきて飽きとマンネリを感じていたので、気軽に新しい取り組みができるようになった現状を歓迎している。そう前向きにとらえて生きている。

 

業種や職種によってはテレワークがはまらないものもあるけれども、現在、テレワークを取り入れている人は、新型コロナが落ち着いた後も、そのままテレワークを続ける人もそれなりにいるだろう。

新型コロナ感染拡大にともなう新しい働き方推奨から1年。今こそテレワーク生活でわかったことやこれからの課題についてまとめておきたい。

 

テレワーク、プチ不便のススメ。緊張感を演出してマンネリ感を払拭しよう

まず、対応力を自画自賛しよう。

僕が最初に言いたいのは、「僕らは自分たちの対応力をもっと誇ろう」「自信を持とう」ということ。

昨年、突然、上司から命じられてテレワークをすることになった人も多かったはずだ。けれども、とりあえず社会生活が完全停止するような大事故や大人災もなく社会が動いている。

 

テレワーク推奨だけではない。あらゆる生活様式の変化が、一度に、しかも集中してあったが、社会はまだ壊れていない。

こうやってインターネットメディアに載せる文章を書いて、その文章をスマホで読む余裕はまだある。それだけで凄い。我慢、忍耐、要請、要望、お願いばかりで褒められることが少ない時代だけれども、これはもっと評価されていい。

 

自画自賛しよう。ソーシャルディスタンスによって人との付き合いが少なくなり、効率と成果が追求されがちで、こうした対応そのものが褒められることは少ない。

だが、褒めてくれる人がいないときこそ、自分で自分を褒めながら、前に進んでいくことは大事だ。

 

職場の先輩たちが酒の席で「俺たちの時代は大変だった」と自慢していた時代よりも、確実に今のほうがハードで厳しい時代だ。

彼らのいうハードはPCもインターネットない時代のため、たとえば調べものひとつでも、資料を集めたり、現地へ実際に訪れてリサーチしなければならなかったりと、マンパワーで仕事をこなすしかなかっただけの話である。大変というよりは、ただ忙しかったのだ。

テレワークを通じて見えてきたもの

一年間続いているテレワーク生活を通じて、それが全面的であれ、部分的であれ、僕らはそれぞれ、「自分たちのテレワーク」を見つけたのではないだろうか。

 

当初はマスコミやネットでも、「テレワークをどうすればいい?」という話題が多かった。テレワークに必要なもの。これまでの仕事をどう落とし込めばいいのか。オンラインミーティングやオンライン商談をスムーズにこなすためには。等々。

その際の「テレワークなのにハンコ押すためだけに出勤する上役www」「オンラインミーティングが終わったあとに上司の悪口を言っていたら全部筒抜け」「ズーム飲み会あるある」といった笑い話も話題になった。

 

先ほど申し上げたように、人間の対応力とはすばらしいもので、テレワーク生活が長くなってくると、それに対応して、当たり前ではなかったことが当たり前になる。昨春から始まったテレワーク要請が数か月続いた秋ごろには、僕らは、気付きはじめた。

「出勤しなくても業務ができてしまうこと」に。「同僚や上司や客と直接顔を合わさなくても案外仕事が出来てしまうこと」に。変化は、便利で楽なものであれば、定着する。さらに、従来の働き方に対するテレワークの優位性に気付いてしまった。

 

テレワークは、従来の働き方よりも、効率的に働ける。雑談や移動時間もカットされ、その時間をつかって企画の原案なら1本、2本は作ることができる。

無意味なミーティングや会議はなくなり、上司からの呼び出しも絶滅。いいことずくめである。僕個人としても、部長以上が参加する部門長会議において、事前に、下級部長の業務とされているお茶の準備をやらなくてよくなり大変助かっている。

 

実際問題、このままテレワークを続けてもいいと考えている企業は意外と多いのではないか。企業としても無駄が省けて、業績が残せるならば、テレワーク化を推し進めて、駅前に巨大なオフィスを構えなくてもよいのだから…。

快適すぎるテレワーク問題

こうしてテレワークが当たり前の働き方になりつつある今、あらたな問題が浮上していることにお気づきだろうか。それはマンネリ感。僕らは慣れてしまったのだ。

かつて、オフィスで働いていたとき、金曜の夕方に襲われる、なんともいえない怠惰な気分をテレワークでも感じはじめている。慣れからの心の緩み。サボり技術の研究。それらによってテレワークの悪い面が出てきている。

 

テレワーク最大の利点である、一人で干渉を受けずに働けるという環境が、必要以上に快適で、緩みにつながっている。そのうえテレワークを快適にする方法やグッズが普及されて、その快適さに拍車をかけている。緩んでしまうのは仕方ないだろう。だって僕らは人間だもの。

 

テレワークに対する抵抗感や戸惑いを払拭することに力が注がれた黎明期。より快適なテレワーク環境構築に向かった発展期。そして今、時間の経過とともにフレッシュさが失われていく夫婦関係のごとくテレワークも倦怠期に入りつつある。

この倦怠感をうまく切り抜けなければ、快適なテレワークが失われてしまう。僕らはまたあの真夏の加齢臭で窓が曇っている満員電車での通勤(片道1時間)や会議前のお茶の準備…あの時代に逆戻りしてしまう。そんなのはもう嫌だろう?

プチ不便で緊張感をゲットしよう

そのような悲劇を避けるために、僕らはここでテレワークの緩みを排除していくことが必要なのだ。あまりにも快適さを追求した流れをとめて、あえて、緊張を強いるようにテレワークをアップデートするのだ。

とはいえ、冬山にパソコンを持ち込むような苛烈に不便なテレワークは、誰からも敬遠され、テレワークという働き方自体を滅ぼしてしまうので、少し不自由で僅かな緊張感を強いる「プチ不便」テレワークを推奨したい。

 

ごく平均的なテレワーク環境とは、デスク、椅子、パソコン。手の届くところにスマホやタブレット、それから息抜き用のテレビやラジオ、ブラックコーヒーの入ったマグカップ、ニンテンドースイッチ、S・キングの文庫本などが設置されているような環境と推測する(僕の環境です)。

最高に快適な環境である。バリバリアイデアが浮いてきて、脳が疲れたら昼寝が自由にできる。だが、この環境に慣れて、飽きているのもまた事実。プチ不便を導入して、少しだけ不便にしてみると、その不便さがフレッシュでいい感じの緊張感がもたらしてくれて、ふたたび仕事がバリバリできるようになる。

 

あえて監視させるという選択肢

あえて監視させるという選択肢

たとえば手の届くところに置いてあるスマホを、あえて、隣の部屋に置いてみる。これまでなら昼寝をしていても、即、電話に出ることができたが、隣の部屋にあることによって、緊張感がもたらされてガチ昼寝が出来なくなる。

着信音オンを推奨するが、不便度をあげるためにバイブ設定にしておくのもありだ。いつ、隣の部屋でスマホが振動するのかわからない緊張感が、快適さに緩み切った僕らを企業戦士に戻してくれるはずだ。

 

プチ不便のコツは快適さを少し不便にすることだ。だから、「ワンちゃんやネコちゃんに癒されながら仕事をするとはかどるよねー」と仰っている方は、気を許すとかみついてくる、あるいは、逃亡をはかろうとする凶悪な動物を部屋に放ってみてはいかがだろう。

トラやヒョウのようなガチで怖い動物は現実的ではないが、野良犬やヘビであれば比較的招きやすいのでは?

 

また、チーム全体で取り組む緊張感アップの方法もある。会議やミーティングでもないのに、あえてオンラインカメラを切らずに、仕事をしている姿を互いに監視しあうのである。

「真正面から働く顔面を見られている」という意識することによって、昼寝はおろか鼻をほじることや放屁することも控えてしまうようになる。もちろん、あくまで「プチ不便」なので、同僚の視線が気になるようであれば、即カメラオフしていただいてかまわない。

 

僕は自宅でテレワークをしているとき、しっかり仕事をしているか奥様に監視されている。トイレに立とうとすると「どうした?」「キリのいいところまで進んだのか」と声をかけられる。ほとんど看守である。

こうした緊張感のもとで多少不自由なテレワークができて仕事が捗っているのは彼女のおかげである。この原稿も彼女の監視下で書かれたものである。この場を借りて感謝申し上げたい。

力を抜いて前に進むことが大事

このように、多少の不自由さと緊張感をブレンドするなどして、失われた会社感を演出していって、マンネリ感を払拭していければ、テレワークを楽しく、飽きずに続けていけるのではないか。

まだまだ厳しい状況が続きそうな世の中で、希望を見出すことも難しい状況であるけれども、働くから逃げずに、「プチ不便」で真面目に時々ふざけながら適度に力を抜きながら前に進んでいけば今はいいと思うのである。以上。

 

 

執筆

フミコ・フミオ

大学卒業後、営業職として働き続けるサラリーマン。 食品会社の営業部長サンという表の顔とは別に、20世紀末よりネット上に「日記」を公開して以来約20年間ウェブに文章を吐き続けている裏の顔を持つ。 現在は、はてなブログEverything you’ve ever Dreamedを主戦場に行き恥をさらす
Everything you've ever Dreamed : https://delete-all.hatenablog.com/
2021年12月にKADOKAWAより『神・文章術』を発売。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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