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沖縄のスタートアップの未来|株式会社琉球銀行 川上さん&那覇市市議会議員 外間さん

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さくらインターネットは「IVS2022 NAHA」のスペシャルスポンサーとして、2日間に渡り「さくらインターネット特設ステージ」を開催しました。

この回のゲストは、株式会社琉球銀行 取締役頭取の川上康さんと、那覇市市議会議員の外間有里さん。

うちなーんちゅのおふたりに、沖縄のスタートアップについてお話をうかがいました。

 

頭取自らがITを活用

田中邦裕(以下、田中):沖縄のスタートアップについて、お話をしていきたいと思っています。その前にITの話をしたいのですが、川上さんは自らITを活用されていますね。銀行の頭取自らがITを活用するというのは珍しいと思うのですが、どのような思いでITの活用に取り組まれているのでしょうか?

 

川上 康さん(以下、川上):学生の頃、統計が好きでした。銀行に入行して調査部で統計の仕事などをしているうちに、FORTRANを書く機会がありました。当時はプログラミングを書けないと分析ができなかったんです。システム屋さんみたいなこともやっていましたね。だから、システム部門の人とも話が合うんです。銀行でキャリアを積んでいるうちに、こうなっちゃいました(笑)。

 

田中:経営者自身がITに疎いと全社的にITに疎くなってしまうので、川上さんのような方は重要ですね。外間さんは経営者でありながら、那覇市市議会議員でもあります。沖縄は少し保守的なところもあるので選挙時はハードルもあったと思うのですが、そのあたりいかがでしたか?

 

外間 有里さん(以下、外間):もともと「まちづくり」に力を入れて取り組んでいたので、商店街や那覇の関係者のみなさんに押し上げていただけたのかなと思います。

 

規制緩和で産業が発展する

川上さんの写真

 

田中:川上さんにお聞きしたいのですが、今回こうして那覇で1800人規模のスタートアップに関するイベントが開催されました。どうお感じになりますか?

 

川上:素晴らしいなと思います。ただ、ひとつ残念なのはアルコールが出ないことですね。出ない理由を聞いたら那覇市の規制があるそうなんです。こういう規制があるところに、日本や沖縄のスタートアップが前に進めない理由があるかもしれません。

 

田中:本質的なお話ですね。私もアルコールがあれば、もう少し話ができるのになと(笑)。

 

川上:沖縄という地域は本土から離れています。いろいろなテストをする場としてはいいと思うんです。沖縄で規制緩和をして、さまざまな方が集まってきてくれれば、産業が発展するのではないでしょうか。県には提言もしていますが、なかなか実現しないですね。

 

田中:琉球銀行の頭取からこの言葉が聞けるのは素晴らしいですね。規制の話について、外間さんはどう思われますか?

 

外間:実証実験やテストマーケティングができる環境を整えることで、日本の企業力を高めることにもつながります。沖縄は国家戦略特区をたくさん持っているのですが、うまく活かしきれていないと思っています。特区は県に紐づいているのですが、これを市などの自治体に紐づければ規制緩和が進みやすいはずです。

 

田中:福岡市などは「市」として特区に指定されていますからね。

沖縄だからこその魅力

外間さんの写真

 

外間:沖縄だからこそ提供できるスタートアップの環境が何かあるのかな、と考えたときに「住環境」はポイントだと思います。沖縄の良さとして、住みやすさをもっと発信していく必要があります。田中さんも沖縄に住まわれていますが、実際に暮らしてみていかがですか?

 

田中:すごく暮らしやすいです。いろいろな理由がありますが、まず気温が暖かいですよね。あと私はお酒が好きなので、沖縄には日頃から飲める場所がたくさんあっていいですね。那覇にawabarも作りましたし。

沖縄にいると経営者仲間が遊びに来てくれて、人の幅が広がりましたね。東京にいるよりもゆるい気分になれるので、投資が決まりやすいです。awabarでも結構投資が決まっているみたいですよ。

 

川上:集まることで、お互いに刺激を受けるという話をスタートアップの方に聞きました。さらにコミュニティから成功者が出ることで、「あいつができるなら、俺もできる!」といったモチベーションが高まります。沖縄はそういった場所になれるのではないか、という期待があります。

 

外間:本当にそうですよね。これから沖縄でもスタートアップが熱くなっていってほしいです。まだ沖縄は東京に比べると「スタートアップをやるんだ」という人が少ないと思います。

 

川上:最近は増えてきていますよ。琉球銀行の宣伝になってしまいますが、「OKINAWA Startup Program」というスタートアップを創出、育成するプログラムを2016年から始めました。毎年10社くらい採択されて、出資した企業もあります。こうした活動を地道に続けています。

 

田中:私がエンジェル投資をした企業も「OKINAWA Startup Program」に採択されました。正統派のプログラムですよね。こういうプログラムが作られることが重要です。ここから何社か上場しそうですよね。外間さんは「若者と女性の活躍推進」を掲げています。スタートアップとの関連もありそうです。

 

外間:ITやWeb3の知見を持った政治家や行政職員がどれだけいるかが、地方の未来と関係してきます。これからの沖縄の未来を考えたときに、知見を持った方々とつながりたいと考えていたので、今回のIVSを誘致できたことはとてもうれしいです。

沖縄の未来は明るい

3人の写真

 

川上:沖縄には伸びしろがまだまだあります。それをどう伸ばしていくのかが課題です。スタートアッププログラムやビジネススクールなど、地道な作業が必要ですね。

 

外間:私も沖縄の未来は明るいと思っています。まず、沖縄は人口が増えているんですよね。日本の他の地域で人口が増えているところは、あまりないんです。沖縄独自の成功事例が出せるのではないかと思っています。沖縄から新たな豊かさを発信できるのではないでしょうか。

 

田中:さくらインターネットも今後、沖縄に拠点を開設します。別の地域では東京と同じ給与設定にしたところ、周りの人から「やめてくれ」と真顔で言われたことがあります。沖縄は平均給与水準が日本で最下位ですが、沖縄の給与を上げることについてはどう思われますか?

 

川上:観光産業やサービス業の給与が低いので、平均で見ると全国最下位になっています。でも、海外に比べたら観光にかかるお金が安すぎます。日本は安売りしすぎです。観光で払ってもらうお金を高くして、それを従業員に還元するサイクルに持っていかないといけません。

 

田中:今日、このお話をお聞きできて良かったです。川上さんは沖縄経済同友会の代表幹事でもありますからね。給与を高くするだけだと会社は赤字になってしまいますが、高く売れればいいわけです。価値を上げれば、高く売れますからね。外間さんはどう思われますか?

 

外間:私も経営者ですから、次のビジネスモデルへの転換が必要だと思っています。私が代表の外間製菓所では、Shopifyを使ってオンライン販売をしています。

政治家としては、那覇のブランドを考え、商店街の方々が努力していることのサポートをしていく必要があります。

 

田中:若い人の力が必要なのかもしれませんね。外間製菓所だって、外間さんが継がなかったらオンライン販売をやらなかったと思うんです。最後におふたりそれぞれからメッセージをいただけますか。

 

川上:本日はありがとうございました。またIVSが沖縄で開催される機会がありましたら、またぜひ呼んでいただければと思います。

 

外間:今回のIVSは沖縄のこれからのビジネスが広がるきっかけになると思いますし、私もすごくわくわくしています。沖縄でビジネスをできる環境を整えるのが政治家や行政の役割だと思うので、みなさんの声を聞きたいと思います。ありがとうございました。

 

 

さくらインターネットでは「ImageFlux VC連携 スタートアップ支援プログラム」を提供しています。スタートアップへの支援を積極的におこなっているので、お気軽にご相談ください。

 

執筆・編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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