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DX認定制度とは? 認定取得のメリット・認定基準・手続きなどを弁護士が解説

DX推進の取り組みを対外的にアピールするためには、経済産業大臣の「DX認定」を受けることが効果的です。

税制優遇や融資条件のメリットもあるため、DX に取り組む企業は DX認定の取得をご検討ください。

今回は DX認定制度について、認定取得のメリット・認定基準・手続きなどを解説します。

DX認定制度とは

DX認定制度」とは、情報処理の促進に関する法律に基づき、DX の取り組みの実施状況が優良な企業を経済産業大臣が認定する制度です。

事業者は、DX認定制度事務局に対して申請をおこない、認定基準を満たしているかどうかの審査に通過すると、DX認定を受けることができます。

DX認定を取得するメリット

DX認定を取得すると、おもに以下のメリットがあります。

(1)DX推進企業としての対外的認知・アピールに繋がる

(2)税制優遇を受けられる

(3)好条件で融資などが受けられる

DX推進企業としての対外的認知・アピールに繋がる

(引用:経済産業省商務情報政策局情報技術利用促進課「DX認定事業者アンケート結果」p10)

DX認定を取得すると、自社の Webサイト上などで対外的に発信することができます。その結果、DX に取り組む先端的な企業として社会的イメージが向上し、顧客からの信頼や人材確保などの面でプラスに働く可能性が高いでしょう。

 

経済産業省が DX認定事業者を対象に実施したアンケートでは、「顧客に対する企業イメージ向上」(70%強)や「人材確保に向けた企業イメージ向上」(50%台後半)についてメリットがあったと回答したDX認定事業者が多数を占めています。

税制優遇を受けられる

DX認定の取得は、令和3年度税制改正で新設された「DX投資促進税制」(※1)を利用するための要件となっています。

 

DX認定などの要件を満たしたうえで、事業適応計画につき主務大臣の認定を受けると、事業適応計画に基づき実施する設備投資について、以下のいずれかの税制優遇を受けることができます(青色申告書を提出する法人に限ります)(※2)。

(1)税額控除

他社とのデータ連携に係るものについては設備投資額の5%、その他のものについては設備投資額の3%が法人税額から控除されます。

ただし、カーボンニュートラルに向けた投資促進税制(※3)と合わせて、当期法人税の20%が控除上限です。

 

(2)特別償却

普通償却の限度額に加えて、特別償却として設備投資額の30%を損金に計上できます。

※対象資産合計額が300億円を超える場合には、異なる上限規制が適用されます。

 

好条件で融資などが受けられる

日本政策金融公庫では「IT活用促進資金」を設けており、DX認定事業者は特別利率による融資を受けることができます。

 

また、中小企業信用保険法の特例に基づき、民間金融機関の融資を利用する際に信用保証協会の保証を受ける場合には、追加保証や保証枠の拡大が受けられます(※4)。

 

【参考】

(※4)日本政策金融公庫「信用保険業務(概要)

DX認定の認定基準

(引用:経済産業省商務情報政策局情報技術利用推進課「DX認定制度概要~認定基準改訂及び申請のポイント~」p11)

DX認定の審査は、経済産業省が公表している「デジタルガバナンス・コード2.0」を踏まえて、「企業がデジタルによって自らのビジネスを変革する準備ができている状態(DX-Ready)」になっているかどうかの観点からおこなわれます。

 

具体的には、認定基準を満たす以下のような取り組みをおこなっていることが、DX認定を取得するための必須条件です。

 

(1)経営ビジョンの策定

デジタル技術による社会・競争環境の変化の影響を踏まえて、経営ビジョンおよびビジネスモデルの方向性を公表する必要があります。

 

(2)DX戦略の策定

ビジネスモデル実現の方策として、デジタル技術を活用する戦略(=DX戦略)を公表する必要があります。当該戦略のなかでは、とくに以下の事項を示さなければなりません。

  • 戦略の推進に必要な体制、組織
  • 人材の育成、確保
  • ITシステム、デジタル技術活用環境の整備に向けた方策

 

(3)DX戦略の達成度を測る指標の決定

デジタル技術を活用する戦略の達成度を測る指標(=DX推進指標)を決定し、公表する必要があります。

 

(4)DX戦略の推進状況などの対外的発信

経営ビジョンやデジタル技術を活用する戦略につき、経営者自ら対外的にメッセージを発信する必要があります。

 

(5)DX推進指標などによる自己分析・課題の把握

経営者のリーダーシップの下で、デジタル技術に係る動向や自社の ITシステムの現状を自己分析し、課題を適切に把握する必要があります。

 

(6)サイバーセキュリティ対策の推進

DX戦略の実施の前提となる、サイバーセキュリティ対策を推進する必要があります。

 

DX認定の申請手続き

DX認定の申請手続きの詳細については、独立行政法人情報処理推進機構(IPA) Webサイトをご参照ください。

申請手続きの概要は、以下のとおりです。

<申請手続きの概要>

STEP1:DX認定制度 申請要項(申請のガイダンス)」より、自社の状況が申請要件を満たしているか確認する

 

STEP2:独立行政法人情報処理推進機構(IPA)のサイトから申請書類をダウンロードし、各書類を作成する

 

STEP3:DX推進ポータル」から申請する

 

DX認定を受けた事業者は、DX推進ポータル「DX認定制度 認定事業者の一覧」にて公表されます。

DX認定の有効期間

DX認定の有効期間は2年間です。認定を維持するためには、期間満了の60日前までに認定更新申請をおこなう必要があります。

申請の際にも、当初申請の段階と同様に「DX-Ready」の状態が維持できていることを、最新の状況に沿って提示しなければなりません。

更新の手続きの詳細については、「DX認定制度申請要項(申請のガイダンス)」をご参照ください。

まとめ

DX認定を受ければ、DXに取り組む先端的な企業であることのアピールに繋がるほか、税制優遇や融資に関するメリットも受けられます。

また、DX認定の取得に向けて自社の DX体制を整備することは、中長期的な企業の成長にも繋がるでしょう。

 

DXへの対応は、企業が今後さらなる発展を遂げるために必要不可欠といっても過言ではありません。自社の事業形態に合わせて、適切な DX戦略を策定・推進してください。

 

執筆

阿部 由羅(あべ ゆら)

ゆら総合法律事務所代表弁護士。 西村あさひ法律事務所・外資系金融機関法務部を経て現職。 企業法務・ベンチャー支援・不動産・金融法務・相続などを得意とする。 その他、一般民事から企業法務まで幅広く取り扱う。各種webメディアにおける法律関連記事の執筆にも注力している。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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