「こういうワーママもアリ! というひとつの形に」人事社員インタビュー

さくらインターネットの中の人を知ってもらうため、さくマガではさまざまな社員にインタビューをしています。

今回はES本部で人事業務(教育研修・健康経営など)に携わる金山早希に、現在の業務や、子育てとの両立などについて語ってもらいました。

プロフィール

金山 早希(かなやま さき)

2015年、さくらインターネット入社。ES本部所属。教育研修・健康経営(心身の健康向上に関する施策や産業医との連携、ストレスチェックや研修など)を担当する。持病をかかえつつ、仕事や育児に奮闘中。

リモートのおかげで無理なく研修を実施できた

ーーまず、現在金山さんが現在おこなっている業務について教えてください。

2015年に入社して以来、ずっと人事業務をしていて、いまはおもに教育研修を担当しています。社員研修を企画・実施したり、外部の研修サービスを社員に紹介したりしています。

あとは、産業医との連携です。

 

【産業医との連携について、金山が執筆した記事】

産業医と考える。コロナ禍でも健康に働き続けるために~さくらインターネットの取り組み

 

それから、年1回のストレスチェック、休職・復職に関する対応や、健康に気を遣いながら社員が就業していくための仕組みづくりなどに取り組んでいます。

ーー今年は2か月の新卒研修をリモートで実施しましたね。実際にやってみていかがでしたか。

さくマガでも、リモートでおこなった新卒研修について記事を書きました。

 

【今年の新卒研修について、金山が執筆した記事】

2か月間の新卒社員研修をフルリモートで。オンラインだからこそできること

 

昨年も大幅に期間を縮小し、バタバタとリモートで研修をおこなう準備をしましたが、じつはそのとき、私は産休中で不在だったんです。まるで私もいたかのように記事を書いてしまいましたが(笑)。

2020年7月に育休が明けて復職したとき、「さすがに来年(2021年)はフルリモート前提だね」と議論していたので、今年の研修については検討する時間が十分にありました。

いま、研修が終わって振り返ってみると、そこまで危惧していたほどではなく、「リモートでもここまで結果に結びつけられるんだな」と感じられました。非常に学びになりましたね。

もし、リモートではなく従来のオフラインだったら、復職直後でしたし、私もそれほど主体的に関われなかったと思います。通勤するとしたらその分の時間をとられてしまいますが、リモートだったおかげで運営側も無理なく取り組むことができました。新卒の方も、少しずつ会社生活に慣れていけましたし、そういった意味でも効果は大きかったと思います。

ーーさくらインターネットに入社する前はどのような仕事をしていましたか。

新卒で入社したのはアメリカ資本の会社で、エンジニアと海外の方の転職支援をしていました。

2社目では研修開発を担当しました。この2社での経験があって、企業の中で人事をやってみたいと思い、さくらインターネットに転職しました。

じつは、学生のころはマスコミ業界を志望していて、各社エントリーしたのですが、軒並み落ちてしまいました。それで、大学4年生の夏にエントリーできる会社を探したのですが、日系の企業はほぼ選考が終わってしまっていたんです(笑)。外資はまだ募集があったので入社できたという感じです。

いまは自分でコンテンツを配信できるようなプラットフォームがたくさんありますよね。もしかしたら、当時の希望はゆるやかなかたちで叶えられるかもしれません。チャンスがあればやってみたいと思います。

周囲の手を借りることで仕事に集中できる

周囲の手を借りることで仕事に集中できる

ーー子どもを育てる”ワーキングマザー”ということで、家事代行や宅食などのサービスを活用されているとうかがいました。

そうなんです。ちょっと語ってもいいですか(笑)。

前提として、私は先天性の筋肉の病気で、身体障害者3級の手帳をもっているんです。生まれつきなのですが、病気がわかったのは30歳になってからでした。

とはいえ、普通に結婚して、普通に何度か転職も経験しています。子どものころの運動会くらいしか困った記憶がなく、このまま普通に生きていくんだろうなと思っていました。でも、子どもが産まれてから意識を変えないと、どうにもならないと思ったんです。

というのも、小さい子どもって言葉で伝えるのは難しいですし、いきなり走り出したりします。私自身は、育児においてもすべて自分でできると思っていたのですが、人の手を物理的に借りないと生活が回らないと感じました。

行政や民間事業者などさまざまな方に相談したのですが、その中で「障害があって働いている人、障害があって子どもを育てている人はいます。ただ、障害があって、働きながら子どもを育てている方はほとんどいません。だから、そういった方に見合ったサービスがなかなかありません」と言われたことが衝撃的でした。

それなら、多少お金がかかってでも、使えるサービスは積極的に活用して「障害があるワーママの前例を私が作ろう」と強く思うようになりました。

そういった背景があって、いろいろな支援やサービスを利用しています。

具体的には、週に5日、平日にシッターさんに来てもらっていて、子どもの入浴介助を依頼しています。週末は夫にやってもらっています。

子どもが走りだすと追いつけないので、私と子どもが一緒に移動するときなどは、基本的にベビーカーからおろさないようにしています。ただ、子どもは動けないとストレスが溜まってしまいますので、若手のシッターさんに来てもらって、公園で思いっきり運動させていますね。自分のパパではできないような遊びをしてもらえます(笑)。

働くお母さん・お父さんは、子どもが熱を出したときなど、実家を頼れないとみなさん大変だと思いますが、我が家も実家が遠方なので頼ることができません。なので、呼べば必ず来てもらえる病児シッターを活用しています。

私の場合、障害があるので周囲から何か言われることは少ないです。ただ、こういったサービスを使ったり、楽をすることに対して、なぜか「歓迎されていない」「後ろめたい」などと感じてしまう雰囲気がありますよね。でも、私は家事も育児も、もっと外部委託していいのではないかと考えています。

夫も世間一般並みに育児に参加してくれています。でも、私に事情があるせいで、夫が意に反して仕事をセーブしなければならない状況は避けたいです。私がいまできることは限られていますが、子どもの成長とともに、親として関われることも増えていくと信じて、いまはさまざまなサービスを利用しています。

お金はかかりますが、周囲の手を借りることで、私が仕事に集中できる時間を作れています。時間を作れると考えると効率的ですし、助けてもらっているからこそ、社会に還元したいという想いがあります。

もちろん、家事も育児も自分の手できちんとしたい人は、そうできるような支援があったほうがいいですし、私のようなスタンスの人も認められるような、世間の空気感を作っていきたいですね。それぞれの道で正解はあると思います。

リモートワークで心身ともに楽になった

ーー金山さんはチームのリーダーですが、メンバーや上司とはどのようにコミュニケーションをとっていますか。

メンバーとはおもに1on1で話しています。子育て中の方も多いので、育児相談会と称して業務外で雑談もしますね。

メンバーに対しては部下というよりも、ワークとライフ、どちらの面でも一緒に悩みながら話せるスタンスでコミュニケーションをとっています。

上司には、かなり任せていただいています。一つひとつ細かく確認するというよりは、方針だけ共有して、なにか問題がありそうな場合には早めに相談するといったかたちですね。

ーーリモートワーク前提となったことで、金山さんが思うメリット・デメリットを教えてください。

メリットは2つあって、まず1つ目は履歴が残るコミュニケーションが増えたことです。

人事のメンバーは、もともと東京支社と大阪本社にわかれていました。コロナ禍の前、出社していたころは、大阪のメンバーに対して、会議の資料がきちんと見えているかなど、都度確認したりしていました。

いまは全員リモートになりましたので、その点はすごくやりやすくなりました。会議もリモートが前提であることをあらかじめ想定しておこないますし、Slackなどのテキストで残るコミュニケーションが多くなったのは大きいですね。

たとえば私が不在のときも、Slackでのやりとりを次の日の朝に確認すれば、なにかが決まった経緯などもすべて把握することができます。

私は、子どものお迎えに行くので、ほかのメンバーよりも早く退勤することが多いのですが、共有漏れもないですし、雑談も含めてすべて確認できるので、疎外感を抱くこともないですね。

2つ目のメリットは、通勤がなくなったことです。

さきほどもお伝えした通り持病があります。歩くのは平気なのですが、通勤時の人の多さがすごく怖かったんです。

なにか起こるとしたら、たぶん通勤中の事故だろうなと感じていて、毎日、つねに気を張りながら通勤していました。それがなくなって、パソコンの前に座れば出勤完了ですから、毎日平和です(笑)。

外見から障害があることがわかりにくいので、「今日はすごく人が多いので、ちょっと休憩してから行きます」と言いにくかったんです。自分が気にしているだけで、実際はみんな受け止めてくれたと思いますが、どんな雨の日でも意地でも行かなければ、と思っていました。そういった葛藤から解放されて、心身ともに楽になったのでありがたいです。

デメリットを敢えて挙げるとしたら、リモートに慣れないうちは、直接話したほうが早く解決することもありますし、微妙なニュアンスが伝わりにくいことですね。

頼みづらいことをお願いするときに、テキストで伝えるよりも、近くの席に行ってお菓子を渡しながら「本当にごめんなさい、お願いします」と言えたら気が楽なのに、と思うことはあります(笑)。

ーー会社の福利厚生(さぶりこ)でよく使っている制度を教えてください。

さぶりこフレックスはよく使っています。

あと、お昼休みに時間有休をつけて、そのあいだに保育園の面談に行ったり、スーパーの特売に行ったりしています(笑)。昼休みに中抜けして所用を済ませることはよくありますね。

「事情はあるけど働く意欲がある人」を支援したい

 

「事情はあるけど働く意欲がある人」を支援したい

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」ですが、金山さんがやりたいことと、そのために取り組んでいることについて教えてください。

「事情がありつつ働くワーキングマザーの新しい形になること」が大きな目標です。

自分自身が周囲の手を借りていること、家事・育児を効率化しようとしていることを積極的に発信しながら、ちゃんと仕事もしていると思ってもらえるようにしたいですね。

日々の仕事を一生懸命やることで、これからの若者たちに「子どもが産まれても、自分の自由に生きていける」と思ってもらえたり、病気の人にも「働いてみようかな」「育児もできるかも」と思ってもらえるように、勇気づけられるような働き方をしていきたいです。

ーー「熱量を持ってチャレンジしていること」があれば教えてください。

社会保障や、行政が提供している福祉について、困っている人に伝えていけるよう勉強しています。社会福祉のことをわかっていないと、支援が必要な人への情報提供がなにもできないと痛感しています。

私はキャリアカウンセラーと産業カウンセラーの資格をもっているので、これを活かしつつ、将来的にはトータルでサポートできるようになりたいです。

カウンセラーとしては、資格も持っていますし、人事の仕事を通して得た知識もあるので、まったくゼロベースではありません。なので、これからは社会の仕組みや法律などを通して、サポートがあれば働けるかもしれない人たちに届けられるよう、自分の言葉で伝えられるようにしていきたいと思っています。

たとえば、「働きたいけど働いたら障害年金をもらえなくなる。そこまで稼げる自信がないから働かない」という人がいます。でも、種類にもよりますが、障害年金は働いていることを理由に打ち切られたりはしないんです。本当は働く意欲があるのに、働けていないということです。

きっと、受けられる支援やサービスを知らないことで、損をしている人は多いと思います。

大きな視点で見ると、この事実を知らない人が多いことによって、国も障害年金を支払っていることで、さらに納税者まで失っていることにもなるんですよね。

私は、働きはじめてから自己肯定感を得ることができたんです。子どものころは運動ができなかったので、自己肯定感がすごく低かったんですよ。仕事をするようになって、失敗も成功も含めて、自分や周囲を信頼できるようになりました。働くことを通して、同じように感じられる人を増やしたいですね。

ーー金山さん、ありがとうございました!

 

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