お客さまと共創する「さくらのモノプラットフォーム」公開ミーティング

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IoTとは、Internet of Things の略で、「モノのインターネット」と訳されます。IoTの技術を利用し、センサーなどの「モノ」がインターネットと繋がることで、これまで人の手でおこなってきた計測やデータ入力などを自動化し、効率化を図ることができます。

少し難しく感じるかもしれませんが、遠隔操作などができる「IoT家電」ならイメージしやすいかもしれません。IoTは今後、私たちの生活にとってより身近なものとなっていくのではないでしょうか。

 

さくらインターネットでも、「sakura.io」「さくらのセキュアモバイルコネクト」といったIoTサービスを提供してまいりました。

また、現在、さくらインターネットの新たなIoTサービス「さくらのモノプラットフォーム」がβテスト中となっています。本記事では、その公開ミーティングの内容をレポートします。

さくらのモノプラットフォーム 公開ミーティングとは?

本イベントは、「さくらのモノプラットフォーム」のβテストにご参加中の方や、どのようなサービスかご興味をもっていただいた方などを対象として開催。司会はさくらインターネットの西田 有騎が務め、以下のような構成で進めました。

  • さくらのモノプラットフォームのご説明
    サービスの概要、従来IoTサービスとの比較、βテストロードマップ など
  • お客さまからのご要望・ご質問に回答するコーナー

「さくらのモノプラットフォーム」とは?

さくらのモノプラットフォームは、IoTシステム開発に必要な環境を提供しているサービスです。さらに、商用サービスとしてユーザーに提供する際に、必要な機能をアドオン可能。お客さまは、アプリケーションやデバイスの開発に注力できます。

さくらのモノプラットフォームとは?

そもそも、IoTシステムの開発では、ハードウェア(モノ)だけでなく、通信やソフトウェアなど複数の技術を求められます。さらに、セキュリティや管理といったサービス全体を横断する要素もあります。

そのため、試作に踏み切るまでの時間や人的コストが非常に多くかかってしまう傾向があります。

さくらのモノプラットフォームは、そのようなお悩みを解決するために、試作をかんたんにして、サービス化までのコストを小さくすることを目指しています。

IoTクラウドコア、IoTクラウドサービス、設計情報の3つで構成

さくらのモノプラットフォームの構成要素は3つにわけられます。

 

1.IoTクラウドコア

IoTデバイスの登録・編成・認証・監視といった必須機能をコントロールパネルやAPIで提供します。さまざまな外部システムと連携させることで、IoTシステム構築を楽にします。

 

2.IoTクラウドサービス

IoTシステム全体の企画や設計に注力するための機能群です。必ず使うものではなくオプション的に組み合わせて便利に利用することができます。

 

3.設計情報

リファレンスとなるファームウェアやハードウェアの情報群です。これを参照することで、デバイスの設計や実装を省力化できます。

お客さまに、本当に必要なデバイスやサービスの開発に集中していただけるよう、ソースコードやファームウェアに関する情報を公開し、それらの情報を自由に利用できます。

 

現在、さくらのモノプラットフォームはβテストの段階であり、正式サービスには至っておりません。現時点では「1.IoTクラウドコア」と「3.設計情報」の2つに注力し、正式サービス化を目指しています。

今後は、βテストに参加中のお客さまや、興味をもっていただいているお客さまよりフィードバックをいただきながら、なにを優先的に開発するべきか、検討の材料にしたいと考えています。

セキュモバやsakura.ioとどう違うの?

さくらインターネットでは、もともと「さくらのセキュアモバイルコネクト(セキュモバ)」と「sakura.io」という2つのIoTサービスを提供してきました。

 

セキュモバは自由度が高い一方、通信以外の部分はお客さまご自身で開発する必要があります。sakura.ioは通信モジュールを提供しているため、お客さまの要件に合えば使いやすいですが、通信モジュール自体が制約になる場合があります。

 

このような、両者では実現が難しかったことを解決するための”第3のサービス”。それが「さくらのモノプラットフォーム」です。

3つのサービスの比較資料

sakura.ioでは、SIMもファームウェアも組み込まれた状態でモジュールを提供していました。

それに対して、さくらのモノプラットフォームは、お客さまご自身でデバイスを製造していただくサービスです。ファームウェアやプログラムのサンプルなどの情報を提供しており、お客さまご自身で自由に組み合わせて使えます。

「事業のはじめやすさ」を最低限担保しつつ、「事業スケール後の取り回しの良さ」を重視しているのがポイントです。

βテストのロードマップ

正式版リリースまでの予定についてご説明します。

βテストのロードマップの資料

まず、すでにリリースされているβ1とβ2については、以下の通りです。

 

  • β1(2021年7月8日リリース)
    • アップリンク方向(デバイスからクラウド)の通信

  • β2(2021年10月7日リリース)
    • ダウンリンク方向(クラウドからデバイス)の通信
    • プロジェクトおよびサービスアダプタ作成
    • メッセージ仕様の一部変更

 

今後は、β3とβ4のリリースを予定しています(イベント開催2021年12月時点)。

 

  • β3(2021年12月リリース)
    • サービスアダプタ拡充(Outgoing / Incoming Webhook)
    • 複数のオブジェクト送受信
    • メッセージ送信機能
    • WebSocket簡易UI

  • β4(2022年2月リリース予定)
    • ファイル送受信
    • 用途別ファームウェアの公開

 

βテストを踏まえて、2022年3月に正式版をリリース予定です。

なお、βテストの段階では、「IoTクラウドサービス」の提供はおこなわれておりません。「IoTクラウドコア」や「設計情報」についても一部機能制限がありますが、順次機能を拡充します。

お客さまからのご要望・ご質問に回答

さくらのモノプラットフォームのご説明のあと、βテストに参加されているお客さまからのご要望・お困りごとに対し、さくらインターネットの開発やマーケティングの担当者より直接回答するコーナーを設けました。実際のご要望やお困りごとの一部をご紹介します。

  • サンプル提供されたものを元に開発して販売したい
  • 特定形状の基板が欲しい
  • 下り方向の通信に、デバイスに対するプッシュ通信機能が欲しい
  • とある方式の双方向通信がうまくいかない

そのほか、逆にさくらインターネットの担当者からも、お客さまに聞きたい事柄もテーマとしてあげられました。このような意見や課題について「解消を検討しているか」「そのためにはどのように実装するのが開発者・ユーザー双方にとってうれしいか」などを実際の利用者もまじえて話し合いました。

 

さらに、現在盛り込まれている機能の一部は、本イベントのお申し込みの際、参加者の方々よりいただいたお困りごとを解消するために追加したものです。このように、フィードバックを迅速に反映していることについても共有しました。

 

イベント終了後は懇親会も開催されました。リモートではあるものの、開発者やお客さま同士の交流もおこなわれ、今後の施策にもつながるオフレコな会話も交わされたとのことです。

まとめ

本イベントは、さくらのモノプラットフォームのフィードバックループを回すべく、実際のユーザーのご意見をもとに開催しました。

このようなイベントは、さくらインターネットが掲げる「やりたいことをできるに変える」を体現する、非常に有用な手段となりえるでしょう。

 

引き続きこのような公開ミーティングを開催し、お客さまとともにサービスを作っていきたいと考えています。今後も「さくらのモノプラットフォーム」にぜひご期待ください。