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LINEの「友だち」登録だけで自動でアポを獲得。ギバーテイクオールが取り組む住宅・不動産業界のDX

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「夢のマイホームを建てるため資料を取り寄せたら、大量の営業電話がかかってきてうんざり」──このような経験をしたことがある方も多いだろう。一方、営業電話をかけるビルダーや工務店側としても、「お客さまと電話が繋がらない」「展示場の案内をしても電話を切られてしまう」などの課題が存在している。

そんな住宅業界における課題の解消に役立つのが、住宅・不動産業界向けの営業支援システム「ALL GRIT(オールグリット)」だ。顧客にビルダーや工務店の公式LINEアカウントを「友だち」登録してもらうだけで、システムがLINE上での顧客の行動を分析し、顧客ごとに最適なコンテンツやメッセージを自動的に送信できる。同システムを提供しているギバーテイクオール株式会社(以下、ギバーテイクオール)代表取締役の河野清博さんに、システムの概要や今後の展望について聞いた。

河野 清博(こうの きよひろ)さん プロフィール

滋賀県出身。2012年にコンサルティング会社に入社し、一貫して住宅・不動産業界の経営コンサルティングを担当。2017年2月にギバーテイクオール株式会社を創業。2018年8月から熊本県に絞ってマッチングプラットフォーム「auka」事業を開始し、2024年現在では全国35都道府県に展開中。2022年8月、住宅メーカーの集客・営業をLINEで自動化する「ALL GRIT(旧名称:来店プラス)」を開発・リリース。

営業における属人的な作業をすべて自動化

ALL GRITは、住宅・不動産業界向けの営業支援システムだ。LINEとbotの活用により、見込み顧客の増加と業務効率アップの両方を実現できる。2024年現在は、日本全国の大手ビルダーや工務店を中心に、およそ100社の企業で導入されているという。

顧客に企業の公式LINEアカウントを「友だち」登録してもらうだけで、メールやDM・カタログ送付、営業電話などの属人的で手間のかかる業務をすべて自動化できるというのだから驚きだ。

「住宅・不動産業界では、多くの企業がマーケティングオートメーションツール(以下、MAツール)を導入しています。MAツールとは、見込み顧客の獲得や育成などのマーケティング活動を自動化するツールのことです。たとえば、メールマガジンの配信自動化や、配信した広告の効果測定などがおこなえます。

便利な一方で、MAツールではすべての作業を自動化することができません。営業電話をはじめとした、見込み顧客を来店や成約まで導くためのアプローチは、自動化が難しいのです。そのため、担当者に多くの負担がかかってしまっていました。そこでALL GRITでは、アポイント獲得までのすべての作業を自動化できるような仕組みを構築しています」

では、ALL GRITはどのような仕組みにより、顧客に案内を送っているのだろうか。ビルダーや工務店におけるALL GRITの導入方法はいたってシンプルだ。まず企業のLINE公式アカウントを用意し、そのアカウントとALL GRITをAPIで接続する。

ALL GRITは新規顧客だけでなく、利用経験のあるOBの紹介促進にも対応している(画像提供:ギバーテイクオール)

次に、顧客に見てもらいたいコンテンツやメッセージを用意して、システムに登録しておく。すると、顧客がLINE公式アカウントを「友だち」登録し、LINEのタイムライン上のコンテンツを閲覧したり、URLをクリックしたりするだけで、それぞれの顧客に適したメッセージが自動的に送られるのだ。

「導入企業のご担当者さまからは、『ALL GRITを導入してから、一日に何回もかけていた営業電話が不要になり負担が減った』『広告費を一切かけていないのに、毎月2〜5組程度の来場予約が発生するようになった』などのうれしいお声を多くいただいています」

それぞれの顧客に適したメッセージを自動で送信

ここで気になるのが、具体的なコンテンツやメッセージの内容だ。自動配信のメッセージだけでアポイントを獲得できるのは驚きだが、一体どのようなコンテンツが送られるのだろうか。

「ALL GRITには、顧客の行動を把握し、適切なタイミングでイベント情報などを送信する機能が備わっています。具体的には、『Webカタログのリンクをクリックしたお客さまだけに無料相談会の案内を送る』『イベントページを閲覧したが、予約が完了していないお客さまに対して、予約のプッシュメッセージを配信する』などが挙げられます。より受注確度の高い顧客に対して、優先的な案内が自動で送られる仕組みですね」

LINEの操作に不慣れな企業も安心して導入できるように、ALL GRITでは伴走型の手厚いサポートも用意している(画像提供:ギバーテイクオール)

自動配信にて顧客に案内を送付するメリットは、営業担当者の負担軽減だけではない。「営業担当者と顧客の双方にメリットがある」と河野さんは強調する。

「自動配信にてメッセージを送るメリットとして、『顧客にとっての購買体験がより良いものになること』も挙げられると考えています。たとえば、マイホームを建てるために工務店の資料を請求して、突然営業電話がかかってきたとしたら、多くの方があまり良い気分にならないのではないでしょうか。とくに仕事や家事で忙しいときに電話がかかってきた場合は、不快に感じる方も多いと思います。

その点、LINEでの案内であれば、よりお客さまの興味や関心に近い情報をお届けできるだけでなく、都合の良いタイミングでコンテンツを閲覧していただけます。結果として、お客さまが営業を煩わしいと感じる機会がグっと減るうえに、その会社について十分な知識を得た状態で来場していただけるため、よりスムーズな成約が可能となるのです」

このように説明すると、ALL GRITは自動配信にのみ対応しているように感じるかもしれないが、一般的なLINEアカウントのように、手動でのメッセージの送信にも対応している。もし顧客から質問が送られてきた場合は、個別に返信することも可能だ。1on1でのメッセージのやり取りにより、顧客との信頼関係を深めることもできる。

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住宅・不動産業界の営業における不便を解消したい

このような住宅・不動産業界に特化したサービスの提供を始めた背景には、経営コンサルタントとしての経験が影響していると河野さんは語る。

「住宅・不動産業界に特化した理由は、同業界の経営コンサルタントとして長年勤務した経験があり、業界に関する豊富な知識を所持していたためです。また、会社員時代にマイホームを建てた同級生の、工務店選びをはじめとした家づくりにおける課題を目の当たりにしたこともきっかけとなり、『家を買う方の意思決定を支援するビジネスを展開したい』と感じ、起業を決意しました」

2024年現在、ギバーテイクオールではALL GRITのほかに、住宅購入者向けサービスの「auka(アウカ)」の提供もおこなっている。LINEを活用した営業支援システムを開発しようと思ったのは、このaukaからヒントを得たためだという。

「当社が最初に提供を始めたのは、住宅購入者向けの『auka(アウカ)』というサービスでした。aukaはオンラインにて住宅購入に関する無料相談を受けたり、お客さまに合った工務店を紹介したりする消費者向けのサービスです。流れについて簡単にご紹介すると、まずお客さまにLINE上で5〜10分程度のアンケートにご回答いただき、その後、電話でくわしいヒアリングをします。そして、お客さまのご要望を踏まえて、最適なビルダーや工務店をご紹介するというものです。

ALL GRITの開発のヒントを得たのは、このaukaからでした。aukaを運営するうえで、数多くのビルダーさんや工務店さんとやり取りをするうちに、さまざまな企業から集客の方法について尋ねられる機会が増えました。そして、当社がLINEを活用していることをお伝えすると、『その仕組みをうちの会社にも導入したい』との声を多くいただくようになったのです。当時は、住宅・不動産に特化したLINEの活用システムがほかになかったこともあり、ALL GRITの開発を始めました」

ポップアップ機能と自動化bot機能がALL GRITの強み

2022年に「auka来店プラス」という名称でリリースされたALL GRITは、ビルダーや工務店をはじめとした導入企業からの声を反映させながら、より使い勝手の良いシステムへとアップデートを続けている。

「とくに力を入れたのは、友だちを増やすための機能の追加です。ALL GRITのリリース後、導入企業から『なかなか友だちが増えないのだが、どうすればいいか』といった相談をたびたび受けるようになりました。当社が提供しているaukaは全国のお客さまを対象にしており、友だちの数で悩んだことはなかったので、これは盲点でしたね。

その際に急いで開発したのが、ポップアップバナー機能です。これはその名のとおり、導入企業のホームページ上に、その企業のLINE公式アカウントの案内を表示させる機能です。まずは、ホームページを閲覧している顧客をLINEに取り込めるような仕組みを整えました」

友だち増加の手助けになるポップアップ機能や、LINE上での顧客の行動を分析して自動的にコンテンツやメッセージを送る自動化bot機能は、他社のLINE運用ツールと比較した際に差別化できる大きなポイントだと河野さんは力を込めた。

「決断コストをゼロにする」の追求を目指して

「ギバーテイクオールは、DXを通して注文住宅業界の変革を目指す会社」だと語る河野さんだが、今後はどのような取り組みをおこなう予定なのだろうか。最後に、これからのALL GRITについて尋ねてみた。

「まずは、住宅・不動産業界を中心に、導入企業数をどんどん増やしていきたいですね。また、住宅や不動産業界だけではなく、同じような悩みを抱えている高単価業界にプロダクトを広げていきたいと考えています。

たとえば、中古車販売企業や保険代理店などは似たような課題を抱えているのではないでしょうか。『決断コストをゼロにする』というミッションのもと、決断コストが高い業態の課題を解決できるソリューションを作っていく予定です」

今後も、住宅・不動産業界のDXを牽引していくであろうギバーテイクオール。業界全体の営業方法が変わる日は、すぐ近くまで来ているのかもしれない。

株式会社ギバーテイクオール

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執筆

タケウチノゾミ

福岡市在住のフリーライター・編集者。インタビュー記事や顧客事例、プレスリリースなど幅広く執筆。趣味は観劇と美術鑑賞、猫を揉むこと。
HP:https://fukuoka-kurashi.com/

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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