さくらインターネットの働く環境や制度づくりとは?
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さくらインターネットでは、ライフステージが変化しても安心して働きやすいように、環境整備に力を入れています。子育て中の社員も多く、産休・育休からの復帰率は100%、そして男性社員の育児休業取得率は77.8%(2023年度)と、高い水準を保っています。今回は入社から約半年後に4か月の育児休業を取得した男性社員(小池 友宏)と、制度を運営する人事労務担当者(北詰 裕基)にインタビュー。子育てをしながら働く楽しさや苦労、学んだことを聞きました。


小池 友宏(こいけ ともひろ) プロフィール
さくらインターネット ES本部 人材企画部 キャリア採用・企画
大学卒業後、金融機関に就職し、ジョブローテーションのなかで、人事職を経験。その後、製造業に転職し、第1子を授かる。2024年にさくらインターネットへ転職。入社後、半年で第2子が誕生し、4か月間の育児休業を取得。現在は復職し、中途採用業務を担当している。

北詰 裕基(きたづめ ひろき) プロフィール
さくらインターネット ES本部 人事総務部 人事労務 リーダー
大学卒業後、エンジニアとして大手SIerのIT企業に入社、おもにプロジェクトマネジメントを経験。その後、働き方、労務管理、社会保険など人事労務領域に興味を持ち、社労士法人に入社。労務に関する法律的な知識やアプローチ方法を学んだ後、2022年10月にさくらインターネットに入社。
子育てと仕事に奮闘中
小池さんと北詰さんのお仕事について教えてください。

中途採用を担当しています。部門のメンバーと連携しながら募集活動や面接を進め、内定後に入社を決めていただくまでのフォローをおこなっています。

従業員の入退社、産休・育休の異動に伴う社会保険手続きや、毎月の給与計算、賞与計算、年末調整など、人事労務業務を担当しています。担当業務以外にも、勤怠や健康、安全性の管理も含め従業員に関わる仕事を幅広く手掛けています。
さくらインターネットの「ここが好き」と感じる点や、やりがいを感じる瞬間を教えてください。

「『やりたいこと』を『できる』に変える」という企業理念や、行動指針である「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」という3つのバリューが文字通り体現されている点がすばらしいと思います。新しい取り組みをするときに前向きな意見をもらえるので、「従業員にとっての働きやすさを向上させる」というテーマに安心して注力できています。

私も北詰さんと同様に、3つのバリューが重視されている職場だと実感しています。メンバー同士の価値観も合っていて働くのが楽しいですし、採用活動をすることで、さくらインターネットの仲間が増えていくことにやりがいを感じますね。

>>さくらインターネットの3つのバリュー(ビジョンの実現に向けて)
小池さんも北詰さんも子育てをしながら仕事をされていますね。お子さんたちはそれぞれおいくつですか?

第一子が女の子で2歳、第二子が2024年に生まれた0歳の男の子です。上の子は保育園に通っていて、下の子も4月から同じ保育園に通えることになりました。

我が家は小池さんのところと逆ですね。上の子が男の子で3歳、下の子が女の子で2歳になります。年子で、2人とも同じ保育園に通っています。
お子さんたちが小さいのでまだまだ手がかかりますね。家庭内では、パートナーとどのように家事育児を分担していますか?

タスクごとに分担はせず、料理や洗濯などはできるときにできるほうがやる、という感じですね。平日は妻が出勤し、私が在宅で仕事をするというパターンが多いので、朝に私が保育園へ子どもたちを送り出し、お昼休みなど仕事の合間に夕食の準備をする場合もあります。妻のシフト勤務が入っていて私が休みの日は、ワンオペで家事を一通りこなし、子どもたちを公園に連れて行くこともあります。

現在妻が育休中のため、平日は下の子を見てもらっています。私はゴミ捨てや洗濯をして、上の子を保育園へ送り出してから、家の近くのコワーキングスペースで仕事。早く終わったときは夕食を作ったり、子どもたちをお風呂に入れたりしています。週末は妻が好きに使える時間にしていて、1人で出かけたい場合は私が子どもと一緒に過ごします。家事育児の大部分を担ってくれている妻には感謝してもしきれません。
育休で「父親という職業」に送り出してもらった
小池さんは2024年にさくらインターネットに転職し、入社半年で育児休業を4か月間取得されたそうですね。このタイミングで取ろうと思ったきっかけを教えてください。

前職のとき、長女の誕生後に育休を取るつもりでした。ところが、会社の人員的にも雰囲気的にも休めるような状態ではなく、妻が退院後の数日間しか育休にあてることができなかったのです。
下の子が生まれることになり、長女が生まれたばかりのころの写真を見返したのですが、自分が当時のことを何も覚えてないことに気づいて愕然としました。
今回は同じ後悔をしたくないと思い、悩んだ末に上司に「1か月だけでもいいから育休を取りたい」と相談したんです。すると、「期間は別にどれくらいでもいいよ、むしろ1か月だけでいいの?」と言ってもらえたので、育休取得経験のある男性の友人たちに意見を聞きながら取得する期間を決めました。
転職後、すぐに有給休暇や育児休業を取れない企業は多いです。さくらインターネットはいかがですか?

じつは、2024年4月に就業規則の改訂があり、転職された方でも試用期間が終了すれば育児休業が取得できるようになりました。多くの場合、試用期間は3か月(延長する場合もあり)となっているので、それ以降なら育休が取れるようになった点も、小池さんの決断の後押しになったのではないかと思います。
さくらインターネットの男性育児休業取得率は77.8%(2023年度)と非常に高いですね。日本国内の男性育児休業取得率がおよそ30%(令和5年度雇用均等基本調査|厚生労働省)なので、ほかの企業と比べても突出しています。

そうですね。子どもが通っている保育園のパパ友の様子を見ても、育休を取っていない人がほとんどだと思います。また、取ったとしても1か月未満の場合が多いです。

うちの子どもが通う保育園でも同じような印象です。さくらインターネットの場合、男性で育休を取る長さは人それぞれで、1か月の人もいれば、1年間取得した人もいます。
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小池さんが育休に入られる際、同じ部署など、周囲の方の反応はいかがでしたか?

長期間業務を離れることが申し訳なかったのですが、「育休はぜひ取って!」と声をかけられ心が軽くなりました。また、ES本部のメンバーがわざわざ集まってくれて、送り出し会をしてくれたことは忘れられません。休むことを理解してくれるだけでなく、応援してもらえたのがうれしかったです。

育休って法律上は休みですが、実際はまったく休めない。もっと忙しい新しい職場に送り出されたというだけなんですよね。

いわばジョブチェンジですよね。「父親という職業」に送り出してもらったんだと思いました。子育てしている方からも、そうでない方からも応援してもらえたのがありがたかったですし、自分が送り出す立場になったら、もちろん応援したいです。そのときみんなで撮った写真は、いまでも大切にとってあります。
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休みやすい制度と社風で子どもの看病も対応できた
小池さんは4か月育休を取得されましたが、復帰にあたって、お子さん2人の育児をしながら働くことに不安はありませんでしたか?

もし毎日出社しなければならず残業も多い職場だったら不安だったと思うのですが、そうではないとわかっていたので、安心して仕事に戻ることができました。

リモートが前提で、残業が少なく柔軟に働けるので、子育て中でも働きやすいというのは私も実感しています。
お子さんが小さいと、感染症にかかって保育園に行けないこともあると思います。その場合は、どう調整していますか?

インフルエンザやコロナに感染すると、たいてい1週間は保育園を休まないといけません。その場合は妻と半分ずつ休みを取ります。子どもを看病するときは一切仕事ができないので、メンバーと業務を調整したり、ミーティングを後ろ倒しにしてもらったりしています。

入社初日から20日間使える有給休暇(契約内容による)に助けられましたね。転職すると「試用期間終了後の入社3か月目から有給休暇が使えるけれど、10日のみ。2日ずつ増えていく」というパターンが多いですが、病気は待ってくれませんから。

有給休暇を取らなくても、「さぶりこ」という働き方を支援する制度を利用して時間を調整できます。たとえば、その日の勤務時間を10分単位でスライド調整できる「フレックス」と、仕事を早く片づけたら定時30分前に退社できる「ショート30」を組み合わせて、子どもを病院に連れていくことも可能です。こういった制度は、育児や介護、通院だけでなく、私用でも気軽に使えます。

私もフレックスは一番活用していますね。育児と仕事、それぞれ優先したいタイミングに合わせて使えるのが便利です。
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ほかに活用している制度はありますか?

パートナーや子どもの誕生日に必ず休める記念日休暇はありがたいですね。また、2日以上連続で有給休暇を取得すると、1日につき5,000円支給される連続有休手当があるので、遠方への帰省や、長期の家族旅行にぴったりだなと思います。休むことを前向きに受け止めてくれる社風なので、制度も使いやすいです。
苦手なことはまわりを頼って、みんなで結果を出していこう
子育てを経験するなかで、気づいたことや学んだことがあれば教えてください。

育児と仕事は別物だと思っていたのですが、つながる点が多いのは発見でした。たとえば、子どもに何かを教えるとき、禁止や否定から入らずにまずは気持ちを聞いてあげるとスムーズに受け止めてくれる。これは、仕事上のコミュニケーションも同じなんですよね。それに気づいてからは、これまで以上にメンバーや従業員の話を「自分ごと」として聞くようになりましたし、一緒に物ごとを考えていきたいと思うようになりました。

時間に対する考え方が変わりました。子育てをするなかで、一瞬一瞬の時間が取り戻せない大切なものだと身に染みましたし、時間は有限だからこそ意味あるものにしたいと感じるようになりましたね。人や仕事への向き合い方も変わったと思います。
男性の育児休業の取得率は上がっていますが、慣れない育児への不安や仕事とのバランスで悩んでいる人も多くいます。同じ境遇の方にはどんなことを伝えたいですか?

子育ても仕事もけっして楽なものではありません。だから、完璧を目指さず、苦手なことはまわりに頼ると決めています。幸い実家が近いこともあり、両親には頻繁に助けを求めますし、家事代行サービスも活用しています。1人で抱え込まず、みんなで結果を出していけたらいいですよね。私自身も「こうすべき」にとらわれず、「どうすれば自分が心地いいか」を探しながら仕事と育児を楽しみたいと思っています。

私も第一子のときは完璧にこなそうとして辛くなった時期がありました。第二子からは離乳食をはじめ毎日の食事もなるべく手間をかけず、洗濯などの家事もできる限り手を抜けるところは手を抜いています。
また、我が家は夫婦ともに実家が遠方なので、保育園のパパ友・ママ友と集まって食事をしたり、出かけたりして大人の手を増やし、助け合っていますね。子育ての大変さを経験したからこそ、私も会社や地域で力になりたいなと思っています。困ったときは素直に声を上げてみてください。きっと周囲に助けてくれる人がいるはずです。一緒にがんばりましょう。


執筆
仲間 麻美
1981年1月生まれ、秋田県出身。2006年よりフリーランスライターとして活動中。教育、ビジネス、資格、飲食、街歩き、占い、健康などの分野で記事を書いてきました。趣味は読書と41歳から始めたダンスです。
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※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
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