声優デビュー14周年!福原香織が「仕事が上手くいくコツ」をお伝えします。

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みなさんこんにちは。声優の福原香織です。

2回目の連載です。前回の記事は読んでいただけましたでしょうか?長年のファンの方からも「かおりんの長文新鮮!」とか「初めて知る事が書いてあった!」なんて言っていただけて、連載のお仕事は初めてでしたが、書いてみて良かったなぁと思いました。

な~んて、少しの間余韻にひたっていたらもう次の原稿の締め切りが迫っていてびっくり(笑)。漫画や文章を連載するお仕事をされている方は、ずっとこの繰り返しなんですよね。尊敬します……。

私は声優という声の仕事をしておりまして、先月11月21日に無事デビュー14周年を迎え、ついに15周年イヤーに突入しました! どうして声優になりたいと思ったか、デビューまでのお話は前回の連載をぜひ読んでくださいね。

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今回も「働き方」に焦点を当てて記事を書いていきますので、まだまだ慣れない執筆業ですが、お付き合いいただけたら嬉しいです!

私は声優になるために15歳で単身上京、18歳で声優デビューの切符を掴みました。デビューしてから本当にたくさんのことにチャレンジして、失敗したり成功したりを繰り返しながらなんとかここまでやってこられましたが、今回は仕事をする上で私なりにつかんだ「上手くいくコツ」をお伝えします。

ポイントは、「自分がやりたいこと」「自分に似合うこと」「自分がやれること」。

ちなみに、デビュー当時の私はこの3つが全く整理出来ていませんでした。そんな私の過去の経験を踏まえながらお話しします。

 

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自分がやりたいこと

まず「自分がやりたいこと」について。

私は昔からマイペースに我が道を行くタイプで、なおかつ感受性は豊かなほうだったので、わりとどんな時も「自分がやりたいこと」を持てている状態ではありました。早くに自分の将来の夢を見つけられたこともそうですし、「自分がやりたいこと」にはまっしぐらでした。でも、私は本当に感性と勘で生きている人間なので(笑)。詰めが甘いというか、分析力がないというか、どうしてそれをやりたいのか説明しなさいと言われると、自分がやりたいことのはずなのに人の心を動かせるほどのプレゼンができなくて、よくマネージャーに「……それで?」「……で、なにが言いたいの?」と言われていました(笑)。

それからは、自分の中でやりたいことを明確にイメージした後は、言葉で人に伝えられるようアウトプットしていくことも大切なんだと学びました。そのアウトプットが上手くいくと、自分と相手との間に“共感”がうまれて、協力者が増えていくことが多いです。なので、最近は「私なんかがこんな提案をしてもきっと無理だろうなぁ……」と遠慮することなく、事務所の社長にも、マネージャーにも、他社のスタッフさんにも、ファンの方に対しても、正直にやりたいことを言葉でアウトプットするようにしています。

それを繰り返していくと、自分のやりたいことの整理ができて、常に目標を持てている状態になるし、企画やプレゼン力もついてくる。言葉にすると不思議なもので、いつか「やりたい」というふわっとした夢物語から、「やりたいこと」がもうちょっと自分と近くなるというか、今日のTO DOリストに加わるような、そんな感覚があります。

自分に似合うこと

次に「自分に似合うこと」について。

デビューしたての18歳の頃の私はちょっと背伸びしたいお年頃で、モノトーン系の服を着ることが多かったです。ヴィヴィアン・ウエストウッドのネックレスをつけたりなんかもして、わりとシック?な感じにまとめていました。そんな私を見たマネージャーから「もっと若者らしく色のついた服を着るように。」「オーディションや仕事の時は黒い服はだめ。」と注意されてしまい、「なんでなんで?!私はこれが最高に可愛いと思って着てるのにー!!」と納得が行きませんでした。

「声優 福原香織」という商品を、会社やマネージャーがどういうパッケージで売り出したいか、という戦略的な部分なので、マネージャーから注意されることもあるのは当たり前です。確かに当時の私は色の付いた可愛い洋服のほうが客観的に見ても似合っていたと思います。でも当時の私には「自己プロデュース力」がほぼ皆無だったので、マネージャーの意図もあまり理解出来ず、とりあえず、といった感じで表に出る時は色の付いた服を着るようにしました(笑)。

あと、よく覚えているのはオーディションの歌唱審査で歌う曲のチョイス。私は明るい曲と暗い曲でいったら暗い曲、可愛い曲とかっこいい曲でいったらかっこいい曲が好きなタイプなので、オーディションではALI PROJECTさんの「コッペリアの柩」や、島谷ひとみさんの「市場に行こう」なんかをよく歌っていました。(知らない方はぜひ聞いてみてください。どちらも世界観が独特で素敵な曲です。)これもマネージャーに怒られましたね。「なんで勝手に暗い曲歌うの!!」って。しまいには、マネージャーからJUDY AND MARYさんの「Over Drive」以外歌っちゃだめ指令が出ました(笑)。

確かに服も曲も、マネージャーのアドバイス後のほうが、まわりからの評判もよかったです。こんなやりとりを繰り返していくうちに、少しずつ「自分に似合うこと」って必ずしも自分が好きなものと一致するわけじゃないんだと学びました。

それから自分を客観的に見るようになり、例えば、服やメイクなんかも「好き」と「似合う」のバランスを取るようにしたら格段に写真うつりがよくなり、雑誌のグラビアやCDのジャケットのクオリティが上がっていきました。

自分がやれること

最後に「自分がやれること」について。

私は歌ったり踊ったりすることが好きだったし、これからの声優はライブの仕事が増えていくと予想していたので、養成所時代からボイトレやダンスレッスンは結構真面目に通っていました。ライブでの理想は島谷ひとみさんのように、世界観のあるかっこいい曲を歌いながら踊る綺麗でかっこいい歌い手!!……えぇっと、当の私はというと、割と声は細く、身長151cm、童顔で子ども体型。気分は島谷ひとみさんのように歌って踊るんですが、その自分の姿をビデオに撮って見ると笑っちゃうくらい理想とかけ離れてるんです。しかもクオリティも微妙っていう(笑)。

それこそさっき書いたJUDY AND MARYさんの「Over Drive」を歌っている時の私のほうがまだマシ。私の理想のレベルが10だとしたら、その時の私の現実レベルは1。10になるためには、まずはレベル2にステップアップしなければならないのに、自分の実力を把握出来てない私は10しか見えてなくて、いざやろうとすると実力がともなわずちぐはぐになってしまう。まだまだ外の世界を知らなさ過ぎて、傲慢だったのだと思います。

理想と現実にきちんと目を向けて自分の下手くそさを自覚し、目の前の課題を地道に1つずつクリアして自分自身のレベル上げをしていくようになると、当然「自分がやれること」も増えてきます。忍耐です。修行です。結果、最初はレベル1だった私でも、日本武道館や代々木第一体育館でライブをさせていただくことができましたし、昔では考えられなかった「かっこいい曲」もユニットのソロ曲で任せてもらえるようになりました。今の「自分がやれること」を把握できていると結構強くなれます。

そんな中で、ちょっと大変だったのが、まわりの目や、まわりの意見。マネージャーが言ってくれるような意味のあるフィードバックではなく、いわゆるネットの書き込み。有名な作品に出演するにつれて、自分の誹謗中傷がネットにたくさん書き込まれるようになりました。見なきゃいいでしょ!って言われてしまいそうですが(笑)。

自分のブログのコメント欄に書き込まれたり、ネットで調べものをしている時に思いがけず出てきたり、意図せず悪口が目に入ってしまうこともあって。今だったらそこまで気にならないようなことも、当時はめちゃめちゃ気になってしまいました。あれ?私ってこう思われてるの?私ってこんなにダメな人間なんだ……。って。100人中1人の書き込みが、私には1000人に悪口言われてるように見えてしまって……。そんな時にネガティブな発言をしてしまったりして、更に悪口を書かれる、という悪循環だったこともありました。そうなると、整理できていたはずの自分のビジョンや考えが、まわりの目を気にしてブレそうになってしまうんですよね。その辺はまだまだ私自身も未熟でした。

以前、タレントの中川翔子ちゃんとご飯に行く機会があり、翔子ちゃんが「100人中1人が悪口言ってても気にしない。99人の応援してくれてる人のために頑張りたい!」ってキラキラな瞳で言ってて、なんて強い人なんだろう……! 素敵だな、すごいなって、心から思ったんです。私も応援してくれているファンのみなさんのために頑張ろうって本気で思いました。自分にとって、意味のなさそうな意見に振り回されるのではなく、サポートしてくれているマネージャーやスタッフさんは私に何を求めてくれているのか、ファンのみなさんはどんなことをしたら喜んでくれるのかを考えよう!と気持ちを切り替えることができました。

少し話は反れましたが、 声優の仕事に限らず、「自分がやりたいこと」「自分に似合うこと」「自分がやれること」この3つを整理・把握できていると、自分で自分の説明書を持ち歩いているようなものなので、とても便利です。よかったらぜひ。

余談ですが、連載と一緒にアップされている写真は全て初出しのプライベート写真です。前回は実家の愛犬と撮った写真や、夏にひまわり畑に行った時の写真をアップしました。今回は、最近プライベートで和歌山旅行に行った時の写真です。なぜ和歌山なのかというと、私は水族館が大好きでして、最近はペンギンの中で最も体が大きい皇帝ペンギンが特に好きです。和歌山のアドベンチャーワールドは日本に数カ所しかない皇帝ペンギンが見られる貴重な場なのですが、なんと!最近その皇帝ペンギンに赤ちゃんが産まれたそうで、こんなレアなチャンスを逃すわけにはいかない!と、飛行機ではるばる和歌山に行きました。

 

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アドベンチャーワールドで動物を見たり、白良浜という砂浜で海に夕日が落ちるのをぼーっと眺めたり、海鮮丼を食べたり。和歌山には初めて行きましたが、時間の流れがゆっくりでとても素敵な所でした。また行きたいです。

次回からは私が気になる方と対談をしていきたいと思います!!

それではまた次回お会いしましょう!

 

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