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「人や組織の可能性を広げる」スタートアップ企業を支援する社員インタビュー

さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。

今回はCS本部CS戦略部(※)の油井佑樹に、現在の業務やこれまでの経験、今後やりたいことなどについて語ってもらいました。

※CS・・・カスタマーサクセス

 

プロフィール

油井 佑樹(ゆい ゆうき)

CS本部 CS戦略部 ビジネスプランニング所属。2014年、さくらインターネット入社。福岡オフィス立ち上げ、スタートアップ支援に関わる。

さくらインターネットの価値をどう提供できるか

ーーまず、油井さんが現在どのような業務をされているか教えてください。

 おもにスタートアップの方々に対して、さくらインターネットとしてどういった価値を提供できるか、コミュニケーションをとりながら検証して実行しています。スタートアップやベンチャーキャピタル、事業会社で投資されている方々とお話をすることが多いです。

 

さくらはいまのままでも良い会社だと思いますが、社会に対していま以上に価値提供していくには、”強くて良い会社”にならないといけないと思うんです。そのためには、プロダクトや組織・文化のアップデートが必要です。そして、アップデートは一度で終わりではなく、アップデートを継続しなければいけません。そのために、スタートアップの血を入れることも重要だと思っています。

 

スタートアップの資金調達環境は年々良くなってきているので、お金以外のさくらインターネット固有の価値をどう提供できるのかを日々検証しています。

 

ーーこれまでどのような仕事をされてきたのでしょうか。

 さくらに入社したのは2014年10月で、前職でもIT企業で働いていました。おもにドメインの販売・管理・企画、子会社への業務移管などを担当していました。

 

さくらに入社した当時は広報宣伝室に所属していました。そのとき、たまたまスタートアップへのクラウド無償提供をおこなう業務を引きついだんです。

入社して1、2か月後くらいのとき、さくらとリレーションを組んでいるベンチャーキャピタルから、「さくらのクラウドを無償提供してほしいスタートアップがいる」というお話をいただきました。そのときの印象がとても強く残っているんです。

 

 それまでは、生きていくために仕事をするだけ、仕事は仕事だと割り切っていました。でも、「人生をかけてこれを実現したい」とおっしゃる方と出会ったんです。衝撃的でしたね。

 

その方に「いま仮に5億円あったとしたら、いまの仕事をやめますか」と聞いたら、「やめないです。その5億円をつぎこんで、やりたいことを実現するために一歩近づけます」とおっしゃるんです。

こういう人たちがいるんだと思って、とても驚きましたし、自分の価値観が変わりました。そういったきっかけもあり、スタートアップの方々とのコミュニケーションが増えていきました。

 

1年ぐらいスタートアップ支援を続けていてところ、徐々に福岡への出張が増えていったんですね。スタートアップを盛り上げるために、福岡ではいろいろなイベントを開催していて、田中さん(さくらインターネット代表)もゲストとして呼んでいただいたりしていました。

 

各地に足を運んでいた中で、東京以外ではとくに福岡が盛り上がっていると感じました。福岡で、もっとさくらがやれることがあるのではないかと思い、福岡オフィスを立ち上げることになりました。それが2015年ですね。

 

FGN(Fukuoka Growth Next=スタートアップを支援する福岡市の官民共働型の施設)については、2016年の年末に公募があるとお声がけいただきました。

 

オフィスの立ち上げも並行していて大変な時期でしたし、もともとの想定にはなかったのですが、これはやるべきだなと思いました。福岡市の取り組みとしてもインパクトがありましたから。それで、福岡地所さんやアパマンさんとともに手を挙げて、公募に受かったという感じです。

 

2015年から2020年3月まで福岡にいて、いまは東京に戻ってきています。

 

尊敬できる上司

ーー上司とはどのようにコミュニケーションを取っていますか。

 Slack(チャットツール)でも頻繁にやりとりしていますし、Zoomでも週1回は話しています。

 

社内で一緒に働きたい、一緒にいることで大きく成長できる、と思える人が何人かいるのですが、そのひとりがいまの上司なんです。信頼関係ができていますし、すごく尊敬しています。

コミュニケーションについては、とくに困っていることはなくて、話したいこととか相談したいことがあったらすぐに僕から連絡しちゃいますね。

 

フルリモートになる以前から、僕が福岡にいて上司が東京にいる状況だったので、コミュニケーションの取り方としては、コロナ禍前後でとくに変わっていないです。

 

いまの上司とは2015年から一緒に仕事をしていますが、それ以前はほとんど接点がありませんでした。にもかかわらず、福岡にいる僕のことをみてくれることになったので、当時は大変だったと思います。

僕自身も、福岡オフィスやFGNの立ち上げなど、新しいことをしようとしていたときで、どうコミュニケーションをとればいいか、わからなかったんです。

 

でも、信頼関係が築けたのはそのときですね。当時、余裕がまったく無くてかなりハードワークになってしまっていた僕に、絶妙なタイミングで「だいじょうぶ?」「困ってない?」と声をかけてくれました。

 

ただ声をかけてくれたのではなく、僕が抱えている課題についても、こちらの立場に立って物ごとを考えてくれて、一緒に解決しようとしてくれました。「この人は信頼できるし、学ぶところがたくさんある。この人と一緒にいたら成長できる」と思いましたね。

 

リモートワークのメリット・デメリット

ーーリモートワーク前提の働き方となって感じたメリット・デメリットはありますか。

 メリットは移動時間がなくなったことで、全体の生産性が高くなっていると思います。

 

ただ、小学生のころから電車通学だったので、移動時間を使って勉強したり考えたりするクセがついていて、30分~1時間くらいは移動に時間を使いたいタイプなんです。思考整理の時間を移動時間で担保していたので、その点においてはデメリットかなと思います。

 

でも、ミーティングがオンラインになったことで、移動する必要が無くなったのは最高ですね。一方で、人とひざを突き合わせて話ができないのはちょっと物足りない、と感じることはあります。

 

ーー対面とオンラインでは、いくらテクノロジーが進化してもなかなか違いますよね。

 「リモートワークでも生産性が落ちない」「リモートできています」で止まるのではなく、さくらインターネットだからこそ、「オフラインよりも、オンラインのほうが生産性が高く、こんなにいいことがある」と言い切れるような環境が作れるといいなと思いますね。

 

数年後くらいに、リモートワークはさくらインターネットの働き方をロールモデルにしよう、とみんなが言っているような世界。そういったところにもチャレンジしたい気持ちはあります。

 

リモートであっても、自分から話にいけるタイプの人ならギャップはないと思いますが、みんながそうではないですよね。どちらかというと、受動的な方々のことを考えてどう設計するかが大事だと思います。

 

制度が維持されるために、もっと会社に貢献したい

 

制度が維持されるために、もっと会社に貢献したい

ーー会社の福利厚生(さぶりこ)でよく使っている制度について教えてください。

 ショート30以外はかなり使っていますね。

 

 さぶりこフレックス(勤務時間を10分単位でスライドできる制度)を使って、朝早くから業務をはじめたり、夜に仕事があるときはそれに合わせて遅くにはじめたりしています。

どうせ休むならまとめて休みたいので、1年に10日間取得できる連続有給休暇は毎年使い切っていますし、副業(パラレルキャリア)もやっています。

福岡にいたときは、つねにどこでもワーキング(自身の都合に合わせて勤務場所 を選べる制度)でした。カフェで仕事することもありますね。

 

フレックスやどこでもワーキング、副業が認められていることは、いまは当たり前になってきていますよね。

でも、連続有給休暇(※1)やさぶりこショート30(※2)は、いい意味で異常な制度だと思います。

 

※1 2日以上連続で有給休暇を取得した場合に、1日につき5,000円の連続有休手当を支給(2日取得で10,000円、5日取得で25,000円)。1年度につき最大10日まで取得可能。

※2 その日の業務が早く終われば定時の30分前に退社できる制度。

 

最初、連続有休の話を聞いたときは意味がわからなかったです(笑)。「仕事を休めるうえにお金ももらえるんですか?」って聞きなおしましたもん。

 

それに加えて、ショート30は性善説にもとづいた制度ですし、社会に対して一石投じていますよね。こういった制度が維持されるように、もっとさくらに還元しないとなって思います。

 

リモートワークも、世間一般的にはまだ根付いていないですよね。リモートワークにできない理由があって、仕方なく通勤している方も多いですし、いまのところ通勤が社会で当たり前とされていると思うんです。

そういった中で、さくらで働いていると、まだ当たり前とは言えない制度や環境を会社が用意してくれています。従業員が会社に貢献していかないと、こういったいい制度も続かないと思います。従業員である僕たちがなにもせずに、ただ会社から与えられるものでは決してありません。今後も続くように、与えられるものを超えて会社に貢献しないといけないと思いますね。

 

さくらだからこそパフォーマンスを発揮できる

ーーさくマガのコンセプトは「やりたいことをできるに変える」ですが、油井さんがやりたいことと、そのために取り組んでいることがあれば教えてください。

 さまざまな人や組織の可能性をそのまま放置したくない、可能性をどんどん広げ続けたいと思っています。

 

さくらの社是「やりたいことをできるに変える」は、やりたいことをできるに”変え続ける”と解釈しています。

組織と人の可能性を広げ続けるために、日々、自分のエゴや感情は抜きにして「この人はいま何を必要としているのか」「何を課題に感じているのか」をなるべく相手の立場で考えるようにしています。

 

課題が見えてきたとしたら、個人では何ができるのか、さくらなら何ができるのか、価値提供を実現するために、上司や同僚などいろいろな人に相談しながら取り組むことを心がけています。

 

 あとは、情報を自分だけに閉じないことを意識しています。

一人でできることは限られているし、なるべく二人以上でできるようにしたいんです。

自分だけが情報をもっている状況って、いいことはひとつもないと思うんですよ。短期的には人より物ごとを優位に進められて、先をいくことができるかもしれませんが、中長期的にみたら誤差でしかない。なので、基本的に情報はオープンにしています。

 

やりたいことがあれば、なるべく多くの人に話すようにしています。そうすることでリスクを負うこともあるかもしれませんが、言わないリスクのほうが多いと思いますから。

「あいつはこんなことやりたいんだ」と多くの人にインプットしておくことが、僕がやりたい「人々の可能性を放置しない」ことにつながると考えています。

 

ーーお話をうかがっていて気になったのですが、スタートアップに関わることでご自身も「起業したい」と思うことはないですか。

 僕はさくらの社員として取り組んだほうが、社会に対して提供できる価値を最大化できると思っています。

ただ、人によると思いますね。いままで起業という選択肢がなく、さらに「これをやりたい」と明確なものをもっている人は、起業したいと思うかもしれないです。

 

僕も、スタートアップの方々と向き合うなかで「自分は会社員でいいのかな」と思ったことはあります。スタートアップの方々はリスクを負って挑戦している中、僕たちはあまりリスクを負うことなく仕事をしているし、フェアじゃないなと。でもそれは「フェアじゃない状態を解消したいから起業したい」だけなので、動機としては不純ですよね。

 

スタートアップの起業家は、熱量が高くて、非常に粘り強く取り組める人たちです。それぐらいの気持ちがないと、起業できないと思います。

 

この人はこういうことをやりたい、あの人はこういうことをやりたいという場合に、双方をうまくつないで実現性を高めたり、これやりたいけどこれが足りないからできないということを失くしたい想いがあります。

それは、起業よりも組織に属して取り組んだほうがパフォーマンスが発揮できると考えています。

 

ーー油井さん、ありがとうございました!

 

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執筆

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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