さくマガ公式SNS
お問い合わせ

未経験からデータセンターのサーバーエンジニアとして活躍!

さくらインターネットでは、大容量高速回線や非常用電源設備などを備えたサーバーの管理に特化した施設「データセンター」を、東京(東新宿・西新宿・代官山)・大阪(堂島)・北海道(石狩)の3地区に設置しています。安全で快適なインターネット環境を提供するため、各データセンターにはシフト制で社員が常駐し、24時間365日の体制で自社運営しています。

 

そしてその役割を担っているのが、カスタマーリライアビリティ部 サービスデリバリーグループです。今回は当部門に所属する大枝 剛に、データセンターでの仕事内容、やりがい、業務で身についたスキルなどについて聞きました。

大枝 剛(おおえだ つよし) プロフィール

保険営業職を経て、2018年9月にアイティーエム株式会社(さくらインターネットグループ)に入社。2020年1月にさくらインターネットへ転籍。カスタマーリライアビリティ部 サービスデリバリーグループ 東京ユニットに所属。現在は、保守・障害対応、機器設置、在庫管理、顧客対応を担当。VoC関連プロジェクトの管理者も務める。

保険営業職からのキャリアチェンジ

――前職は保険会社の営業職だったとのことですが、なぜ保険業界から一転、IT業界に転職されたのでしょうか?

もともと趣味で PC を自作するなど、IT には興味がありました。また、保険営業の仕事はノルマも厳しく多忙でしたが、IT業界で働いている友人の様子を見て、IT業界は安定していそうだし、ワークライフバランスもよさそうだなと思ったんです。それで転職を考えるようになりました。

そんななかご縁があって、転職エージェントから紹介されたのが、アイティーエムでした。自社でサービスを提供していて個人のスキルを磨くこともでき、キャリアパスも豊富な点を魅力に感じ、入社を決めました。自分も含めた同期3名は全員未経験者ですが、アイティーエム入社当初から現在と同じように、さくらインターネットのデータセンターで働いています。2020年1月には打診があって、さくらインターネットへ転籍することになりました。

 

――未経験のなか、サーバーエンジニアの仕事を覚えるのは大変だったと思います。どんな研修がありましたか?

入社して最初の1か月が研修期間で、2か月目から現場での OJT が始まりました。研修は当時の上司が担当で、座学での手順の読み合わせや実際の機器を使ったシミュレーションがメインでしたね。入局関連やリブート対応など、誤った対応をするとお客さまに多大なご迷惑をかけてしまうような業務を優先的に集中して学んでいました。

 

――ITスキルについてはどのように習得していったのですか?

ITスキルに関してはほぼゼロの状態からのスタートでした。そのため、IT関連の書籍を読むのに加えて、「LinuC のレベル1」「ITパスポート」といった資格試験や「Progate」といった学習プログラムを活用して基礎を学びました。

ちなみに私は LinuC のレベル1 取得後に ITパスポートを取得していますが、完全に順番が逆でしたね(笑)。ITパスポートでは、プロジェクト管理やデータベース関連の知識など、IT を活用する上で前提となる一般的なビジネス知識なども学べます。ですから IT業界未経験の方は、まず ITパスポートに挑戦するのがおすすめです。

 

――2か月目からは現場に出て、OJT形式となったとのことでした。どのような仕事からスタートしましたか?

入退局の受付対応です。ハウジングを契約されたお客さまが、データセンターに入局する申請をされた場合には、ラックキーやゲストカードなど入局に必要なものを準備する必要があるのですが、そういった基本的な対応業務からスタートしました。

 

――覚えるのに苦労したことはありましたか?

たとえば、「出庫」と「出荷」の違いってなに? といったような、在庫に関する用語を覚えるのはなかなか苦労しました。とはいっても2〜3か月経つと、日常的に関わることが多い業務には慣れてきましたね。ただ、業務内容が多岐に渡るため、この時点でも未経験の業務がまだまだ多かったです。わからないことは先輩社員に教えていただきながら手順を確認したり、隙間時間に勉強したりして習熟度を上げていました。

 

――現在も同じような研修がおこなわれているのでしょうか?

多くの場合はそうですね。ただ習熟度に応じて、早めに実務に携わっていただく場合もあるようです。

いまは、新しいスタッフの習熟度について、業務ごとに4段階で数値化して「習熟度管理表」というエクセルシートで管理するようになりました。また、各作業の手順も明確化し、業務習熟を高めるための取り組みもおこなっています。私たちが入社した当時に比べて、業務未経験の新規入職者がオンボーディングしやすい環境が整ってきたように感じます。

サーバーエンジニアの仕事に営業職の経験が活きている

――24時間365日稼働しているデータセンターですが、どんな体制で運営しているのでしょうか?

常時人員を配置していて、12時間半勤務の2交代制を採用しています。各拠点には常勤スタッフが複数名いて、常勤スタッフが1名以上、シフトスタッフ2名が現場に出向きます。業務の折り合いがつけば、リモートワークを選択することも可能です。

 

――忙しそうなイメージがありますが、実際のところどうなんでしょうか?

基本的なシフトは、東京拠点では3回の日勤のあとに3回の夜勤というサイクルです。他拠点だと月単位のサイクルで日勤・夜勤の交代をしています。ただし、シフトメンバー同士で合意が取れた場合や、リーダーの承認が得られた場合は、シフト変更が可能です。

また、有給休暇も取りやすい環境だと思います。入社前は有給休暇が取れないんじゃないかと心配していましたが、実際にはわりと自由に取ることができています。「ホワイト企業でよかった」と安心しました(笑)。

有給休暇の取りやすさ以外にも、社歴や役職に関係なく意見や提案ができるフラットさは、当社のデータセンターの特徴だと思っています。もちろん『さぶりこ』(※)など、会社の福利厚生も対象ですので働きやすさは抜群です。5年経ったいまも同期メンバーは全員現役で、定着率も高いと思います。

(※)さぶりこ(Sakura Business and Life Co-Creation)とは、会社に縛られず広いキャリアを形成(Business)しながら、プライベートも充実させ(Life)、その両方で得た知識・経験を共創(Co-Creation)につなげることを目指した制度の総称です。

 

――現在担当されている業務や役割について教えてください。

リブートやストレージ交換といった機器の保守対応がメインですね。そのほか、ハウジングをご契約のお客さまの入退局がある場合は、受付からアテンド、工事作業の立ち合いなどの対応をしています。あとは、サービス利用や社内検証用の機器設置や撤去、セッティングや在庫管理も業務の1つです。ネットワーク障害対応、設備障害対応など、スポット的な業務も存在します。

最近では、グループ内のプロジェクトでカスタマーサクセスに寄与する取り組みの管理者として、業務改善にも取り組み始めました。

 

――「エンジニア」というとお客さまとのかかわりが薄いようなイメージがありますが、直接的にかかわる機会も多いのですね。

そうなんですよ。対面でのお客さまとのやり取りには、前職の営業経験を活かせていると感じますね。所作や言葉遣いなどについては、新人スタッフへの教育時に見本となれるように意識して取り組んでいます。

ダイレクトにお客さまにかかわれるのがやりがい

――仕事をするうえで「大変さ」を感じることはありますか?

最初は、業務範囲や必要な知識の幅広さに苦労しました。ただ、それは実際に作業を増やしていくうちに、自然に覚えることができるものです。やはり手を動かす仕事なので、経験を積み重ねていくことが重要だと思います。

あとは身体的な話になりますが、機器の重さですかね(笑)。なかには10kg以上の重たい機器もありますから。最近100台以上の撤去依頼があったのですが、それはかなりハードでした。

 

――逆に、どんなことに「やりがい」や「楽しさ」を感じますか?

「お客さまへ直接的に関与できること」にやりがいを感じますね。カスタマーサクセスの実現のために、新規サービス提供やラックの構築、ケーブルの配線など、高品質のサービスを維持できるよう、普段から気をつけて作業しています。たとえば、使用する備品に傷がついていないか、使いにくい配線になっていないか、LANケーブルに変な折れグセがついていないかなど、細かな点にも注意を払っています。

 

――データセンターで働くことでどんなスキルが身につきましたか?

「データセンターを安定的に運用するスキル」でしょうか。たとえば、サーバーのスイッチのセッティングなどサービスにかかわる運用知識はもちろんですが、さまざまな専門業者とかかわるため、施設や建物、設備や空調などのファシリティ関連の知識、機器調達などの知識に至るまで、総合的に学ぶことができます。

また、タイミングが合えば隙間時間を自己学習の時間に充てることも可能です。私は VoC(顧客の声)関連プロジェクトの管理者になったことをきっかけに、外部研修を活用し、プロジェクトを円滑に進めるためのファシリテーションスキルやネゴシエーションスキルについて勉強しました。

未経験でも手持ちのスキルを活かして活躍できる

――いま、データセンターで抱えている課題はありますか?

「安心してサービスを利用できる品質の維持」が重要課題だと考えています。障害が発生した場合の社内フローの整備や、お客さまに対して障害やメンテナンス情報をわかりやすく発信する手段の整備など、お客さまへ迅速かつ明確に情報を提供できるようなしくみ作りが求められると思います。

 

――これまでのお話を聴いて、データセンターの業務はチームワークが大事なのだと感じました。採用に関してもそういった点を重視されているのでしょうか?

そのとおりですね。やはりシフト制ということもあって部内での「報告・連絡・相談」は非常に重要ですし、お客さま対応や他部署との連携が多い仕事なので、チームワーク、コミュニケーションスキルは重視しています。

あとはデータセンターでの作業は影響範囲が広いため、事故をおこさないような丁寧さや慎重さも重要です。業務や役割に対しオーナーシップを持って、自ら積極的に考え、実行に移せる方と一緒に働けるとうれしいですね。

これらは会社が社員に求めるバリュー(「肯定ファースト」「リード&フォロー」「伝わるまで話す」)にも通じると思っています。

 

――最後に、さくらインターネットのデータセンターで働くことを検討中の方へメッセージをお願いします。

未経験の方でも、しっかりと研修がありますから安心してください。また、先輩方も非常に親切で、質問しやすい環境が整っています。

また、これまでの経験や、みなさんの手持ちのスキルを活かして活躍することもできるはずです。私の場合は「傾聴」「プレゼンテーション」「メンタルマネジメント」といった、営業の仕事で身につけたスキルを活かすことができています。未経験であっても、データセンターでの仕事に興味がある方は、ぜひチャレンジしていただけたらうれしいです。

 

(撮影:ナカムラヨシノーブ)

 

サーバエンジニア(データセンター運用)採用情報

 

執筆

篠崎 沙恵

資格スクールでのオウンドメディア編集・マーケティング担当を経て、 2023年1月に中途でさくらインターネットに入社。おもに『さくマガ』編集、ユーザー向けメールマガジンを担当している。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

すべての記事を見る

関連記事

この記事を読んだ人におすすめ

おすすめのタグ

特集