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入社前の面談で「社長の覚悟を感じた」。エンジニア 塚 穣に聞く、さくらインターネットへの転職理由

転職組に聞く入社理由「なぜさくら?」

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さくらインターネットには、有名企業を何社も渡り歩いてきた経験豊富なエンジニアがいます。本シリーズでは『転職組に聞く入社理由「なぜ、さくら?」~エンジニア職編~』と題し、これまでのキャリアや入社理由を紐解きながら、他社を経験しているエンジニアだからこそわかる、さくらインターネットの魅力を探ります。

第4回は、大手IT企業のエンジニアを経てさくらインターネットに転職した、クラウド事業本部の塚 穣にインタビュー。転職を決心した理由やこれからのミッションなどについてくわしく聞きました。

塚 穣(つか みのる) プロフィール

さくらインターネット クラウド事業本部
ヤフー株式会社(現:LINEヤフー株式会社)に12年所属し各種サービスのシステム運用やパフォーマンス改善に従事。その後、株式会社メルカリを経て、2024年9月にさくらインターネットに入社。

畑違いの業種からITエンジニアへ

エンジニアになろうと思った理由を教えてください。

もともとはぜんぜん違う業種で働いていたんですけど、2000年前後に「これからIT業界が盛り上がりそうだぞ」と思い、IT系の企業に転職してエンジニアになりました。もともとパソコン少年だったから、その気持ちを思い出したのもあります。

小学生のときからBASICやハンドアセンブルをやっていたんですよ。昔のパソコン雑誌ってプログラムが載っているんですよね。それを全財産はたいて買ったコンピューターに打ち込んで、どういうふうに動いているのかを遊びながら学んでいました。

IT系の企業に入る前はどんなお仕事をしていたんですか?

デパ地下で食品を売っていました。いろんな人に「そんな怖い見た目で接客業できるのか」と言われます(笑)。

小売業からIT企業に転職したんですね。畑違いの転職で覚えることが多かったのでは?

大変でした。当たり前だけど、みんな僕より優秀ですし。でも、そういう環境に身を置くと謙虚になれるじゃないですか。だから「人の3倍くらい学びながら働いていけばギリギリなんとかなるだろう」と考えていました。

その会社には7年ほどいたんですが、Slerだったこともあり、だんだんと「与えられた問題に対して対応しているだけで、自分はあまり問題を解いていないな」と思うようになったんです。僕は自分で問題を探して、それに対する解決策を考えて実行していくことが何より好きだから、それを叶えられる環境に身を置きたいということで、それができそうなヤフーに転職しました。

ヤフーではどういった業務を担当していたのでしょう?

いまでいうSREです。いろんなシステムの運用やパフォーマンス改善をメインでやっていましたね。

おもしろいことに、だいたい3年ごとに転職しようかという気持ちになるんだけど、そのたびに何か起きるんですよ。たとえば東日本大震災の復興プロジェクトを担当することになって、何かできることはないかと模索していたらタイミングを逃したり。社長が代わって、新しい社長と仕事してみたくなったり、入籍したらパートナーに「こんな福利厚生が充実している会社をやめるなんてとんでもない!」と言われたり……。なんだかんだで気がついたら12年もいました。

どんなときに転職しようと思うのでしょう?

大きなプロジェクトが一段落したときとか、なにか達成感を得たときですかね。

あと、「いま、ラクをしているな」と感じたとき。長く勤めていると仕組みがわかってくるからラクできるようになってしまうんですよ。たとえば「いろいろな提案や改善をした結果、ラクになる」のはすごく価値があることだと思うんです。そうではなくて、自分がただ手抜きをしてラクをしてしまうと、ただただ罪悪感があるだけで、自分を許せなくなりますよね。

自分に厳しい印象です。その後、ヤフーからメルカリに転職したそうですね。

自分の成長に悩んでいるタイミングで、メルカリで働いている方ににお声がけいただいて転職しました。メルカリはみなさん優秀で、平均年齢も若いし、半数以上の人が英語を話せるし、こんなに謙虚になって自分を成長させられる場所はないだろうと思いました。44歳のときのことです。

最初の2年はインフラチームの方針を固めて実行に移すというのが私の役割でした。つぎの3年は基盤開発ですね。メルカリのアカウントやログイン周り、決済周りを整理して維持しやすくする業務に従事していました。

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入社前の面談で伝わってきた、田中社長の覚悟

メルカリからさくらインターネットに転職した理由を教えてください。

以前同僚だった長野さん(現:さくらインターネット クラウド事業本部 副本部長)が「さくらインターネットで一緒に働きませんか」と声をかけてくれたのがきっかけです。その後、社長の田中さんと面談して、あらためてよい会社だなと思って。入らない理由はないなと思いました。

>>長野のインタビュー記事はこちら

面談のとき、田中社長とはどういったお話をしたんですか?

田中さんって普通に表で「利益出しても別に株価上がらない」とか「債務超過で苦しかった時期がある」と公言しているじゃないですか。だからどれだけ裏表がないのかを知りたくなって、「一般論ではなく経営者として、短期の利益と長期の成長のバランスをどう考えていますか」と聞いたんですよ。そしたら、かなり率直に答えてくれて。

また、2023年にさくらインターネットはガバメントクラウドサービス提供事業者に選定1されています。ガバメントクラウドの事業についてもいろいろと質問させてもらいました。国産クラウド事業者として、日本のデジタルインフラを支えていくんだという田中さんの強い覚悟が伝わってきました。

それで入社を決めたんですね。入社する前、さくらインターネットに対してどんなイメージを持っていましたか?

“濃い”エンジニアがいるイメージでした。僕が昔よく行っていたダーツバーの常連にさくらインターネットの役員がいるんです。けっこう自由な方なので、彼を見る限りわりと寛容な会社なのかなとは思っていましたね(笑)。「お堅い環境では花開かなかったかもしれない才能も、さくらインターネットであれば花開くし、輝く」というイメージです。

実際に入社して、さくらインターネットのエンジニアにどんな印象を持ちましたか?

技術的な正しさに対して誠実に向き合っている印象です。良し悪しはともかく、他社だと「コスパ悪いからそこまでやらなくていいよ」と言われそうなことも、さくらインターネットのエンジニアは取り組んでいる。むしろ、技術的な正しさの追求が推奨されている気がします。

年齢層も幅広いですね。入社日に同期メンバーと一緒に受けるオリエンテーションの自己紹介で「たぶん僕がこのなかで最年長なんですけど……」と言ったら、僕より年上の人が何人もいてびっくりしたくらい(笑)。でも現場で活躍されているエンジニアのみなさんは基本的に僕より若いということもあって、すごく熱気を感じます。

年齢を重ねてから入社すると、いろいろと気を遣うこともありますか?

急によくわかんないおじさんが来て、いきなり偉そうにしていたら嫌じゃないですか。だからできる限り謙虚に、リスペクトを示すよう心がけています。

あとは、さくらインターネットのバリューの1つでもありますが、とにかく「肯定ファースト」で相手の話を聞き、受け入れることを大事にしています。「僕の過去のジョブグレードに対して何か感じる方もいるかもしれないけど、それは一旦脇に置いて、一個人としてあなたの思想やエゴや好き嫌いを教えてください」というスタンスを伝えてから会話していますね。

「ガバメントクラウド」の向こうに歩み出さなきゃ意味がない

塚さんはいま「クラウド事業本部」付けで、どこかのチームに所属しているわけではないんですね。

入社後のやることが確定した状態で入社すると、受け入れる側はどうしても「お手並み拝見」みたいな雰囲気になってしまいますからね。まずはフラットな状態でさまざまな部署の人と関係を構築したうえで、会社の期待値と僕が貢献できることをマッチングしていこう、と本部付けでの参画になりました。

そういう意図だったんですね。では、さくらインターネットにおける塚さんのミッションを教えてください。

いまのクラウド事業本部はガバメントクラウドの本認定をもらうことと、そのための要件をクリアすることにフォーカスしていますから、当然そこに貢献したいです。本認定後は、それをより広く展開してさくらインターネットを選んでもらえるようにすることが僕のミッションになります。本認定は始まりでしかないですからね。いまはガバメントクラウド事業の扉を開こうというところ。ただ、扉が開いたところで終わったと喜んで万歳をしたって、扉の向こう側に歩み出さなきゃ事業としては意味がない。

いまは企業がクラウドベンダーを選定するとしたら、まずは候補にAWS(Amazon Web Services)やMicrosoft Azureが挙がると思うんですけど、そこにさくらのクラウドという選択肢が挙がってくるようにしたい。そこに至る道筋を作っていきたいですね。

それは大きな目標ですね。いろいろな企業を経験してきたからこそ思うさくらインターネットの強みはなんでしょうか?

「変化を起こせそうな実感」がつねにあるところです。ここ数年、さくらインターネットにはエンジニア界隈でほどよく名前の知られた人が集まってきているんですが、そういう人たちに転職した理由を尋ねると、みんなそろって「なんか大きく変わりそうな匂いを感じたんだよね」と言うんですよ。さくらインターネットは他社に比べて、変革を起こすマインドを持った人が多くておもしろいですね。

「変革を起こすマインド」は、さくらインターネットのエンジニアに必要なマインドセットなのでしょうか?

そう思います。ビジネスの潮目や状況って目まぐるしく変わるじゃないですか。いまはAIだ、GPUだって盛り上がっているけど、それもいつ終わるかわからない。だからエンジニアは、ずっと同じことを続けるのではなく、柔軟に方針転換したり立ち位置を変えたりするマインドも必要だと思います。これはエンジニアに限らず、全社員にいえることかもしれませんね。

自分の仕事によって、誰かの問題を解く

社員のみなさんと雑談するときはどんなお話をするんですか?

さくらインターネットはリモートワーク前提の働き方になっています。そのため社員の交流を深めることを目的に「さくらカレーの日」と呼ばれるリモートランチ会が定期的に開催されているんですが、初めて参加したときに新入社員として自己紹介をしました。ランチ会では、毎回誰かがなにかしらのテーマでトークをするんですけど、前回はテスラを買った方がそのよさについて熱弁していましたね。知らないことを知るって、それだけで潤うものがあるから非常によいなと思っていて。

僕が話すときは、最近見たニュースの話題から「僕はこう思ったんですけど、みんなはどう思いましたか?」みたいな話をします。まぁ、技術オタクが技術の話をするだけですね(笑)。

同じレベル感で会話できる「技術オタク」の方がいるんですね。

いや、僕はもう現場で手を動かしていないので、僕よりくわしい人がいっぱいいますよ。インフラ寄りの会社だからかハードウェアが好きな人が多くて、僕もハードウェアやガジェットが好きなので、そういう話で盛り上がります。

共通の話題で盛り上がれるのは楽しそうですね! では最後の質問です。さくらインターネットのビジョンは“「やりたいこと」を「できる」に変える”ですが、今後なにか「やりたいこと」はありますか?

「問題を解くことは、問題を解いてもらった人が喜ぶので価値がある。人は価値のあることにお金を払うので、問題を解くことはビジネスとして成立する」というのが僕の価値観です。だから、社会にいる誰かの「やりたい」がさくらインターネットのサービスによって「できる」に変わることは、非常に価値があると思っています。僕はさくらインターネットのサービスをよりよくすることによって、誰かの問題を解いていきたいですね。

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塚さんのある日のスケジュール

8:30勤務開始
前日の振り返り、メールチェックなど。今日1日のスケジュールを確認
10:00打ち合わせ
定例ミーティングに参加
11:001on1
上長や同僚などキーパーソンとディスカッション&雑談
12:00昼休み
13:00ミーティング
各種ミーティングに参加することで組織や取り組みの状況を把握
14:00作業
16:00採用面接対応
17:30退勤

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

  1. さくらインターネットが提供するIaaS型クラウドの「さくらのクラウド」が、2023年度にガバメントクラウドに認定されました。本認定は、2025年度末までに技術要件をすべて満たすことを前提とした条件付きの認定です。 ↩︎

執筆

吉玉サキ

エッセイも取材記事も書くライター。 北アルプスの山小屋で10年間働いていた。著書に『山小屋ガールの癒されない日々(平凡社)』『方向音痴って、なおるんですか?(交通新聞社)』がある。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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