時をかけるインターネットは、「いつでもいい」という自由をもたらした

時をかけるインターネットは、「いつでもいい」という自由をもたらした

いままでインターネットの1番の強みは、物理的距離にとらわれないことだと思っていました。

わたしがドイツに住んでいるからでしょうか。

日本にいる家族とSkypeして、日本で配信されている動画を見て、リアルタイムで日本のニュースを読んで……。

「どこからでもアクセスしてつながることができる」というのが、ネットの最大の武器だと思っていたのです。

でも最近、ネットには「物理的距離無効化」だけでなく、「時間超越」というチートスキルが備わっていることに気づきました。

驚愕!何気なくみていたドラマが15年前のものだった

サブスクでおすすめに上がっていたドラマをぼーっと見ていてびっくり!

そのドラマは、なんと15年も前に放送されていたのです。

15年前といえばわたしはまだ中学生で、亀梨和也さんと赤西仁さんが出演した『ごくせん』や、『オレンジデイズ』などが盛り上がっていたころ。

そのころに放送されていたドラマだったのを、わたしは気づかず、2021年に見ていたのです。

放送から10年、20年と経っても、画質がよければ案外気づかないものですね……。

考えてみれば、わたしの好きな映画『ドリームガールズ』は2006年上映ですし、『バタフライ・エフェクト』は2004年上映でした。

ドリームガールズ

▲出典:amazon

 

両方とも、いま見ても古臭い感じはまったくしません。上映時期を知らずに見ても、違和感はないでしょう(そもそも『ドリームガールズ』は60年代が舞台ですが)。

「それがなに?」と思うかもしれませんが、よく考えるとこれ、めちゃくちゃすごくないですか? 15年前のドラマなんて、ふつうはもう、「終わったコンテンツ」ですよ。

ネットなしで見ようと思ったら、録画していたVHSやDVDを大切に保管し続けているか、もしくは再放送を待つか、くらいしか手段がありません。

レンタルする、買うといっても、15年も前の作品となると、店頭にあるものも限られていますしね。

でもネットなら、過去のコンテンツをいつでも楽しめるのです。

ネットのおかげで、コンテンツは半永久的に「消費期限」切れにならない。それってすごいことですよ。まぁ、話題性として、「賞味期限」が切れることはあるけれど。

授業の時間に振り回されない東進のオンデマンド授業

「過去コンテンツでもいつでもリアルタイムで楽しめる」というのはつまり、「コンテンツに時間をあわせる必要がない」ともいえます。

わたしが高校3年生のときに通っていた、塾の東進がいい例です。

東進のウリはオンデマンド授業で、DVDやオンラインを介して、いつでもどこでも一流の先生の授業を受けることができる、というものでした。

他の大手の塾にも体験しに行きましたが、結局有名な先生の授業を受けるためには、大都会である横浜まで行かなきゃいけないんですよね……。

それが面倒で近所の東進に通っていたのですが、一番ラクだったのは、実は横浜まで行かなくていいことではなく、時間を合わせる必要がないことでした。

多くの塾では、「この時間に塾に行って、この曜日が英語で……」と時間割が決まってるじゃないですか。

でも東進では好きな時に好きな授業を見られるので、授業の時間に合わせて行動する必要がありません。いつでも、もうすでに授業が「用意されている」状態。

その日の気分や調子、模試の結果に合わせて柔軟に授業スケジュールを自分で組み立てられる。朝早く起きたから家のパソコンで一講終わらせて登校、なんてこともできちゃう。

自分でスケジュール管理をしたいタイプのわたしにとってこれはすごく快適で、東進は最高の塾でした。

講師にとっても、時間的拘束がないのはラクでしょうしね。

ネットが超えた「リアルタイムの壁」の恩恵

いままで、モノを売る人や買う人、サービスを提供する人や受ける人、それぞれ時間を合わせることが必須でした。

お店が開いている時間じゃないと買い物できないし、映画館の上映時間じゃないと見られない。塾は、先生と生徒が同じ時間に教室にいないと成り立たない。

でもネットがあれば、買い物に開店時間は関係ないし、いつでも映画を見られるし、録画された授業を好きな時に再生できます。

お店に行く時間がないから諦めていたセールも、友だちと時間が合わないから見合わせた映画鑑賞会も、時間がかぶって受けられなかった授業も、ぜーんぶできちゃいます。

それを「ネットは物理的距離を無効にするから」だと思っていましたが、ネットが本当に乗り越えていたのは、「リアルタイムの壁」なのです。

たとえば、最近多くの公式サイトがおこなっている見逃し配信もそう。

出典:TVer

▲出典:TVer

 

昔だったら、メインユーザーが集まるタイミング、ゴールデンタイムやピークタイムに狙い撃ちして、他の局のライバル番組に勝たなきゃ視聴率は取れませんでした。

家族でチャンネル争いをした人も少なくないでしょう。

でもいまは、ネットを使えばいつでもアクセスできます。

それならリアルタイムで見ることを強制するより、「後から見てね」とアーカイブを残すほうが、たくさんの人が見てくれますよね。YouTubeに「後で見る」機能があるくらいですし。

ネットのコンテンツはストックしておけますし、過去コンテンツもおすすめ表示で再度プッシュできますし、時間が経っても検索でユーザーが見つけられる。

おもしろいコンテンツがあれば、ユーザーは時間があるときにちゃんとそれをチェックします。

要は、継続的に楽しめる良質なコンテンツを用意しておけば、長期的な利益が見込めるのです。

時をかけるインターネットがもたらしたもの

実際のところ、「ネットのせいでコンテンツ消費が早くなった」「どんどん新商品を出さないと埋もれてしまう」なんて言われがちですよね。

でも過去コンテンツのリサイクルのしやすさを考えると、「ネットのおかげで古いコンテンツも大事にできるようになった」ともいえると思うのです。

リアルタイムのモノも、過去のモノも、いま楽しめる。

15年前のドラマを見て、生配信にコメントして、発売前の漫画をボタンひとつで予約注文して……。

過去、現在、未来と、「時間」に囚われないインターネットは縦横無尽。

「別の時間軸のものと繋がる」って、なんだかすごいですよね。まさに、「時をかけるインターネット」です。

インターネットの「時間超越スキル」は、わたしたちに「時間に縛られない」という自由を与えてくれました。

デジタル化が日々進むなかで、次はどんな革命が起こるのでしょうか。

そんなことを夢想しながら、今日も昔のドラマを見てみようと思います。

 

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