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さくらインターネットではエンジニアの採用を積極的におこなっています。今回は、2025年1月に入社したクラウド事業本部 SRE室の杉 義宏にインタビューを実施しました。インタビュアーは、SRE室 室長の長野 雅広。エンジニアならではの視点で、これまでの経歴や興味のあること、さくらインターネットでやりたいことなどについて切り込んでもらいました。
杉 義宏(すぎ よしひろ) プロフィール
さくらインターネット クラウド事業本部 SRE室
2008年よりソフトウェアエンジニアとしてのキャリアをスタート。株式会社カヤック、LINE株式会社(入社当時はNHN Japan株式会社、現:LINEヤフー株式会社)などを経て、2025年1月にさくらインターネットへ入社。Webサービスのチューニングコンテスト「ISUCON」で多数の優勝経験を持つ。@sugyan
聞き手:長野 雅広(ながの まさひろ) プロフィール
さくらインターネット クラウド事業本部 副本部長、SRE室 室長
2021年1月にさくらインターネットへ入社。大学在学中から京都でスタートアップ企業に参加。2006年に株式会社ミクシィに入社し、2010年に株式会社ライブドアに転職。Web サービスのチューニングコンテスト「ISUCON」の創設に関わる。2015年に株式会社メルカリに入社し、SRE組織の立ち上げに携わる。2024年4月より、クラウド事業本部 副本部長に就任。@kazeburo
チーム「生ハム原木」としてISCONで優勝した思い出
これまでの経歴を簡単に教えていただけますでしょうか。
2008年くらいからソフトウェアエンジニアとしてWeb業界のいろいろな会社で働いています。2012年に、LINE(現:LINEヤフー)の前身であるNHN Japanに入社しまして、そこで長野(kazeburo)さん、田籠(tagomoris)さんと、同僚として一緒に働いていました。
だからこうしてまた一緒に働けるのはうれしいですね。といっても、僕が京都在住でフルリモート勤務ということもあって、対面ではまだお会いしていないのですが(笑)。
今日もオンライン取材ですしね(笑)。
はい。2019年までLINEに所属していまして、その間にはISUCON1に出たりもしましたね。そのあと5年ほど別の会社にてエンジニアをやっています。かれこれ十何年ぐらいWeb業界にいますね。
ISUCON、すごい懐かしいですね! 一緒に問題を作ったのはISUCONの2でしたっけ。チケットを売り捌く問題を作りましたよね。
そうです、そうです。僕が当時アイドルにハマっていたんで、そういうのをなにか活かせないかとアイデアを出しました。作問では参考実装のいくつかの言語への移植をした記憶がありますね。ISUCONの3、4では田籠さん、長野さんと参加者として出場して、チーム「生ハム原木」で優勝できました。
ISUCONは10年以上続いていますが、最近は全然出場できていないですね。
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得た知見やアイデアをブログとしてアウトプット
杉(sugyan)さんの書いているブログ『すぎゃーんメモ』についても聞いてみたいです。最近のブログにおもちゃのパズルをプログラムを使って解いてみたという記事がいくつかあって、おもしろく読ませてもらいました。一番最近のが「だんご屋のひまつぶし」でしたね。もともとは子どものおもちゃとして買ったんですか?
はい、知育によさそうかなと思って、子ども用のおもちゃとして買いました。でも半分は自分が触るのにちょっとおもしろそうだと思って買っていますね。ほかのパズルだと「ペントミノ」とかもやっていました。
「ペントミノ」はうちにもあって、何かプログラムを書けば解法がわかるんじゃないかと思ったんですけど、自分は全然手を動かすことができなくて。
そういうものを実際に手を動かして解いてみようというふうになるきっかけや、モチベーションって何でしょうか?
「ペントミノ」は頭で考えても全然わからなかったんですよね。それで「悔しい!」と思っていろいろ試してみたくなったんです。
プログラムなら解けるはずなので、どうやって実装したら解けるのかなと自分でも考えつつ、調べてみるといろいろな手法が紹介されて、そのなかには自分でも思いつかなかったような手法もありました。
あと、パズルを解いた結果を表示できるものもあったのですが使い勝手が惜しかったんですよね。「自分で使い勝手のいいものを作ったら、子どもにも見せられるのでは……?」と思って、ブラウザ上で動くものにもトライしています。
子どもに見せられるって、よいですね。
ちょっとくらいはよいところを見せたいな、みたいな気持ちはありますね。
「お父さん、プログラムできるんだぞ」みたいな(笑)。
そうですね(笑)。あと、ブラウザ上で動かすというのは、自分にとってフロントエンドの練習でもあるんです。普段の仕事では、バックエンドのほうを触ることが多くて、あまりJavaScriptやTypeScriptは書く機会がないんです。ですから趣味としてではありますが、「フロントエンドで作るなら最近はどんな感じで書くんだろう」なども考えながら触ってみるとちょうどよい練習になります。あと、バックエンドはRustで書いているので、WebAssemblyに変換しやすく、ブラウザ上で動かしやすいという理由もあります。
もう1つは、自分で答えを知るだけだとおもしろくないというか。それでもよいのですが、やはりほかの人も使えるようにしたいなと思うんです。玄人向けだったらターミナルで動けばいいかもしれないですけど、ブラウザで動かせれば、もっと多くの人が使えるようになるのかなと。そんな考えもあって、ブラウザで動かせるようにしています。また、アウトプットとしてそれらの成果物についてメモを残したりしています。
とはいえ一応は個人ブログなので、「とにかく書きたいものを書いてみる」というスタンスではあるんですけどね。
さくらのクラウドの開発は「思った以上にいろいろな人が連携して取り組んでいる」印象
さきほどRustの話が出ましたが、最近はRustで書くことが多いんですか?
そうですね、趣味で何か作るときはRustを使うことが多いですね。
最近とくに注力しているのは、BlueskyのAT Protocol(分散型SNSのためのプロトコル)のライブラリ(開発者が特定の機能を簡単に実装できるようにするためのツールや関数のセット)です。2023年1月にサービスが提供開始されて、僕がサービスを使い始めたときに、ライブラリがあったらいいなと思って作り始めました。
世界中の開発者が使ってくださっていて、ちょっとメンテナンスが大変だというところではあります。自分の個人プロジェクトでGitHubのスターを200ももらったのは初めての経験なので、がんばってやっていかないとなと思っています。
OSS(オープンソースソフトウェア)の開発は、SRE室でも多くのメンバーがやっています。さくらのクラウドのCLIツールは業務としてOSS開発をしていますね。
そのほかにも頻繁に使われるライブラリの開発をやっている方もいるので、業務の時間なども工夫して、ぜひ続けていただきたいと思っています。
SRE室はSREといいながら、SREではない領域にも多く携わっている部署で、クラウドのサービスも開発しています。杉さんには、そのなかでもモニタリングの開発をしているチームに参加していただきたいです。モニタリングの基盤からさくらのクラウドのシステムに組み込むなど、インフラからフロントエンドまで幅広い技術が必要なので、杉さんの経験が助けになると思っています。
はい、がんばります。
まださくらインターネット入社3日目(取材日時点)なので、答えにくいかもしれませんが、現時点でクラウドの開発に対してどんな印象を持っていますか?
まだまだ、わかっていないところが多くて。でも思った以上に、さくらインターネットの社内で、いろいろなチームのたくさんの人たちがしっかり連携して進めているんだな、というのは感じていますね。
実際にデータセンターからソフトウェアまで、多くのメンバーが関わってサービスの提供をしていますしね。そのなかで、これから技術的にこういったものに取り組んでみたい、チャレンジしたいといったものってありますか?
何でもですかね。
おそらく、ほとんど自分が経験していないような領域だと思うので、何をやっても勉強にはなるんじゃないかなとは思うんです。
具体的には何かあるかな……。やっぱり何か表に出せるものがあるといいのかなとは思っていますね。社内だけで使われる技術とかじゃなくて、対外的にもアピールできるようなものとかができたらいいのかなとは思っていますけども、具体的にはまだ出てこないですね。
対外的にもアピールできるようなものというと、サービスとして形になるものということでしょうか?
そうですね。ただ、そういったことだけにこだわらず、新しいものはどんどん触って吸収していきたいです。本当に割と何でもというか、まずはできることをとにかく最大限やっていきたいと思っています。
プログラミング言語だとかっていうのだと、いままで触ってきていないものってありますか?
PHPとかはまったく触ったことがないです。
なるほど、PHPですか。
1行も書いたことがないんじゃないですかね、たぶん。PythonとかPerl、Ruby、Go、TypeScript、Rustとかはある程度は触ってきていますけど、PHPだけまったく通っていないですね。全然いままで縁がなかったんですよね。
さくらのクラウドのAPIで長いことPHPを利用しているので、何か新しいサービスを追加する際には、これから使うチャンスがあるかもしれません。
それも1つの経験ですね。
Perlも全然書かなくなっちゃいましたけど。この前YAPC::Hakodateの「コードゴルフ」で久々に触りました。
お題の仕様を満たすコードをできる限り短くするやつですよね。
はい。あれも結構好きで、チャンスがあるとやっています。ただのめり込んでしまって、無限にいくらでもやり続けてしまうので危険ですね(笑)。
開発者が安心・信頼して使えるサービスを作っていきたい
杉さんのブログにも書かれていましたが、今月は別のエンジニアも入社しました。新しいメンバーが入ってきて、さくらインターネットも変わっていくチャンスだと思っています。これからのさくらインターネットで、どんなサービスをどう作っていくとよいと思いますか?
やはり、いろいろな開発者が安心・信頼して使えるサービス、使いやすいと思ってくれるサービスを作っていくことでしょうか。つねにアップデート・改善し続けていくことが大事だと思います。
開発者からのフィードバックも、あまりにたくさん来ても大変だとは思うんですけど、受けながらどんどん改善していくのがいいのかなと。自分自身も、何か作ったときにそういった反響があると「じゃあ、もうちょっとよくしていこう」とか考えたりはするので、そういうサイクルができたらいいのかなとは思っています。
インフラサービスは変わらない安心感みたいなものもあるかと思うのですが、どんどんアップデートされていく安心感というのもやっていきたいですよね。
使えていたものが使えなくなってしまうのは困りますけど、アップデートされてよくなるんだったらそれはありがたいことですよね。
そういったものを一緒に作っていきたいなと思っていますので、ぜひよろしくお願いします。
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(撮影:ナカムラヨシノーブ ※長野のスナップ写真のみ)
- LINEヤフー株式会社が運営窓口となって開催している、お題となるWebサービスを決められたレギュレーションの中で限界まで高速化を図るチューニングバトル(出典:ISUCON公式サイト) ↩︎