国産クラウドベンダーが本気で挑む「デジタル・ガバメント」とは?
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さくらインターネットは、2025年8月19日から20日の2日間にわたって、兵庫県洲本市の自治体職員を対象としたクラウド活用に関する勉強会を開催しました。
勉強会では、さくらインターネットが開発・提供するクラウド資格試験「さくらのクラウド検定」の教材や、これまでさくらインターネットが民間事業者向けにおこなってきたオンボーディング施策のコンテンツを活用。自治体職員のみなさんのスキルアップを支援するため、参加者の習熟度に合わせて、クラウドの基礎から実践、応用までを幅広く学べる内容になっています。
この記事では、勉強会で実施したカリキュラムの内容や、洲本市担当者へのインタビューを交えて、その様子をお届けします。

3ステップで学ぶクラウド活用
今回の勉強会は「クラウド」技術全般に関するリテラシーや活用方法への理解を深めていただくことを目的に、基礎編・実践編・応用編の3ステップで構成しました。

クラウド基礎編
- デジタル技術(ITインフラ)の基礎
- クラウドコンピューティングの基礎
- サーバー実機演習
- オンプレミスとクラウドの比較
- ガバメントクラウドへの取り組み
情報政策部門以外の職員様にも幅広く参加いただきクラウドの基礎を座学で学んでいただきました。サーバーの実機に触れる演習や、オンプレミスとクラウドの比較については、グループに分かれてディスカッションを実施しました。
クラウド実践編
- パブリッククラウドサービス比較
- クラウド利用事例から学ぶさくらのクラウド
- クラウドを使ったサーバー作成
- クラウドを使ったWebサーバー作成
- クラウドセキュリティ
実践編と応用編については、情報政策部門の職員様を中心に、さくらのクラウドのコントロールパネルを操作して、実際にサーバー作成などをおこなっていただき、他クラウドとの比較などについても紹介しました。
クラウド応用編
- クラウドネイティブ
- クラウドハンズオン
- usacloudを使ったサーバー作成
- オートスケール体験
>>デジタル技術を基礎から実践まで幅広く学べる「さくらのクラウド検定」とは? [茉青2]
「クラウド」理解の入口に
勉強会終了後に実施したアンケートでは、「理解度」や「実務への活用」に関して高い評価をいただきました。ここでは、参加者のみなさまから寄せられた声の一部をご紹介します。
- クラウドという言葉はよく聞いていたし利用はしていたが、どのような仕組みかがまったくわかっていなかったので、入口は見えた気がする。
- IT分野では新しい技術やサービスが次々と出てくるので、知識をアップデートしていくのが大変だと感じています。 今後も、システム事業者との協議の際に必要な知識を学べる勉強会があれば参加したいです。
勉強会を通じて、クラウドに関する理解を深めるだけでなく、実際の業務で役立つと感じていただけたようです。
みなさんの声からも、勉強会の成果や手応えがしっかりと伝わってきます。
洲本市担当者「スキルアップと知識習得を実現できた」
勉強会を終えたタイミングで、洲本市の上田さんに自治体におけるクラウド活用の現状や課題、そして今回の勉強会への期待や成果について、お話をうかがいました。

上田 祐史(うえた ゆうじ) プロフィール
洲本市企画情報部DX推進課
2005年に洲本市役所入庁。最初に配属となった情報政策課では、庁内LANネットワークの構築・運用やCATVインターネット事業でプロバイダ運営等に携わる。その後異動を経て、2023年から現部署に配属。現在は、行政手続きのオンライン化、書かない窓口の推進など庁内外のDX推進プロジェクトを中心に従事している。
クラウド勉強会に参加してみて、印象に残ったことはありますか?
私の個人的な感想ですが、クラウドを理解するために、あえてハードウェアを用いて学ぶというのは、とてもめずらしいなと思いました。 これまでクラウドといえば“ハードウェアを意識しないもの”という認識を持っていたのですが、実機を持ち込んで学べる機会を用意しているのは、 これまでの記憶をたどっても、さくらインターネットさんぐらいだと思います。
参加者のみなさまの反応はいかがでしたか?
全体的に好評だったのではないかと思います。否定的な声はなく、アンケートにもそうした内容は見られませんでした。 今回の参加者は指名ではなく、自分から手を挙げてくださった方が多かったので、もともと意欲のあるメンバーが集まっていたという背景もあるかもしれません。 勉強会のレベル感も参加者に合っていたので、違和感なくフィットしたのではないかと思います。
参加してよかったと感じたポイントはありますか?
もともと勉強会をやりたいと思ったのは、担当課でシステム調達を担当する方にも最低限のクラウド知識を持ってもらいたいと思ったからなんです。私たち情報政策部門の職員は、普段から関連のセミナーに参加したり参考書を読んだり各自努力してはいますが、実際の業務を担当する中で、業務システム調達を担当する職員が自主的に学ぶのは難しいのが現状です。
とはいえ、調達の場面で基礎的な知識がないと、事業者とのやり取りがうまくいかなかったり、不適切なサービスを選んでしまったりする可能性もあります。特に、ガバメントクラウドに代表されるように、クラウド調達が主流になる中で知識の再構築も必要です。そうした課題を踏まえて、システム調達担当者を中心に“今の時代に必要なクラウド知識”を身につけてもらうことが今回の趣旨でした。アンケート結果を見る限り、その狙いは一定程度達成できたのではないかと感じています。
また、DX推進課のメンバーは実践編と応用編にも参加しました。ハンズオンでは、実際にコントロールパネルにログインして仮想サーバーやロードバランサの作成等を体験することで、さくらインターネットさんの操作感を直に学ぶことができましたし、講師との質疑応答を通じて他のクラウドベンダーさんとの共通点や違いを知ることができたのはとても有用でした。
今回の勉強会で、実務で役立つと感じた内容はありましたか?
印象的だったのは、オンプレミスとクラウドの違いや、それぞれのメリット・デメリットに触れられた点ですね。
クラウドが必ずしも万能というわけではない。それを理解したうえで、調達の場面で適切な判断ができる基礎知識を身につけられたのではないかと思います。少し応用的な部分になりますが、コストの最適化についても今後の大きなテーマだと考えています。システム構成についてこちらから具体的に提案したり、コスト削減を意識した注文ができるようになると、さらに実務に役立つと感じています。そのためには、基礎に加えてプラスアルファの知識習得が必要だと思います。
国産のクラウドベンダーであるさくらインターネットに、どのような役割を期待されていますか?
民間や個人向けにおいては、ネームバリューも実績も十分あると思います。ただ自治体向けとなると、まだこれからという部分もあるのかなと感じています。今回のガバメントクラウドへの参入をきっかけに、自治体向けのトレーニングや広報、営業活動等を、より積極的に展開してもらえたらと思います。
また、日本の自治体には独自の予算ルールや支出ルールがあるので、外資系クラウドベンダーだと対応が難しい場面も多いでしょう。その点、国産のさくらインターネットさんであれば、そうした事情にも配慮したサービスや支払い方法を用意していただけるのではないかと期待していますし、為替レートの影響がないことも安心ですね。ガバメントクラウドで先行するCSPの壁は厚いですが、ぜひ国内唯一のガバクラ提供事業者としてさくらインターネットさんには頑張ってほしいなと思います。
今後、勉強会に参加を検討される自治体職員の方に、一言メッセージをお願いします。
この勉強会の一番の狙いは、各課でシステム調達を担当する職員が、事業者と円滑にコミュニケーションを取ったり、必要に応じてこちらから注文を出したりできるようになることでした。もちろん、システムに関する専門的な部分はDX推進課に任せてもらえればよいのですが、DX推進課がタッチしない日々の会話や調達に関わる打ち合わせをスムーズに進めるためには、担当課の職員にも最低限の知識が欠かせません。
今回の勉強会を通じて、目標としていた担当課職員のスキルアップや知識習得がしっかりと実現できました。同じような課題で悩んでいる自治体の方や、職員全体のクラウドリテラシーを高めたい自治体さんにとっても、有益な取り組みになると思います。ぜひ開催検討・参加をおすすめしたいですね。
さくらインターネットからのメッセージ
今回の自治体向け勉強会では、クラウドに関する理解を深めるとともに、今後の実務に直結する学びを支援しました。参加者のみなさまが勉強会に熱心かつ前向きに取り組まれる姿勢から、私たち自身にも多くの気づきがありました。今回の勉強会の内容をさらに体系的に学んでいただけるよう、さくらインターネットでは「さくらのクラウド検定」をご用意しています。学びの一助として、ぜひお役立ていただけると幸いです。
今後もみなさまのご期待にそえるよう、全国の自治体の取り組みを全力でサポートしてまいります。また、公共機関向けのお問合せ窓口もご用意しておりますので、勉強会の開催や「さくらのクラウド」のご利用検討など、どのようなご相談でもお気軽にご連絡ください。