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国土交通省への出向を経験したことで新しい能力が身に付き、チャレンジすることの抵抗がなくなった

実際に異動を経験した方や異動を受け入れた方、キャリアコンサルタントの方などにお話をうかがいます。

今回は、さくらインターネットから国土交通省へ出向中の社員に話を聞きました。

松本 一真(まつもと かずま)プロフィール

松本 一真(まつもと かずま)プロフィール

2015年にさくらインターネットへ入社。サーバーエンジニアとして堂島データセンターで勤務する。その後、2018年に石狩データセンターへ。現在は国土交通省へ出向し、総合政策局 行政情報化推進課 企画第2係長を務める。

重視しているのは「一緒に働く人」

――松本さんがさくらインターネットに入社したきっかけを教えてください。

 

サーバーエンジニアとして働いていたときに、さくらインターネットの社員に声をかけていただいたことがきっかけです。私は働くうえで、一緒に働く人を重視しています。さくらインターネットの雰囲気は、社外の方にも自慢できると思っています。

最初は大阪のデータセンターで勤務していましたが、次に北海道の石狩データセンターに行き、現在は東京の国土交通省に出向しています。出身は福岡なので、結構各地を転々としていますね。

 

――大阪や石狩のデータセンターではどのようなお仕事をしていたのでしょうか?

 

サーバーの保守・運用がメインですね。石狩データセンターでは途中からマネジメントの仕事もさせてもらっていたので、エンジニアの仕事が4、マネジメントの仕事が6くらいの割合でした。

国土交通省への出向について

国土交通省への出向について

 

 ――現在はさくらインターネットから国土交通省に出向していますが、どのような背景で出向となったのでしょう?

 

もともと石狩データセンターに行くときに、2年間限定と言われていました。そろそろ期間が終わるということで「この後どうしようかな」と考えていたとき、国土交通省に出向していた前任の方が出向期間を終えるタイミングでした。新しく出向する人を募集していたみたいで当時の上司から推薦いただいたんです。チャレンジしてみたいなと思い、国土交通省へ出向しました。

 

――当時、上司の方から推薦されてどう思いましたか?

 

最初は驚きましたし、不安もありました。ただ、石狩の2年間が終わった後に大阪に戻るのも「ちょっと違うなあ」という気もしていたんです。別に大阪が地元でもないですし……。とくにどこかのデータセンターに行きたいという希望もない中で、新しい環境を求めていました。いろいろ悩みはしたんですけど、せっかくのチャンスだったので飛び込んでみようかなと思いました。

 

――なるほど。国土交通省での仕事内容を教えてください。

現在、国土交通省ではテレワークを推進しています。全職員のテレワークを実施させるための環境づくりや、製品の導入、実施してもらうように促す仕事などをしています。テレワークのシステムは外注しているので、監督職員として外注先との調整折衝をしていますね。まず国土交通省のニーズを拾って、一般的にどのような製品があるか調べます。製品に沿うような仕様書を作って、こういうツールを導入したいという企画を立ち上げて実行しています。

 

――そういった大きなお仕事は省庁職員の方がやるのだと思っていました。

まさか自分もこのような仕事をするとは思ってなかったです。

国の大きな組織で働く責任

――松本さんは国土交通省に出向して3年が経ちます。出向して感じたことを教えてください。

 

組織が大きいので物事を決めていくのも苦労するな、という印象が大きかったです。やはり税金で動いているので、無責任に仕事はできません。みなさん責任感を持ってやっているので、自分も感化されて大まじめになりました。

 

――さくらインターネットとは環境が違うと思います。さくらインターネットでは私服勤務ですが、国土交通省ではやはりスーツ勤務ですか?

 

いえ、スーツは着ていないです。オフィスカジュアルを推奨しているので、結構崩すファッションを楽しんでいます。今日みたいな服装でも大丈夫ですよ。まあ、スーツを着ている人も多いですけどね。

 

国土交通省ではオフィスカジュアルもOK

 

――そうなんですか。省庁で働く人は全員きっちりとしたスーツを着ているものだと思いこんでいました。

さくらインターネットを外から見て感じたこと

――出向となり、外からさくらインターネットを見ることになりました。外から見てどのように感じますか?

 

「さくらインターネットから出向しています」と話すと、いろいろな企業の方から「さくらインターネットさんって、いろいろなことをやられていてすごいですよね」と言われます。他社からの評価がすごく高いんだな、と感心しました。

 

――働いてみて感じた、さくらインターネットと国土交通省との違いを教えてください。

 

やはり、さくらインターネットのほうがフランクですよね。チャットで相談できたり、仕事の進め方がラフだと思います。国土交通省の場合は、仕事の進め方が丁寧すぎるくらい丁寧です。テレワークやツールの導入は進んできました。以前は連絡手段はメールだけでしたが、いまはチャットが導入されて働き方改革が進んでいます。

 

――働き方改革をするきっかけがあったんですかね?

きっかけとしては、国土交通省の中でも働き方改革推進室ができました。それによってコミュニケーションツールの導入やテレワークが推進されています。

出向先で身に付いたスキル

出向先で身に付いたスキル

 

――出向から3年が経ち、ご自身の中で身に付いたと感じるスキルはありますか?

 

いろいろな企業との調整や折衝が肝となる業務をしていますし、省内にもさまざまな組織があるので、省内でのやり取りも発生します。こちらの意図をしっかりと伝えなければならないので、プロジェクト管理の能力やコミュニケーション能力が鍛えられました。

逆にエンジニアとしての知識をフルに活用する職場ではないので、サーバーエンジニアとしては丸々3年ブランクが空いたと感じていますね。

 

――気になったのですが、民間企業から国土交通省のような国の機関に出向する方は結構いるんですか?

 

結構いますね。人事院のホームページに「官民人事交流制度」として公開されています。見てもらえば分かりますが、幅広い業界から出向している方がいます。最近は、私と同じ課にソフトバンクの方が出向してきました。

 

――他の省庁との交流はあるんですか?

 

デジタル庁とはありますね。デジタル庁は、政府全体のネットワークやPCといったIT関係を一体化させる役割を担っています。なので、いろいろな舵取りをしてもらっていますね。今後もIT関係でデジタル庁の存在は重要になっていくと思います。

出向を経験し、新しいことにチャレンジすることに抵抗がなくなった

――出向から戻ってくる時に、どういう環境が整っていたら戻って来やすいですか?

 

変に奇をてらった出迎え方は、さくらインターネットらしくないと思います。自席があるといいなと思いましたが、いまってフリーアドレス制でしたよね? オンラインでもオフラインでも、しっかりとコミュニケーションを取れる環境が整っているとうれしいです。

 

――はい、いまはフリーアドレス制ですね。国土交通省への出向を経験して、今後どのようなキャリアを積みたいと考えていますか?

新しいことにチャレンジすることに抵抗がなくなったので、エンジニアの仕事以外にも挑戦したいと思っています。今年度で出向期間が終了しますが、さくらインターネットを離れて結構時間が経っているので、社内について分からないことも多いです。1からさくらインターネットを知るところから始めないとな、と思っていますね。

 

 

執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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