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さくらインターネット、沖縄で初のインターンシップ開催!4日間にわたる「ビジネスアイデアコンテスト」

さくらインターネットは、2022年7月に、沖縄における拠点新設を発表しました。日常的な業務をする場所としてではなく、社内外の交流、人材育成、地域課題の 3つに注力し、オープンイノベーションを生む場所として、開所に向けて現在準備中です。

その人材育成の取り組みの一貫として、2023年3月27日から 30日までの 4日間、学校法人フジ学園が運営する専門学校 ITカレッジ沖縄の学生 11名を対象としたインターンシップを同校にて開催しました。

今回は、ビジネスアイデアコンテストを通して新しい事業の着想から発表という仕事のプロセスを体験するコンテンツを用意。さくらインターネットの社員と交流しながら、IT やクラウド業界への興味関心を持っていただくことが目的です。

本記事では、その様子についてレポートします。

【スケジュール】

  • 1日目 開会式、石狩データセンターのバーチャル見学会、クラウドエンジニア講習
  • 2日目 ビジネスアイデアコンテスト~チームづくりからアイデアの深堀~
  • 3日目 ビジネスアイデアコンテスト~資料作りから発表練習~
  • 4日目 ビジネスアイデアコンテスト~発表会、表彰式~

1日目:沖縄から北海道のデータセンターを見学

ビジネスアイデアコンテストに挑むための事前学習として、石狩データセンターのバーチャル見学会とクラウドエンジニア講習をおこないました。

日本の最も南に位置する沖縄県から、最も北に位置する北海道のデータセンターをリアルタイムで見学できるのもバーチャルの強みです。普段はなかなか見ることのできないデータセンターの構造やサーバー処理の仕組みなどを知ることができ、学生たちは興味津々の様子でワークに取り組んでいました。実際に石狩のサーバーをその場で稼働させることもできました。

クラウドエンジニア講習では、さくらインターネット社員より実務内容も交えながら、クラウドコンピューティングや携わる技術について体系的に解説。授業だけでは学べないエンジニアの生の声を聞くことで、現場のリアルを感じられたようでした。

2日目:リゾテックをテーマにビジネスアイデアを練る

最終日の発表に向け、チーム内で議論します

いよいよビジネスアイデアコンテストの準備に着手していきます。今回は学生 2名~3名ごとにチームを組み、それぞれにさくらインターネット社員がメンターとしてサポートにつきました。最終日の発表会に向けて、チームごとにビジネスアイデアを作り上げていきます。

お題は「リゾテックをテーマに沖縄をよりよくするソリューションを考える」です。リゾテック(ResorTech)とは、「リゾート」と「テクノロジー」を組みあわせた言葉で、リゾート地である沖縄のあらゆる産業を支え、その生産性や付加価値を向上させる、沖縄の未来に向けたテクノロジーのことです。

まずは、チーム内でそれぞれが考案したアイデアを発表しあいます。学生ならではのアイデアがたくさん見られました。その中からチームとして採用するものをディスカッションで決定し、さらに深堀りしていきます。

次に、ビジネスフレームワークに沿ってアイデアをブラッシュアップしていきます。そのアイデアにはどういうニーズがあるのか、検討を進めていくにつれどのような課題が出てくるのか、メンターも含めてしっかりと掘り下げて、アイデアの核を作り上げていくために議論を重ねます。

また、アイデアを形にしていくうえでペルソナ(想定サービスのユーザー像)の構築は必要不可欠です。自分たちと同年齢の学生がターゲットとなるチームは、インターンシップの参加者全員にアンケートを取ったり、もう少し上の世代がターゲットとなるチームはメンターからヒアリングをしたりと、限られた時間の中で工夫を凝らして調査をおこないました。

 

今回、「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」という、当社が社員に求める3つのバリューを、本インターンにおけるグランドルールとして定めました。そのため、コンテストとはいえど、張り詰めた空気ではなく和気あいあいとした温かな雰囲気をつくることができました。学生たちは、他チームにも話を聞きに行ったり、アドバイスをしあったりと、互いに高めあいながらディスカッションは進んでいきます。もちろん全員に「優勝したい」という想いもあり、よきライバルとしての関係性も構築されていたように感じられました。

約5時間みっちりと意見を出しあった後は、中間発表をおこないます。他チームはどのようなアイデアを構想しているのか、どこまでアイデアの深堀りを進めていて、どういう視点でワークをしていたかも知ることになります。中間発表を踏まえて、翌日以降ブラッシュアップしなければならないところや調査が必要な部分をそれぞれ把握し、2日目は終了しました。

3日目:「伝える」ことの難しさを痛感した発表練習

聞き手に伝わるように話すことを意識しながら練習します

2日目に練ったアイデアが、どうしたら聞き手に伝わるかを考えながらスライドづくりや発表練習をおこないました。

この工程がじつは鬼門。これまで会話でなら伝えられたことも、いざ資料に落とし込もうとするととても難しいのです。文字に起こしたり図表を作ったりするためには、自分たちの中で発表内容の解像度を上げなければなりません。アイデア自体は考えられるけれど、それを具体的かつ論理的に、聞き手を納得させる形にしていく作業はこれまであまり経験がなく、苦戦した学生も多かったようです。

この日は実際にスライドを投影し、本番さながらの発表練習もおこないました。多くの学生にとって、外部主催のコンテストは初挑戦。自分たちの考えを言葉にして聞いてもらうこと、順序だてて説明していくことの難しさをここでも体感したようでした。練習しては資料や発表台本をブラッシュアップし、それを繰り返すことで少しずつ発表内容も改善されていきます。

メンターからアドバイスをもらいながらも、「伝える」ことの難しさを痛感した3日目となりました。

4日目:緊張の発表会本番

チームで助けあいながら発表をしました

いよいよこれまでの集大成を発揮する、発表会本番です。当日はテレビ局の取材が入るなど普段とは少し違う空気が流れ、学生は慣れない場に緊張している様子でした。

今回のビジネスアイデアコンテストでは、審査基準としておもに以下の4項目を定めました。この項目に準じてさくらインターネット取締役、執行役員、人事部長の計3名による審査がおこなわれました。

  1. 新規性・独創性
    斬新さや新しい視点、独創性は感じられるか
  2. 市場性・社会貢献性
    世の中に課題があり、需要があるか、課題設定がきちんとされているか
  3. 実現性
    想像だけのソリューションでなく、実際に使えるものか、作成可能なものか
  4. 熱意(パッション)
    「やりたいことをできるに変える」思いがあるか

4チームが順に、各10分の持ち時間内で発表。沖縄在住の学生ならではの視点で作られたアイデアが披露されました。チームの垣根を乗り越えて前のめりに聞き入ったり、ときには笑いも起きたりと、緊張感がありつつも和やかな雰囲気で発表が進んでいきました。審査員からの質問には臨機応変に答え、思いもよらなかった指摘にたじたじになりながらも、各チーム堂々と発表を終えることができました。

城跡来訪のハードルを下げるためのアイデアが優勝

優勝チーム 表彰式の様子

発表終了後は場所を変え、表彰式会場へ。大仕事を終えた学生は達成感と期待や緊張を抱えながら表彰の時を待ちます。

そして厳正なる審査の結果、優勝チームが決定。さくらインターネット役員であり本インターン審査員長の伊勢より表彰をおこないました。また優勝賞品として、12か月の間自由に使うことができる「さくらのクラウド」の使用権(24万円相当)を進呈しました。

優勝チームのテーマは「美らぐすく」。沖縄県内には首里城をはじめとした、城(グスク)と呼ばれる城跡が数多く存在しています。しかし、点在するグスクのうち知名度の低いものはインターネットで検索しても得られる情報が少なく、気軽に訪れにくいという問題点がありました。

これを解決するために考案された「美らぐすく」は、観光客向けに沖縄県の誇るグスクをめぐる楽しさを知ってもらい、来訪のハードルを下げるためのアイデアです。スマートフォン用アプリケーションでの展開を想定したもので、マップ上にグスクの位置を表示させることができます。各グスクのページを開くと、その歴史や観光情報を誰でも簡単に取得できます。

さらに実際にグスクを訪れた人が口コミを投稿することも可能で、施設付近のトイレや駐車場の有無など、訪問前に知っておきたい情報を共有できるといった機能も。

伊勢は「知名度の低いグスクの魅力を IT の力で知ってもらいたい、楽しんでもらいたいという地元学生ならではの視点で、これから細部をしっかりと詰めていけば実装できるレベルになると思います。学生のみなさんに開発を続けたいというご希望があれば、さくらインターネットも全力でサポートしていきます」と力強くエールを送りました。

優勝チームの学生は「まさか優勝できるとは思いませんでした」と驚いた様子。「とても嬉しいです。このインターンを通して社会で働くことがどういうことなのか、少しだけわかったような気がします」とコメントしました。

 

惜しくも優勝を逃した 3チームも「審査員特別賞」「ITカレッジ沖縄賞」「メンター賞」をそれぞれ受賞し、表彰されました。

専門学校ITカレッジ沖縄の奥戸 類(おくと るい)学校長からは「本校ならではの味がある、非常によいプレゼンを楽しませてもらいました。この経験を糧にして、就職活動にも精を出してほしいです。また、さくらインターネットともぜひ良好な関係を続けていけたらと思います」とのお言葉をいただきました。

参加した学生からは、全体を通して以下のような感想がありました。

「アイデアを出すことがこんなに難しいことだとは思わなかったです。チームメンバーやメンターのみなさまと協力して形にすることができ、感謝しています」

「チームワーク、コミュニケーション、そして楽しむことがプロジェクトを進めるうえで重要なのだという気づきがありました。人前に出て話すことが苦手でしたが、とても大きな一歩を踏み出せた。反省点もありますが、貴重な経験になりました」

「ただの職場見学ではなく、実務に近いことをしながらさくらインターネットのカルチャーも知ることができて、最高の経験になりました」

 

さくらインターネットでも初の試みとなった学校内単独でのインターンシップ。メンターと学生は、「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話そう」という、当社の3つのバリューを意識し、互いによい刺激を与えながら締めくくることができました。

今後もさくらインターネットは、後進育成に力を入れてまいります。全国の学生にさくらインターネットの魅力について知ってもらうため、インターンシップや説明会、座談会などのイベントも積極的に開催していく予定です。ご興味のある方は、ぜひご参加ください!

さくらインターネットのインターンシップ

執筆

吉川 友唯

地域密着型フリーペーパーの営業・編集を経て、2023年3月にさくらインターネットへ入社。広報業務を担当。

編集

さくマガ編集部

さくらインターネット株式会社が運営するオウンドメディア「さくマガ」の編集部。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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