さくらインターネットは、スタートアップ向けにデジタルインフラサービスなどの3つの特典を提供する、スタートアップ共創プログラム「Link up」(リンクアップ)を2024年8月19日(月)より開始しました。これは、スタートアップが事業を展開するために必要な基盤を支える「環境提供」「技術協力」「事業支援」を提供するものです。
>>さくらインターネット、スタートアップ共創プログラム「Link up」を開始(ニュースリリース)
さくらインターネットの「スタートアップ共創」とは、いったいどういったものなのか。Link upの具体的な内容や目的、今後の展望などについて、担当社員3名に聞きました。
(写真中央)神野 拓(かみの たく) プロフィール
さくらインターネット 社長室 イノベーション共創グループ リーダー。ISP・データセンター事業者での勤務を経て、2015年にさくらインターネットに入社。営業担当として福岡拠点での営業組織立ち上げを経験。2023年よりスタートアップとの共創業務に従事。
(写真左)山坂 遼太郎(やまさか りょうたろう) プロフィール
さくらインターネット 社長室 イノベーション共創グループ所属。2016年に新卒入社後、セールスエンジニア、カスタマーサポートを経験。2020年4月より福岡県福岡市のスタートアップ支援施設「Fukuoka Growth Next(FGN)」の事務局員を務める。現在は新本社の「Blooming Camp」にてコミュニティマネージャーとして活動。
(写真右)秋元 任泰(あきもと ただひろ) プロフィール
さくらインターネット 社長室 イノベーション共創グループ所属。サーバホスティング事業者でエンジニア職や営業職を経験。2013年、さくらインターネットに入社後、営業担当として多くのスタートアップ企業と関わる。2020年1月よりスタートアップ支援・共創業務に従事。
スタートアップ共創プログラム「Link up」とは?
「Link up」とは、どのような取り組みなのでしょうか?
「Link up」は、スタートアップ向けにデジタルインフラサービスなどの3つの特典を提供する、スタートアップ共創プログラムです。
「環境提供」「技術協力」「事業支援」の3つの柱で、スタートアップの成長を加速させたいと考えています。
具体的には、「環境提供」として、最大1,000万円相当(最大1年間)の「さくらのクラウド」や、生成AI向けクラウドサービス「高火力」シリーズのクーポンなどを提供します。そのほか、画像変換サービス「ImageFlux」やIoT向けSIMサービス「さくらのセキュアモバイルコネクト」などもご利用可能です。
「技術協力」「事業支援」としては、さくらインターネットの経験豊富なエンジニアによる技術的なアドバイスや、各分野の専門家とのミーティングの機会を提供するといった内容です。
Link upという名称には、「新たなつながりと可能性を紡ぐ」という想いを込めました。
サーバーやネットワーク機器がケーブルなどで別の機器と接続されて、通信可能な状態になることを「リンクアップ」といいます。そういう意味でも、さくらインターネットらしい名称になったと思います。
Link upにおいて、それぞれどのような役割を担っているのでしょうか?
明確に役割を分けているわけではないですね。Link upのリリースまでは、お互いに「これやりましょうか?」といった感じで、補完しあって進めていました。さくらインターネットのサービスに関わる他部署の方々との連携が必要だったので、そこを3人で分担しながらという感じです。
私は、おもに広報まわりの調整をしていました。どういったスケジュールでリリースするかや、打ち出し方など、対外的な見せ方の部分ですね。また、FGNで業務する強みを活かし、スタートアップ目線で魅力を感じてもらえるか、という点でフィードバックをさせていただいていました。
神野さんは推進力があるので、さまざまなことを進めるうえでリードしていただいています。比較すると、私のほうが慎重派。全体的に精緻化したり、ドキュメントの整備をしたり、神野さんのサポートをしている側面はあるかもしれません。
それぞれの個性・強みを活かせているチームだと思います。
スタートアップと「共創」する
Link up開始の背景や目的についてお聞きしたいです。
さくらインターネットでは、従来からスタートアップ向けの施策に取り組んできました。それを改めて整理、刷新したのがLink upです。
チームビルディングの際、さくらインターネットのスタートアップとの取り組みは「支援」ではなく「共創」にこだわることにしました。「支援」だと継続的な活動とするのが困難だから、というのが理由の1つです。Link upも「支援」ではなく「共創」を目的にしています。
「共創」をするにはお互いの強みを理解し、期待値を合わせる必要があります。そのためにミーティングを通じてお互いを理解したうえで、Link upを提供したいと考えています。
社内外の間口を広げることで、従来のわれわれではアプローチが難しかったスタートアップとの接点が作れるようになり、その結果として多くのスタートアップとの共創を生み出すことができたらうれしいなと思っています。
社内外いずれに対しても、さくらインターネットのスタートアップ共創の取り組みに関するプレゼンス向上とアイデンティティを確立したいという想いがありました。
スタートアップに対して、改めてさくらインターネットの認知度を上げていきたい。この取り組みを通して、スタートアップとの出会いが増えて、なにか一緒に取り組むことができたり、結果としてさくらのインフラを利用していただけたりといった、呼び水になるようなものにしていきたいですね。
メンバーの個性を活かしつつ「チームプレー」へ
従来のスタートアップ施策と比較して、どのような変化があるのでしょうか?
これまで通り、チームメンバー個人の特性を活かしつつ、チームプレーでスタートアップと関わっていきたいと考えています。たとえば、社内の関係する部署に対して早い段階でしっかりと情報連携をしていく。これは、Link upの3つの柱「環境提供」「技術協力」「事業支援」について、よりよいものを提供するためです。
制度として打ち出すことで、もともとつながりのあったところだけでなく、これまで接点のなかったところとの出会いが生まれていることは大きな変化ですね。
そうですね。これまでのスタートアップとの関わり方は、担当者ベースでの対応になりがちでした。Link upという枠組みを通して、部署を越えた共創のマインド醸成に貢献できればと思っています。
Link up開始後、どういった反響がありましたか?
現時点で、すでにさまざまなスタートアップやVCからお問い合わせをいただいています。
ありがたいことですよね。Link upという形にできたのは、これまでスタートアップ界隈でコミュニケーションをとっていた社員が私たちに繋いでくれたおかげでもあります。Link upを盛り上げて、われわれも次の世代にバトンを渡していけるようにしたいですね。
新たな拠点として9月に開所した大阪のBlooming Camp(ブルーミングキャンプ)を含め、沖縄や福岡、北海道など、各所にスタートアップに携わっているメンバーがいます。全国に拠点があり、地域に根差して共創活動をしているというのは結構めずらしいのではないでしょうか。興味がある方がいらっしゃったら、ぜひお気軽にお声がけいただきたいです。
スタートアップとともに新たな価値を創る
最後に、今後の展望についてお聞かせください。
スタートアップが成長するストーリーに、さくらインターネットが当たり前のように存在する未来を作りたい。また、さくらインターネットが成長するストーリーにも、スタートアップが当たり前のように存在する未来を作っていきたいです。
われわれが取り組んでいることって、いまは「大したことやれていないな」と思うこともあるかもしれない。でも、もしかしたら数年後に「じつはそれが運命の分かれ目だった」みたいなことになるかもしれないじゃないですか。
今後、出会うスタートアップのなかで、「さくらインターネットとこういうことができてよかった」と言ってくださる方が1人でも増えればいいなと思います。
スタートアップ共創の取り組みとしては、Link upはあくまで「ツール」の1つ。さくらインターネットには、各部署にさまざまな分野のプロフェッショナル、スペシャリストがいます。なので、スタートアップの事業の成長を手伝うというよりも、いままでになかった価値をスタートアップと一緒に創っていきたいというところを強調したいです。スタートアップにとってのツールの1つとして、Link upを活用していただきたい。まさに、当社の企業理念『「やりたいこと」を「できる」に変える』を体現していくということですね。
つねにトレンドが移り変わるスタートアップシーンにフィットできるよう、Link upも柔軟なプログラムでありたいと考えています。「共創」という姿勢は変えることなく、スタートアップと目線を合わせながら、よりよいものにアップデートしていきたいですね。そのためにも、多くの方と関わっていきたいと思いますので、ぜひお気軽にお問い合わせいただけるとうれしいです!