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マックスむらいさん「守りから攻めに転じるため、社長に復帰した」

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マックスむらいさん

本名、村井智建。1981年12月11日生まれ。石川県出身。AppBank株式会社 代表取締役社長CEO。経歴:防衛大学校を退校後、2000年に株式会社ガイアックス入社。2006年に占いコンテンツなどを提供する株式会社GT-Agencyを設立。2012年にAppBank株式会社を設立。2013年からはニコニコ動画やYouTubeに出演し、運営する「マックスむらい」チャンネルでは日本最大級の登録者数を獲得。日本で唯一の上場企業の社長YouTuber。

Twitter:@entrypostman

YouTube:「マックスむらい」チャンネル

ニコニコ動画:マックスむらい部

各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回は2ヶ月前にAppBank株式会社の社長に復帰したマックスむらいさんにお話をうかがいました。YouTubeのテレビCMにも出演した人気YouTuberでもあるマックスむらいさんにビジネスの話からYouTubeの話まで、幅広く語っていただきました。

 

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マックスむらいさん「ここからの10年は攻めに転じたい」

――先日、AppBank社の代表取締役社長CEOに復帰されました。あらためて、マックスむらいさんは今後のAppBank社をどうしていきたいと思っていますか?

真面目な感じで大丈夫ですか?(笑)。そもそものAppBank社の成り立ちからお話させていただくと、AppBank自体は2008年に日本でiPhone3Gが発売された時に立ち上げたメディアなんです。僕もライターとして活動していました。

それを2012年に会社化したので、創業からは8年になるのかな。創業した時は、ガラケーvsスマートフォンという構図の中で、スマートフォンは流行らないんじゃないかという風潮があったんですね。

 

その中で、スマートフォンの世界をどう広げていくかということを考えて、自分たちはiPhoneアプリのレビューにフォーカスしたメディアをスタートしたわけです。

2012年にパズドラ(パズル&ドラゴンズ)がブレイクすると同時に、AppBankはゲーム攻略メディアとして進化していき、ちょうどYouTubeやニコニコ動画が台頭する時代の変わり目でした。

 

そこにたまたま私のようなキャラクターとパズドラというコンテンツがセットになって、 一気に巨大メディアに成長したんです。メディアとして成熟しきったのが2015年で、その年の10月に上場しています。その上場直後に、横領事件というのが発覚して……。

そこからはもう大変な4年間でした。オワコンと評価をされたりもしましたし。会社としてもディフェンスに転じざるを得ない状況が続いたのですが、立て直しの目途が経って、2020年から始まる次の10年をどうするかというときに、私がもう一回社長に戻って攻めに転じようっていうのが今なんです。

社長に復帰してやりたいこと

社長に復帰して、今後どうしたいかというと、「AppBankはスマホ業界の盟主であってほしい」んですよね。スマホの世界において、何らかのジャンルでトップを走っている会社であってほしい。

今は、そのための組織作りや、コンテンツ作り、パートナーシップの形成に努めたいと考えてます。

 

メディアの規模を表すのにPV(ページビュー)数は大きな一つの指標になると思うのですが、AppBank単体で全盛期の時で月間2億PV弱ぐらいだったんですよ。

それが今、10分の1程度に低迷してるので、5,000万から1億PVといったところを目標としていきたいですね。

 

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マックスむらいさん「自分たちだけで何かを成し遂げたわけではない」

――弊社(さくらインターネット)の創業社長である田中邦裕も一時社長を辞任して、7年後に社長復帰しました。田中が復帰した理由の一つに会社が債務超過に陥り、上場廃止の危機があったからなのですが、マックスむらいさんが社長に復帰した最大の理由はなんでしょうか?

会社として、攻めに転じるため。その一点ですね。AppBankは、自分たちだけで何かを成し遂げて完成した事業というわけではないんです。

創業当時、あまりスマートフォンが普及していなかった中で、日本中に散らばるスマホ好きの小さなコミュニティをどんどん繋げていって、一緒になって盛り上がって楽しんで。

 

その中でコンテンツをメディアとして情報発信することで、 業界全体の流れみたいなものを作ることで急成長出来たメディアだと思っています。

自分自身が社長に再就任して声を上げていくことで、再び業界の旗振り役になりたいと思っています。

ワーク・ライフ・バランスについて

――マックスむらいさんは「上場企業社長YouTuber」として、相当忙しい日々を送られていると思うのですが、普段のスケジュールはどんな感じですか?

めちゃくちゃですよ(笑)。週末もイベントに参加したりしているので、ほとんど休みはないです。本来、社長は暇であるべきだとは思うんですけどね。AppBankのようなエンタメ企業であればなおさら。

 

私のスケジュールは社員が全員見ることができるんですけど、身に覚えのない予定がボンボン入ってきます。特に私のカレンダーに予定入れちゃダメみたいなルールもないので(笑)。

炎上時の対処法 

――マックスむらいさんは過去に炎上した経験があると思いますが、炎上した際の対処法ってなにかありますか?

うーん。炎上の種類にもよるかなと思いますね。企業としての炎上なのか、個人の要素が強いものなのか。企業としての炎上であれば適切なルートできちんと対処をする。個に絡むような性質のものであれば、まずは真摯に謝る。そのあとは数ヶ月自粛をするという以外は無いと思いますね。

 

上場後、横領事件で炎上したときは、我々も被害者のはずなのに、批判を受ける立場になってしまったという経緯があって。その時は、クライアントが絡む仕事が多くあり現実的に休止することが出来なかったので、会社として乗り越えていこうと決めて頑張って笑顔で動画撮ってました。

 

だけど、マネージャーとか周りの人からは「村井さん、笑顔ひきつってます。怖いです。」と言われちゃったりして……。今思うと大変でしたね。

 

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YouTubeチャンネルでは好きなことをやっていきたい

――マックスむらいさんの6周年生放送チャンネルで、プレゼン系の動画が好評でチャンネル登録者数が増えたとおっしゃっていましたが、現在マックスむらいチャンネルのターゲット層は以前と比べて変わりましたか?

変わってないですね。男性が9割で20代~30代中心です。女性比率は徐々に上がってますけど、マックスむらいチャンネルをはじめた当初、女性視聴者は2%しかいなかったんですよ。

 

チャンネルを始めて3~4ヶ月くらいの時に、HIKAKIN(ヒカキン)さんと初めてお会いしたんですが、その時に「女性ってどのくらいの比率で見てくれてるんですか?」みたいな会話をしたんです。その時に、僕が「2%くらいですね」って話したら、HIKAKINさんが「2%⁉ そんなことあります⁉」ってだいぶビックリされましたね(笑)。

 

ただ、特にターゲットは意識していなくて、チャンネルではやれることとやりたいことをやっていきたいと思ってます。 最近は、自分の普段の仕事とか、それに関わってくれている方との話を取り上げるような動画が増えている気がします。

先日もIT企業のミクシィ 木村社長が出演してくれたんですが、あれも特に打ち合わせをしていたわけではなくて、「オフィス紹介の動画でも撮りますか?」というその場のノリで撮影しました。

 

www.youtube.com

 

一方で、バラエティーに寄った動画も作ってほしいなと思うし、パズドラやモンストなどのゲーム実況動画もやりたいし、闇鍋じゃないですけど、色んなコンテンツが混ぜこぜになっていていいかなと思ってます。

お笑い芸人 ゴー☆ジャスさんとのエピソード

――先日、ゴー☆ジャスさんとお会いした時に「自分のチャンネルが伸びたきっかけはマックスむらいさんだ」とおっしゃっていました。マックスむらいチャンネルは、色んな方が出演されているイメージですよね。 

 

ゴー☆ジャスさんへのインタビュー記事⇒宇宙海賊 ゴー☆ジャス「お笑いをやっていなかったら社会の先生をやっていた」 

そうですね。実は、ゴー☆ジャスさんがマックスむらいチャンネルによく出てくれていた時って結構時間に余裕があったんですよ。呼んでないのに、週3くらいでAppBankの事務所に来てメイクしてましたから…(笑)。

 

最初はゴー☆ジャスさんが来て社員のみんなも「うわー、ゴー☆ジャスさんだ!」ってテンション上がってたんですけど、頻繁過ぎていつの間にか普通に日常に溶け込んでましたね。

それで、ゴー☆ジャスさんがR藤本さんとか稲垣早希さんとかスギタヒロシさんとか、色んな方を連れてきてくれたんです。

 

5年くらい前はあんまりYouTuberの中でコラボが主流ではなかったんですが、マックスむらいチャンネルは誰でもウェルカムでした。それこそ、会社を見学に来た高校生にも出演してもらったりしてました。なんでもありのチャンネルです。

経営者としての村井智建 

――タレント「マックスむらい」と経営者「村井 智建」の切り替えはされていますか?  している場合、どのように切り替えているのでしょうか?

そこまで変わらないかもしれないです。実は話すより、キーボード打ってるほうが好きだったりはするんですけどね。

動画を見てる方は意外に思うかもしれないですが、人の話を聞くことが好きなので、普段は色んな方の話を2時間でも3時間でも、エンドレスで聞いている感じです。

いざ「その話面白いじゃん、動画にしようよ」ってカメラ回すと相手が意外と喋ってくれなかったりするんですけど。

 

テンションはカメラが回ってる時と普段とでそんなに変わらないのですが、逆にそこの切り替えが極端な方を見てると、疲れるだろうなって思います。

私はカメラが回っててもそこまで気を張らないタイプなので、収録の時も普段の仕事も同じように元気なのかもしれませんね。

これからYouTuberになろうとする人へ

ーーいまからYouTuberをはじめようと思っている人にアドバイスをください。

もう今となっては競争が激しすぎるので、小手先でいろいろ考えても上手くいかないと思う。それだったらいっそ、「やりたいことをやったらいい」と思いますね。自分の人生なので好きなことをやって、続けることが大事だと思います。

挑戦してみて、ダメだったらその時にすっぱり諦めたらいいんじゃないですかね。 

 

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マックスむらいさんの”やりたいこと”

ーーメディアのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、マックスむらいさんが今後やりたいことは何でしょうか?

結局やりたいことは全て仕事かもしれないです。今のやりたいこととしては、さっきお話した「もう一度AppBankを月間1億PVのメディアにする」ことですかね。そのために、AppBankがどんな価値をユーザーに提供できるのか、再定義をするべきだと思ってます。

 

これまでも、それぞれチームごとにミッションを持ってみんなでコンテンツを作ってきてはいたんですが、全体を通して整理する必要があるかなと。やっぱり、社長が変わるというのは会社が生まれ変わることとイコールだと思うので。

 

パートナー企業とのリレーションであったり、役割分担の考え方だったりとかが全く違うわけですよ。 クリエイターとの関わり方ですら多分変わってしまうので、その中で個々がどう自己実現していきたいのかを含めて、あらためて時間を割いて、対話をする必要があると思っています。

 

毎日、動画を投稿・公開しているマックスむらいさん。忙しい中、1時間におよぶインタビューを受けてくれました。最後に会社の中を案内してくれて、社員の方を紹介してくれたのが印象的です。今回は実業家「村井智建」としてのお話をたくさん聞くことができたと思います。

 

 

執筆

小松 沙羅

さくらインターネット営業部でフィールドセールスを担当。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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