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ライフワークは見つけるものじゃない。気づくものだ【やりたい仕事が見つからない人へ】

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フリーランス国際協力師の原貫太です。日本とアフリカを往復しながら、組織に属さないフリーランスとして国際協力をしています。

ブログやSNSで自分の働き方を発信していると、フォロワーから「原さんのようにライフワークを見つけるには、どうすればいいのでしょうか?」と質問されることがあります。

僕自身は国際協力という仕事を、自分のライフワークだと捉えています。生涯の仕事として、人生をかけて挑戦していきたいテーマです。

でも、最初から国際協力をライフワークにしようと考えていたわけではありません。目の前の仕事に淡々と取り組み続けた結果、あとからその軌跡を振り返ってみた時に「これが僕のライフワークかもしれない」と気づいたんです。

就活中の大学生や、仕事が楽しくないと感じる社会人の中には、「ライフワークの見つけ方がわからない」と悩みを抱えている人も多いようです。

しかし、僕は一般的なライフワークの見つけ方、別の言い方をすれば、誰もが共通して実践できるものは存在しないと思っています。

それよりも大事なのは、自分の直感を信じ、心が反応する方向へまず一歩を踏み出してみること、そして、目の前にある一つひとつの仕事に集中し、行動を起こし続けることです。

「いま、ここ」に集中する生き方こそが、本当の意味でライフワークを見つけることに繋がります。

始まりはただの直感だった

ライフワークとは、「生涯の仕事として人生を捧げて取り組むテーマ」を意味します。ライフワークという横文字より、「天職」という言葉を使ったほうがわかりやすいかもしれません。

僕のライフワークは国際協力です。世界で起きている問題を解決するために支援活動をしたり、社会問題に関心を持つ人を増やしたりするため、様々な仕事に取り組んでいます。

国際協力は働き方というよりも生き方と捉えているからこそ、一生涯をかけて取り組んでいきたいテーマです。

でも、国際協力に関わり始めた当初は、まさかこの活動が自分のライフワークになるなんて想像すらしていませんでした。

なぜなら、始まりはただの直感だったからです。

僕が国際協力に興味を持った最初のきっかけは、今から7年近く前。まだ大学1年生だった時にフィリピンのスタディツアーに参加したことでした。

幼い頃から国際協力に興味を持っていたわけではありません。フィリピンのスタディツアーに参加した動機も「就活の話題作り」くらいにしか思っていませんでした。

ストリートチルドレンの子どもたちに給食活動をしている様子
ストリートチルドレンの子どもたちに給食活動をしている様子

そんなフワッとした気持ちで参加したスタディツアーでしたが、たまたま現地滞在最終日、路上で物乞いをする一人の女の子と僕は出会いました。

彼女はボロボロのワンピースを着て、裸の赤ちゃんを抱えながら、車が激しく往来する道路で一人物乞いをしていたんです。

その光景を見た僕は、まるで雷に打たれたかのような衝撃を覚えました。「世界にはこんな不条理な現実があるのか」と。

それだけ大きな衝撃を受けた理由は、今考えてもよくわかりません。

でも、直感的に「世界の問題に対して、何かをやりたい」と感じ、まずはボランティアでもいいからと、国際協力の活動を始めてみることにしました。

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ライフワークは見つけるのではなく、振り返った時に気づくもの

その後は大学に通う傍ら、様々なことに挑戦しました。

自分でボランティア団体を立ち上げたり、国際協力に関するイベントや講演会を企画したり、NGOのインターン生として難民支援に関わったり。

アフリカで難民支援活動に関わっていた時
アフリカで難民支援活動に関わっていた時

でも、活動を始めた当初から国際協力を仕事にしようと考えていたわけでも、綿密なキャリアプランを立てて一つひとつの活動に取り組んでいたわけではありません。

直感的に「やろう」「やりたい」と思ったことに飛びつき、その時々の自分ができる最大限の努力をすることだけに集中していました。

そして気づけば、もう7年以上も国際協力の世界に関わり続けています。こんなにも長い間自分の気持ちが続くとは思ってもいませんでした。

学生時代の経験を振り返って思うのは、「ライフワークには一般的な見つけ方なんて存在せず、あとから振り返った時に気づけるものだ」ということです。

世間では様々なことが言われています。

「5年後のなりたい姿をイメージしろ」

「キャリアプランニングをしろ」

「過去の経験を遡り、未来の計画に活かせ」

でも、僕はこう思います。ライフワークは頭で考えたら見つかるというものではなく、「いま、ここ」に集中して行動し続けた結果、いつかその軌跡を振り返った時、自然と気づけるものなのではないかと

人は過去でも未来でもなく、今しか生きられない

「人生とは、連続する刹那である。」

僕が好きなアドラー心理学の提唱する考え方です。

人は過去でも未来でもなく、「いま、ここ」にしか生きることはできません。

「自分がやりたい仕事はなんだろう」

「自分の人生、こんなはずじゃなかった」

「自分は5年後、どうなっていたいのだろう」

そうやって悶々と悩み、過去の失敗を憂いたり、未来を心配したりしても、何の意味もありません。

なぜなら、私たちの人生には、「いま、ここ」しか存在しないからです。

今この瞬間の自分を信じて、目の前のできることを続けた結果、いつの日か「こんなところまでやって来たんだ」と気づける。

その時に初めて、「これがライフワークなのかもしれない」と、少しずつ自分のやりたい仕事が見えてくるのだと思います。

スティーブ・ジョブズが語った「ライフワーク」

Apple創業者のスティーブ・ジョブズがスタンフォード大学の卒業式でおこなった「伝説のスピーチ」の中で、”Connecting Dots”(点と点を繋げる)という話をしています。

非常に有名なスピーチなので、ご存知の方も多いでしょう。

一つひとつはバラバラの経験でも、時が経ち、いつの日かそれらの「点」が「線」として繋がる。

ジョブズもスピーチの中で、「大学を中退し、自分の好きなことをやっていた経験が、のちにMacを生み出す時に役立った」と語っています。

それぞれの経験は違った様相を見せていても、目の前のできること(点)に真摯に取り組み続け、いつの日かその軌跡を振り返った時、それらが一つのストーリー(線)として繋がる。

そうやってあとから気づけるものこそが、本当の意味でのライフワークだと思うのです。

さいごに

自分のライフワークがわからなくても、悩む必要はありません。安易な自己啓発に走る必要もありません。

自分が好きなことや直感的に興味を感じることがあるなら、まず最初の一歩を踏み出し、そして淡々と続けていきましょう。

あなたが「いま、ここ」でできることに、一所懸命に取り組み続けましょう。 「いま、ここ」を真剣に生きていきましょう。

そうすれば、いつの日か後ろを振り返った時に、「これが私の人生なんだ」と思える仕事にも気づけるはずです。

それこそが、ライフワークなのだから。

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執筆

原貫太

1994年生まれ。フリーランス国際協力師。早稲田大学卒。 フィリピンで物乞いをする少女と出会ったことをきっかけに、学生時代から国際協力活動をはじめる。これまでにウガンダの元子ども兵や南スーダンの難民を支援。出版や講演、ブログを通じた啓発活動にも取り組み、2018年3月小野梓記念賞を受賞。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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