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千代田まどか(ちょまど)さんがさくらインターネットとの思い出を語る!

変なことは個性

千代田 まどか(ちよだ まどか)さん

通称「ちょまど」さん。マイクロソフト社員。エンジニア兼漫画家として活動中。2017年に行われたデベロッパーズサミットでベストスピーカー賞 総合1位受賞。
X(@chomado)Instagram(chomado)ホームページ(千代田まどかのブログ『ちょまど帳』

各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回はマイクロソフトで「クラウド・デベロッパー・アドボケイト」として活躍しているちょまどさんにお話をうかがいました。さくらインターネットとの思い出や、マイクロソフトでのエピソードを語っていただきました!

ちょまどさんはさくらのレンサバユーザーだった

ーーちょまどさんは以前にさくらのレンタルサーバを使っていたことがあるとうかがいましたが、どのような用途に使われたのかを教えてください。

学生時代に使っていました。大学1年生のときに、はじめて親にパソコンを買ってもらったんですけど、自分の描いた絵をみんなに見てほしくて、Webサイトの構築をしたんですよ。

当時から無料でホームページを作成できるサービスはあったんですけど、無料で使わせていただけるので当然なのですが、結構存在感のあるバナー広告が自動で掲載されちゃうんですよね。デザインも決まったものしかないので、ほかのサイトと同じになっちゃうし。

わたしが作ったサイトは腐女子(男性同士の恋愛をあつかった小説や漫画などを好む女性のこと)向けのサイトで、見にきてくれるかたは女の子ばかりなんですけど、表示されるバナー広告が女の子に見せられるようなものではないんですよ(笑)。 それが嫌で、自分でサイトを作ろう! と思ったんです。

そのときに、サーバ構築の勉強もしたんですけど、あらためてサーバ構築って大変だということがわかりました。学習コストもかかるし、セキュリティのことを考えるともっと勉強しないといけないということが分かってきた時に、さくらのレンサバを見つけたんです。 月額費用が安いので、大学生でも使えるんですよね。

さくらのレンサバを使うために、人生ではじめてのアルバイトもしました。それで、広告のない自分のサイトができたんです。めっちゃお世話になっていました!

笑顔で語ってくれるちょまどさん

さすが、ちょまどさん。しっかりと自社のフォローも忘れない。

クラウド デベロッパー アドボケイトとは?

 ーーそんな学生時代を経て、いまはマイクロソフトでクラウド・デベロッパー・アドボケイトとして働いていますが、どんなお仕事なのか教えてください。

アドボケイトというのはDevRel(Developer Relationsの略で自社サービスと外部の開発者とのつながりをつくる活動)の役割です。

DevRelについてはこちらの記事をご覧ください。

お仕事は「推しごと」。 ITエンジニアでDevRel職をしている”ちょまど”です

仕事内容は以前に担当していた、エバンジェリスト(サービスの啓蒙活動をする人)と似た部分が多いです。GoogleやIBMにもアドボケイトがあります。エバンジェリストと似てるといいましたが、エバンジェリストは壇上からプレゼンをして、多くのかたに向けて発信するイメージ。

アドボケイトは登壇もしますが、1対1でのコミュニケーションを大切にしています。壇上からおりてコミュニティに参加して、ユーザーの声を直接聞くので、エバンジェリストよりも親しみやすいイメージですね。

ちょまどさんが語るビル・ゲイツ

ーーマイクロソフトといえば創業者のビル・ゲイツ氏の印象が強いのですが、社内で語り継がれているエピソードを教えてください。

まず最初にお断りをさせてください。今からしばらくマイクロソフト関連のことをお話しますが、これは会社を代表しての発言ではなく、社員個人としてのお話です。あと、もともとマイクロソフトが大好きで入社したので、話が長くなったらすみません(笑)。

ということで、ビル・ゲイツの話ですね。創業時のエピソードは有名です。当時、『アルテア8800』という初のパーソナルコンピューターがあったんですけど、大学生だったビル・ゲイツはその開発会社に電話をして「アルテア8800用にBASIC(初心者向けのプログラム言語)を開発した」って言ったんです。

アルテア8800の実機も持ってないのに。でも、素晴らしいギークであった彼は、共同創業者となるポール・アレンと共に、仕様だけを見て、動作確認用のエミュレータ開発と一緒に8週間で本当にプログラムを完成させ、見事契約を勝ち取ったんです!行動力がすごいですよね。これがマイクロソフトの始まるきっかけです。

あと、高校生時代に学校の講師用のパソコンにちょっと色々やって、女子生徒ばかりの授業を探し出し、女子と仲良くなりたいという動機で、そこの授業名簿に自分の名前を加え、男子ひとりで授業に参加していたことがあります。

今やったら普通にいけないことだと思います(ホントに)が、でも、せっかくかわいい女の子が近くの席になったのに、結局ひと言も話しかけられなかったというエピソードは面白いです(笑)。

しかもその時のことを話している時に「当時話しかけるとか何もできなかったけど、でも、彼女たちはそこにいたんだ」っていう台詞も笑いました。

また、ビル・ゲイツは2000年にマイクロソフトCEO職をバルマーに譲った後、会長職など第一線から身を退いたポジションになりますが、今はそれらも引退しています。

現在は『ビル&メリンダ・ゲイツ財団』という、同年2000年に妻と一緒に設立した世界最大の慈善基金団体の活動に注力し、自身の保有する資産や寄付を投じて慈善活動を行っています。世界における病気・貧困への挑戦を続けており、大統領自由勲章も受章しています。凄く尊敬しています。

ちょまどさんの尊敬する人

ーーちょまどさんが働いているマイクロソフトの現代表、サティア・ナデラ氏についてのエピソードはありますか?

2014年に三代目のマイクロソフト CEO に就いた、サティア・ナデラのお話ですね。彼もビル・ゲイツと同じ、エンジニア畑出身です。彼も本当に凄い人で、ソフトウェアからクラウド中心へのビジネスの大転換をし、創業約40年目にして史上最高の株価を記録しました。

で、ビル・ゲイツと違って、サティア・ナデラについての笑える面白エピソードを私は知らないんです(笑)。サティアはわたしのにとって神のような存在で、尊敬してます。サティアはよく、「グロース・マインドセット」が大切だと言っていますね。

会社の成長のためには、会社のカルチャーや社員のマインドセットが重要です。グロース・マインドセット(Growth (成長の) Mindset (心持ち))というのは、『すべてを成長という視点で捉える』という、スタンフォード大学の『キャロル・S・ドゥエック』教授が提唱している考えかたです。

グロースマインドセット

グロース・マインドセットの具体例

このような思考により、積極的に挑戦したり、自主的に努力したりする「成長的な心持ち」が生まれます。他人への関わり方に関しても、例えば、失敗したときは人格を否定せずにどうすれば成功するかを一緒に考える、とか、相手が成功したら一緒に喜ぶ、などの行動が生まれます。

日本マイクロソフトの品川オフィスにもグロース・マインドセットについてのポスターがいたるところに貼られています。みんなこのグロース・マインドセットが浸透していて、とても良いカルチャーの職場となっています。

ワークライフバランスについて

ーーちょまどさんは土日もお忙しいイメージですが、ワークライフバランスはいかがですか?

仕事とプライベートの区別はあまりしていないですね。普段は休日も仕事をすることが多いですけど、年に1回くらい2週間くらいまとめて休んで海外旅行をしています。

特にヨーロッパは日本ほど電波がよくなくて、強制的にTwitterができなくなるので、ツイ廃(Twitter廃人)のわたしにはちょうどいいかな(笑)。

外国人のかたとの働き方について

ちょまどさん「変なことをしていても変じゃない 」

ーーちょまどさんは外国人のかたと一緒に働く時間が長いと思いますが、日本人と外国人とで働き方の違いはありますか?

いっぱいあります。わたしの部署には100人以上が在籍しているんですけど、日本人はわたし含めて4人しかいないんですね。外国人のかたは家族をとても大切にしていて、家族の話をよくするし、家族が待っているから、仕事が終わったらすぐに帰ります。日本では珍しいと思いますが、アメリカでは当然のように出張に家族を連れていきます。

あと、これは外国人のかたというよりは、グロース・マインドセットが浸透しているマイクロソフト独自のことかもしれませんが、みんなポジティブですね。とにかく、ほめまくる! どんなに小さなことでも、みんなすごく褒めてくれるし、逆に誰かの成功を聞くと私も嬉しくなるし、この会社で色んなチャレンジをするのが最高に楽しいです。

日本と海外の違いで一番感じているのは、”変なこと”をしていても変じゃないんですよ。わたしは仕事中に椅子でクルクル回っているんですけど、なにも言われませんし、同僚の髪の毛の色がピンクだったりグリーンだったりしても普通ですね。本当に普通。”変なこと”を言ったり、やったりしても個性としてあつかわれます。

パラレルキャリアに大切なこと

ーーちょまどさんは漫画家としても活動されていますが、パラレルキャリアを成功させるためには、なにが大事だと思いますか?

2つあると思っていて、まず1つ目はとにかくやる! ってこと。周りの人は優しさから「休日がなくなるよ」「本業に支障がでるよ」みたいなアドバイスをくれるんですけど、自分の人生だから、自分がやりたいことはやったほうがいいと思います。やってみてダメだったらやめればいいし、とにかくやってみないとわからないので。

2つ目は自分が好きなことを軸としてやる!ってこと。好きなことをやったほうがよいパフォーマンスが出せると思っていますね。収入のためだけに好きでもないことをやっていると、続かないと思います。

かっこいいちょまどさん

ちょまどさんの漫画

ちょまどさんが描いている漫画 

ーーちょまどさんはTwitterのフォロワー数が多く、SNS運用について登壇もしていますが、運用のコツを教えてください。

まず、フォロワーさんへの感謝を常に考えています。自分本意なツイートではなくて、 フォロワーさんがどう思うかを考えていますね。なので、愚痴などのネガティブなツイートはしないようにしています。例えば「あの人が」とかツイートすると、読む人は「もしかして、自分のこと?」って考えてしまうと思うので、気をつけています。

もちろん、マイクロソフトの情報もツイートするんですけど、わたしをフォローしてくれている人はマイクロソフトの情報だけではなく、わたしの考えも知りたいかたが多いと思うんですよ。だから、必ず自分の考えも一緒にツイートするようにしています。この情報に対して、わたしはどう思ったか、というのを必ず添える。

プレゼンテーションのコツ

ーーちょまどさんは登壇の機会が多いですが、プレゼンのコツを教えてください。

笑いがおこるように、楽しくやるということを心がけています。笑いがあると満足度があがると思うんです。あとは、SNS運用とも同じですが、感謝の気持ちをこめていますね。

この50分間、わたしの話を聞くために、皆さまのお時間をくださり、誠にありがとうございます、という気持ち。あと、やってはいけないことは「disる(非難や悪口を言う)」こと。サービスに愛があってもdisるのはダメです。ネガティブワードは言わないで、笑顔でいることが大事ですね。

あと、オーディエンスに合った内容にすることを意識しています。例えば、学生のかたに向けたイベントなら基礎的な内容にして、ベテランの技術者のかたに向けたイベントならデモンストレーションを多めにおこなうといった感じですね。

ーーメディアのコンセプトが「やりたいこと」を「できる」に変える。なのですが、ちょまどさんが今後やりたいことについて教えてください。

新しいことを学びたいなと思っています。今まで、数学が苦手で逃げてきた機械学習に挑戦中です。新しいことを勉強するのは楽しいですね。

さくらインターネットのロゴ前で写真を撮るちょまどさん

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執筆

尾崎 翔一

さくらインターネットでWebマーケティングを担当。

執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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