さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。 今回は、クラウド事業本部 プロダクトマーケティング部 マーケティング戦略グループで、「さくらのレンタルサーバ」のマーケティング業務を担当する尾崎 翔一に話を聞きました。
広告制作会社のデザイナーと事業会社の Web担当を経て、2018年10月にさくらインターネットへ入社。さくらのレンタルサーバを中心としたサービスの Webマーケティングを担当している。
制作会社から事業会社に転職
――尾崎さんのこれまでのご経歴について教えてください。
Webマーケティング担当としてさくらインターネットに入社する前は、広告制作会社のデザイナーや、自社サービスの Web担当をしていました。デザイナーからマーケターにジョブチェンジしたように思われるかもしれませんが、自分のなかではやっていることはずっと一貫しているんですよね。どちらかというと仕事の内容がデザイナー寄りになったり、マーケターやディレクター寄りになったりということはありましたが、いつも「サービスやプロダクトをいかにお客さまへ届けるか」を軸に仕事をしてきました。
現在さくらインターネットで担当しているのは、「さくらのレンタルサーバ」の Webマーケティングです。Webサイトの分析からデザイン、広告企画・運用など、サービスを広めお申込みにつなげられるように意識して仕事をしています。
――前職でもマーケティングの職種で活躍されていたのですね。転職を考えたきっかけは何だったのでしょうか。
Webデザインやディレクション、マーケティング……。自分がやりたい分野の仕事ができている実感はありました。ただ、キャリアを重ねていくにつれて「このままでいいのだろうか」という思いが強くなってきたんです。
たとえば年次を重ねるにつれて、マネジメントというか会社組織内の調整系の仕事が増えてきたこと。私はどちらかというと、プレイヤーとして自分で手を動かして仕事をしたいタイプだったので、そちらに力を割けなくなっていくのが、結構つらかったんですよね。
あとは働き方の面でいうと、ワークライフバランスをもう少し整えていきたいという気持ちもありました。
――では、さくらインターネットに入社を決めた理由は何だったのでしょうか。
まず、「制作会社より事業会社が自分に合っている」という考えがありました。
制作会社にいたとき、クライアントの予算の制約があることを少し窮屈に感じていたんです。また、案件の結果が追いにくいので成果が実感しにくいという側面もありました。
事業会社の場合は、主体的に提案しやすかったり成果が見えやすかったりして楽しかったんですよね。
この経験から、転職にあたってやりがいを持って働くには、自社のサービスやプロダクトを提供する事業会社のほうが自分には合っているだろうと考えました。
前職でさくらの専用サーバとさくらのレンタルサーバを実際に使っていたのですが、カスタマーサポートへ問い合わせをした際の真摯で丁寧な対応が印象に残っていたんですよね。「きっといい会社なんだろうな」と思っていました。
あとは ”理念” がある会社だと感じたことも、入社を決めた理由の1つです。当時の社長のインタビュー記事などを読んで、長期目線での組織成長や企業理念、そして社員を大切している企業だというのが伝わってきたんですよね。
――実際に入社をしてみて、印象はいかがでしたか?
穏やかな人が多いですね。あと、現場の人間に裁量があって個人の意見が尊重される社風が新鮮でした。
もちろん、上からの指示で動くこともありますが、合意を取ったうえで、最後は現場の人間がどう判断するかにゆだねてくれる。プレイヤーとして施策の上流から下流まで、スピード感を持って効率的に仕事を進めていきたいタイプの私には、ぴったりな社風だと思いました。
サービスの魅力や価値をいかに伝えるか
――「さくらのレンタルサーバ」の Webマーケティングについて、業務内容をくわしく教えてください。
おもに Web広告の企画・運用や、サービスページなどの改善をおこなっています。あとは『さくらのレンタルサーバ公式コラム』の執筆などもしています。
特に心がけているのは関係者との連携ですね。Webサイトや広告での訴求はサービス内容と伴っていないといけませんので、お客様に何を伝えたいのか良く話し合って施策を進めています。
――異業界・同職種での転職ですが、これまでの経験を活かせた点や、逆に苦労した点はありましたか?
Illustrator や Photoshop などのクリエイティブツールのスキルや、広告の運用などに関するノウハウなどは、現在の仕事にもダイレクトに活かせていますね。
前職と大きく違うのは、売り込むプロダクトが「モノ」ではなく「サービス」になったことです。レンタルサーバーは結構用途が広い商材なので、お客さまは法人から個人まで幅広い層に渡っていますし、どんな用途で使うのかも本当にさまざまです。売れどき・シーズンもそこまで極端に差がありません。使う人や用途、売れるシーズンが限られている商材と違うところがおもしろいですね。
――2020年より、さくらインターネットはリモートワークベースでの働き方にシフトしています。大変だったことはありますか?
よくいわれることですが、ちょっとした雑談がしにくくなりました。とくにクリエイティブ系の仕事では、雑談から生まれた発想やアイデアが活かされることも多いんですよね。そこは課題かもしれません。
一方で、勤務地にかかわらず、フラットにミーティングがおこなえるようになったことはメリットだと思います。以前も東京・大阪などの各拠点をつないで Webミーティングをする機会はありましたが、どうしても多数派の拠点の人たちが話し合いのイニシアティブを持ちがちになります。音声遅延や画質の問題もありますし、議論が盛り上がっているなかで、少数派の別拠点の人が発言をはさむのはハードルが高いですから。場所による不公平感をなくせるのは、リモートワークのメリットだと思います。
あとは、猫を飼えるようになったのも、個人的にはうれしいポイントです(笑)。長時間家を空けるとなるとお世話が難しいですが、リモートワークなら様子をみながら仕事できますから。
――小さなお子さんがいらっしゃる方にも、お世話や保育園の送り迎えなどがしやすいリモートワークは好評ですよね。さくらインターネットでは2016年から、多様な働き方を支援する制度として「さぶりこ」が導入されています。尾崎さんはなにか利用されていますか?
「さぶりこフレックス」をよく利用しています。基本の勤務時間は9時半から18時半ですが、いつも大体9時から働いてますね。通勤時間がなくなった分、前倒しで仕事を終えられるようになりました。時間にゆとりが出て、理想的なワークライフバランスが実現できているように思います。
お客さまにとって「No.1のサービス」を目指したい
――日々の業務のなかで、なにか課題を感じている点はありますか?
先ほどお話ししたとおり、レンタルサーバーは利用者の層や用途が幅広く、ターゲティングが難しい商材です。ターゲットを細分化して、それぞれに適した施策をおこなうのが理想ですが、いくつかの課題があり、どうしても全体最適の施策に寄りがちなことを課題視しています。最近は余裕ができてきたので、たとえば「法人向け」「プラン別」などの Webサイトを作ることができるようになってきました。
あとは、社員同士のコミュニケーションでしょうか。社風として「現場の人間に裁量があって個人の意見が尊重されるのが魅力」とお話ししましたが、裏を返せば組織としての意思形成が弱いともいえます。個々でアイデアやスキルを持っている社員は多いのに、それが個人で完結してしまっているのはもったいないと思うんです。これからは部署内はもちろん、部署横断的にも連携して、相乗効果で大きな成果につなげていくことが求められると思います。
――さくマガのコンセプトは企業理念と同じ「『やりたいこと』を『できる』に変える」です。尾崎さんがこれからやってみたいことや、目標などがあれば教えてください。
さくらのレンタルサーバを ”No.1” にしたいです。単に売り上げシェアで No.1を取るというよりも、それぞれのお客さまにとっての No.1でありたいと思っています。
私はマーケティングの担当ですが、サービスの機能面も含め魅力を上げたいと考えています。そのために、サービスを作る側とも横連携して二人三脚で「お客さまにとっての No.1」を目指していきたいですね。
さくらのレンタルサーバならではの価値を作り、その価値をお客さまに対して届けていく。これがさくらインターネットでの、私のミッションだと思っています。