サブスクリプションサービスとは、契約期間中、定期的に一定の金額を支払うことで、商品やサービスなどの利用が可能になる定額制サービスです。
デジタルトランスフォーメーション(DX)が進み、多くの企業がサブスクリプションサービスにビジネス展開しています。そんな「サブスクリプションサービス」の月額平均利用金額の相場や、市場規模について説明していきます。
サブスクリプションサービスとは
近年、サブスクリプションサービスが話題になっています。さまざまな分野でサブスクリプションサービスが導入され、あの「トヨタ自動車」も車のサブスクリプションサービスを導入しました。
それだけ注目されている、ビジネスモデルといえます。2020年には更に注目されそうです。さくらインターネットがサーバーをサービスとして提供する「ホスティング」も、まさに定額制のサブスクリプションサービスといえます。
最近では動画配信や音楽配信といったものから、飲食や美容院のシャンプーといったものまで、あらゆるものが定額制のサブスクリプションサービスで提供されています。
2019年には一般社団法人日本サブスクリプションビジネス振興会による「日本サブスクリプションビジネス大賞2019」が開催。さくらインターネットもプラチナスポンサーとして参加しました。
日本サブスクリプションビジネス大賞2019では「トイサブ!」というおもちゃ・知育玩具を隔月でレンタルできるサブスクサービスがグランプリに輝きました。子どもの成長に合わせたおもちゃが定額制でレンタルできるのは親にとってありがたいサービスですね。しかも送料無料で使えるのでお得! 料金は月額 3,340 円(税抜)のようです。
日本サブスクリプションビジネス大賞2019には、「さくらインターネット賞」もあり「GooPass」というサブスクサービスが受賞しています。このサブスクサービスはカメラ機材の入れ替え・交換が定額制でレンタルし放題というサブスクリプションサービスです。
料金は月額 5,800円(税抜)で送料無料、別途梱包料金がかかります。カメラを始めようと思っている方や、旅行で良いカメラを使いたいという方にピッタリなサービスですね。
サブスクリプションサービスの平均利用額
さまざまなサブスクリプションサービスが誕生していますが、みなさんはサブスクリプションサービスと聞いてどんなサービスを思い浮かべるでしょうか? この記事を書くにあたり、自分が使っているサブスクリプションサービスと、その利用金額を調べてみました。
【著者が使っているサブスクリプションサービス ※料金額は2020年3月時点】
- Abema TV(料金:960円)
- Netflix(料金:1,200円)
- Amazonプライム(料金:500円)
- Kindle Unlimited(料金:980円)
- 福しんギョウザ定期券(料金:500円)
毎月の利用料金は4,140円。年間にすると約5万円をサブスクリプションサービスに支払っている計算となります。年間5万円の料金は結構大きい金額です。
消費者庁が公開している「ひと月あたりのサブスクリプションサービスに支払う金額TOP3」を見ると、
・1,000円以下:43.3%
・2,000円以下:22.5%
・3,000円以下:10.6%
らしいです。……え、月々1,000円以下の人が半数近いの!? 4,000円以上使う人は全体の15%程度とのこと。やばい、完全に使いすぎてる……。
7.4%の人は、お試し期間中に無料体験をして辞めているようです。私もいくつかのサービスを、お試し期間中に無料で利用しました。
こうした料金無料のお試し期間を設けているサービスも多いので、まずは一度試してみるのも良いと思います。気軽にお試しできるのもサブスクリプションサービスの魅力です。
サブスクリプションサービスの市場規模
サブスクリプションサービスの国内市場規模は約5,627億円(2018年度)だそうです。 ちょっと額が大きすぎてよくわかりませんが、すき家の牛丼並盛16億杯分と考えればわかりやすいでしょうか。もしくは、いま大人気の漫画「鬼滅の刃」が11億冊分と考えればわかりやすいかもしれません。
鬼滅の刃面白いですよね。無限列車編が最高なので、映画化が楽しみです。サラリーマン視点で考えてみると、皆さんご存知の無惨様(鬼舞辻 無惨)が上司だったら最悪ですよね。十二鬼月の下弦が集められた話はヤバいです。パワハラってレベルじゃありません。やっぱり上司にするならお館様が理想です。鬼滅の刃のことを書き始めたら止まらなくなるのでこのあたりでやめます。
サブスクリプションサービスの市場規模は今後も伸び、2023年度には約8,623億円になると予測されているようです。特に現在はあまり利用が進んでいない、非デジタル系(飲食・ファッションなど)のサブスクリプションサービスが成長するといわれています。
以前に焼肉チェーンの牛角が「焼肉1カ月食べ放題定額PASS」を販売したところ、想定以上に売れすぎて販売休止したことがありました。月額料金11,000円で1日1回、焼肉食べ放題と聞いた時、安すぎるだろ! と思い、私も買おうと思ったのですが買えませんでした……。
それだけ、飲食のサブスクリプションサービスには需要があるということです。飲食のサブスクリプションサービスを、1カ月お試し料金無料でやったらお客さんが殺到しそうですよね。私なら即、お試しで申し込みます。
サブスクリプションサービスのメリット
サブスクリプションサービスのメリットについてはたくさんあります。代表的な3つのメリットをご紹介します。
サブスクリプションサービスのメリット① いろいろな商品、サービスを購入・レンタルできる
NetflixやHuluといった動画配信サービスを利用すると、いろいろなジャンルの作品を見ることができます。映画、ドラマ、バラエティ、アニメといった作品が代表的です。普段は見ないような動画もサブスクリプションサービスだとついつい見てしまうという経験は誰にでもあるのではないでしょうか。
私もNetflixに加入してから、いままで全く興味のなかった海外ドラマにはまりました。おすすめは「SUITS/スーツ」です。日本でも日本人キャストでドラマ化しましたね。
Netflixさえあれば1日中、家の中にいても退屈せずに過ごせるので使っていて満足度が高いです。
しかも、Netflixはお試し期間として1カ月料金が無料で利用できます。多くのサービスで無料お試し期間や広告ありの無料プランがあるので便利です。私は音楽配信サービスのSpotifyを、無料プランで利用しています。広告が気になる方はプレミアムプランに加入すれば、広告なしで音楽を楽しめます。
このように、気軽に新しい発見ができるのも、サブスクリプションサービスの良いところです。
サブスクリプションサービスのメリット② 定額制なので安心して使える
特に動画配信サービスで実感しますが、どれだけ動画を見ても料金が変わらない定額制というのは良いですね。現在Amazonプライム・ビデオで「サザエさん」が見られるのですが、全部で460話配信されています。
1話あたり約25分なので、全部見終わるまでに11,500分(約191時間)かかります。どれだけ見ても月額料金500円ってめちゃくちゃ安いですね。価格破壊すぎます。もちろん、サザエさん以外の作品も定額制なので見放題です。
サブスクリプションサービスのメリット③ 使いたいときにだけ利用できる
忙しくて利用する時間がない、使いすぎて飽きてしまった。そんなときには一度サービスを解約して使用を中断する選択をすることもできます。
福しんギョウザ定期券(料金:500円)を使うと1日3回、1回の来店ごとにギョウザ6個が無料で食べられますが(利用条件あり)、欲張って毎日ギョウザを食べていると飽きてきますし、体からギョウザ臭がするようになります。
私は福しんのギョウザが大好きなので利用し続けますが、一般の方はつらくなったら断ギョウザ期間を設けるのも良いと思います。
サブスクリプションサービスのデメリット
良いところだらけに見えるサブスクリプションサービスですが、注意しなければならない点もあります。サブスクリプションサービスのデメリットを3つご紹介します。
サブスクリプションサービスのデメリット① 利用しなくてもお金がかかる
サブスクリプションサービスは定額制なので、サービスを利用しなくてもお金が請求されます。加入していることを忘れていて、いつの間にか利用していないサブスクリプションサービスにお金を払っていたということも考えられます。
無料のお試し期間を忘れていて、いつの間にか継続していたというケースもありそうです。
中には解約の仕方をあえてわかりづらくしているサービスもあります。企業視点で考えると、サブスクリプションモデルの事業は解約させないことが儲けにつながる、と考えている場合もあります。
自分が何のサブスクリプションサービスに加入しているか、無料のお試し期間はいつまでか。また、無料のお試し期間で利用してみてお金を払っても継続利用したいか、しっかり考えましょう。手間ですが、不要なサービスがあれば、見直すことを意識することが大切です。
サブスクリプションサービスのデメリット② 追加費用が発生することがある
定額制なのに追加費用? と思うかもしれませんが、動画や音楽の配信サービスには定額制でも追加費用がかかる場合があります。例えば、古い作品は定額で利用ができるけど、新しい作品は別といった感じです。
アカデミー賞でホアキン・フェニックスが最優秀主演男優賞を受賞して話題になった「JOKER(ジョーカー)」。この映画をAmazonプライム・ビデオで見ようとすると追加で399円がかかります。プライム会員でも関係ありません。名作なので個人的には安っ! と思いますが、追加で費用がかかるので注意が必要です。
サブスクリプションサービスのデメリット③ サブスクリプショントラップ
日本では聞き慣れない言葉ですが、簡単にいうと「サブスクリプションサービスに見せかけた詐欺」です。具体的にどんな詐欺か説明します。これは、無料のサービスや商品でユーザーを誘い、契約内容や契約したこと自体をわからなくして契約締結させる詐欺を意味します。
欧州では、アンケート回答者の12%がサブスクリプショントラップの被害に遭った経験があるそうです。また、損害金額は総額で4億530万ユーロ(約482億円)にもおよびます。
日本でもサブスクリプションサービスが成長するにつれ、こうしたサブスクリプショントラップが増えていく可能性があるので注意が必要です。
(参考:消費者庁 サブスクリプション・サービスの 動向整理)
サブスクリプションサービスの今後
はじめに、今後もサブスクリプションサービス市場は伸び続けるとお伝えしました。ただ、サブスクリプションサービスの認知状況を調査したデータによると、全体の半分の人は知らないと答えています。
まだまだ伸びしろがあるということです。間口を広げるために企業は、一定期間無料のお試し期間を設けて、サービスを体験してもらう努力をしているんですね。
現在は動画配信や音楽配信といった、デジタルコンテンツを配信するサービスが多いです。しかし、これからは生活に関わるあらゆるものが、サブスクリプションサービス化するのではないでしょうか。
企業にとっても、サブスクリプションモデルは毎月継続的に収入があることで計画が立てやすいです。業績の上下も比較的穏やかなので、導入が進んでいくと思います。とても良くできているビジネスモデルです。
まとめ
- サブスクリプションサービスとは、契約期間中は定額料金で、商品やサービスなどの購入やレンタルが可能になるサービス
- ひと月あたりのサブスクリプションサービスに支払う金額は、約半数の人が1,000円以下
- 無料のお試し期間が設けられているケースもある
- サブスクリプションサービスの市場規模は今後も伸び、2023年度には約8,623億円になると予測されている
- サブスクリプションサービスのメリットは① いろいろな商品、サービスを利用できる、② 定額制なので安心して使える、③ 使いたいときにだけ利用できる
- サブスクリプションサービスのデメリットは① 定額制なので利用しなくてもお金がかかる、② 定額制でも追加料金が発生することがある、③ サブスクリプショントラップに注意する必要がある
これからもサブスクリプションサービスは伸び続けるので、注目していきたいです。
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