お疲れ様です!たけもこです。
みなさん、今話題の音声SNS「Clubhouse(クラブハウス)」はご存知でしょうか。もう聞き飽きてウンザリしている人もいるかもしれませんね。
日本上陸したてのころは、話を聞いている限りグループボイチャくらいだろうなと思っていたので、とりあえずアカウントだけ作って放置していました。ただ、親愛なるTwitter民の騒ぎ方が尋常ではなかったので、1回ちゃんと使ってみようということで、3日間すきま時間で観察。3日目にしてフォロワーもやっと1kを達成しました。
結果、若干出遅れてしまったことを後悔するくらい、面白いサービスだったので、今回は3日間の観察結果をまとめさせてください。この記事がリリースされる頃には、情勢も私の意見も変わっているかもしれませんが。
Clubhouseとは
知らない方のために念のため、サービスの概要を簡単にご説明します(すでに利用されている方は読み飛ばしちゃってください)。
一言で言うと、「音声」によってコミュニケーションをとる、ユーザー参加型プラットフォームです。これだけ聞くと電話と何が違うのかよくわかりませんよね。
フォローしたりされたりという機能はあるので、room内で新しい出会いがあったり、人と人とのつながりが発生する点は従来のSNSと同様の役割を持っています。実際に私もTwitterで相互フォローはしてるけど話したことはない…という方とClubhouse上で初めてお話して、その方への理解が深まりました。
TwitterのRTのように拡散機能はないのと、「room」内で会話された内容はスピーカー全員の許可を取らない限り流出不可という点は、他SNSにはないクローズド感があって特徴的です。特に、「room」の参加者全員が発言権を持っているわけではないという点がこのサービスの肝になっています。
roomはモデレーター、スピーカーが話している様子をリスナーが聞く、という構造で成り立っています。しかしモデレーターが指名すれば、リスナーでも発言する権利が得られるのです。イメージとしては、「参加者も発言チャンスのあるラジオ」という感じでしょうか。
もちろん、シンプルに全員がワイワイと発言しているボイスチャットのようなroomもあれば、リスナーは話さない前提で著名人のみがスピーカーを務める音声セミナーroomもありました。公開、非公開なども選択できます。
使い方次第でさまざまな可能性があるところも、Clubhouseの面白い点の1つだと思っています。
招待制であることや禁止事項など、Clubhouseならではの注意点もあるのですが、その辺は他の方が書いた分かりやすい記事がたくさんあるので使う前には是非見てみてください。
絶妙に承認欲求をくすぐる設計
先ほどちらっと「招待制」というキーワードを出しましたが、アカウントを作ったとしても、知り合いから招待されないとサービスを利用することができません。招待枠がメルカリに高値で売られていたという話もありましたね(垢バンされるらしいですが)。
roomの参加者は大きく分けるとスピーカーとリスナーなのですが、リスナーの中には2種類存在します。「Followed by the speakers」と「Other in the room」です。1番上にはスピーカー、その下にはスピーカーにフォローされているリスナー「Followed by the speakers」、さらにその下にその他のリスナー「Other in the room」、という順番で表示されています。
この「Followed by the speakers」というカテゴリーが、いい意味でいやらしいのです。
上部に表示されるということは、多くの人の目に入ることになり、また、スピーカーとつながっているという関係性が可視化されている状態になります。
例えるなら、ライブで言う関係者席(=Followed by the speakers)と一般販売席(=Other in the room)のような位置関係でしょうか。
もちろん音楽系ライブのように、近いほど顔が良く見えたり、音の振動を強く感じたりと、体験に差が生まれることは、どこに表示されていようが変わりません。ただ、スピーカーとの距離感という意味では近いものを感じますし、ユーザーの優越感に似た承認欲求をくすぐるのではないかと思っています。
私はお笑い芸人さんの中でも、ダイアンがとても大好きで、SNS系はフォローしているのですが、ダイアンの津田さんもClubhouseを始めたんですよね。そして先日初の配信をおこなったのですが、最上部表示させることに成功しました。
別に私以外誰も気にしないことなのですが、なんとなく近い気がして嬉しくなりました。スピーカーが芸能人だったり、憧れの人物だったりすると、この感覚はより強くなるのかもしれません。
招待制であること、roomによって関係性が可視化されていること、この辺の人間の心理を突いたマーケティングは本当にうまいなと思いました。
伸びるroomと伸びないroomの違い
さまざまなroomに顔を出してみて気づいた、伸びるroomと伸びないroomの違いを書いておきます。
やはり1番重要になるのはモデレーター権限をもつファシリテーターです。
おそらくどのroomに参加するかは「room名(テーマ)」、「スピーカー」、「参加者数」でなんとなく決めている方が多いのではないでしょうか。(まだ自らroomを開設していないので偉そうに言えた身ではないのですが)、roomの雰囲気はファシリテーターによって大きく左右されるなと感じます。
先述の通り、リスナーをスピーカーに上げられる機能があるので、著名人に質問や相談をすることも可能です。参加できる可能性があるとroomも活性化しますし、コンテンツとしては面白いのですが、ファシリテーターの腕が試されることにもなります。
質問を受け付けているroomにもたくさん入ってみたのですが、質問者がなかなか質問を言わず自分の経歴を話し続ける…という場面を多く見ました。
完成されたコンテンツに見慣れており、かつ著名人の話しが聞けるという期待感を持った状態だと、知らない方が自分語りをしている時間はかなり長く感じてしまいます。退出者も増えていき、roomの雰囲気も少しずつ悪くなるでしょう。
こういう場面で「質問を端的にお願いします」とはっきり言えたり、スピーカーから降ろしたりできるかどうかで、roomの雰囲気が大きく変わるんですよね。
せっかく手を挙げてくれた人に対して、そのような対応をするのが心苦しい気持ちは分かるのですが…。
逆に言うと、リスナーとして質問力はかなり大事です。
「自分の聞きたい内容」×「roomを活性化させる内容」、という視点でつくられた質問ができるほうが、自分語りを延々とおこなうより、よっぽど多くの方に興味を持ってもらえると思うんですよね。
現時点では、「こうやってフォロワーを増やしました!」とか「相互フォローしましょう!」というハック的なroomも乱立している状態です。人も集まりやすいので、「とりあえずファン作り」のマーケティング戦法としてはアリですよね。
しかし最終的には、リスナーを楽しませたいという気持ちを持った人やroomが伸びるんだろうなと思います。
そして楽しませるのに必要なのが、人に伝えられるレベルまで磨かれている知識やスキル、経験。これは一朝一夕では身につかないと思いますし、自分にはまだまだ足りない部分だと痛感しています。
ただ、だからこそClubhouseで自分を試すにはちょうどいいのではないでしょうか。ファシリテーション力って汎用性ありますし、鍛えていて損はないスキルだと思います。
そんなことを考えながら今日もまたClubhouse沼にいます…。
room作ったら是非あそびに来てください!
それではまた来月お会いしましょう~(/・ω・)/
執筆
竹本萌瑛子(たけもこ)
熊本県出身。現在はヤフー株式会社にてデジタル広告を扱う部署に所属。
SNSやイベントなど、マーケティングコミュニケーションを軸とした業務に従事する一方で、モデル・タレント・ライターなどパラレルワーカーとしても活動中。
X(@moeko_takemo)で、自身の野球少女時代の写真をユニークなコメントと共に投稿。大きな反響を呼んだことをきっかけに、活動範囲を拡大している。
Instagram : https://www.instagram.com/moeko_takemoto/
※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。
- SHARE