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体調の安定は貯めておけない。仕事と体調のバランスの話

体調の安定は貯めておけない。仕事と体調のバランスの話

みなさまお元気でしょうか。わたしは……お元気では……ないです!

いや、すいません、嘘つきました。元気です。元気なんですよ。この週末もパンケーキを食べて映画を観て宝塚を観てきましたので。遊んでるし仕事してるし元気なんです。

元気なのですが、ものすごい致命的な元気じゃなさが存在している。

それは……現在わたくし、長時間座れないんですよ……。

 

はじまりは一か月前くらい、「うーんやばいな」という予感とともにやって来た。

もともと、私の主な体調不良といえば、1に肩こり、2に肩こりであった。もともと読書が好きな自分にとって、肩こりは、十歳のときからの幼馴染。小学生のときにはじめて感じた肩こりの「これなに!? しんど!」と思った記憶は忘れられない。

 

しかし肩こりと大親友になった結果、ある程度、肩こりの解消法は身に着けることができた。というか、常にあるにはあるのだが、致命的にやばいやつを避ける方法を会得したのだ。いつかこれについては詳しく書きたい。

 

なので、どれだけ仕事が忙しくなっても、一日中PCに向かっても、肩は大丈夫だった。

だから油断していたのだ。肩ばかり、気にしていた。

 

私の仕事を支えていたのは

それは突然やってきた。

ある日、徹夜していたときのことであった(いちおう注釈をつけておくと、私はたまに徹夜をする。夜通し起きて、そして翌日仕事が終わったらすぐさま寝るようにしているので、ご心配なきよう)。

 

そして朝10時ごろ、じわじわ思った。

やばい、これ以上座ってられん。――座っていると、尾骨が痛くてしょうがないのである。

 

しかし仕事はやってくる。仕方がないので(ベッドに寝転がった瞬間寝てしまうのが目に見えているので)、ヨガマットに寝転がりながら、PCを触って仕事した。明らかに肩によくない姿勢である。ああ、お尻のために肩を犠牲にしている……。

 

とりあえず一日座らなかったら、回復した。なんとか翌日は座れるようになった。

だがその日を境に、4時間くらいで座る限界がやってくるように、なってしまったのである。

 

いや致命的どころの話ではない。私は会社の仕事も原稿の仕事もすべて座っておこなうのである。椅子に座れなければ話にならない。

とりあえず4時間くらい座ったら、痛さの限界が来るので、家事など立ってできることをなんやかんやするようにした。そして痛さがましになったらまた座って仕事をするようにしている。

うう、尾骨にすべてを左右されている生活。尾骨、きみが私の仕事を支えてくれていたのか。お前だったのか、ごん……状態である。

 

しかしこうなると、できるだけ座りたくない自分ができあがる。さらに数時間かけて一気に書き上げることができない。そして原稿が遅れてゆく。編集者さんへ謝罪のメール。ごん! 尾骨! おまえっ。

 

この際スタンディングデスクを買おうかなとも思ったのだが、日本のスタンディングデスク、たいていよさそうなものは横幅100センチ以上のものが多い。私は壁という壁を本棚で埋めているので、机の横幅は95センチ以下でないと入らないのである。スタンディングデスク、日本の部屋の狭さを知っているのかきみは……。

なんとか尾骨を守るように座ると、こんどは腰が妙に痛い。明らかに腰痛を促す姿勢になってしまっている。ああ、どうすれば。

 

「体調の安定」は貯めておけない

「体調の安定」は貯めておけない

調べたところ、解消するには、こつこつ運動するしかないらしい。

しかしここで私は苦言を呈したい(私の骨を嘆くだけの話ではないのだこれは)。

世の中って、どうして仕事を優先させれば体調不良が起こり、体調を優先させれば仕事が遅れるんですかね!?

 

……主語が大きかったかもしれない。世の中というより、単に、私だけの話かもしれない。ごめん。私の話だ。

 

日常の時間というのは、主に三つに分けられると思う。

 

  1. やらなきゃいけないことをする時間(仕事や家事や育児や勉強や、その他もろもろ必須事項)
  2. 体調安定のための時間(睡眠、運動、食事など)
  3. 精神安定のための時間(趣味や交友関係など)

 

だが、この①②③をすべて完璧に満たす24時間というのは、限りなく「無理」に等しい、と私は思う。

ちなみに私の場合は③精神安定を優先させないと、そもそも①仕事も②体調もだめになるので、③の時間を削ることは不可能に近い。無理である。

そうなると①と②で常に時間が食い合う。

 

結果的に、「ちゃんと定期的に運動したり自炊したりする」期間は、原稿があまり進まない。というか遅れる。あるいはクオリティが下がる。量が少なくなる。

逆に、「仕事に精を出している」期間は、だいたい肩こりだの生理不順だの太っただの睡眠不足だの、身体面になんらかの不満を抱えることになる。

 

巷では「体調が安定してこその仕事だ」と言われる。それはそうなのだけど、体調を本気で安定させようとすると本当に本当に時間がかかる。睡眠時間も運動の時間もバカにならない。

 

しかも何が腹立たしいって、時間をかけたとしても、体調は結局、一瞬の安定でしかない。常に時間をかけないと、すぐに身体は元の状態に戻る。筋肉は裏切らないなんて嘘である。筋トレしないと筋肉はすぐにいなくなるのだ。

 

仕事の成果は貯金できるけど、体調の安定は貯めておけない。

最適なバランスを模索中

そんなわけで、①仕事及びやらなきゃいけないことと②身体のバランスをどうにか見ながらやっていくしかないのである。②体調の安定に全振りはできない。

じゃあ、どのようなバランスが最適なのか? ……私はまだ、その答えが出ていない。

 

みんなどうやって仕事と体調のバランスをとっているんだろう、と不思議になる。でも周りを見ていると、なにかしら不調を抱えている人は多いし、バランスなんてなかなかとれないものなのかな、とも思う。私もまだまだ答えの出ない課題だ。

運動、なんであんなに気力と時間がかかるんでしょう。謎です。そもそも汗とか出るのやめてほしい。

 

しかし肩こりだの睡眠不足だの風邪だのにはけっこう打ち勝っているとは思っていたのに……まさか尾骨、お前が敵だったとは。知らなかったよ。

今のところクッションを駆使して工夫しようとしているが、いまだにはっきりとした対処法が自分のなかで定まっていない。

 

はたして、一か月後。この連載の次回原稿を書く頃にはこの問題が解決しているのかどうか。私は座りたくない問題に終止符を打てているのだろうか。いや、解決してないと困る、お願いだから終止符打ってくれ、未来の自分!

待て次回(この尾骨問題、まだ続くん!? と思われたかもですが、まあ、えーと、次回のコンディションによりますねっ)。

 

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執筆

三宅 香帆

書評家・文筆家。1994年生まれ。 『人生を狂わす名著50』『文芸オタクの私が教える バズる文章教室』『(読んだふりしたけど)ぶっちゃけよく分からん、あの名作小説を面白く読む方法』などの著作がある。

編集

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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