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自分の仕事量を把握しているのは自分だけ。副業書評家が悩むスケジュール管理の話

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スケジュール管理。

仕事の話をするときに、避けて通れない議題である。

こんなとき、スケジュール管理が得意か苦手かと聞かれると、うーん、と首を捻らざるを得ない自分がいる。今回はスケジュール管理というテーマに対し、いよいよ黄色ランプが出てきた自分の話をしたい。

自分の仕事量を把握できるのは自分だけ

連載の最初からずっと書いてきたように、私は兼業ワーカーである。

そもそもこの連載を始めた動機のひとつが「世の中に副業してる人のお仕事記事って意外と少ないし、あったとしてもキラキラしすぎてるから、もう少しリアルな副業話を書きたい」というものだった。自分は、作家さんや漫画家さんのビジネス系インタビュー記事や、仕事の話を綴ったブログを読むのが好きだったのだが、副業でやっている人はそんなもの書く・受ける暇がないのか、なかなか見つからない。副業作家の話を自分自身がもっと読みたかった。だからとりあえず自分で書こうと思ったのだ。

ちなみに、今のところいちばん参考になると感じる「副業作家の仕事ハック記事」は、同人誌を熱心に作っている方々の記事である……。同人誌作家たちには本業を別に持っている方も多く、スケジュール管理などの話も多く共有されている。

そう、しかし同人誌の方々もよく話題に挙げるものだが、どうやってスケジュール管理するか、という議題は、兼業ワーカーにとって永遠のテーマではないだろうか。

なぜなら、兼業のいちばんつらいところは、「すべての仕事を把握しているのが世界で自分しかいない」ことだと私は思っているからである。

「忙しさ」を把握できていない

書類を抱える人の画像

もちろん、会社員だろうと専業作家だろうとフリーランスだろうと、基本的には自分の仕事量を把握してるのは自分しかいない。ものすごく上司や先輩が手厚く仕事を見てくれる職場だったり、みんなでひとつのプロジェクトを推進するような仕事だったら、自分の仕事量を他人が把握していることもあるだろうけれど。しかし基本的には、仕事量というものをちゃんと把握しているのは自分だけなのではないだろうか。

が、それにしたって、兼業になるとその「把握されなさ」は二倍になるのではないか? と私は思っている。

会社にいたり、個人仕事をしたりしていると、なんとなく「あの人いま忙しそうだな」という目線は向けられるものではないだろうか。一緒に仕事をしている人と、忙しさを分かち合うことも、たまにはあるだろう。忙しいときと暇なときを、なんとなく周りの人は察しているものだと思う(まあ、忙しさを分かられていてなお仕事を押し付けられる……というような悲劇も会社員の同僚や友人たちからしばしば耳にするが、それはまた別の問題である。つらいけど)。

しかし兼業となると、その忙しさはまったく別の場所からやってくる。それゆえに誰も知らない。今の自分の仕事量を把握しているのは、本気で、世界で自分ひとりだけになる。

それゆえに、たぶん兼業ワーカーは自分の忙しさをちゃんと把握できていない場合が多いのではないか、と私は思う。というか、私はできていない気がする。

他人から見てどうだと言われない。だからとりあえず毎月目の前のことをやるのに精一杯で、俯瞰でスケジュールを見ることが難しくなってくる。

だからこそ、どんどんスケジュール管理が難しくなってくる。なぜなら今月のスケジュールについて他人と相談することもないし、相談できないからである。

と、普通に考えてみると、兼業ってかなりワガママな状態だなと思う。自分で勝手に仕事を増やして、自分で勝手にスケジュール管理に困る、そしてなにより他人からするとそのあっぷあっぷした状態も原因がわからない。だってスケジュール把握してないし。

ひとり相撲も甚だしくなってしまう、それが兼業なのではないか、とスケジュール管理のことを考えるたびに思う。

というか人間は兼業するように生まれてないよな……毎月の労働時間長くなるとよくないってこんなに言われる世の中になったのにな……。と最近は思わざるを得ない。

しかし、かといって始めてしまえばとりあえず責任が伴うのが仕事である。兼業だからと言って仕事を投げ出すわけにもいかない。そうなると重要になってくるのがやはり、冒頭にのべた、「いかにスケジュールを管理するか」というテーマなのだろう。

私の場合は、根がかなりがさつで大雑把ということもあり、これまでスケジュール管理については「とりあえずやばそうなやつからやる」というざっくりした方針しかとっていなかった。間に合わなさそうなら謝るか根性でなんとかするかどちらかしかない(主に前者ののち後者)。今日やるべきタスクを把握して、とりあえず手をつける。その繰り返しであった。

が、最近いよいよ黄色ランプが点灯してきたのであった。

自分なりのルールを積み上げていく

カレンダーの画像

なぜスケジュール管理に困るようになったのか。

理由は単純で、寒くなって元気が一気になくなってしまったからである! 大問題!

私はもともと冬がものすごく苦手で、毎年稼働量は一気に下がる。熱を出すとか風邪をひくとかいうよりも、鬱々としはじめるのである。最近は在宅勤務だったこともあり、そんなに外に出なくて済んでいたので、わりとましだったのだが。今年は本業も副業も忙しかったからか、一気にどすんと波が来てしまった。

これを書いている現在は気温が高くなったので元気になったのだが(我ながら現金だな)、そうしてやって来るのは、スケジュールの遅れである。

管理、できない! 遅れて、いる!

遅れたら遅れたままにひとつひとつなんとかしていくしかないのだが、それにしたって、難しい。スケジュール管理。もはやすべて遅れているので、どれから手をつけたらいいのかわからない。優先順位をどうすればいいのか一瞬固まってしまうほどである。

ああ、誰か私の激ヤバスケジュールについて相談させてくれ……と深夜に小人さんに向かって呟くしかないのだった。いやー、個人事業主、相談できる相手がいないのがけっこう問題点。

しかしとりあえず、スケジュールが遅れそうな場合にはこうする、というようなマニュアルを自分で作っておいたほうがいいのだろう。と私は今回大変反省いたしました。

そう、スケジュール管理とは、はてしない自分とのマニュアル作成の旅。こういう場合はこう対処する、こういう場合はこう優先順位をつける、といった自分なりのルールを積み上げていくしかないのだろう。

世の中の兼業ワーカーあるいはフリーランスの皆さんが、スケジュール管理をどうしているのか……永遠の謎なのだった。

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※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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