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石川高専OBの若手社員が語る、DX人材になるために必要なスキルとは?

2024年8月29日、石川工業高等専門学校(以下、石川高専)にて、特別講義「夏季集中講座『デジタル人材リテラシー』」を実施。この講義では、DX(デジタルトランスフォーメーション)を支える技術をテーマに、国産データセンターの概要や仕組み、さくらインターネットの教育支援制度、DX人材などについて講義をおこないました。

本記事では、石川高専OBで、卒業後さくらインターネットに入社しカスタマーサポートに従事する若林敬人が「今後のDX人材について」講演をおこなった内容をレポートします。

若林 敬人(わかばやし たかと) プロフィール
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 サービスサポートグループ カスタマーケアユニット所属。
さくらのレンタルサーバに関する、メールやチャット対応や、お客さまからの声(VoC)をもとに改善を進める活動に関わっている。

なぜ、エンジニア希望からカスタマーサポート職についたか

石川高専で電子情報工学を学んだあと、2019年に開催されたさくらインターネットのインターンシップを経て入社しました。はじめはエンジニア志望でしたが、このインターンシップを通じて、カスタマーサポート職の重要性に気づきました。

サポート業務では対話スキルだけでなく、質問に回答するためにサーバーやネットワークに関する専門知識が必要とされることを実感しました。インターンシップでの経験から、エンジニアの知識を持ったサポートという役割に惹かれたんです。現在は、技術サポートだけでなく、お客さまの声を反映したサービス改善やVoC(Voice of Customer)の活動にも積極的に関わっています。

FAQ 学生からの質問:さくらインターネットに就職先を決めた理由は?

決め手は、インターンシップに参加したこととサポート体制ですね。当時、対面でのサポート環境があったんですが、対面でサーバーやインターネットに関するサポートをおこなう点がめずらしく、お客さま視点でサポートを提供しているなと感じました。ただ対応や一般的な回答をするだけではなく、専門的な知識や技術を駆使して、お客さまにプラスアルファの情報を提供する姿勢にも感動して、さくらインターネットで働きたいと思ったんです。

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DX人材のキーワードは「変化」

「変化」にはさまざまな意味がありますが、DX人材になるためには、変化に興味を持ち、自ら変化を起こし変化に対応できる能力が必要です。不確実性の高い環境、変化がある環境で成功するためには、柔軟性を持って、失敗を恐れず行動するスキルが大切になります。

具体的には以下の5つのスキルが重要だと思っています。

1.新しい知識を自ら学ぶ姿勢

一般的な企業では、新卒で入社すると初期研修があり、最低限の必要な能力に関しては、勉強する場が設けられます。しかし、社会や会社が変化するなかで、仕事をするうえで必要となる知識も変化しますので、初期研修だけでは足りない場合もあります。
その際、自ら新しい知識をキャッチし、学ぶ姿勢がDX人材には欠かせません。勉強会やeラーニングを活用し、変化に柔軟に対応できる力が求められます。

2.協力し合う連携スキル

DXを進めるうえで、個人や既存のスキルのみでは難しい場合があります。そこで大切なのが、社内外問わず他者と協力し連携すること。コミュニケーションや連携力が、DX人材として不可欠な要素です。

3.相手の視点で考える力

自分だけではなく、相手の視点から物事を考えることも重要です。これはサポート業務をしていて感じたことですが、さまざまな視点に立ち、課題やニーズを理解し共感することで、潜在的な問題に気づくことができます。そして、新しい変化を引き起こしたり、適応したりできると考えています。

4.当たり前を疑う柔軟な思考

いままで当たり前だと思っていたことに対し、背景を理解しながら柔軟に考えることで、新たな発想が生まれる事もあります。既存の方法に固執せず、いったん疑問を持って考えてみるというのも、必要なスキルです。

5.諦めずに挑戦し続けること

変化を起こそうとするとき、失敗や困難に直面することが多いと思います。そのときに、諦めずに挑戦し続けることがとても重要です。間違った場合でも、ほかの方法で改めて挑戦したり、スモールスタートで徐々に変化を起こしていくことが大切だと思っています。

さくらインターネットの3つのバリュー

これまでの話を踏まえて、さくらインターネットで重視されているスキルについてお話します。それは、「誰かのために自分がやりたいことを掲げ、熱量を持って行動する」スキルです。

変化に直面したり、自分からなにか行動を起こすことに、不安に感じる人もいるかもしれません。ですが、さくらインターネットでは、恐れずに挑戦できる環境が整っています。この土台になっているのが、さくらインターネットが掲げる、3つのバリューである「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話す」です。

1.「肯定ファースト」

まず相手の意見を肯定的に受け止め、そのうえで議論を深めていくという考え方です。最初に否定から入ってしまうと、議論が止まってしまうため、相手の意見を尊重しながら、本質的なコミュニケーションをとるスキルが求められます。

2.「リード&フォロー」

成功のためには、リーダーシップを発揮して先頭に立ってリードしていく人と、リーダーを支えていく、フォロワーシップを発揮する人、両方が重要です。DX環境では、どちらかの役割なので相手のことは考えないということではなく、時にはリーダーとして、時にはフォロワーとして能力を発揮できる柔軟性が大切です。

3.「伝わるまで話そう」

相手に伝わるまで丁寧に話し、また相手の意図を正確に理解するために、しっかりと耳を傾ける姿勢が求められます。話し合うことで、コミュニケーションの行き違いによるトラブルを防いだり、認識のずれやお互いが合意のない期待を減らすことができます。

これらのスキルは、さくらインターネットに限らず、DXを支える基盤として幅広い場面で活用できるのではないでしょうか。

さくらインターネットの働く環境や制度づくりとは?
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学生のうちにやっておくといいこと

個人的な経験をもとにした見解ですが、学生のうちにやっておくといいことは勉強です。この勉強というのは、特定の教科ではなく、実際に「知る・試してみる」「調べてみる」といった行動を意味しています。

まず知る(興味を持つ)ことが、スタート地点です。たとえば、Webサイトの公開方法やサーバーの仕組み、AIについてなど、自分が興味を持ったテーマを調べ、実際に試すことで記憶にも残りやすくなります。そのなかで、新しい疑問が生まれたり、理解できていなかった部分がわかったりするので、「調べて試してみる」という行動が大切だと考えています。

FAQ 学生からの質問:社会人になってからも「これは役に立った」と感じる授業はなんですか?

いま、一番はじめに思い浮かんだのが、情報通信とか情報基礎ですね。ネットワークとかIPアドレスとか、普段、触れることはないと思うのですが、インターネットを利用してる以上、絶対に必要になる知識だと思います。

資格試験のメリット

「勉強」といっても、何をしたらいいのかわからない。そういう方は、資格試験を受けてみるのもいいかもしれません。たとえば、ITパスポートや基本情報技術者試験は、広範囲な知識を網羅できるのでおすすめです。資格試験を頑張る場合は、大切なポイントがあって、目標を持って頑張ってみることが大切かなと思います。合格も1つの目標にはなりますが、資格試験を通して、ネットワーク系であったり、セキュリティ、プログラミング、マネジメントとかいろいろな分野があるので、自分の得意分野を見つけることができる点でも、資格試験は使えるかなと考えています。

資格に関する話題でよく聞かれるのが、資格をとることが就職に有利か不利かという点ですが、個人的には半分有利だと考えています。企業によっては資格が必要・不要といった条件があるかもしれませんが、資格があるから合格、ないから不合格ということは基本的にないと思います。

ですが、面接で自分の努力や熱意を示すための1つの手段として、資格を勉強して合格したことはアピール材料として役立つ可能性があります。そういった意味では、学生のうちに勉強しておくと有利ではないでしょうか。

資格については入社後に考えるという選択肢もあります。ただ、私自身、入社直後は業務に必要な知識を身につけることで手一杯で、一般的なVPSやクラウド、ネットワークに関する学習に割ける余裕はほとんどありませんでした。時間に余裕のある学生時代に、ITの土台となる部分をしっかりと学んでおく。そうすることで、入社後の知識不足による戸惑いや、仕事の難しさを減らすことができるのではないかと考えています。


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イベントに参加して機会をつくろう

たくさんのことをお伝えしましたが、勉強は難しく感じたり、ハードルが高いなと思うことも多いかもしれません。そういう場合は、手軽で効果的な方法として、イベントに参加して学ぶ機会を作るのがいいと思います。イベントでは、知識を得るだけではなく、実際に体験する機会も多く提供されており、何を始めればいいかわからないという状況でも、興味を持つきっかけがつくれます。

私が学生時代にさくらインターネットをはじめて知ったのは、セキュリティに関する高専生向けのサマースクールイベントに参加したのがきっかけでした。その経験から、セキュリティやネットワークに興味を持ち、さらにインターンシップや企業説明会を通じて興味の幅を広げていきました。

みなさんもこのイベントに参加しているということは、サーバーやクラウド、DXに興味を持つ絶好のチャンスです。ぜひこの機会を活かして、先生や周囲の方に「ネットワークやロードバランシングに興味があります」といった形で気軽に質問や相談をして、次のステップへ進んでいただければと思います。

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執筆

青木 茉利奈

さくらインターネット初の新卒社員。
2023年4月から、さくマガ・さくらのユーザ通信・SNS関係の担当しています。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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