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扱いづらいテーマを扱わなければいけないときにどうするか?

 こんにちは。かもめんたるというコントメインのお笑いコンビをやりながら、脚本家、演出家、漫画家などもやっている岩崎う大です。

こちらのコラムでは毎度、ユーモアを形にすると言う作業を四コマ漫画を作る過程を紹介しながら体験していただいております。  

 

 毎度、旬なテーマ(お題)を選んで四コマを描いてきました。そして、アイデアの出し方、アイデアの形に仕方などをやってまいりました。そのためにテーマ(お題)は、間口の広い、当たり障りがないものを選んでやってまいりました。  

 

 今日は、趣向を変えて、あえて扱いづらいテーマを選んでみたいと思います。今回は「死」というものをテーマに四コマを作ってみたいと思います。  

「死」というもので、四コマを描くのは僕も初めてのことなので、どうなるかわかりませんがやってみましょう!  

 

 「死」に限らず扱いづらいテーマは、まず笑いにくい、そして下手したら不謹慎だと炎上してしまう可能性もあります。その辺に気を配りながら作っていきましょう!  

 

 まずは、いつも通りの手段を踏んでいきましょう。「死」の周りにあるイメージを挙げてきましょう。「悲しい」「お葬式」「寿命」「事故」「突然」…やっぱりなかなか暗いイメージになってきますね。

あ! とても良いのを思いつきました。「死神」。これはどうでしょう? なかなかポップになりますね。  

 

 「死神」にまつわるイメージを挙げていきましょう。「マント」「大鎌」「枕元に立つ」「顔がガイコツ」。「大鎌」でひとつ思いつきました!  

 

「死神」

「死神」

 

 実は最初は鎌が小さいというボケにしようかと思ったのですが、家にある鎌ってビニールのカバー掛かってるなあと思って、そっちにしてみました。ちなみに、最初死神に出会うのをもっと若者にしてたんですが、死神が訪れるということは死ぬということで、若者だとかわいそうなのでおじさんにしてみました。  

 

 うーん。「死」というテーマから逃げすぎですかね? かなりポップな感じになりましたね。まあ、こういう扱いづらいお題を与えられた時にこういう逃げ方もあるということで良しとしましょう!

で、次はもうちょっと「死」というテーマに正面から向かってみましょうか。  

さっき上げた「突然」というのを使って漫画にしてみましょう。「突然の死」はかなり不幸度合いが高く、よりユーモアにする時は注意が必要です。  

 

 やっていきましょう。「突然の死」にまつわるイメージを挙げていきましょう。「大不幸」「号泣」「事故」「殺人」「本人も死んだ自覚無い」「オバケになる」「生きてる人間に話しかけようとする」「成仏できない」。ちょっと描いてみます。  

 

「突然の死」

「突然の死」

 

 これは、「大不幸」「事故」「オバケになる」とかいうイメージからできた四コマですが、面白さとしては「純粋に自分の死を嘆くより気になることができた」という所ですよね。だから大不幸なのにそれに付随するミニ不幸が出現するもどかしさといったところでしょうか。

死んだ本人が「死」のサイドにあるものに気を奪われることで、死というテーマの重さから逃げることができるので笑いになるのですね。他人の死を扱うより、本人の死を扱うほうが不謹慎になりづらいし、笑いやすいものになりますね。  

 

 最後に、死というものをまた別の角度から漫画にしてみます。死にまつわる不幸ではないイメージを挙げていきましょう。「誰にでも平等に訪れる」「転生する」「天国へ行く」「悟り」「永遠になる」「死があるから生きる喜びがある」。こんな所から漫画を作りたいです。

 

「問い」

「問い」

 

 これも死をテーマにした四コマ漫画ということになるでしょう。そもそも死にまつわるネガティブではない部分を扱っているので、笑いづらさや不謹慎になったりするリスクはありません。 このように扱いづらいテーマでもユーモアとして形にしていくことは可能です。ぜひ皆様の人生の参考にしてみてください!

 

 

 

執筆

岩崎う大

早稲田大学政治経済学部卒業。「かもめんたる」として2013年にキングオブコントで優勝する。お笑いだけではなくナイロン100℃に出演するなど舞台・役者・脚本・作家などジャンル問わず、多方面に活動の幅を広げる。自身が立ち上げた劇団かもめんたるでは作・演出・出演をこなし、八嶋智人氏などの数多くの役者から出演オファーが殺到するほど人気劇団に急成長している。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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