さくらインターネットのデータセンターを支えるサーバーエンジニアの仕事

さくらインターネットでは、大容量高速回線や非常用電源設備などを備えた、サーバーの管理を担う施設「データセンター」を、東京(東新宿・西新宿・代官山)・大阪(堂島)・北海道(石狩)の 3地区に設置しています。安全で快適なインターネット環境を提供するため、各データセンターにはシフト制で社員が常駐し、24時間365日の体制で自社運営しています。

 

そしてその役割を担っているのが、カスタマーリライアビリティ部 サービスデリバリーグループです。今回は当部門に所属する薄葉 大貴に、データセンターやプロジェクトチームでの仕事内容、エンジニアとしてのキャリアの展望などについて聞きました。

薄葉 大貴(うすば だいき) プロフィール

SES(システムエンジニアリングサービス)ベンチャー企業勤務を経て、2018年8月、さくらインターネットに入社。カスタマーリライアビリティ部 サービスデリバリーグループ 東京ユニット 東新宿チームに所属。2020年11月から、データセンターの資材管理システム構築プロジェクトにインフラエンジニアとして参画。現在は、業務ツール開発や人材育成などといったデータセンターでの業務のほか、Tellus(衛星データプラットフォーム)のインフラ運用、DNS(Domain Name System)チームなど部外主幹の業務にも従事。

システムエンジニアからインフラエンジニアへ

――前職ではSES(システムエンジニアリングサービス)ベンチャー企業に在籍していたとのことですが、どんな業務を担当されていたのですか?

客先常駐で、おもにクライアントのシステムアップデートや改修、テスト業務を担当していました。文系出身でプログラミング未経験だったのですが、いろいろなプログラミング言語を実地で使いながら習得する必要があって、苦労したのを覚えています。その会社には新卒で入社したのですが、金融系と医療系の2社クライアントを担当して約1年で退職しました。

 

――転職を考えたきっかけはなんだったのでしょうか?

2社目のクライアントではテスト業務がメインだったのですが、「10年後、20年後もずっとこの業務を続けていくんだろうか」という漠然とした不安を覚えたんです。クライアントワークなので、お客さまの依頼や要望に合わせた業務をおこなうことになります。そうなると、自分で主体的にキャリアを形成していくことが難しいんですよね。もっと自分の興味の持てる仕事をしたいと思って、転職を決意しました。

 

――さくらインターネットに転職をされた経緯について教えてください。

自社開発でサービスを作っているインフラ企業を検討していました。インフラ企業に絞っていたのは、趣味でレンタルサーバーを借りていじっていた時期もあるぐらい、純粋に自分が一番興味があった分野だったからです。

インフラ企業に何社か応募したなかで、入社の決め手となったのは、オープンな社風と成長できる環境があることです。

まず、面接官が入社後に上司となる人だったのですが、とても話しやすかったんですよね。「上司ともカジュアルにコミュニケーションが取れるオープンな社風なんだろうな」と思いました。また、自分の意思次第でさまざまなキャリアを描けそうな点も魅力に感じましたね。

エンジニア歴はまだ1年でしたが、基本情報技術者の資格を勉強中だった点や、SES の仕事へ主体的に取り組んでいた点などが評価されたのではないかと自分では思っています。

 

――もともとエンジニアの仕事はされていたとはいえ、システムエンジニアとインフラエンジニアの仕事で違う部分もあったのでは?

はい、最初は慣れないことばかりでしたね。入社後に担当したのは、おもに「さくらの専用サーバ」の構築・保守や、「さくらのVPS」の保守・障害対応などでした。前職で扱っていたのは仮想環境ですが、今度は物理基盤。まったく違う仕事と言ってもいいくらいで、正直最初はなにもわからなかったですね。でも、疑問があれば先輩たちに気軽に相談できたのでなんとかなりました。なにより、興味がある分野の仕事ができるのが本当に楽しくて、転職してよかったなと思いましたね。

 

――覚えるのに苦労した仕事はありましたか?

資材の在庫管理です。サーバーの種類がとても多いので、品目や機種の見分けがつかず苦労しました。間違えて別の資材を使ってしまうとインシデントになってしまうので、1つひとつ慎重に確認していましたね。

でも、ほかの業務も含め、半年ぐらい経ったころには先輩に質問する回数が減ってきて、だいぶ慣れてきたような気がします。

部の垣根を越えてプロジェクトに参加

――2020年11月頃から、データセンターの資材管理システム構築プロジェクトに参加されていますね。

はい。このプロジェクトは、もともと各部署でおこなっていた資材管理を1つのシステムに統合し、社内全体に在庫状況をわかりやすく可視化することを目的に発足しました。このころは、データセンターでの仕事にも慣れてきて、なにか新しいことに挑戦してみたいと思っていた時期だったんです。そんな矢先、このプロジェクトチームにインフラエンジニアの募集があり、思い切って応募しました。そこから、システムのリリースまで、サーバー設定関連の業務を中心にチームメンバーとして参加していました。

 

――参加してみていかがでしたか?

すべてが学びでしたね。他部署の人とかかわることで、技術面はもちろん、チーム文化、プロジェクトの進め方といったファシリテーションの部分などでも刺激を受けました。この経験は、チーム構築やスタッフ教育などの面で、自部署に還元できていると思います。

 

――現在も他部署主幹のチームに参加されていますよね。

1~2年前から、Tellus(衛星データプラットフォーム)のチーム、DNS のチームにインフラエンジニアとして参加しています。サービス開発においてインフラエンジニアの手や知見が必要になるケースが多いので、ときどき社内公募がかかるんですよね。転職も異動もせずに、新しい環境でいろいろな経験ができる。成長の機会が多いのは、私たちの部署の魅力だと思います。

 

――他部署主幹の業務に加わるときに意識していることはありますか?

参加させてもらっている身なので、ひとまずは大きな迷惑をかけないようにということですかね(笑)。ただ、わからないなりに自分で調べて提案してみるなど、なにかしらチームに貢献できるようにと思いながら、主体的に動くことを意識しています。

個人のスキルアップを歓迎する環境

――サーバーエンジニアとしての目標について教えてください。

「人に依存しない運用を増やしていくこと」です。人の手が入るとどうしてもミスが起こる可能性が増えてしまう。だから、業務ツールを改修して作業を自動化し、事故がおこらない高品質なサービスを提供したいと思っています。細かい改善も積み重なると大きな効率化につながりますから、コツコツ取り組んでいきたいです。

また、担当が属人的になってしまっているツールがいくつかあるので、ツールを開発できる人材の育成を進めたいと思っています。半年から1年ぐらいかけて、担当しているツールを1〜2個ずつ自分の手から離していきたいですね。

 

――さくマガのコンセプトは“「やりたいこと」を「できる」に変える”なのですが、薄葉さん個人としての目標はなにかありますか?

専門領域がインフラに絞られているので、もう少しアプリケーションなどにも手を広げて、技術力を向上させていきたいです。

データセンター全体として、個人のスキルアップやチャレンジを応援する風土があります。技術書なども経費で購入できますし、業務にゆとりがあれば自習時間を作ることも可能です。いまの仕事と直接関与していなくても、今後のキャリアを考えて身につけたいことがあれば勉強することができます。そういった恵まれた環境を活かして、これからもスキルアップしていきたいですね。

あとは機会があれば、また別のプロジェクトにも参加したいと思っています。新しいことにどんどん挑戦して、自分のキャリアの可能性を広げていきたいです。

 

――現在、採用を強化しているとのことでしたが、どんな方と一緒に働きたいですか?

あまり業務経験がなくても構わないので、技術やインフラなどへの興味が強い方と一緒に働きたいですね。私自身もそうでしたが、入社時に経験やスキルが少なくても、その仕事への興味が強ければスキルアップしていけると思います。サーバーエンジニアの仕事に興味のある方には、ぜひチャレンジしていただきたいです。

 

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

 

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