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「やった失敗」よりも「やらなかった失敗」のほうが傷が大きくなる|株式会社ドリコム代表取締役社長 内藤 裕紀さん

「やった失敗」よりも「やらなかった失敗」のほうが傷が大きくなる|ドリコム代表取締役社長 内藤 裕紀さん

 

さくらインターネットは「IVS2022 NAHA」のスペシャルスポンサーとして、2日間に渡り「さくらインターネット特設ステージ」を開催しました。

ステージでは「失敗を讃えよう!」をテーマに、起業や経営における挑戦と失敗について、豪華ゲストをお招きして語っていただきました。

本記事では、京都大学在学中にドリコムを設立し、2006年に東証マザーズ上場を果たした内藤裕紀さんの「失敗談」をお届けします。現在、Web3に注力する内藤さんは、「やった失敗」よりも「やらなかった失敗」のほうがじわじわくると言います。そんな内藤さんの「やらなかった失敗」とは――

「やった失敗」は小さい傷で終わる

「やった失敗」は小さい傷で終わる

 

田中邦裕(以下、田中):内藤さん、よろしくお願いします。オガ(小笠原)さんとは京都つながりですよね。

 

小笠原治(以下、小笠原):大学生のときに一度会っているんですよね。

 

内藤裕紀さん(以下、内藤):僕が23歳ぐらいのときですね。

 

小笠原:「失敗」というテーマなんですけれど、なにか大きな失敗って思いつくものありますか?

 

内藤:ここ数年でいうと、僕らは2017年にブロックチェーンチームを作って、コインチェック事件が起こって、ベアマーケットになるわけですよ。そのときに、投資を緩めたんですよね。

ここ数年見ると、なんであそこで張り続けなかったのかなっていうのはありますね。ちょうど1年ぐらい前から、もう1回ちゃんと張りなおしたんですけど。当時はわからなかったけど、あとから気づく、じわじわとした失敗というか。

 

小笠原:でも、2018年にWeb3とかブロックチェーン領域に張り続けられた人ってそんなにいないじゃないですか。

 

内藤:僕個人でも2014年ぐらいにビットコイン買ってて、わーっと伸びて。で、途中で売っちゃってるんですよね(笑)。両方において失敗してますよね。

 

田中:それで言うと、「やった失敗」と「やらなかった失敗」だと後者のほうがじわじわくるじゃないですか。

 

内藤:やった失敗ってなんだろうな……やっぱりやらなかった失敗のほうですよね。

 

田中:今回、いろいろな方に失敗談を聞いていますが、共通してるなと思うのは、やった失敗ってあまりみんな覚えていないんですよね。

 

内藤:やった失敗って、結構早いタイミングで回収できちゃうんですよね。やってみて失敗しても、短期間で傷をふさぎにいける。だから、「やった失敗」は、結果として振り返ると小さい傷で終わっていて、「やらなかった失敗」の傷はあとでジワリと結構大きくなってますね。

 

田中:あと、今回聞いていて思ったのは、やった失敗は学びがあるけども、やらなかった失敗は学びがないっていうね。

 

内藤:また仮想通貨がベアマーケットに入ったじゃないですか。今回は手を抜いたらあかんなと(笑)。そういう意味では活かされる面もあります。

経営者は「プラスα」

経営者は「プラスα」

 

小笠原:内藤さん、体調崩して休まれたりしてますよね。

 

内藤:最近大きい病気になって、10年前ぐらいにもあったり、ちょこちょこ入院してます。

 

小笠原:そういうときに備えてることってあるんですか?

 

内藤:いや、ないですね。そういうことは唐突にくるので。現場は普通にまわっています。たとえば、僕がいなかったらWeb3の会社になっていなかったみたいな話ではありません。プラスαが進まないだけかなってところです。

 

田中:今まさしくおっしゃったように、経営者がいないときでもマイナスにならないように社員がやってくれるけど、経営者がいなかったらプラスにならない。

 

内藤:プラスαとか、5年後、10年後のためだと思っていて、別に明日・明後日、来年・再来年は問題ないんじゃないかなと思います。

 

田中:私は初めて1か月休んだときに、「うまくいってなかったらどうしよう」っていう心配と同時に、「うまくいってたらどうしよう」っていう心配があったんですよね。うまくいってましたけど(笑)。

 

内藤:いい話ですね。

 

田中:それ以降はいろいろと任せるようにし始めましたね。

 

小笠原:田中さん、いま沖縄に住んでますしね。

 

内藤:あ、沖縄に住んでるんですか。最近シンガポールに引っ越す人が多いですけど、どうして沖縄にしたんですか?

 

田中:いま、那覇市民ですよ。引退したら沖縄に住みたいと言っていたんですけど、引退しなくても住めるんじゃないかと思って引っ越してきました。コロナ前の話ですね。

 

内藤:うちの会社も会社に出社していないので、社員がどこに住んでいるのかわからないですね。

Web3に迷いがある理由

Web3に迷いがある理由

 

田中:日本の人がどう思おうが、世界的には絶対Web3になるじゃないですか。なんで日本の企業には、こんなに迷いがあるんですかね。わからないからなんでしょうか?

 

内藤:わからないからじゃないですかね。Web3っていうバズワードだけで、結局中身がわからないし、ビットコインが下がってたらWeb3マーケットも下がるという認識になっちゃうし。何をもってWeb3か? っていう捉え方がみんな違うので。それで、モヤっとしている感じじゃないですかね。

金融面、法務面、サービス面もあるし、トークン、NFTマーケットも理解して、ブロックチェーン言語も理解して……結局、全部が1つにつながっているから、それが難しい。

そもそも、困難な事件が毎週起こりますし(笑)。理解が追いつかないですよね。Web3系の人たちと会話していると、普通の人だと理解している人の会話がわからないわけですよ。単語もわかんないし、何を話してるかわからない。そうなると尻込みしちゃいますよね。

 

小笠原:そこに興味・関心を向けられる人はいいんですけど、そうじゃないとみんな殻にこもっていきますよね。

 

内藤:やっぱり、ちょっと違う言語で話している人たちがやってるサービスっていうイメージはありますね。Web3は難しいから、わかんないから、とっつきにくいからやらないって感じだと思います。

Web3系の起業家は、Web3のことを理解している投資家に投資してほしいから、そこでミスマッチは出やすくなってきますね。

Web3は片手間でやるには厳しいと思います。全部の時間を使うくらいでないと。僕も既存事業で使っていたほとんどの時間を、いまはWeb3に費やしています。海外の情報も追わないといけないので、朝起きたらすごいことになってるとかありますからね(笑)。

Web3の世界はお金と時間がある人が有利です。実際にNFTを買ってみないとわからないこともありますし、勉強することが多いですから。若い人はお金がないぶん、時間でカバーしていますね。

さくらインターネットでは「ImageFlux VC連携 スタートアップ支援プログラム」を提供しています。スタートアップへの支援を積極的におこなっているので、お気軽にご相談ください。

執筆・編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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