DX の浸透で田舎の古民家がサテライトオフィスに? 自然を楽しみながら働こう

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総務省では地域での新しい働き方や仕事を生み出すために、全国各地に所在するサテライトオフィスの利用を推進しています。たとえば、東京に本社を設置している会社が地方にサテライトオフィスを設置すると、社員は緑豊かな自然環境の中でリラックスしながら仕事に取り組めます。

本記事では、サテライトオフィスがもたらす社員の「新しい働き方」について、ご紹介していきます。

転職なき移住|国は地方創生テレワークを推進中

現在、政府は地方への新たな人の流れを創出するため、サテライトオフィスなどの整備・運営・利用促進の取り組みをおこなう地方公共団体を支援しています。*1

ここではデジタルの力で「転職なき移住」が実現するのかについて解説します。

デジタルの力で、地方の社会課題を解決

近年、政府は「全国のどこにいても誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指すために、「デジタル田園都市国家構想」を推進しています。デジタル田園都市国家構想とは、デジタルの力で、地方の個性を活かしながら社会課題の解決と魅力の向上を図る政策のことです。*2

 

地方ではいま、財政が厳しく人口の流出も止まりません。そのため、地方に住んでいても都市圏で仕事をするのと変わらない多様な働き方ができる職場環境が求められています。

サテライトオフィスの誘致に取り組む地方自治体が増えている

人口減少や地域経済の縮小など、さまざまな問題を解決するため、近年ではサテライトオフィスの誘致に取り組む地方自治体が増えています。

 

総務省の資料によると、「他地域の企業を対象にサテライトオフィスの設置を誘致」の取り組みを実施している自治体は 42.9% です。「テレワークの普及・啓発活動(セミナー開催・パンフレット配布など)」をおこなっている自治体も 35.1% となっており、地方創生テレワークに向けて地方の本気度が高いことがうかがえます。(図1)

図1)出典:総務省「働き方改革とICT利活用」P182

地域で新しい働き方を生み出すサテライトオフィス

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地方自治体の本気度が高いこともあり、近年では地方で働ける場所がどんどん提供されています。

ここでは、地域で新しい働き方を生み出すサテライトオフィスについてご紹介しましょう。

【徳島県神山町】えんがわ オフィス:築90年の古民家を活用

最初にご紹介するのは徳島県神山町における、「えんがわオフィス」のケースです。

デジタルコンテンツサービス企画などを提供している株式会社プラットイーズが、2013年にサテライトオフィスとして設立しました。

 

徳島市内から車で約1時間でアクセスできる山間の静かな地に、築90年の古民家を改修して作られています。(図2)

 

現在、22人の社員が東京の恵比寿オフィスとネットワークをつなぎながら、同じ業務をおこなっていますが、クライアントへのサービスの質は都心のオフィスと変わりません。

まさに、働く場所を選べる「二地域就業」に成功しているケースです。

図2)出典:総務省「働く場所を選べる、二地域就業の魅力サテライトオフィスが業務効率化のきっかけとなった」

「えんがわオフィス」は古民家ならではの木の質感を活かした、温かい雰囲気のオフィスです。(図3)毎日がワーケーション気分で、社員のストレス軽減やリフレッシュ効果も期待できます。

 

代表の隅田徹さんによると、2013年から実際に二地域就業をスタートしているが、思っていたよりも「仕事を進めるうえでは東京と何も変わらない」点に驚かされたということです。デジタルで完結する仕事ならば、働く場所が地方でもそれほど問題はありません。*3

図3)出典:総務省「働く場所を選べる、二地域就業の魅力サテライトオフィスが業務効率化のきっかけとなった」

【広島県三次(みよし)市】ハイヅカ湖畔の森:湖畔の森のコワーキングスペース

次にご紹介するのは、広島県三次市に所在する「ハイヅカ湖畔の森」です。

三次市は中国地方の中心に位置し、2本の高速道路がクロスする場所にあります。JR福山駅から高速道路を使用して車で約1時間で到着です。

 

緑豊かな自然に囲まれた、アウトドアを満喫できるレクリエーション施設のなかにあります。

施設内にはキャンプ場も整備されているので、自然を楽しみながら仕事に集中できる環境です。

図4)出典:広島県「チャレンジ里山ワーク 三次市」

コワーキングスペースはレストラン内にあり、free Wi-Fi や給湯室の利用も可能です。

2022年4月にオープンしたばかりで、木目調の真新しいキレイなオフィスが提供されています。窓の外にも緑が広がり、心癒される風景がなんとも言えません。

個人での利用や会議・イベントなど貸切での利用も可能です。

図5)出典:ハイヅカ湖畔の森「コワーキングスペース(お試しオフィス)」

企業・働き手・地元の「三方よし」|地方でのサテライトオフィス

デジタルコンテンツの作成など、おもに ICT を活用した業務の場合は、基本的にインターネットさえつながれば、どんな場所でも仕事ができます。

ここでは、地方でのサテライトオフィスを実現するにあたって必要なことなどについてご紹介しましょう。

サテライトオフィスに必要な「3種の神器」

サテライトオフィスを実現するために必要なのは、インターネットと作業しやすい空間を備えることです。

サテライトオフィスに必要な「3種の神器」は以下のものが挙げられます。*4

  • 安全快適なインターネット環境
  • 十分な電源の確保
  • 遮音空間(個室ブース)

まず、押さえておきたいポイントは安全で快適なインターネット環境です。セキュリティが確保されているかも重要なのできちんと確認しましょう。インターネットで作業するクリエイティブな業種の場合は、通信速度が高速であることも欠かせません。ストレスなく作業できる通信環境が必須です。十分な電源もきちんと確保しましょう。

 

オンライン会議などをスムーズに実施するためにも、個室ブースなど遮音空間があることも望ましいと言えます。

ICT の活用でどこにいても仕事ができる

近年ではインターネットさえ完備されていれば、どんな場所でもデジタル系の仕事ができるようになりました。かくいう筆者もその 1人で、茨城県のとある田園地帯でライターをしています。

 

下の図6 は同じ敷地内にある母屋で、樹齢100年と思われる欅の木がそびえています。

このような欅の大木が敷地内に 5本もあるため、筆者は一年中、掃き掃除に追われる毎日です。サテライトオフィスならば運営側が管理をするため、そのような心配はおそらくないでしょう。

図6)筆者撮影:茨城県にある筆者宅と同じ敷地内にある母屋

筆者の場合、車の運転も得意ではなく、最寄駅からのアクセスもよいとは言えない環境のため、完全在宅で緑豊かな環境のなか、主婦をしながらライター業に勤しんでいます。

上記の母屋は義父母が別宅として週末に利用していましたが、コロナがきっかけで最近ではあまり使われなくなりました。ちなみに我が家は同じ敷地内の離れに住んでいます。

 

手前の部屋は、義父がこちらに来た際に書斎として仕事をするときに使用していた場所です。本宅は関東の都市圏にあるので、義父にとってはサテライトオフィスのようなものだったのかもしれません。

 

仕事が終わったあと、庭の手入れを汗だくになりながらおこない、夕食時のビールをとてもおいしそうに飲んでいた義父の姿を懐かしく感じます。現在も健在ですが、さすがに高齢になったため、庭仕事は息子である夫が担当しています。

 

そろそろ古民家としての風格が増してきたので、いずれは会社経営をしている夫のサブオフィスとして使用するのもよいかなと、この記事を執筆しながら思いつきました。

義父がこだわって建築した家なので、解体するのが惜しいという点もあります。有効活用する道を選べたらよいなと考えています。

まとめ

今回は地方でのサテライトオフィスを利用した、新しい働き方などについて解説しました。近年では地方を活性化させるために、国がサテライトオフィスの整備を推進しています。

ただ、サテライトオフィスで長く働くときは、他地域からの移住者も快く受け入れてくれる自治体であるかを調べる必要があります。地域社会と社員が共存できる体制が構築されている場所を選びましょう。

 

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