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ロケットニュース24 編集長 GO羽鳥さんに聞く「企画力を磨くための方法」

くだらないことをとことん追求するメディア「ロケットニュース24」。ページビュー(PV)は毎月5000万~6000万を記録。公式Twitterのフォロワー数は21万人を超え、YouTubeチャンネルの登録者数は45万人を超えています。そんな巨大メディアの編集長を務めるのが、GO羽鳥さんです。

GO羽鳥さんは19歳から漫画家として活動し、2010年にロケットニュース24(運営会社:株式会社ソシオコーポレーション)に入社しました。そんなGO羽鳥さんのキャリアやパラレルキャリアを実践するコツについてうかがいました!

GO羽鳥さん プロフィール

GO羽鳥さん プロフィール

1979年生まれ、東京都出身。ロケットニュース24編集長。迷惑メール評論家。漫画もイラストもコラムも記事も書ける万能型。世を忍ぶ仮の姿は漫画家のマミヤ狂四郎。著書に『絶対に返してはいけない迷惑メール、LINE乗っ取りにマジレスしてみた。』(ワニブックス)、『マサイのルカがスマホで井戸を掘る話』(学研プラス)などがある。

Twitter:@olymposgo

ブログ:羽鳥商店

ロケットニュース24に入るまでのキャリア

19歳から漫画家をやっています。雑誌や漫画でイラストやコラムを書いていたのですが、ちょっと疲れ過ぎちゃって海外放浪に出た時期があります。

でも、その間も連載を抱えていました。疲れて海外放浪しているのに、4本の連載を抱えていたので、週に1回は締切があるようなスケジュールでしたね。2年半くらいグルグル放浪していましたが、日本に帰ったら出版不況がはじまっていました。

自分の居場所がなくなっていて「やばいなあ、どうしよう……」と思いましたね。漫画家は続けていましたが、連載は1-2本くらいでイレギュラーな仕事がたまにあるくらい。漫画家だけでは生活できなかったので、アルバイトもしていました。

そんな生活が2年くらい続いたときに、同じ雑誌で仕事したこともある前任のロケットニュース24編集長から電話がかかってきました。

「ロケットニュース24というサイトを運営しているんだけど、会社として法人化するから入ってくれないか」

この電話がきっかけで、ロケットニュース24を運営するソシオコーポレーションに入りました。当時のロケットニュース24にはとにかく人がいなかったので、入社してすぐ副編集長になりました。2010年に入社して、前任の編集長が退社したことがきっかけで、2014年から編集長です。とはいえ副編集長時代から、やっていることは編集長と変わらなかったですね。

ロケットニュース24に入るまでは、ずっと個人で仕事していました。会社に入るのもはじめてだったし、チームで仕事するのもはじめてだったんですよ。チームプレーってものすごく重要だなと思いましたね。チームの記者たちが、気持ちよく仕事ができるような環境づくりを意識しています。

紙とウェブの違いに最初は戸惑った

紙とウェブの違いに最初は戸惑った

紙媒体からウェブの世界に移りましたが、全然違うので戸惑いはありました。ロケットニュース24に入ったばかりのころ、あるポータルサイトと業務提携をしていたんです。そこに出向して、トップページに並ぶニュースのタイトルを付ける担当をしていました。文字数の制限があるので、短い文字数でクリックしたくなるタイトルを考えなければなりません。「ウェブってこういうものなんだ」とすごく勉強になりましたね。

紙媒体(雑誌)とウェブの違いって、読者がお金を払って読んでいるかどうかです。雑誌の場合、すでに興味があるからお金を払ってくれているわけです。たとえるなら、水槽の中にすでにお魚がいる感じですね。

ウェブは違います。基本的には無料で誰でも読めるので、広い海の中にお魚がいて、それを釣り上げるところからはじまるんです。だから読んでくれるようなタイトルや、離脱しないで最後まで読んでもらうためのテクニックが必要になります。釣りにたとえましたが、釣りタイトルはダメですよ! うちは正々堂々やると決めています。

結果が数字でわかるので、紙よりウェブのほうがシビアですよね。どれくらいの人が見に来て、どこで離脱したかが全部数字で出ちゃいますから。

どちらが優れているというのはありませんが、紙には紙の、ウェブにはウェブの戦い方があります。

パラレルに活動するためのコツ

コツは”モチベーションをいかに保てるか”です。生々しい話になりますが、原稿料などのお金をしっかりもらえることも、モチベーションのひとつです。

個人ブログも続けていますが、広告料が入りますし勉強にもなります。ロケットニュース24の収入源って、記事広告とGoogle AdSenseによる広告収入なんです。記事広告の仕組みはわかっていましたが、Google AdSenseの仕組みはよくわかっていませんでした。だから個人ブログで勉強しようと思ったんです。

あとロケットニュース24では編集長という立場なので、プレーヤーだけしていればいいわけではありません。本当はもっと自分自身で書きたいので、個人ブログで書いています。

企画力を磨くための方法

企画力を磨くための方法

自分がワクワクするものが伸びます。一番はそれですね。ちょっとテクニック的なことを言うと「生活になるべく近いもの」で考えています。

たとえば100均やコンビニについて紹介すれば、どこにでもあって安いから、みんな手が届くじゃないですか。全国にあるチェーン店の記事もいいですね。全国にあれば、地方に住んでいる方でも行けますから。

ロケットニュース24の記事を読んでくれて「あ、この商品食べてみたい。ここ行ってみたい」と思ってくれた読者の方が、実際に行ったり体験できたほうがいいと思っています。

あとは「逆を考える」ことも多いです。迷惑メールの記事もそうですね。普通、迷惑メールは防ぐ方法を考えると思いますが、私の場合は逆に突っ込んでみます。Amazonで低評価の商品を買ってみるのも「逆を考える」企画ですね。

企業が絡む記事広告の企画を考える場合、大事なことは3つあります。読者の方に楽しんでもらって、企業の方にも喜んでもらって、われわれも楽しいこと。

せっかく依頼いただいたのであれば、数字も伸ばしたいですね。読者の方や企業の方が考えていることを超えていきたいです。

広告記事の場合は、直しが入れば入るほど面白くなくなるので、事前に担当の方と密にコミュニケーションを取ることを心がけています。

コロナ禍で取材ができないピンチをチームで補う

コロナ禍で取材ができないピンチをチームで補う

コロナ禍で取材に行けなかったので、家の中で何かをやる記事が多くなりました。ライターによってはしんどかったと思います。外で取材して記事を書くのが得意な人もいますから。得意スタイルで勝負できなくて可哀想でしたね。でもこうしたピンチのときに、インドア系の記事が得意な人が補ってなんとかなりました。

ロケットニュース24は海外ネタが多いメディアなので、やはり海外に行きたいですね。国内は少しずつ動きはじめていますが、まだ海外は厳しいかな……。

パラレルキャリアでライターをしたいと考えてる人へ

パラレルキャリアや副業として、ライターをやりたいと考えている人も多いと思います。ライターに必要な能力は、お客さん(読者)のことを一番に考えて書けることです。「自分が楽しければいい」ではダメなんです。

自分が楽しんでお金がもらえると勘違いしてる人が非常に多いと感じます。読んでくれる方がいらっしゃるから成り立つ、と意識して文章を書ける人がライターです。これは漫画家でも同じですね。

もうひとつ大事なのは、書きたいものが書ける媒体を見つけることです。「ロケットニュース24で、真面目な経済情報について書きたい」と言われても、ちょっと待って! となりますから(笑)。

GO羽鳥さんが考える「やりたいこと」を「できるに変える」ために必要なこと

とにかく動くことです。「やりたいな」と考えているだけじゃなくて、一歩でもいいから動いちゃうことですね。それに尽きる気がします。

個人で買ったわけではないですが、最近ロケットニュース24で100万円の家を買ったんですよ。土地付きで100万円です。ボロいんですけど、それをちょっとずつ直していく様子を記事や動画にしていこうかなと考えています。

それも「安い家ほしいね」と周りの人に言っていたら、人づてにどんどん情報が入ってきて買えました。「周りの人に言う」という行動をしたことで、安い家が買えたわけです。ほしいと思っていただけでは、実現しなかったと思うんですよね。

将来はこの家をカッコよく直して、撮影場所やレンタルスペースにできたらいいなと思っています。うまくいくかどうかはわからないですけど、とにかくやってみます!

 

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執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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