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『毎日でぶどり』作者の橋本ナオキさんが実践する「毎日続けるコツ」

でぶどり作者の橋本ナオキさんがインタビューを受けてくれました

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橋本 ナオキ(はしもと なおき)さん

大阪府出身。関西学院大学を卒業後、東京のIT企業にてシステムエンジニア(SE)として勤務。社内研修で10年後どうなっていたいかを聞かれて「イラストやデザインがやりたい」と気づく。バンタンデザイン研究所にてグラフィックデザインを学んだのち、フリーランスとして活動を開始。『毎日でぶどり』を毎日描き、書籍化。

Twitter(@Abhachi_Graphic

漫画家の橋本ナオキさんにお話をうかがいました。「毎日でぶどり@debu_dori)」というTwitterアカウントで、主人公のニワトリ「でぶどり」を中心に日常や仕事のあるあるネタを毎日更新しているのですが、これが現在大人気! キャラクターのかわいさと共感できるネタが多くの支持を集めています。「でぶどりの生みの親」橋本さんに働き方について語っていただきました。

毎日でぶどりのTwitter。あるあるネタが話題になっています。

橋本ナオキさんに働き方について聞く

ーーフリーランスでご活躍されていますが、ワーク・ライフ・バランスについてお聞かせください。

もともと会社員からフリーランスになったのは「もっと自由に働きたい」という動機が強かったのですが、フリーランスになってワーク・ライフ・バランスは大きく仕事に傾きました。予定がなければ毎日仕事をしていますし、労働時間というか作業時間は会社員の頃より断然多いと思います。

その分「今日多めに頑張れば、明日休める」「早めに終わらせておけば、来週旅行に行ける」といった選択肢の柔軟さがあって、そこは自分に向いている部分だと思います。今の日本は仕事とプライベートのバランスを取ることばかりが重視されていて、残業が禁止されたりしています。

でも本当の「働きやすさ」とは、仕事が好きな人は好きなだけ働けて、プライベートを大事にしたい人は早く帰れるという個人の嗜好(しこう)に合わせた働き方を実現できることだと思います。そういう意味では自分で働き方を選べる企業で働いたり、フリーランスになることがワーク・ライフ・バランスをたもつのに有効なのかなと思います。

『毎日でぶどり』を毎日更新するためのネタ探し

ーー毎日でぶどりというアカウント名のとおり、毎日更新されていますが、1話描くのにどのくらい時間がかかるのでしょうか?

モノによってさまざまですが、登場するキャラクターの数が少なくて会話するだけのものはトータルで1時間ぐらいでできます。続きもののラストなど、セリフが多いものは何度も推敲(すいこう)するため3~4時間くらいかかることもあります。

ーー毎日の更新だと、ネタに困ることもあるのではないでしょうか?

毎日更新を始めた頃はネタに困っていましたが、今はネタに困ることは少なくなってきました。普段生活している中でネタにできそうなものを常にメモしているのですが、「ネタに対する感度」が上がってきたことと、友達や知り合いの方が「こういうのどう?」とネタを提供してくれる頻度が高くなったからだと思います。フォロワーさんからも、日々ネタのリクエストが届いています。

どうしてもネタに困るときはカフェに行き、次のどちらかをやっています。
(1)本を読みまくって新しい情報を入れる
(2)頭に浮かんだことをノートに書きまくり、すでに頭の中にあることを整理する

ぼくの好きな漫画、『左ききのエレン』のなかに「クソみたいな日にいいもん作るのがプロだ」というセリフが出てくるように、ネタがないときでも今あるものをかき集めてそこそこ面白い漫画にまとめられるようになりたいと思っています。そのために、ネタがないことを理由に毎日更新を止めることはしないつもりです。

最初は1コマ漫画からスタート

ーー習慣化について、これはやった方がいい!ということはありますか。

物事を習慣化するためには、毎日おこなう行動のハードルを低くしてとにかくラクに続けることだけを考えた方がいいです。

毎日でぶどりも最初は1コマ漫画からスタートし、徐々にコマ数を増やしてきました。でぶどりというキャラクターも簡単に描けることを理由で選びましたし、今でも背景は描かなかったり苦手なものは簡略化して描いています。

時間がない・やる気がないという言い訳ができないぐらい小さな行動を毎日繰り返していれば、徐々に慣れてきて行動を少しずつ大きくしていくことができます。でも、本当にやる気が出なくて出来なかったときに「完璧に出来なかった」と自分を責めずに翌日からまた切り替えていくぐらい気楽に続けてください。

他にも習慣化したい行動をする上で不快に思うことはどんどん排除していきましょう。とにかく習慣化の最初のステップでは目標を見据えた上で自分をラクさせまくっていいと思います。

でぶどりのイラスト

橋本ナオキさんが働きたいと思う企業

ーー9月13日に出版された「会社員でぶどり2」の表紙に「ブラック企業脱出!」というワードがありますが、橋本さんが思う働きたい企業について教えてください。

ぼくが働きたいと思うのは、個人を活かせる企業です。具体的には、「新しくこういうことをやりたい!」「今あるこの仕事をこう変えたい!」と手を挙げたら本気で実現に向けて考えてくれる会社です。

完全に自分のやりたい仕事だけやるというのは難しいと思いますが、誰かに「やらされている仕事」は、自分が「やりたい仕事」、自発的にする仕事の成果には勝てないからです。あと、できれば社外の活動をする余地のある会社が望ましいです。

たとえば1日8時間×週5日で働くのではなく、週3日会社で働いて2日は社外での活動をしてもいい、などフレキシブルな働き方ができれば理想です。もちろんその分給料は少なくしてもらって……。ただし、会社に属していると知らないうちに備品や税金などで得をさせてもらっているので、社外での活動を社内の利益に還す仕組みも必要です。

フリーランスで活動をしていて思うのは、一部会社員をやりながらでもできなくはないということです。100%フリーランスでなければ絶対にできないという仕事は少ないので、リスク分散として自分の強みを会社員として活かしつつ、個人活動も積極的に応援してくれるような企業だったら入りたいです。

発信の方法や場所を多様化する

ーーメディアのコンセプトが「やりたいこと」を「できる」に変えるなのですが、今後やりたいことについて教えてください。

あまり長期的な目標や無茶な野望のようなものがないのですが、ありがたいことに「毎日でぶどり」自体はたくさんの人に楽しんでいただけるようになってきました。その人たちに向けて、自分が面白いと思うモノや人・大事な考え方などを、毎日でぶどりを通じて発信し続けられればうれしいです。

いまYouTubeでアニメを作り始めているように、発信の方法や場所を多様化して、まだ「毎日でぶどり」を知らない人との接点を少しずつ増やしていければと思っています。

毎日でぶどりがYouTubeで見られる

毎日でぶどりYouTubeチャンネルはこちら

ーーYouTubeアニメで声優も担当されていますが、どうしてご自身で声をやろうと思ったのでしょうか?

声を自分でやろうと思った理由は2つあって「やったことのない仕事の内容を知るため」と「自分で全部作りたいため」です。

アニメや声に限らず、いきなり大事なことを丸投げするとその先で何が起こっているのか理解できなくなります。

なので、コンテンツ制作に関わることはできるだけ自分でやってみることにしています。アニメ制作にしてもソフトの簡単な使い方は知ってましたが、6月くらいから練習し始めて形にしています。今後、誰かに任せることがあったとしても、自分が経験したことがあるというのはとても大事です。

声もアニメもクオリティはまだまだですが、「自分で作っているものを楽しんでもらう」という感覚が楽しくてやっている面があります。なので、「作れるものは全部自分で作りたい」という自己満足の感情もあると思います。ただ、アニメ以外の部分は作れないので、機材や音楽は友人に協力してもらっています。

でぶどりキャラクター集合イラスト

『毎日でぶどり』の展開について

ーー今後、「でぶどり」ブランドをどう展開させていきたいか教えてください。

長期的なビジョンはあまりありません。深夜の5分アニメになったらうれしいとか、好きなブランドとコラボしたいなどの願望はありますが、今はいただいたお話にこたえて、次に何をすればもっと楽しんでもらえるかを考え、ひたすら作り続けることしかできないと思います。

ただ、たくさんの人が見てくれるようになったからといって広告塔として使うのではなく、「毎日でぶどり」を見た人にプラスの影響を与えられるコンテンツではあり続けたいです。

漫画家にもマーケティングやビジネスの知識が必要

ーーこれから漫画やイラストを描くことを仕事にしようと思っている方にアドバイス・メッセージをお願いします。

ぼくは漫画やイラストがうまいわけではないので技術面のことはアドバイスできませんが……。まずは、マーケティングやビジネスのことを勉強したり、うまくいっている人が何をしているかをしつこく研究することが大事だと思います。

クリエイター向けの情報だけではなく、ビジネス系の本をたくさん読んできたのは現在とても活きています。また、自分と似たテイストで結果を出している人がどういう作品をどういう頻度で出しているかなどを見て、マネしていいところは積極的にマネしましょう。

あとは臆さず行動して、改善しながら続けることだけです。作品を一度発信すること、さらにそれを続けることはかなり大変です。そして、改善点を見つけて微調整しながら続けるのはさらにハードルが高いですが、その分効果があります。

改善するには普段から好奇心を強く持っておいて、
「今週載せた5本の漫画のうち、1本だけ反応がよかったのはなんでだろう?」
「この人がこんなにウケている理由はなんだろう?」
「いいね! は普段通りだけどコメントが多かったのはなんでだろう?」
「このツイートがバズっている理由はなんだろう?」
など、些細(ささい)な疑問と検証の積み重ねが、いずれ大きな差になってくるはずです。

会社員でぶどり2が絶賛発売中

ーー本日はありがとうございました。最後に宣伝・告知などありましたら、お願いします。

「会社員でぶどり2」は、ブラック企業を脱出したでぶどりが新しい企業に転職するところから始まります。でぶどりやひよにつぐ人気となっているピノ・ジャックなどのキャラクターが初めて登場し、仲間になっていく過程が描かれています。

また、本編とは別にご好評をいただいている「ありがちなこと」シリーズも、反響の大きかった作品を抜粋して掲載しています。

9月13日に発売したので、ぜひよろしくお願いいたします。

会社員でぶどり 2

会社員でぶどり 2

  • 作者: 橋本ナオキ
  • 出版社/メーカー: 産業編集センター
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)

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編集

天内 雅晴

さくらインターネットでWebマーケティングを担当。プロダクト企画担当を経て、現職。現在、パラレルキャリアとして、広告運用代行の業務をおこなっている。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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