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データベースエンジニアが考える、クラウド時代のキャリアパスとは?

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国内事業者を支えるさくらインターネットの国産パブリッククラウド「さくらのクラウド」。それを開発・運用するインフラエンジニアのうち、リレーショナルデータベースエンジニアを募集しています。お客さまが安心して使える、信頼性の高いデータベースをどのように運用していくのか。クラウド事業本部 副本部長の長野雅広と、クラウド事業本部 クラウドサービス部 サービス開発グループ バックエンドユニットの松浦裕哉に話を聞きました。

組み込み・アプリを経てバックエンドエンジニアへ

長野さんのキャリアは以前のインタビューでもお話しいただきましたが、松浦さんはどういった経緯でさくらインターネットに入社したのでしょうか?

>>長野雅広(@kazeburo)に聞く「さくらインターネットに入社した理由」

松浦

大学院で組み込み技術の研究をして、卒業後は大手製造業の組み込みエンジニアになりました。その後、最先端の技術開発を経験してみたいと考えてAIアプリエンジニアリングのスタートアップに転職し、さらにより大規模なサービス開発に興味を抱きさくらインターネットに入社しました。現在は入社して1年ほどになりますが、技術力のあるメンバーと切磋琢磨しながら社内の中でも重要度を増しているデータベースアプライアンスの開発に従事しています。

現在はリモート勤務とのことですが、規模の大きなプロジェクトになるとコミュニケーションが大変になるのではないでしょうか?

松浦

前職からほぼフルリモート勤務をしており、現在は地元の滋賀県に住んでいるため、出社は数か月に1度程度です。いまのところ、大きな問題はないと思っています。

ただ、エンジニアマターな環境で柔軟に動けるぶん、どうしても「誰が何をしているのか」が見えにくくなりやすいです。テキストベースのコミュニケーションで、自発的に発信すること、アウトプットを小出しにすること、なるべく速く反応を返すこと、進捗を可視化することなどは心がけています。チーム全体でも短い通話をする、気軽に画面共有をしながら相談する、などは日常的にし、綿密なコミュニケーションを欠かさないようにしています。

チームメンバーのみなさんがリモートに慣れている様子ですね。
松浦さんはじめ、バックエンド開発のチームでは、どんな人材がどのような仕事をしているのでしょうか?

長野

まず、バックエンド開発チームはおよそ30人います。従来は全員が幅広く知識や課題を共有して各種機能の開発運用をしていたのですが、サービスの機能拡充やガバメントクラウドの要件充足を目指すにあたって、より開発規模を拡大する必要が出たため、1年ほど前に4チーム体制になりました。今回募集しているのは、そのなかの「ベータチーム」に参加する開発エンジニアです。

松浦

私はベータチームのリーダーをしています。現在、ベータチームは8人体制で、そのうち3人がデータベースアプライアンスの開発メンバーです。おもな業務はRDBやストレージなどのサービス構築、運用を簡単におこなえるアプライアンス全般の開発・運用と、ガバメントクラウド開発の対応(2025年3月までの要件充足)ですが、ユーザーの運用をサポートする業務が突発的に生じることもあります。さまざまなシーンでフロントエンドエンジニアやプロダクトマネジャー、SRE室との連携も欠かせません。

>>リレーショナルデータベースサービス開発エンジニア(バックエンド) 採用情報

クラウドネイティブ時代におけるインフラ人材のキャリアパスとは

バックエンドとは言いつつ、ユーザーサイドに触れる機会も多そうですね。
エンジニアのなかでもインフラ側の開発者はとくに希少なイメージがありますが、たとえばユーザー側からインフラエンジニアに転身するようなキャリアパスもあり得るでしょうか。

長野

インフラエンジニアとしてキャリアを積む機会は、実際のところ限られていると思います。現在、どんな事業でも何かしらのクラウドサービスを使うのが当たり前になっているのは、運用の手間を考えずにフロントのサービスに取り掛かれるためです。それがクラウドの良さですが、そうなるとインフラの運用を経験できません。

松浦

私は組み込みエンジニア、AIアプリエンジニアを経てバックエンド開発者になりました。バックエンド開発に関する何らかの知識・経験とチャレンジ精神があれば、そこからキャリアを広げていくことは可能だと思います。

当社の提供するデータベースアプライアンスは、さくらのクラウド上でMariaDBやPostgreSQLのデータベースシステムをコントロールパネル(WebUI)の操作などから簡単に構築ができる機能です。データベース内部のチューニングはせず、素の状態で提供し、調整などはサービスの範囲内で各ユーザにおこなっていただく形を取っています。ユーザー向けのサービスを作るために最低限必要なデータベースの知識はありますが、そのうえで、バックエンドAPIやミドルウェア、OSなどの知識に精通している人にとって働きがいのある環境ではないかと思います。

「ユーザー向けサービスありきの思考ができるインフラエンジニア」には、どのようなスキルが求められるのでしょうか。

松浦

たとえばベータチームでは、障害復旧の対応もしています。開発者が運用を兼ねるのはマネージドサービスの宿命とも言えますが、ユーザー対応と並行して先を見越した施策を打つ必要もあります。具体的にはバックアップや復旧の自動化などになりますが、信頼性の高い、エンジニアが安心して使えるサービスを作るには、ユーザー側の経験も活きるはずです。

また、ベータチームの大きなプロジェクトに、前述したガバメントクラウド要件充足がありますが、これも「ただ要件を満たせばいい」というものではありません。その先に、ユーザーが安心して使える、使い勝手のいいサービスを目指すものです。

……とはいえ現在のベータチームには、これまで多種多様な業務を幅広くこなしてきたメンバーがそろっています。チームリーダーとしては、現在募集している新しく入っていただく方のキャリアや得意分野、やりたい分野に合わせてバランスをとり、全体の生産性を上げるようにタスクを組み替えていくつもりです。

チャレンジに肯定的なエンジニアが集まっている

チームの雰囲気や現状の課題、取り組みなどについてお聞かせください。

松浦

まず、さくらインターネット全体の社風として、チャレンジを歓迎する雰囲気があります。まったく話を聞いてもらえないことはなく、肯定的に「導入してみよう」「やってみよう」という環境があると考えています。勿論、エンジニアマターな環境であるぶん、技術的な提案に対してはシビアな部分もありますが、肯定ファーストには変わりありません。私は前職がスタートアップだったので大手企業は息苦しくなるかもしれないと思っていたのですが、動きにくいと感じたことはありません。キャリアが長く経験豊富な方にも相談でき、心強いです。

バックエンドチームは、全員が幅広く、多種多様な問題に取り組んできました。ノウハウが属人化してしまいやすい点が課題になっていましたが、チーム体制の再構築でノウハウのナレッジ化に取り組んでいます。そのなかで、ベータチームのミッションは、大きく分けて「ガバメントクラウド対応」と「既存機能の拡大・修正」「運用サポート」の3つです。

ベータチームの3つのミッションは、いずれも一朝一夕で終わるものではなく、必要なスキルも多岐にわたるかと思います。
どのような業務になるのかや、それに取り組むために参加メンバーに求めるマインドセットについて、もう一度くわしく教えてください。

松浦

まずガバメントクラウド対応は、前述した通り「要件充足」がゴールではなく、その先にある「いいサービス」を目指すものです。たとえば先日、要件の1つである「RDBストレージのディスク暗号化」をリリースしましたが、これはもともと、ストレージの廃棄やリサイクルの問題に対して、ユーザーが安心して使うために必要だと考えられていたものです。そのほかの要件も、何のためにあるのかを理解したうえで継続的なアップデートや他システムとの兼ね合いを考えながら各所と調整していくことになります。

既存機能の拡大・修正は、国外のメガベンダーと比べての課題です。RDBMS(リレーショナル データベース管理システム)として、当社のサービスにはまだまだ足りない機能が多いのです。国産サービスならではの良さも活かし、さくらのクラウドとしての付加価値を提供できるような、使い勝手の良いサービスにしていきたいと思っています。

運用サポートは、ユーザーからの評価に直結するものです。障害や困りごとが起きた際に、なるべく速い復旧がユーザーの満足につながります。しかし目の前の対応ばかりではなく、そもそも障害が起きにくいような施策を打つ必要があります。

松浦

ただ、これらのタスクを、最初からすべて完璧にできる人材がいるとも思っていません。募集要項のなかで、とくに得意な分野や楽しいと思っている分野がある方、ユーザーに意識させることなく便利に使えるサービスを提供できることに喜びを感じ、ともに課題に取り組めるエンジニアの方と一緒に働きたいですね。

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(撮影:ナカムラヨシノーブ)

執筆

StudioKOKS

「ただしく、よみやすく、わかりやすく」文・理をつなぐテクニカルライター 。 高専出身、開発者を経てフリーライターとして独立し、メディア編集記者などを兼業しつつ技術系取材を中心に活動中。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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