TABETE 篠田さんがフードロス問題をアプリで解決したいと思っている理由

TABETE COO篠田さんにインタビューをしました。

篠田 沙織(しのだ さおり)さん

1994年生まれ。株式会社コークッキング 取締役COO(最高執行責任者)。小学校2年生のときに白血病になり、食事制限を受けた経験から、食の重要性を身をもって実感。そこから人生を「食」に捧げると決意。現在は取締役として「TABETE」の飲食店営業からプロダクト設計まで幅広く活動している。副業でTwitter運用に関する相談にのっている。Twitter(@0815Sama

各業界の著名人にインタビューをしていく、この企画。今回はフードロス削減のためのプラットフォーム「TABETE」を運営している、株式会社コークッキング 取締役COO(最高執行責任者) 篠田 沙織さんにお話をうかがいました。

篠田さんがどうしてフードロス問題に取り組もうと思ったのか、どうすればフードロス問題は解決するのかを語っていただきました。

TABETE 篠田さん「仕事は生活の一部」

ーー篠田さんは以前、大手グルメサイトを運営する会社で働いていたんですよね。

はい。最初は本当に何のスキルもないまま、新卒で大手グルメサイトを運営している会社に入社しました。そこでは飲食店への営業活動、エンジニアさんのディレクション、SEO施策など幅広くいろいろなことをやらせていただきました。入社してから10ヶ月で退職して、いまの仕事に就きました。

 

ーー現在のワーク・ライフ・バランスはいかがですか?

平日勤務で土日は基本的に休みなので、休みの日は自分の好きなことをしていますね。ただ、弊社はスタートアップの会社なので、仕事は生活の一部になっています。

ワーク・ライフ・バランスというよりはワーク・アズ・ライフ(仕事とプライベートを分けない考え)という感じです。ワーク・ライフ・バランスを取ろうとすると、オンオフをしっかり切り替えないといけないからか、逆に体調を崩しますね(笑)。

 

ーー若くして取締役ですが、苦労されたことはありますか?

若くて経験がないだろうという批判のコメントはSNSでもらったことはありますね。もちろん経験が少ないというのはありますが、素直でいようと意識をしています。

取締役という肩書があるからといって、他人にマウントを取るということはなく、等身大の自分でいるようにしていますね。人の意見を聞いて吸収していくスタンスは、これからもずっと続けていこうと思っています。

 

TABETE COO篠田さんにインタビューをしました。

誰にもマネできない独自のキャリア、強みが得られる

ーーパラレルキャリアを実践していますが、経緯を聞かせてください。

現在、副業としてTwitter運用に関するご相談にのっています。Twitterを始めた当初は個人で仕事をしようとは考えていなかったのですが、今では徐々に自分ができる幅を増やしていきたいと思っています。

スタートアップで働いていると、どのようにキャリアを積んでいけばいいのかを考えますし、個人でどれだけ専門分野を増やせるかというのが重要です。わたしは会社では取締役という立場ですが、Twitter上ではSNSマーケティングに強い人というイメージがあって、SNSコンサルやTwitter運用の依頼がくることもあります。

 

あとはイラストレーターとして仕事をいただくこともあります。それぞれ単独で仕事をいただくこともあるんですけど、TABETEに関連して、社会事業のSNSマーケティングってどうすればいいですかというご相談もあります。やっていることがバラバラに見えるのですが、最終的に掛け合わせると、誰にもマネできない独自のキャリアや強みが得られると思っていますね。

 

ーー社会事業の話がありましたが、TABETEはフードロスを解決するためのアプリです。昔から社会事業の仕事をしたいと思っていたのですか?

そうですね。学生時代に就職活動をしているときからフードロス問題に取り組んでいる会社で働きたいと思っていました。ただ、当時はそういう会社がほとんどなかったので、新卒では食に関わる会社に入社しました。

 

スタートアップで働くうえで大切なこと

小学校2年生で白血病に

ーーフードロス問題に取り組みたいと思った理由はなんだったのでしょうか?

小学校2年生のときに白血病になり、1年半くらいご飯が自由に食べられない時期があって、かなり痩せてしまいました。退院後、食べられなかったことに対しての反動で、食べものに対する執着が強くなったんです。

その後、飲食店でアルバイトをしたときにフードロスが当たり前に起きていることを知りました。実際にわたしも廃棄作業をやって、こんなに廃棄量が多いんだと実感しました。そもそも、「廃棄する仕組み」というものができあがっていて、現場の判断でどうにかできる問題ではないんですよ。

 

具体的にいうと、お店が発注の時点で売り切れを防ぐために過剰に発注しているんです。売り切れでお客様に商品を提供できないというのは、お店にとって損失になりますから。でも、それっておかしいと思ったんです。そのときに、フードロスを解決するサービスを世の中に作りたいと思いました。

 

ーー御社のサービスをきっかけに、メディアにもフードロス問題が取りあげられていますよね。

 

事業としてフードロスに取り組んでいる会社がほとんどなかったので、メディアの方から興味を持って取材をしていただけました。あと、SDGs(Sustainable Development Goals)が2015年9月の国連サミットで採択されたので、タイミング的にも注目されたのだと思います。

 

SDGs 世界を変えるための17の目標

SDGs(持続可能な開発目標)には17の目標がかかげられている。

 

ーーフードロスが多い業態というのはあるのですか?

中食(持ち帰り)は一般的にフードロスが多くなりやすいですね。商品を陳列する必要があるので、売り切れを防ぐために過剰に発注する傾向があります。外食のお店に比べて、中食のお店のほうが2倍以上フードロスが多いです。

外食のお店のほうが予約のドタキャンなどでフードロスが多いのかなと思っていたのですが、意外にそうでもないようです。

TABETEを通じてフードロスに取り組む

ーーTABETEの加盟店はどのように集めているのですか?

現在はこちらから加盟しませんかとお声がけをしていることが多いですね。利用ユーザー数は18万人と順調に増えているのですが、お店側はフードロスに取り組むことの優先順位が高くないというのが現状です。わたしたちが実際にお話をしてTABETEを利用するメリットを伝えると加盟してくれるお店が多いですが、まだまだフードロス問題が浸透していないと感じています。「フードロスに取り組むことがカッコいい」と発信していこうと思っていますね。

 

ーー国や自治体はどのようにフードロス問題に取り組んでいるのでしょうか?

今年の10月に「食品ロス削減推進法」という法律が施行されました。事業者だけではなく、消費者側にもフードロスに関して啓発活動をする法律ですね。これをきっかけに、フードロスに関心をもってもらえればいいなと思っています。そもそもフードロスを知らないという方が多いですから。

TABETEを全国に広げる

ーーメディアのコンセプトが「やりたいこと」を「できる」に変えるなのですが、今後やりたいことについて教えてください。

やりたいことは、一貫してフードロス問題を解決するということですね。フードロスといえばTABETEと言われ始めてきましたが、提携している店舗数がまだ390店舗くらいなんです。現在、1都4県のお店と提携をしていますが、日本全国どこでもTABETEを使ってもらえるような体制を作っていきたいと思っています。

あと、カフェチェーンの「スターバックス」で以前アルバイトをしていたので、スターバックスにTABETEを導入していただくというのが、わたしの夢です。

 

ーー本日はありがとうございました。最後に宣伝・告知などありましたら、お願いします。

TABETEは廃棄の危機にある食事を手軽にレスキューできるウェブプラットフォームです。まだおいしく食べられるけれど、閉店時間や賞味期限などの理由からお店が廃棄せざるを得ない状況から、TABETEユーザーが食事を救い出すことができます。

そんなTABETEは、「ユーザーよし」「お店よし」「環境よし」と、みんながハッピーになれる「三方よし」の社会派ウェブサービスです。ぜひ、ご利用ください。

 

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