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株式会社リーヴォン~手づくりすれば、生活はもっと楽しくなる

株式会社リーヴォン 取締役 結城浩太さん

株式会社リーヴォン 取締役 結城浩太さん

こちらの記事は、2017年3月にさくらのナレッジで公開された記事を再編集したものとなります。文●山下達也

さくらインターネットが注目するスタートアップ企業を紹介。今回お話をお伺いした 株式会社リーヴォン は、DIYを「レシピ」にするというユニークな発想で話題のWebサービス「DIYREPi(ダイレッピ)」を立ち上げた注目スタートアップです。その狙いとは?

今どきのDIYはお父さんだけのものじゃない!

――株式会社リーヴォンでは、現在、Webサービス「DIYREPi」を運営中ですが、まずはこのサービスについて教えてください。

DIYREPiは、DIY(Do It Yourself)の総合コミュニティーサイト。料理のレシピサイトのようにDIYのレシピを掲載しているほか、質問・掲示板機能などを使ってユーザー同士が知識と知恵を共有できるようにもしています。

DIYREPiのサイトイメージ

――どうして「DIY」という市場を選んだんですか? やっぱり結城さんのご趣味がDIYだったりするんでしょうか?

いえ、実は「DIYREPi」は、これまで全くDIYをしたことがないメンバーで作りました。弊社の代表取締役の古橋がインテリア好きなのですが、彼がちょっと興味を持ってDIYをやってみようと思った時に、作り方を教えてくれるサービスがほとんど存在していなかったのがきっかけとなっています。

私も古橋も、かねてよりWebサービスを自分で立ち上げてみたいと考えていたので、これはチャンスだと思いました。今や、インターネットではあらゆるジャンルで、多くの企業が情報サービスを展開しており、割り込む余地がほとんどありません。でも、DIYの分野には当時、そういったサービスが見当たらなかったのです。

 

――でも、DIY=日曜大工って、インターネットが苦手なおじさんたちの趣味というイメージがあります。それってサービスとして成立するんでしょうか?

いえいえ、実は今のDIYのメイン層は、30~40代の主婦なんです。「日曜大工」と言うと木製の家具作りを想像してしまいがちですが、今どきのDIYはその枠に留まらず、雑貨やアクセサリーづくり、手芸や洋裁など、幅広く「ものづくり」のことを示しているんですよ。

また、ゼロから何かを作りあげるだけでなく、100均アイテムにちょっと手を加えてあげるような“プチDIY”も流行っています。

 

――今や、DIYはお父さんのものだけではなくなっているんですね!

そうして作りあげたものをブログやインスタにアップするのが最新のトレンド。二子玉川に有名なDIY作業スペースがあるんですが、そこに行くと女性がとても多くて驚かされますよ。しかも、場所柄もあってか、富裕層のお客さんがとても多いんですね。ビジネス的にも有望だろうと感じました。

 

結城浩太さんの写真

――なるほど。しかし、であるならば、いずれは競合も増えてくることになります。実際、同時期にいくつかのサービスもスタートしているようですが、それらと比べた際の「DIYREPi」の強みはどこにあるのでしょうか?

「DIYREPi」最大の特長は、レシピ共有とコミュニケーション機能に加え、ECサイト「DIYREPi Online」を併設していること。ユーザーが投稿したレシピに「DIYREPi Online」で取り扱っている商品がある場合、自動的に紐付けられるようになっています。

現在「DIYREPi Online」では約1600品目のアイテムを取扱中。今はまだ工具が中心なのですが、今後は段階的に材料なども増やしていく予定です。ユーザーからは材木のカットサービスを提供して欲しいという声が上がっているのですが、これも近日中に対応予定となっています。

 

――「DIYREPi」なら、気に入ったレシピを見つけたら、材料を手に入れるところまでワンストップでいけてしまうということですね。

そうですね。最終的にはそこを目指したいと考えています。あと、もう一つ、大きな強みと言えるのが、我々がDIYの素人だったこと。確かに作り始めは知らない事が多くて苦労させられたのですが、そんな初心者が作ったサービスだからこそ、DIYをこれから始めようと考えている人にも楽しんでもらえるのではないかと。

 

――「DIYREPi」を初めて、業界に何か変化はありましたか?

まだサービスを開始して半年程度なので、大きな変化は起きていないと思うのですが、提携している企業様には「こんなサイトはなかった。DIY業界の発展にはこうしたサイトが必要だ」と言っていただけました。

また、たくさんのDIYブロガーさんが「DIYREPi」にレシピを投稿してくださるようになりました。今後、「DIYレシピ」という言葉が当たり前になり、さらにDIY=「DIYREPi」となれるように社会変化させていきたいです。

日本のDIYを世界へ、世界のDIYを日本へ

――「DIYREPi」がサービス開始して約半年ということですが、その手応えはいかがでしょうか?

実はまだ、目的としていたシステムが完成していないため、大きく告知などはしていない状況です。ECサイトなど基盤となる部分が完成したところで、一気に攻勢をかけたいな、と。ただ、それにも関わらず、既に多くのユーザーさんが「DIYREPi」を活用してくださっているのはとてもうれしいですね。

 

――どんなレシピが人気なんでしょうか?

今は、100均アイテムを使ったDIYが人気ですね。シンプルな箱を買ってきて、それをアレンジして自分好みにカスタマイズするといったレシピがよく参照されています。

 

――サービス開始してみて分かった”想定外”などはありましたか?

思った以上にスマホユーザーが多かったのは想定外でしたね。実は計画初期に、GoogleのキーワードプランナーなどでDIYを検索する人の属性を調べたりしたのですが、そのときはPCユーザーの方が圧倒的に多かったんです。

それでサイトはPCを中心に作成し、最後にそれをエイヤッとスマホ対応させたのですが、蓋を開けてみると、スマホでアクセスするユーザーが7割という結果に(苦笑)。当初のスマホページが分かりにくい構造になっていたため、多くのユーザーを逃してしまっていました。慌てて昨年末に改修したものの、これは大きな読み違いでしたね。

 

――でも、そのおかげかサイトはとても見やすくまとまっていますよね。

ありがとうございます。当初から女性ユーザーを意識していたこともあり、デザインにはすごくこだわっています。DIYマニア向けの機能性よりも、初心者が親しみやいような、使いやすさや優しさを優先しました。また、自分のDIY生活を発信しやすいよう、SNSとの連携機能もしっかり用意しました。

 

結城浩太さんの写真

――今後の目標について教えてください。

現在、DIYを始めようとする際の壁は、「作り方が分からない」「工具・材料を買いに行くのが面倒くさい」「作る場所がない」の3つ。このうち、「作る場所がない」以外は「DIYREPi」で解決できるようにしています。そこで、今後は最後の「作る場所がない」を解決するために、リアルショップを作って、作業スペースの貸出やワークショップなどを行いたいと考えています。

また、世界と繋がっているインターネットの強みを活かし、最終的には日本のDIYを世界に発信し、世界のDIYを日本に広める活動もやっていきたいですね。既成品があふれる世の中ですが、手づくりの良さはその物を作る人の思いが込められている部分にあると思います。

「DIYREPi」が掲げる「手づくりすれば、生活はもっと楽しくなる」というコンセプトに沿って、DIYの魅力を一人でも多くの方にを伝え、DIYを始めるきっかけになればと思っています。

 

――都心のDIY愛好家に取っては確かに場所の問題は大きいですよね。アンテナショップ、期待しています!

そして、株式会社リーヴォンとしては、「DIYREPi」に留まらず、それ以外の分野にも進出していきたい。リーヴォン(Re:evon)という社名は、ReBorn(生まれ変わる)と、Nova(新星)を組み合わせた造語で、新たな世界を生み出し続けていくという意味が込められています。もちろん、現時点では「DIYREPi」に全力投球していくつもりですが、将来的にはいろいろなことをやっていこうと考えています。

 

■関連リンク
株式会社リーヴォン
DIYREPi

 

編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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