さくマガ公式SNS
お問い合わせ

無人島でデジタルデトックスをした結果、「日常デジタルデトックス」の可能性を感じた

>>さくマガのメールマガジンに登録する

無人島でデジタルデトックスをした結果、日常デジタルデトックスの可能性を感じた

「デジタルデトックス」という言葉をご存知でしょうか。デジタルデトックスは、その名の通りスマホやパソコンといったデジタル機器から距離を置いて、デトックス(溜まった有害物質や毒素を排出)するという意味の造語です。

期間を決めてその間は一切ネットやスマホに触れないようにするといったガッツリ取り組む人や、仕事柄スマホは手放せないからと夜のプライベートの時間だけ触らないようにするなど、人それぞれです。

「本来の自分に戻れた気がする」「睡眠の質が向上した」などといったデジタルデトックスのメリットが話題にあがるたび「そんなに良いものなら私もやりたいな、やろうかな」とミーハーにも思ってしまうのですが、習慣というのは簡単に変えられるものではなく…。仕事でスマホを見る、SNSも見る、ついでにYahoo!ニュースも見て、Netflixも見る。を繰り返し、四六時中デジタルに浸っているほぼ中毒者の私を変える為には、記事を読んで「いいな」と思うくらいでは弱くて、何か思いきったきっかけが必要なのです。

デジタルデトックスを実践するきっかけが訪れた

そんな中、デジタルデトックスを実践するのにぴったりなきっかけが訪れました。

それは無人島! ソロキャンプ!!

いつものようにネット記事を流し読みしている時に、和歌山県にある地ノ島という無人島でキャンプができることを知りました。

コロナ禍なので、人と会わずに撮れるYouTubeのネタを日々探していて、「無人島=ロマン、ソロキャンプ=流行っている」という安直な考えで、めっちゃ良いじゃんと思い予約してしまいました。キャンプもずぶの素人にもかかわらず……。

デジタルデトックスをしている時には、自然と触れ合うのが良いらしく(読んだ記事にそう書いてありました)無人島にいる間は意識的にスマホから距離をとってみようかなと。自分の中でYouTubeの撮影兼デジタルデトックスの1泊2日が始まりました。

大阪市内から和歌山市内までは、特急列車くろしおで50分ほどで着きます。そこから初島という漁港のある街に各駅電車で30分かけて行き、船で無人島に向かいます。

無人島といっても海岸から船で10分くらいのところにある身近な孤島で、休日になると日帰りで海水浴をしにくるファミリーや釣り人で賑わう、そんな島でした。

和歌山県にある地ノ島

さくらインターネットが推進する働き方の多様性を実現するための取り組みとは?
>>詳細を見てみる

前日にはデジタルを活用

私はというと、前日は普段通りスマホやパソコンを使って、キャンプに必要なものを調べ、「初心者が陥りやすいキャンプのミス10選」というYouTubeを見て、気分を高めるためにNetflixでアニメ「ゆるキャン△」を一気見して準備をしていました。ネットで情報を簡単に調べられるからこそ初心者でも新しいことを始めるハードルが低く感じます。

当日はできるだけスマホを見ないでおこうと思ったのですが、初島から漁港に行く道がわからず気づけば地図アプリを開いていました。超便利です(まだ無人島じゃないからセーフということで)。

そして船に乗り込みました。船から水面の様子を撮影しながらふとカメラはデジタルに入るのだろうか?入るとすればYouTubeを撮りに行く行為が、もうデジタルデトックス的にはアウトだろと今更ながら考えてしまいました。でも、もう船の上で引き返せないからカメラはセーフと自分ルールを後付けしました。

受付を済ませ、いよいよテントの設営です。

デジタルがあることで、人に頼ることが苦手になっていた

キャンプに必要な道具は一式レンタルできたのですが、初心者なので設営の仕方が全くわかりません。テントの立て方の説明書を読んでみても、IKEAの説明書のような難解なイラストが描かれているだけで、わかりませんと投げ出したくなりました。「初っ端から検索しちゃうか、でもなー」とスマホ片手に煮え切らないでいると、見かねたキャンプサイトの運営の人が手伝ってくれて、ものの5分くらいであっという間にテントを組み立ててくれました。感謝しかないです。

きっと検索してやり方がわかっても、1人だと炎天下の中1時間以上かかったと思います。

ネットですぐ調べられるからと1人で何でもできる気になって、最近は人に頼ることがめっきり苦手になっていました。でも困っている時には「私、今困っています」と伝えることも、詳しい人に頼ることも大事なのかもと考えさせられました。

テントの設営

テントの設営も終わり、海で少し泳いだり、釣りをしたりしてゆっくりとした時間を過ごします。

日も落ちてきた頃、キャンプの醍醐味である焚き火をしようと準備をはじめました。

焚き火については前日に勉強していて、ある程度知っているつもりでした。しかし、いざ火を付けてみると思ったより燃え広がって手の付けられないような火力に……。

「木の皮を着火剤にする」「空気の通り道を作る」など、ネットで見た火の付け方のコツをたくさん詰め込んだ結果、めちゃめちゃ燃え盛る炎になってしまいました。流石に恐ろしすぎるので火力を下げようとしましたがやり方がわからず、ここは無人島。頼れる人もいなくて、ついにスマホで「焚き火 火力 落とし方」と検索してしまいました。

焚き火

そう、この無人島。ネットが通じるのです。

デジタルデトックス失敗

Wi-Fiは無いのですがスマホの電波表示は常に4本立っていて、ヘタな都内地下鉄の駅よりもサクサクネットに繋げるような、非常に快適なネット環境が整っていたのです。

検索して見つけたサイトに「両サイドの薪の距離を遠ざければ火力は落ちる」と書いてあったので早速試してみました。すると、まるで火事のように轟々と燃え盛っていた炎がすんっと落ち着いてやっと心穏やかに見れる焚き火らしい火になってくれました。

無人島。周りに頼る人もいなくてどうしようもなくなると、ネットにすがるしかなくなってまいました。そこから自分の中でルールが崩れ、結果的に言うとデジタルデトックスは失敗してしまいました。

寂しさから「今、無人島にいるの」と友達にLINEをし、ついでに写真も送りつけ、一人で暇だからとTwitter、インスタグラム、YouTubeなどSNSのパトロールをしてしまい……。せっかく無人島キャンプに来ているにもかかわらず、自宅にいるのと同じような時間を過ごしてしまいました。今までスマホで寂しさや暇な時間を埋めていて、それが出来なくなった途端どう過ごせばいいのかわからなくなったのです。

夜が更けてテントに入っても「テント 夏 暑すぎ」とか「キャンプ 夜 危険」などを調べ目が冴えて。いつも通り、いやいつも以上に夜更かしをしてしまいました。

そんな中でも1つ成果があるとするならば、暑くて起きてしまった朝5時に見た朝陽があまりにも綺麗で、スマホも触らずにずっと見ていました。目の前の美しさにただ心を奪われる。ようやく心身から毒素が消えていくような、そんな気になれました。デジタルデトックスをしている時は自然と触れ合うのが良いという情報は、かなり本質をついていたんだと自分なりの答え合わせができました。

目の前の美しさにただ心を奪われる

結局、その後も「炭捨て方」「テント畳み方」などわからないことが続出し、ネットに繋ぎっぱなし、頼りっぱなしになってしまいましたが……。

日常におけるデジタルデトックスの可能性

私は1泊2日の無人島ソロキャンプで「本来の自分を取り戻すこと」も「睡眠の質改善」もできなかった訳ですが、正直に言うとスマホを見ないように意識することで逆にそわそわしてしまってストレスを感じる瞬間もありました。

もはや生活の中に完全にデジタルが入り込んでしまっていて、期間限定であったとしてもそこだけを完全に排除することは現代では難しく感じました。ただ人と話したり、綺麗な景色に感動した時はちゃんと目の前の事に向き合えたので、なにかきっかけをつくらずともそんな時間を増やすことで意図せずデトックスできるのかもしれないと「日常デジタルデトックス」の可能性を感じました。

あまり人と会えない、旅行にも行きづらいご時世になってしまいましたが、暗いニュースや鬱憤ばかりのSNSを一旦忘れて、家族や好きな人と楽しい時間を過ごす。美しいものを見る。可能であれば自然と触れ合う。そんなふっとデトックスできる時間が必要なんだなぁと、無人島まで行って当たり前のことを改めて学んできたわけであります。

さくらインターネットお役立ち資料ダウンロード

≫ 【導入事例やサービス紹介も】さくらインターネット お役立ち資料ダウンロードページ

執筆

アンドロイドのお姉さん SAORI

モデルとして活動していたがアンドロイドパフォーマンスで注目を浴び、以来アンドロイドタレントとして活動中。 フリーランスになり、ラジオ、YouTube、勉強会での登壇などマルチに活動している。
Instagram :https://www.instagram.com/saotvos/

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

すべての記事を見る

関連記事

この記事を読んだ人におすすめ

おすすめのタグ

特集