さくらインターネットの最新の取り組みや社風を知る
>>さくマガのメールマガジンに登録する
2024年9月6日、さくらインターネットは、「グラングリーン大阪」の中核機能施設「JAM BASE」内に本社機能を有するオープンイノベーションのための施設「Blooming Camp」を開所。2024年10月2日に開所式「SAKURA Blooming Party」を開催しました。
- 第一部
内覧会(Blooming Campの運営メンバーが施設内をご案内) - 第二部
トークセッション「JAM BASE×Blooming Campから創出するイノベーション」
【登壇者】
阪急阪神不動産株式会社代表取締役 副会長
一般社団法人うめきた未来イノベーション機構(U-FINO) 理事
諸冨 隆一さん
さくらインターネット株式会社 代表取締役社長
田中 邦裕 - 第三部
開所記念パーティー
本記事では、第二部のトークセッション「JAM BASE×Blooming Campから創出するイノベーション」にて語られた、Blooming Campに関する内容を中心に抜粋してお届けします。
諸冨 隆一(もろとみ りゅういち)さん プロフィール
阪急阪神不動産株式会社 代表取締役副会長。1982年、慶應義塾大学商学部卒業後、阪急電鉄株式会社(現 阪急阪神ホールディングス株式会社)へ入社。不動産事業に長く携わり、彩都や西宮ガーデンズの開発、阪急百貨店と阪神百貨店の建替、うめきた一期(グランフロント大阪)開発他を担当。これまでサイエンスパーク(リサーチパーク)の形成企画を担当した事から関経連や同友会でスタートアップエコシステムの委員会に参加。一般社団法人うめきた未来イノベーション機構(U-FINO)の理事としてJAM BASEを関西経済エコシステムのハブとすべく活動中。2020年、阪急阪神不動産株式会社 代表取締役社長へ就任。2024年4月より現職。阪急電鉄株式会社 取締役(2008年~)。
田中 邦裕(たなか くにひろ)プロフィール
さくらインターネット株式会社 代表取締役社長。1996年、舞鶴高専在学中の18歳の時にさくらインターネットを起業。2005年に東証マザーズに上場し、現在はプライム市場。自らの起業経験などを生かし、多数のスタートアップ企業のメンタリングやエンジェル出資を行うほか、IPA未踏のプロジェクトマネジャーや神山まるごと高専の理事として、若手起業家や学生エンジニアの育成にも携わる。また、アイモバイルやi-plug、ABEJA等の社外取締役を務めるほか、ソフトウェア協会(SAJ)会長、日本データセンター協会(JDCC)理事長、日本インターネットプロバイダー協会(JAIPA)副会長、関西経済同友会常任幹事などとして業界発展のためにも尽力。最近では、AI戦略会議構成員も担う。現在は、沖縄に移住し、自ら率先して新しい働き方を実践中。
「Blooming Camp」とは
本日はオープニングイベントにお越しいただきありがとうございます。さくらインターネットの代表をしております、田中と申します。どうぞよろしくお願いいたします。
このたび、グラングリーン大阪という大きなまちづくりの一環として作られたイノベーション創出施設「JAM BASE」のなかに、「Blooming Camp」を開所しました。
Blooming Campは、さくらインターネットの本社機能がある場所です。一見外部の方向けのコワーキングスペースのように見えるかもしれませんが、じつは本社に必要なものが置いてある小さな部屋があるんです。さきほど諸冨さんにも本社はどこかと聞かれましたが、Blooming Camp全体がさくらインターネットとして登記をしている正真正銘の本社です。
今後、Blooming Campは「『やりたいこと』を『できる』に変える」という、私たちの企業理念のとおり、いろいろな方のやりたいことを実現する場所にしていきたいと思っております。
現在、さくらインターネットはリモートワーク前提の働き方をしていますので、会社に来ることはほぼありません。私もほとんど会社にはおらず、いろいろな場所で社員が働いています。また、JAM BASEではほかの会社の方々も働いています。
このようにだんだん壁がなくなっていく世界において、さくらインターネットの本社はどうあるべきか。それなら、社員に限らずほかの会社の方々も一緒に働けるような、イノベーションを生み出せるような本社をつくろう。そういうわけで、このBlooming Campに本社機能を持たせました。
ここでは、多くの企業・団体と共創していくことを目指します。「パートナー」ではなく、「共創」です。以前、グランフロント大阪に本社があったときに、年間300回ほどイベントを開催していましたが、Blooming Campでも多くのイベントを開催していく予定です。ここが、多くの方の「一度は来たことがある場所」になればと思います。
>>さくらインターネット、オープンイノベーションのための施設「Blooming Camp」をうめきた2期地区開発事業「グラングリーン大阪」に開所(ニュースリリース)
イノベーション創出の鍵は何か
これまでさまざまなインキュベーション施設やイノベーション施設を作ってこられたなかで、ここが「分岐点だったな」というところや、「これがあるのとないのとでは違うな」と感じられたことはございますか。
私たちはデベロッパーなので、施設自体を作るのは得意なんですが、所詮、施設は「ハコ」だと思っています。ただ、ハコも重要なんです。今回、JAM BASEを見ていただいてもわかるように、非常に多くの方が来られていますし、施設の考え方も10年前のナレッジキャピタル(うめきた一期)とはかなり変わってきていますよね。さきほど田中さんがおっしゃった他社との共創が日常であるBlooming Campのようなオープンな施設(ハコ)が、そのまま世の中の流れだと思います。
企業間の垣根をできるだけ下げて、オープンイノベーションを志向するように持っていかないと、ビジネスのイノベーションは難しいでしょう。では、実現するために必要なのは何なのかと言ったら、最後はやはり「人」です。そういう意味では、イノベーションの創出の鍵は「アントレプレナー人材」、新しいことを面白いと考えて仕事ができる人だと思います。そういう人が、企業や組織でどれくらい増えてくるのか。そういう人たちに面白いと思ってもらえる場所やイベント、企画をどう提供できるか。そこにかかってくるのではないかと思います。
JAM BASEができた背景は何だったのでしょうか。
うめきた二期については、行政サイドから出された方針が「みどり1 とイノベーションの融合拠点」でした。大きな開発になると、民間企業が利益を得るだけではなく、開発の要件として社会課題の解決が求められます。JAM BASEは世界をリードする「イノベーション」の拠点として設計され、まち全体を包み込む「みどり」と共にコンセプトを実現するものとなっています。
都市づくりにおいて、ビルがたくさん建った結果、夜は人が集まらなくなったり、おまけにビル風の問題が起きたりということもあります。ただ、全部みどりにしたら収益が上がらない。
そういったなかで、イノベーションとみどり、そして収益を上げられるホテルや商業施設などを融合させるという提案がしっかり通ったというのが素晴らしいですね。
ここにいる多くの方は、実際にご覧になって「いいな」と感じていただけているのではないかと思います。このような形になったのは、行政やUR都市機構が大きな枠組みをつくり、私たち民間企業が知恵を出し、「共創」することができたからでしょう。
さきほど、イノベーション創出には「人」が重要だと申し上げましたが、どんなに優秀な人がいても、オフィスビルばかりでは多分ダメなんです。梅田(JR大阪駅周辺)のような、都心で利便性が非常に高く、くわえて商業環境が一定のレベルで整理されていることも重要です。梅田には多くの飲食店もあるので「ちょっと一杯飲みに行こうか」ということもできます。
そういった、都市の猥雑性みたいなものも含めて、多様な機能が狭いエリアに集積している場所というのも、イノベーション創出の鍵になると思います。
独自の会員制度新設のほか、さまざまなイベントを開催予定
Blooming Camp では、オンライン上のコミュニティと掛け合わせた独自の会員制度「シーズメンバー」を新設。会員にはBlooming Camp に常駐するコミュニティーマネージャーとともにプロトタイピングをおこなう機会や、会員の挑戦を支援する各種プログラムの提供およびイベントの開催を予定しています。
また、Blooming Camp は3エリアから構成されており、会員の方限定で利用できるスペースや一般の方も利用可能なカフェ、イベントに活用できるスペースなどを整備しています。
>>さくらインターネット新本社を紹介!「やりたいこと」を「できる」に変える場Blooming Camp
今後さくマガでは、Blooming Camp の企画を担当した社員インタビューなどを掲載予定です。ぜひお楽しみに!
- みどり:誰もが容易にアクセスできる緑豊かなオープンスペースのこと。 ↩︎