いま空いているか1秒でわかるサービス「VACAN」が目指す、混雑管理+αの未来

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旅先にて、楽しみにしていたホテルや旅館の大浴場。いざ行ってみたら大混雑で入れなかった……という経験はあるだろうか。筆者はよくある。宿泊施設が悪いわけではないのに、「空いていなかった」という事実がストレスとなってしまう。

 

株式会社バカン(以下、バカン)は、そのような「行ってみたけど空いていなかった」という状況を解決すべく、混雑可視化プラットフォーム「VACAN(バカン)」を提供している。VACANの強みや効果、今後の展開について、DX事業本部で営業を担当する栗原 啓さんに聞いた。

栗原 啓(くりはら けい)さん プロフィール

東京都出身。株式会社バカンDX事業本部営業部。宿泊施設を中心に、全国のクライアントへコンサルティングをおこなう。大学卒業後、食品メーカーに入社。主に健康食品を販売する法人向け営業を長く担当。量販店などセールスマネジメントを経験後、支店運営の責任者に。直近では法人営業のマネジメントをおこなう。

シチュエーションによって異なる混雑対策

VACANは、センサーやカメラ、タブレット端末などから取得した情報をAIで解析し、リアルタイムの混雑状況に置き換えて、スマートフォンやサイネージなどに表示するプラットフォームだ。ホテル、旅館、百貨店、レストランなど、人が多く集まる場所で積極的に導入されている。

VACANの利用イメージ(提供:バカン)

施設の状況や利用場所などによって、とるべき対策はさまざまだ。顧客の利用頻度はどのくらいか、施設の中が混雑しているのか施設外に行列ができているのかなど、事前にヒアリングのうえで最適なソリューションを提供していると栗原さんは話す。

 

「たとえば、『施設の外の行列』を解消するためにはタブレットの活用が有効です。レストランの店頭に設置したタブレットで待ち時間や人数を表示したり、整理券を発券したりできるのはもちろん、店頭に行かなくてもスマートフォンのブラウザで何組待ちなのか確認し、Web上で並ぶ(順番待ちの受付をする)こともできます。閲覧するために面倒なログインはなく、二次元バーコードから簡単にアクセス可能。宿泊客は順番が来るまで自分の部屋で待てるので、店頭の混雑解消につながります」

タブレットでの活用イメージ(提供:バカン)

一方で、大浴場は「施設の中」が混雑するケースといえる。カメラでの撮影は難しそうだが、どのように計測しているのだろうか。

 

「大浴場は基本的に、『出入口が1か所である』という特性をもちます。この特性を活かして、脱衣所ドアの手前にカメラを設置し、人が出入りするところを計測します。お客さまの着替えが見えない場所にカメラは設置されていますし、撮影した映像はクラウド上に保存されませんので、プライバシーのご心配にはおよびません」

 

混雑にはさまざまなシチュエーションがあるからこそ、場所ごとの特性や、ユーザーの導線を熟知したうえで対策が必要だ。混雑可視化のリーディングカンパニーであるバカンは、蓄積してきた知見を活かして過不足のない設計を提案している。

 

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施設担当者にも来訪客にもわかりやすい、こだわりのデザイン

独自の混雑可視化ノウハウを有するバカンだが、最大の特長はUI(ユーザーインターフェイス)デザインにある。代表の河野氏はゲームで有名なグリー株式会社の出身。河野氏を中心にUIデザインに知見のあるメンバーが集まり、「UIからいかに人の行動や体験価値を変えることができるか」をベースに、サービスを作ってきたという。

 

実際に、架空のホテルを想定したデモイメージを見てみよう。

Webデモイメージ/一覧ページ(提供:バカン)

前述のとおり、「大浴場」と「レストラン」は別の仕組みで計測するデータだが、来訪客が見る画面上では統一感のあるビジュアルで俯瞰的に情報がわかるようになっている。「いま、快適に過ごせる場所はどこか」直感でわかるため、体験価値の向上につながる。

 

「1つの画面で混雑表示と順番待ち表示が同時に見られるというのは、他社では見られないVACANならではの強みだと思います」と栗原さんは話す。

Webデモイメージ/詳細ページ(提供:バカン)

少ないテキスト量でシンプルに伝える一覧ページとは対照的に、各施設の詳細ページは情報を自由に盛り込むことができる。盛り込む情報は企業や施設によってさまざま。たとえば、開催中のイベント情報や、大浴場内に置いてあるアメニティ情報、WebサイトやSNSのリンクなどを記載可能だ。

 

なお、施設担当者は、VACANの管理画面で一覧ページの表示設定や詳細ページの記載、クーポンの発行に至るまで、対応できるようになっている。この管理画面のUIも「使いやすく、触るのが嫌にならない」と施設担当者から好評だ。

 

「施設によって表示したい情報が異なることも多いんですよ。1つのホテルのなかに、混雑状況をつねに反映したい施設もあれば、混雑状況や待ち時間を出さず『営業中』とだけ表示したい施設もあるでしょう。施設ごとに異なる混雑事情をすべてカバーできる点も、ご評価いただいているポイントですね」

朝食の当日予約率が2倍に! 「混雑解消」だけにとどまらない導入効果

宿泊施設における「混雑」の課題は、ビジネスホテルの場合と、旅館・リゾートホテルの場合とで大きくわかれる。

 

「ビジネスホテルでは、朝食会場の混雑が課題となることが多いんです。朝食を予約する人が少なく混雑が読みにくいのです。さらに、昨今のインバウンド需要の高まりで、観光客がビジネスホテルに宿泊するケースも増加しています。観光客は朝食をゆっくりとる人も多いですから、混雑の一因となっているんです。こうした複数の要因で混雑しやすくなってしまった朝食会場ですが、VACANを導入いただいたあるビジネスホテルでは、最大待ち組数を80%削減することに成功しました」

ビジネスホテルでの導入事例(提供:バカン)

「一方、大きな旅館やリゾートホテルでは、いかに回遊性を高めることができるかがカギです。施設の規模が大きいぶん、部屋からレストランや大浴場などへの距離が遠く、わざわざ行ったのに空いていないということもしばしば。解決策として、あるリゾートホテルでは、スマートフォンで混雑状況を確認できるようにしました。さらに、ロビーやエレベーター前のサイネージでも見ることができるので、『行ったのに空いていなかった』というマイナス体験を防いでいます。もちろん、サイネージのデザインもバカンで手掛けているので、ブランドイメージや世界観にあわせたオリジナルの画面作成が可能です」

サイネージ表示例(提供:バカン)

VACANによる効果は、「混雑解消」だけにとどまらない。栗原さんは販売促進効果も十分に期待できると話す。

 

「朝食の混雑業況を可視化したホテルでは、朝食の当日予約率が2倍になり、顧客単価アップに成功しました。また、VACANは詳細ページに自由にコンテンツを差し込むことができます。ホテルの直販サイトへの誘導や、ラウンジで提供しているメニューの紹介、閑散タイミングを狙ったクーポンの配布など、あらゆる方法で旅行中の追加購入を促進することが可能です」

 

単純に検知した情報を表示するサービスではなく、そこからいかに顧客単価の向上やリピートにつなげていけるか。消費者と旅行中に接点をもつVACANだからこそできる販売促進のかたちを、つねに提案し続けている。

平時にも災害時にも活躍する混雑可視化ソリューション

今後の展望の1つとして、栗原さんは「避難所の混雑可視化」を挙げる。災害時、特定の避難所に人が集中すると、受け入れができずにたらい回しにされてしまうケースもあるという。避難所難民とならないために活用したいのが「VACAN Maps」だ。すでに200以上の自治体、10,000か所以上で導入され、全国的な広がりを見せている。

「VACAN Maps」の避難所マップ(提供:バカン)

避難所マップを作るうえで大切にしているのは「平時と災害時の双方で使えること」。日常使いできるマップを目指して、各自治体や施設と連携しながら、街中のさまざまな混雑状況を可視化している。日本全国にある避難所の空き状況がVACANによって見えるようになる日もそう遠くないだろう。

「VACAN Maps」の日常マップ(提供:バカン)

栗原さんは「DXは導入して終わりではなく、いかにアップデートしていくかがポイント」だと語る。VACANの導入によって見えなかった混雑が可視化されることは、あくまで最初の一歩。そこから売上アップの勝機や、効率的な業務タイミングが見つかるかもしれない。大規模な開発は必要なく、カスタマイズ性の高いVACAN。これまでDXをためらっていた施設でも、導入することで、業務効率、売上効率を高めるためのヒントを得られるかもしれない。

 

株式会社バカン

 

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