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失敗があったからNo.1タクシーアプリ『GO』は生まれた | 株式会社Mobility Technologies 川鍋一朗さん

川鍋さん、田中、小笠原の写真

さくらインターネットは「IVS2022 NAHA」のスペシャルスポンサーとして、2日間に渡り「さくらインターネット特設ステージ」を開催しました。

ステージでは「失敗を讃えよう!」をテーマに、起業や経営における挑戦と失敗について、豪華ゲストをお招きして語っていただきました。

初日1回目のゲストは株式会社Mobility Technologies 代表取締役会長の川鍋一朗さん。タクシーアプリ『GO』をはじめ、「移動で人を幸せに。」をミッションに日本のモビリティ産業をアップデートするさまざまなITサービスを提供しています。

川鍋さんは、日本交通株式会社の代表取締役会長、全国ハイヤー・タクシー連合会の会長も務めています。まさにモビリティのプロフェッショナルです。そんな川鍋さんが経験した「失敗」とは?

 

失敗があったから『GO』アプリが生まれた

川鍋さんと小笠原の写真

田中邦裕(以下、田中):オガさん(小笠原)は、もともと川鍋さんと知り合いですよね?

 

小笠原治(以下、小笠原):川鍋さんとの最初の出会いは、じつは謝罪なんです。

 

川鍋一朗さん(以下、川鍋):そうでしたね(笑)。

 

小笠原:某社で日本交通さんの、あるデバイスを作っているときにやらかしたんです。

 

川鍋:タクシーに取り付けるハードウェアデバイスですよね。タクシー業界中に「完璧ですよ」って売りまくったら動かなかったんです。

 

田中:最初から動かなかったわけではないですよね?

 

川鍋:はい。車だから走っているうちに衝撃とかで動かなくなったんです。

 

小笠原:テストがやり切れていなかったですね。

ハードウェアとソフトウェアの両軸

川鍋さんの写真

川鍋:でも、あの経験がなかったら、いまこうやって『GO』アプリはできていないかもしれません。失敗があったからできたアプリです。『GO』アプリの会社です、と言っていますが、その裏側にはハードウェアがあります。日本のタクシーってレガシーじゃないですか。タクシーメーターとかは外のデバイスにつなぐようになっていないんですよ。

 

田中:不正もあると困りますからね。

 

川鍋:そうなんです。そこにわれわれが開発したハードウェアを付けて、後部座席のタブレットでQR決済ができるようにしました。ハードウェアは大変なぶん、一度おさえてしまえば、他社の参入障壁が高くなるので、競争優位性が効きます。

 

田中:「ソフトウェアだけのスタートアップのほうがいいのではないか」と言う方もいますが、ソフトウェアだけだと参入障壁が低いぶん、すぐに追いつかれる可能性もありますからね。

 

小笠原:さくらインターネットもデータセンターというハードがあったうえで、いろいろなサービスが作れていますからね。ハードウェアをしっかり揃えて、ユーザーに好んで使ってもらえるソフトウェアを提供するのが大事です。

川鍋:それがいま機能し始めていますが、それまでにだいぶお金を使いましたね。20年前に家業のタクシー会社に入ったとき、インターネットベンチャーブームがありました。「タクシーのベンチャーをやりたい!」と言って、父親から4億円の資金調達をしたんです。

 

田中:父親からの資金調達ってすごいですね。

 

川鍋:ところが、最初に始めたタクシーベンチャーは3年後にたたむんです。累計で4億5千万くらい損を出してしまいました。そこからのスタートですね。

 

田中:そのときに学んだことはありますか?

 

川鍋:世の中が動くのには意外と時間がかかると知りました。コンサルタント出身なので、プロジェクトは3か月思考なんです。「正しいことをすれば世の中はすぐ分かってくれる」という考え方でした。考え方をアジャストするのに時間がかかりましたね。

アプリ立ち上げ時の失敗

3人の写真

川鍋:アプリを立ち上げてからの最大の失敗は、立ち上げから5年間、マーケティング費用を0円にしていたことです。あそこでもう少し、マーケティング費用をかけてアクセルを踏み込んでおけばよかったですね。あの当時は、敵がいなかったんです。

 

小笠原:若手のスタートアップでも「このプロダクトはウチだけで競合がいないんです」と言って、マーケティング費用をかけないところがあります。絶対に競合は出てきますからね。

 

川鍋:当時、社員から「電車の吊り革広告を出したい」と言われましたが、許可しなかったんです。お金を大事にしようと考えすぎていました。

 

田中:資金調達して、すぐにキレイなオフィスに引っ越したほうがいいのかという話もありますよね。オフィスを引っ越すことでいい人材を採用できることもあれば、お金だけかかってしまうこともあります。

潰れてしまう会社と生き残る会社の違い

田中:潰れてしまう会社と生き残る会社の違いって何だと思いますか? 「運」はあるでしょうけど、どうすれば生き残れるんでしょうかね。

 

川鍋:究極的に難しいですね。やはりチームは大事ではないでしょうか。周りに止めてくれる人がいるのは大事です。私も結構取締役とぶつかって止められました。エンジニア文化が分からないので、CTOとはよくぶつかりましたね。でも、半年後くらいに思い出してみると相手の言ってることのほうが正しいんです。

 

田中:(笑)。意見を言い合えるのは素晴らしいと思いますよ。

ライバルと事業統合

川鍋さんの写真

川鍋:2020年4月、最大のライバルだったDeNAの『MOV』と事業統合してMobility Technologiesが発足し、現在の『GO』アプリが誕生しました。事業統合の一週間後から緊急事態宣言ですよ。ライバル同士が一緒になって、会えない状況下で事業がスタートしました。

 

田中:IT企業であるDeNAとモビリティのプロであるJapanTaxiが一緒になったことで、社員の多様性もありそうですね。

 

川鍋:そうですね。一緒になってよかったことのひとつだと思います。

三足のワラジ

小笠原:川鍋さんはMobility Technologiesの会長と日本交通の会長、さらには全国ハイヤー・タクシー連合会の会長もしていますよね。それぞれ全然違うんじゃないですか?

 

川鍋:違いますね。Mobility Technologiesでは最年長ですが、全国ハイヤー・タクシー連合会では最年少ですよ。連合会では月に一回会議があるのですが、僕以外誰もパソコン持っていないです。分厚い紙の資料で会議してますからね。

来年は沖縄でも『GO』が使えるように

田中:僕は沖縄に住んでいるのですが、『GO』は沖縄では使えないですよね?

 

川鍋:どうも申し訳ございません。みなさん、ようこそ『GO』の使えない沖縄へ!

 

田中:(笑)。沖縄で使えない理由は聞いてもいいんですかね?

 

川鍋:沖縄では某D社が強いですよね。『JapanTaxi』アプリは使えるんですけど、揺り戻しがあるんですよね。原因は分かっています。これは沖縄だけではなくて、各地で起きていることです。でも、来年もIVSが那覇でおこなわれるとしたら、それまでには頑張ります!

 

 

さくらインターネットでは「ImageFlux VC連携 スタートアップ支援プログラム」を提供しています。スタートアップへの支援を積極的におこなっているので、お気軽にご相談ください。

 

執筆・編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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