「映像クリエイターを無敵にする。」株式会社Vook代表・岡本俊太郎さん

さくマガでは仕事のヒントを得るために、さまざまな方にインタビューをしています。本記事では、映像クリエイターの「学び・仕事・繋がりをサポートする」事業を展開する株式会社Vook(ヴック)の代表取締役・岡本俊太郎さんにお話をうかがいました。

ビジュアルがかっこいいコーポレートサイトは、さくらインターネットのサーバーをご利用いただいています。ぜひ、ご覧ください。

株式会社Vook コーポレートサイト

「映像クリエイターを無敵にする。」株式会社Vook代表・岡本俊太郎さん

岡本 俊太郎(おかもと しゅんたろう)さん

1988年生まれ。上智大学経済学部卒業。大学在学時代、学生団体『adoir(アドワール)』を立ち上げる。adoir(アドワール)の最初の活動として、映像コンテスト『学生CM甲子園(学生向けにプロモーションをおこないたい企業のCMを大学生が制作し、日本一を決めるコンテスト)』を主宰。2016年に映像tipsサイト『Vook(ヴック)』を立ち上げる。

Vookの事業内容

ーーまずはじめに、御社の事業内容について教えてください。

Vookでは「映像クリエイターを無敵にする。」というビジョンのもと、事業を展開しています。ITの力を駆使して映像制作者・クリエイターが作品づくりに没頭できる環境を創造することを目指し、映像クリエイターの「学び」「仕事」「横の繋がり」をサポートしています。

 

  1. プラットフォーム事業
  2. 教育事業
  3. イベント事業
  4. ポートフォリオ事業

 

1つ目のプラットフォーム事業は当社の軸となっているもので、社名と同じ「Vook」というプラットフォームを運営しています。

「Vook」は、映像に特化した制作情報をシェアするプラットフォームです。今までクローズドだった映像制作のノウハウやチュートリアルなどが公開、プロからアマチュアまで多くのクリエイターにご利用いただいています。

 

2つ目の教育事業では、ウェビナーや、「Vlog Academy」の運営などをおこなっています。さらに「YouTubeプロフェッショナル講座」というものもあります。これはYouTubeに特化した人材のニーズが高まっていることを受けて、YouTubeの企画・編集・配信までできる人材を育てようというものです。

今後も映像クリエイターを育てる事業に力を入れ、いずれはオフラインのセミナー、映像クリエイターになりたい人向けの短期講座、VR・ARなど最先端の技術をあつかったプロクリエイター向けのコンテンツも展開していきたいと考えています。

 

3つ目のイベント事業では、おもに「VIDEOGRAPHERS TOKYO」の企画運営をおこなっています。クリエイターのキャリア、どういう未来を描いてどんなクリエイターになりたいのかを考えてもらったり、横の繋がりを作っていただくため、年1回開催しています。

2020年はオンライン開催となりましたが、5日間で5万を超えるユーザーにご視聴いただけました。

 

4つ目のポートフォリオ事業は、先ほど紹介した「Vook」にポートフォリオを投稿できるサービスや、企業とクリエイターのマッチングを生むイベント「ポートフォリオナイト」の企画運営をおこなっています。

「映像クリエイターを無敵にする。」ビジョンに込められた想い

「映像クリエイターを無敵にする。」ビジョンに込められた想い

 

ーー起業したきっかけと、「映像クリエイターを無敵にする。」というビジョンに込められた想いについてお聞かせください。

 

大学1年生のときに動画コンテストを立ち上げ、大学4年生の時に起業しました。

「Vook」というプラットフォームを立ち上げたきっかけは、起業したあとにハリウッドで撮影する機会があり、日本との差を痛感したことです。

 

日本とは環境も人も全然違いました。とくに感じたのは情報の格差です。アメリカでは情報をシェアする文化がありますが、日本はクローズドです。あとは教育ですね。ハリウッドといえば多くの映画が作られている場所で、世界中から人が集まってきますし、大学でも映像制作の教育がおこなわれていました。日本ではなかなかそういった教育を受ける機会がありません。

とはいえ、映像産業という観点で考えると、日本はすごいです。たとえばカメラはほとんどが日本のメーカー製ですし、映像をつくる市場はあると言えます。

ただ、環境面が整っていないので、そこを解決したいという想いがあってプラットフォーム「Vook」を立ち上げました。

 

ビジョンには、映像クリエイターに作品をつくることに集中してほしいという想いを込めています。いまはいろんなツールや情報があるので、どんどん成長のスピードをあげていいものを作っていってほしいですね。

ーーコアバリューが4つ(※)ありますが、バリューはどのように決めたのでしょうか?

【Vookのコアバリュー】

 1.クリエイターにとことん寄り添う。

 2.最速の失敗をする。

 3.チームで仕事をする。出来るまでやる。

 4.自分の好きを大切にする。

「クリエイターにとことん寄り添う」というのは、なにかを考えるときにはクリエイター目線でやってほしいという想いを込めています。これはとても意識しているところで、我々のいちばんの強みです。

また、クリエイターを相手にしているので「自分の好きなものを大切にする」ことがクリエイティブに影響します。そういう意味で、いいものを見ることだったり、審美眼をやしなう要素も入れています。

 

ーークリエイティブな会社だけあって、キービジュアルもとてもカッコよくてオシャレです。なにかこだわりを持って作られたのでしょうか?

 

ありがとうございます。実制作については制作会社にも入ってもらっているのですが、クリエイティブディレクションなどは自社でやっています。

ビジュアルには、とてもこだわっています。クリエイターを相手にしている会社なので、かっこよさやクリエイティビティがないと人がきてくれないというところはありますからね。お客さまに選んでもらうためでもありますし、採用面でもとても重要です。

「映像クリエイターを無敵にする。」というビジョンは、キービジュアルを見てもらえれば、文字だけよりもイメージしていただきやすいのではないかと思います。

Vookの働き方について

ーー現在「原則リモートワーク」ということですが、経営者としてリモートワーク導入することで感じたメリットとデメリットを教えてください。

 

メリットはスピード感です。それと、社員一人ひとりの生産性は上がったと思います。より働きやすくなりましたし、ユーザとのコミュニケーションがとりやすくなりました。

デメリットは、コミュニケーションをうながすような制度をととのえてはいるのですが、対面でのコミュニケーションがないので、”一緒に働いている感”がなかなか感じにくい点ですね。リアルの熱量と、オンラインの熱量はやはり違います。社員のメンタルコントロールやモチベーションの維持が難しいです。

 

ーースタートアップ企業というと仕事の時間が長いイメージがありますが、ワークライフバランスも整備しているとうかがいました。具体的な取り組みについてお聞かせください。

 

制度面では、就業時間を保育園の送り迎えに合わせられたり、リモートワーク活用に力を入れています。

リモートワークはコロナ禍の前から導入してはいたのですが、新型コロナの話題が報道されはじめた2019年12月ぐらいから一気に加速させました。

僕自身、オフィスで働くことや、通勤時間をかけることにはずっと疑問を感じていたので、コロナ禍をきっかけに進めたというところはあります。

オフィスは、リモートではできないことをできる場所にしたいと考えていて、いまリノベーション中です。テーマは「渋谷の真ん中にキャンプ場」です。

 

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今後はスクール事業に力を入れたいので、オフライン講座の会場として、またはスタジオとしても利用できるようにしたいと考えています。

 

ーーワーママ・パパ率が高いとうかがいました。ご自身も子育てしながら仕事をしていると思います。育児をしながら仕事をするうえでの秘訣はありますか?

 

(コーポレートサイトのメンバー写真にもお子さんとの写真が掲載されている)

(コーポレートサイトのメンバー写真にもお子さんとの写真が掲載されている)


 

「チームでやる」ことがとても大切です。子どもの体調が急に悪くなるとか、子育てをしていると予想外のことが起きるので、そういったときに誰かがフォローできるような、誰かがいやな思いをしないようなチーム体制を整えることですね。

子どもを迎えに行く時間や、それ以外にもそれぞれいろいろな事情がありますので、そういうことをしっかり周知していくことはとても大事だと考えています。

 

ーーさくらインターネットのサーバーをコーポレートサイトにご利用いただいています。利用することになった理由をお聞かせください。

 

先ほどお話した、学生時代に運営していたコンテストのために利用していたのもさくらインターネットのサーバーだったんです。学生時代から”本格的にやるなら、さくらインターネット”というイメージがありました。

 

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日本を”アジアのハリウッド”に

ーー岡本さんがインターネットを通じて実現できたことを教えてください。

 

クリエイターのコミュニティを作れたことです。

映像制作は歴史が長く、日本ではテレビやCMなどで非常に大きくなった産業ではあります。しかしインターネットが登場する前は、「背中を見て覚える」というか、その業界に入らないと映像をつくれないという側面がありました。広く情報が伝えられている状況ではなかったんです。

 

我々はインターネットの力で、情報を得たり人と人との繋がりをつくって、それによって新たな映像が生まれるという環境を創造できたのではないかと思います。若いクリエイターの中には、映像制作を独学で学んで活躍している人たちもたくさん出てきています。

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、今後やりたいと思っていること。それをできるに変えるために努力していることを教えてください。

 

「Vook」で実現したいのは、日本からすばらしいコンテンツが生まれるような環境をつくることです。日本を”アジアのハリウッド”のような、クリエイティブハブにすることを目指しています。

実現するためのファーストステップとしては、情報を流通させることですね。いままでプロがもっていた情報やナレッジをきちんと公開することです。映像業界が発展するためには、技術を公開していくことが大前提だと考えています。

 

もうひとつは教育です。プロフェッショナルになるための教育や、人材をきちんと生み出していくことに取り組んでいきます。

最終的には、仕事がどんどん生まれる状態をつくること、映像をつくる環境をきちんと整えることも重要ですね。今後も、Vookを通して仕事がまわっていく状況を目指していきます。

 

ーー岡本さん、本日はありがとうございました!

 

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