さくらインターネットは4月にリモートワークを前提とした新しい働き方に移行することを発表しました。
広い部屋に引っ越すことで、QOLを上げた江草陽太。時間を有効活用し、家庭内菜園をはじめた阿部紘子。全国各地でワーケーションをしている城戸彩乃。
この「新しい働き方」を実践している3名の社員に話を聞きました。それぞれが働きやすさを求めて工夫をし、リモート前提の働き方を楽しんでいるようです。
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右上:江草 陽太(えぐさ ようた) さくらインターネット 執行役員/最高情報セキュリティ責任者
右下:阿部 紘子(あべ ひろこ) さくらインターネット 社長室 広報
左下:城戸 彩乃(きど あやの) さくらインターネット 事業開発本部 クロスデータ事業部
左上:聞き手 川崎 博則(かわさき ひろのり)
リモートワークを前提とした働き方への移行を聞いたとき
ーー本日はよろしくお願いします。今回はリモート前提の働き方が発表されてから引っ越しをされた方に集まっていただきましたが、会社から4月にリモート前提の働き方になったと聞いたとき、どう思いましたか? また、引っ越そうと思った背景について教えてください。
阿部 紘子(以下、阿部):新型コロナウイルス感染症の拡大に備えて、3月から自宅でのリモートワークに移行しました。なので、1か月近くは当時の自宅で働いていたんです。当時の家は家賃が非常にリーズナブルでしたが、日当たりが悪く、その環境で日中も家で過ごすのにはつらかったです。「限界だな」と思っていたところ、会社からリモート前提の働き方の方針が発表されて、これで引っ越しができる! と思いました。今は、同じ町内の日当たりがよい場所に引っ越しました。
城戸 彩乃(以下、城戸):私の場合は、2月末くらいからリモートワークをはじめていました。そこで、リモートワークは自分に合っていると感じていたんです。なので4月にリモート前提の働き方が発表されて良かったなと思いました。最初は長野、次に北海道小樽市、現在は香川県高松市で働いています。香川県は暖かくて海も近くて、雨も少ない。とても気に入っています。
江草 陽太(以下、江草):以前からリモートワークをすることもあり、リモートで仕事するかオフィスで仕事するかに違いはあまり感じていませんでした。もともとは東京オフィスから徒歩7分くらいのところに住んでいたのですが、いまはドア・ツー・ドアで1時間くらいのところに引っ越しました。
家賃を下げて、部屋は広くなるところにメリットを感じましたね。ただ、利便性は下げたくなかったので、会社まで電車で1本で行ける・駅から近い・羽田空港までリムジンバス1本で行ける、という条件で探しました。
ーーすぐにリモート前提の働き方が撤回されたらどうしよう、という不安はありませんでしたか?
阿部:「コロナが落ち着いたとしても戻しません」という会社からの宣言がありましたよね。とはいえ、撤回される可能性も考えてないわけではなかったので、いま困っている課題さえ解決できればいいと思って、同じ駅で条件のいいところに引っ越しました。
城戸:撤回されたら戻ればいいかなと考えていました。長く住まないといけない感覚は特にないので。会社の事情に合わせて、自分の行動も変えたらいいかなと思います。ただ、撤回はしませんと発表されていたので、どこに行っても平気かなと考えるようにはなりました。
江草:私の場合は撤回されても、リモートワークを増やそうと考えていましたし、オフピーク通勤する分には電車に乗っている間も座っていられるので、まあ元に戻ってもいいかなという範囲で引っ越しを考えました。
ーー引っ越しをして、働くうえで良かったこと、困ったことについて教えてください。
阿部:良かったことは圧倒的に日当たりが良くなったので、家で仕事をしていても外が見られて、太陽の光が入ってくることです。気持ちが変わってきますね。それと、家に庭がついているので、家庭菜園をはじめました。トマト・ナス・大葉・レモンバーム・ミント・レタスなどを育てています。困ったことについては、あまりないんですよね。強いて言えば、家から出なさすぎるということです。
城戸:旅行しながら働く「ワーケーション」のような働き方なので、リフレッシュしながら仕事ができて、平日の仕事の生産性向上に繋がっていると思います。困ったことは、リモート先によっては通信環境が安定しないことです。
一応の対策として、ホームWi-Fiを複数持っていますが、もう少し何か打ち手を考えたいなと思っています。。次にリモートワークをする予定の大分では、通信環境が良い部屋を利用することが決まっています。
江草:良かったことは部屋が広くなったので、散らかりにくくなったことです。収納スペースと生活スペースが分離されましたから。あとは引越し先の環境が良くて、少し大通りに出ると左右に山が見えるのがお気に入りです。
山と言っても正確には丘なんですけど。困ったことは、オフィスに行く必要があるときに電車に乗らないといけないことですかね。でも、オフピーク時に移動するようにしているので混雑は避けられます。
オフィスに出社する頻度について
ーーみなさん、オフィスに出社する頻度ってどれくらいですか?
阿部:月に2,3回くらいです。出社するにしても用事に合わせて、オフピークに出社するようにしています。
城戸:この半年で1回だけ出社しました。そのときは北海道に住んでいたので、飛行機で東京のオフィスまで行きました。
江草:週に1回くらいですかね。仕事上は別に行かなくてもいいんですけど、みんなと雑談をしに行く感じです。
ーー先ほどは働くうえでのお話をうかがいましたが、リモート前提の働き方になってプライベートで良かったこと、困ったことはありますか?
阿部:通勤時間がなくなった分、いままでできなかったことを始められました。先ほどお話しした家庭菜園もそうですし、休憩時間の合間に掃除や家事の時間も増えたので部屋がきれいになった気がします。
困ったことは、家の中が快適すぎてあまり外に出ることがなくなって運動量が落ちたことですかね。そこはなんとかしないといけないと思っています。
城戸:休日に副業をしていることもあって、東京にいたときは宿泊を伴うような遠方の旅行はほとんどしていませんでした。いまは日本各地で働くことができているので、住んで働いているその場所で新しい発見があったり、良い経験ができているなと思います。
あと、2か月に1回リモートワークをする地域を変更しているので、荷物が減ったのは良いことだと思っています。必要最低限だけ残して、ミニマムに暮らすことを心がけるようになりました。困ったことは、地域によってゴミ出しルールが毎回変わるので、大変だなと思いました。
それと、地域や部屋を変更するごとに睡眠の環境が変わるのでセンシティブな人はそのあたり気をつける必要があるかもしれません。私の場合はお気に入りのマットレスを持ち運んでいて、そんなに気にならないんですけどね。
江草:良かったことは家が広くなったことで、なんとなく心のゆとりができたことですね。時間の余裕もできたので、以前より睡眠時間が増えました。
もともと8時間くらい寝ていましたが、いまは9時間から10時間くらい寝ていると思います。睡眠は大事です。困ったことはとくにないんですよね。
さくらインターネットの働き方で魅力的な点
ーーみなさんが感じる、さくらインターネットの働き方で魅力的なところを教えてください。
阿部:社内の雰囲気ですかね。制度は揃っているけど、実際に使うことはできないケースがあると思うのですが、さくらではそれがないのがいいですね。
多くの人が「さぶりこ」という制度を利用していて、役職に関わらず制度を利用しやすい雰囲気になっています。そのため働き方の面ではかなり魅力があると思っています。
城戸:自分で働く場所を選ぶことができるのはいいなと思います。あと、業務に必要であれば自分のパソコンを申請して利用できる点とか。半強制的にデスクトップの大きいパソコンを使わされるということがないじゃないですか。効率よく働くためのツールを選べるのはいいですね。
江草:時間の融通がきくことですね。「さぶりこ フレックス」を利用して、ちょっと遅い時間から業務をはじめることができます。人にもよるとは思いますが、細かい業務の順番ではなく、「やるべきことをやる」ということが重視されるのがいいところだと思いますね。
ーー社会全体の働き方が、さらにこうなればいいのにという希望はありますか?
阿部:最近、政府も取り組んでいますが、印鑑登録証明など厳密な確認が必要な書類を除き書類にハンコを押す必要がなくなると、場所に縛られない、多様な働き方の選択肢が持てると思います。
また社会全体の働き方が変わっていくと、各社の特色が出てくると思うので、自分の好みに合った会社で働くことができるようになると思いますね。
城戸:1日8時間など、決められた一定時間は働くというルールに引っかかっています。成果が出せているのであれば、働く時間数も選べるようになると、成果にコミットしようと思うし、自分のやりたいことを実現しやすくなると思います。調子が良いときは長く働いて、調子が悪いときは短時間で仕事をやめてしまったほうが効率いいと思うんです。
江草:城戸さんがおっしゃることに共感します。労働基準法の関係で仕方がないことですが、管理職だけではなく一般社員も同じような働き方ができればいいと思いますね。
働き方を良くしたいと思っている従業員側と、いい意味でゆるい条件にしたい企業側がうまくいくような社会になれば良いなと思っています。