さくらインターネットが提供するさくらのレンタルサーバは、2024年、サービス提供開始より20周年を迎えました。20という数字にちなんで、さくマガでは「担当者に聞きたい20のこと」と題し、さくらのレンタルサーバに携わる社員3名に20の質問に答えてもらいました。本記事は後編です。
>>前編はこちら
さくらのレンタルサーバの開発裏話や機能などについて語ってもらった前編に引き続き、後編では、チームの雰囲気やお互いに聞いてみたいことなどについて聞きました。ぜひご覧ください。
チームの雰囲気は「フレンドリー」
12.さくらのレンタルサーバの運営体制
――サービスに関する質問が続きましたが、中の人のお話もうかがいたいと思います。まず、さくらのレンタルサーバの開発にはどのくらいの人たちが関わっているのか教えてください。
私たちが所属するインターネットサービス本部は33名、そのうちエンジニアのグループが24名、サービス企画系のグループが5名、そのほかが管理職、テックリード(人数は取材時点)。部門で管掌するほかのサービスをメインで担っている人もいますが、多くのメンバーがさくらのレンタルサーバに関わっています。また、エンジニアは、アプリ(フロントエンド、バックエンド)、インフラ(ミドルウェア)に分かれていますね。
どのメンバーも、自分の領域だけでは仕事が完結しませんので、部署内外と協力しながら業務を進めています。インターネットサービス本部以外にも、運用・監視、ハードウェア運用、カスタマーサポートなどの各チームがありますので、200名近い規模でサービスの運営をしています。
13.チームの雰囲気
――さくらのレンタルサーバを担うチームの雰囲気はいかがでしょうか。
すごくフレンドリーです! Slack(コミュニケーションツール)のチャンネルでは、業務関連の話はもちろん、プライベートな話もよくしています。週1回、業務のことでも、業務外のことでもなんでも話そうという「雑談会」もありますね。入社してすぐにチームになじむことができました。
――永岡さんは2023年に入社されて、フルリモートで働くのはさくらインターネットがはじめてなんですよね。
はい。私もほかのメンバーも住んでいる場所はバラバラです。直接会う機会は半年に1回ぐらいでしょうか。谷口さんと山本さんに直接お会いするのも久しぶりですね。
――これまでお話しされてるのを聞いていると、全然そんな感じはしないですね。
普段からZoomでよく話していますからね。
――谷口さん、チームの雰囲気づくりで工夫していることはあるんですか?
工夫? ないですよ(笑)。
――(笑)。
うちのメンバーに限らず、会社全体で「肯定ファースト」ができているんだと思います。それがいい雰囲気づくりに繋がっているんじゃないでしょうか。
あと、Slackのリアクションがみんな早いですよね。
そうですね。ざっくりした質問をしても、誰かが気づいて回答してくれます。
――たしかに、私も「こんな初歩的なこと聞いて大丈夫かな?」って思うことがあります。でも、部門関係なく気軽に聞ける雰囲気はあるかもしれないですね。
どんなことでも、みなさんやさしく教えてくれます。私も、自分が担当していることは資料にまとめて、誰かに聞かれたときに情報を出せるようにしておこうと思っています!
14.コミュニケーションで気をつけていること
――リモートワークだからこそ、普段のコミュニケーションで気をつけていることはありますか?
普段はSlackを使用したコミュニケーションがメインなので、依頼や相談をする際は要点をしっかり伝え、相手に何を求めているのかなど、明確にするように気をつけていますね。
あと、Slackにはコメントに対して絵文字でリアクションをつけられる機能があるので、感謝の気持ちなどはコメントに絵文字もつけて固くなりすぎないようにしています。
お客さまの真意を見極める
15.この人の「ココがすごい!」
――永岡さんがすごいと思うメンバーはどんな方ですか?
技術的なところや知識的にすごい方、頼もしい方はもちろんたくさんいますね。ただ、私が個人的に本当に頭が上がらない人がいまして……入社してすぐに企画業務を一から教えてくれた方なんですけど。
とくに私のような企画職は、社内のルールに則った業務が多くあるのですが、ドキュメントを準備して丁寧に教えていただきました。さきほどお話しした雑談会も、企画してくださったのはその人なんです。何社か経験したなかで、こんなに手厚くフォローしてもらったことはないですね。結果、入社半年ぐらいで、企画業務をメインで対応できるようになりました。
私も「こんなにやさしいエンジニアの人たちが存在するんだ!」とさくらインターネットに入社した当時からずっと思っています。
16.ベテランに聞いてみたいこと
――永岡さんから、ベテラン勢に聞いてみたいことを事前にお聞きしたところ、「仕事をするうえでもっとも大事にしている軸はありますか?」とのことなのですが、いかがでしょうか。
軸といえるのかわかりませんが……私は、お客さまがおっしゃる「こういう機能がほしい」といったご要望を、そのとおりに受け取らないようにしています。
それは、お客さまが考える最適案で、深掘りするとじつはお客さまの「やりたいこと」を実現するためには、もっといい解決策がある場合もある。ご要望を真正面から受け止めずに、真意を見極めるのが重要ですね。お客さまが何のためにサービスや機能を使っているのか、なぜ必要なのかを考えると、軸はぶれないと思います。
企画職の永岡さんにお伝えするとしたら、お客さまのご要望をエンジニアが受け取ると、すごく現実的な線を引きがちなんですよね(笑)。技術面だけでみるとどうしても目線が狭くなってしまう可能性があるので、企画側からは違った視点をいただけるとありがたいです。
すごくいいお話を聞けました。ありがとうございます!
17.ニューフェイスに聞いてみたいこと
――ニューフェイスの永岡さんに聞いてみたいこととして、山本さんから「仕事をしていてどんなときがいちばん楽しいですか?」という質問をいただいています。
じつは、忙しいときが結構楽しいです(笑)。頭の中でいろいろ考えるのがわりと好きですね。最近、リリースが5件ぐらいあったのですが、企画業務を任せていただいていて。もちろん、楽ではないですが、優先順位をつけてスケジュールを組み立てて、実際その通りに滞りなくリリースできると達成感があります。
――もともとマルチタスクはお得意なんですか?
そうですね、得意かもしれないです。でも、複数案件を任せてもらえるというのははじめての経験でした。期待してもらえているのかなと思うので、うれしいです。
――じつはめちゃくちゃ残業しているということはないですよね……。
それはないです(笑)。残業したくないので、しないようにスケジュールを立てています!
さくらインターネットは、どんどんメンバーに仕事を任せる雰囲気がありますよね。やりたいことにチャレンジできる機会がたくさんある。永岡さんのように意欲のある人にとってはすごくいい環境だと思います。
お客さまのやりたいことが簡単にできるように
18.新規追加したい機能
――今後、新規追加したい機能、アップデートしたい機能などはありますか?
ARC署名1 対応はしたいですね。簡単にいうと、DKIMは送信者署名なのですが、ARCは受け取ったメールに署名して、転送したときもその署名がつけられるという、転送元を保障できるものです。
ARC署名に対応したとしても、必ずしもメールが届かなくなるというわけではないのですが、やらないよりはやったほうがいいと思っているんです。転送先にきちんと届かないというトラブルをなるべく減らしていきたいですね。ホスティングサービスのメール機能は、以前からWebサービスのおまけみたいな感覚を持っている人は多いんじゃないかなと思っていて。でも、さくらのレンタルサーバとしては、メール機能も「おまけ」から脱していきたいという想いがあります。
19.さくらのレンタルサーバが目指すこと
――谷口さんにお聞きします。今後、さくらのレンタルサーバはどのようなサービスを目指していきますか?
インターネットで自己表現したい人や会社が、誰でもストレスなくそれを実現できるようなホスティングサービスにしたいですね。先ほども少し触れましたが、究極的にはコントロールパネルがなくても、お客さまがやりたいことを簡単にできるようにすること。レンタルサーバーを使っているという意識をせずに、Webページやメールができるというところを目指したいです。
20.ユーザーへのメッセージ
――最後に、さくらのレンタルサーバを利用しているユーザーへメッセージをお願いします。
いつもさくらのレンタルサーバをご利用いただきありがとうございます! 「レンタルサーバーを使うならさくらのレンタルサーバ!」と胸を張れるよう、引き続き尽力していきます。よろしくお願いいたします!
エンジニアとしては、ホスティングサービスという特性上、さっきも触れた通り技術的に実装が難しいものもいろいろあります。でも、そこで諦めずにこれまでたくさんいただいているお客さまのご要望に応えられるよう頑張っていきます。今後も温かい目で見守っていただけると大変ありがたいです!
このようなメンバーでさくらのレンタルサーバを作っていますが、「お客さまの声」は常時大募集しています。使っていて不便な点や、こんなことがしたいということがあったら、ぜひお知らせください。
- ARC=アーク、Authenticated Received Chainの略。メールが転送される際に、信頼できる受信者であったことを証明するための署名技術。メールが複数の中継サーバーを経由する際、それぞれのサーバーがメールを受信したことを署名として追加し、転送先で本物のメールかどうか確認できるようにする仕組み。 ↩︎