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OWNDAYSの「人のあたたかみを感じられるDX」リモート視力測定やLINE活用で顧客体験向上

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OWNDAYS株式会社(オンデーズ・以下、OWNDAYS)は、沖縄県那覇市に本社を構える眼鏡・サングラスの製造販売をおこなう企業だ。視力に問題を抱える人にとって、眼鏡は生活を支える重要なアイテムだが、離島など地域に眼鏡店がないエリアも存在している。

 

そんななか、店舗オペレーションの改善のため、リモート視力測定サービスを導入した。そのサービスを活用し、2023年3月にこれまで出店できなかった沖縄県久米島に新規出店。リモート視力測定導入の経緯や、同社の DX の取り組みについて、広報PRマネージャーの重村 真実さんに話を聞いた。

重村 真実(しげむら まみ)さん プロフィール

OWNDAYS株式会社の日本法人、株式会社オンデーズ(本社 東京都品川区)のブランディング部所属。広報PRグループのマネージャーを務める。

出店が難しい離島の眼鏡ニーズに応えたい

沖縄に本社を置くOWNDAYS。沖縄本島に 22店舗、周辺の離島にある店舗を加えると 26店舗を構える。

 

「弊社は過去に倒産寸前の危機を迎えたことがあります。そのピンチに真っ先に声を上げて融資の決断をしてくださったのが、沖縄の金融公庫でした。その恩義もあり、沖縄は弊社にとって大切な地域なんです」

 

沖縄本島にスタッフが多くいることもあり、同社は沖縄エリアの眼鏡ニーズにくわしい。現地でのヒアリングの結果、眼鏡のニーズがあると考えられるエリアの1つが久米島だった。

 

しかし、いくらニーズがあるといっても離島の場合は出店の判断基準を満たすのは容易ではない。そこで、まずは出張販売を実施。しかし、十分なサービス提供ができたとはいえなかったという。

 

「弊社の強みは業界最高水準のアフターフォロー。1年間に 2度受けられるレンズの交換保証や、購入から1ヵ月以内の返品・返金サービスなど、購入後の保証を手厚くしています。ただ見えるようにするのではなく、”見える世界を売る” のが弊社のポリシー。見える先の生活に寄り添い、保証内容を考えているんです」

 

出張販売では、期間後にアフターフォローが必要になった際、距離というハードルが生じる。久米島での出張販売でも、沖縄本島に足を運んでもらわなければならないケースがあったという。

 

「眼鏡屋は半医半商、つまり半分医療半分商売といわれています。やはり身近に相談できる眼鏡屋があるのは重要だと思います。ただ、出店には人員確保の課題がありました。眼鏡屋の接客フローは、商品選び、視力測定、眼鏡作成、お渡しと、4段階に分けられます。1人あたり 10分ほど測定時間を要するため、アパレル店よりも接客に時間がかかるんです。視力測定は一対一で座っておこなうため、その間は店内ががら空きになり、ほかのお客さまが来店されたときに接客するスタッフがいない状況になってしまいます。だからといって、離島ではコスト的にも人を増やしづらい事情があるんです」

 

眼鏡ユーザーが多く、店舗への需要はある。しかし、従来の店舗運営では出店判断が難しい。そんな状況を打破したのが、リモート視力測定だった。

 

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リモート視力測定で店舗スタッフの業務を効率化

コロナ禍により、一気に世間に馴染んだリモート。OWNDAYSのリモート視力測定の仕組みが完成したのは、ちょうど国内で新型コロナウイルス流行の波が広がってきた2020年2月ごろのこと。リモート視力測定の仕組み作りに取り掛かったのはコロナ禍以前のことだ。

 

本施策に取り組み始めた理由は、少ないスタッフ数で円滑に店舗運営ができるようにしたいという狙いにあった。

 

「視力測定を遠隔でできるようにすれば、来店状況に応じて店舗スタッフ、遠隔スタッフが視力測定を分担できる。遠隔スタッフが視力測定をおこなっている間に、眼鏡のお渡しや来店されるお客さまへの対応をするといった具合に、臨機応変な動きができるようになると考えました」

 

元からある視力測定機に遠隔先と連携する仕組みを用意。対応するのは本社と大阪営業所、福岡営業所スタッフで、合計20人ぐらいの体制を組み、自社開発の予約システムに視力測定の検査が入ったら対応できるようにしている。

 

苦労したのは、店舗スタッフへの落とし込みだったという。

 

「対面での視力測定が当たり前だったため、『対面でやったほうが早い』というスタッフもやはり多かったんです。2020年4月から6月にかけて、まずは国内10店舗に導入したのですが、スムーズに使いこなせる店とそうでない店に分かれました。すぐに活用し始めたのはお客さまが多い店舗ですね。混んでいる店舗では手が足りませんから、自然と『リモート視力測定を使おう』という動きになります。しかし、手が空いていると『店員がやればいい』となってしまう。どういう状況でリモート視力測定を使ってもらうのか、慣れてもらうのが大変でした」

リモート視力測定の様子(写真は川崎ダイス店:提供写真)

オペレーションに組み込み、現場スタッフに慣れてもらう苦労はあったものの、コロナ禍と重なったこともあり、徐々に浸透していったリモート視力測定。顧客側もリモートに馴染みやすい状況が整っていたことから、大きなトラブルなく受け入れられていったという。

 

国内店舗での導入状況から、「これなら離島にも出店できる」と判断。久米島では、少ない人員で十分な接客ができるよう商品数を調整し、さらにリモート視力測定の仕組みを導入することで、めでたく出店となった。

 

久米島店のスタッフは基本的に1人。時間を要する視力測定を遠隔スタッフに任せることで、1人でも店舗運営ができる仕組みだ。すでに導入実績があったことから、久米島店への導入はスムーズだった。「これを機に、これまで出せなかったエリアにも出店していこう」という機運が高まっているという。

 

また、リモート視力測定のメリットとして、重村さんは「経験豊富なスタッフにすぐにつなげられること」を挙げる。

 

「国内では視力測定に特定の資格はいりません。勉強すれば一定の視力測定はできるようになります。しかし、イレギュラーな度数が出てきたときの対応は、経験の浅いスタッフには荷が重いのです。弊社では社内検定を設けていまして、遠隔スタッフはその上級資格者で固めています。いざというときに経験値の高いスタッフに任せられるのは、現場スタッフにとって安心でしょう。

 

また、弊社は海外にも出店しているため、外国人観光客が来店されることもあります。観光地の店舗ならまだしも、地方店舗にまでバイリンガルスタッフを置くのは難しく、視力測定ができるレベルの英語を話せるスタッフがいない店舗もあります。外国語が話せる遠隔スタッフを配置することにより、そうしたシーンでもリモート視力測定が活きていますね」

LINE活用で顧客体験を向上

OWNDAYSは、リモート視力測定のほかにも、積極的にDXを進めている。そのうちの 1つが、LINE の活用だ。

 

OWNDAYSのアカウントを友達登録し、顧客登録することで、LINE上から会員証やこれまでに購入した眼鏡の度数、保証内容の確認、クーポンの受け取りができる。眼鏡の購入から受け渡しまでに時間がかかる際には、LINE を使った仕上がり通知を送ることで、スムーズな購買体験につなげている。

自社アプリではなく LINE を利用したのは、眼鏡の買い替え頻度が 2~3年に1回程度だからだという。

 

「わざわざアプリを入れていただいても、その間に消してしまうことも考えられます。LINEなら日々の生活で使っている方が多いため、お客さまに大きな負担をおかけすることなく、スムーズに使っていただきやすいです。用途別に度数の違う眼鏡を使い分けているお客さまからは、『どの眼鏡がどの度数だったのか自分で調べられるのが便利』だというお声をいただいています」

 

一方、現在の課題として、オンライン購買体験の向上を挙げる。バーチャル試着サービスなどもあるが、なかなか実際に着用したイメージが湧きづらく、よりオンラインで眼鏡を買いやすくするためにはどうしたらいいのかを考え続けている。そのヒントにしているのが、2022年に経営統合したインドの眼鏡会社Lenskart(レンズカート)だという。

 

「Lenskart は売上のほとんどがオンライン購入で、店舗はショールームの役割を担っています。その知見を参考に、弊社でもオンライン購買体験の向上に取り組んでいきたいです」

「新しいものには触れてみる」社風

久米島店(提供写真)

久米島店オープンから 1年数ヵ月。店舗のオペレーションに大きな混乱はなく、利益も出せているという。その後、昨年、鹿児島県の屋久島にも出店。離島以外にも、これまで出店が難しかったエリアに店を出せるよう、物件情報にアンテナを張っている。

 

海外で体力をつけ、国内店舗を増やす段階にあるOWNDAYS。現在は週に 1店舗が国内外のどこかで開店している。とくに今年は国内店舗の新規開店の割合が高く、継続的な出店を目指している。

 

デジタル化について、重村さんは「デジタルだと構えず、既存の仕事をどうすれば円滑にできるかを考えてみるといいのでは」と語る。

 

「弊社では『作業をやめよう』が合言葉。社長は『新しいものが出てきたら、まずは触ってみることから始めなさい』と社内に話しています。最近では、社内でChatGPT研修が開催され、私自身もExcel の項目作成や PR用の投稿文のたたき台作りを AI に任せられないかと試行錯誤しています」

 

また、重村さんは「すべての機械化、DXを望んでいない」とも説明する。

 

「弊社がフォーカスしているのは ”人のあたたかみを感じられる DX”。眼鏡の利用者層は年齢が上の方が多いこともありますし、そもそもお客さまと接する部分のデジタル化は許容できる人とできない人がいます。今回はお客さまに触れる部分の DX についてお話しましたが、実際には裏側の DX が多いです」

 

限られた時間を限られた人員で効率的に使い、目の前のお客さまにより良い購買体験を。

 

「新しいものに違和感を覚えるのは当たり前。でも、やってみなければわからないのも事実です。これからもうまく使いこなせる方法を試行錯誤しながら、社員の仕事を効率化し、お客さまによりよい体験をしていただけるよう考えていきたいです」

 

OWNDAYS株式会社

 

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執筆

卯岡 若菜

さいたま市在住フリーライター。企業HP掲載用の社員インタビュー記事、顧客事例インタビュー記事を始めとしたWEB用の記事制作を多く手掛ける。取材先はベンチャー・大企業・自治体や教育機関など多岐に渡る。温泉・サウナ・岩盤浴好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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