2020年4月の緊急事態宣言中、さくらインターネットはデータセンターの保守などリモートでは対応できない業務を担当する従業員に対して、1日あたり5,000円の緊急出勤手当を支給することを決定しました。
【プレスリリース】 新型コロナウイルス感染症対策に伴う対応と新しい働き方に向けて
私たちが毎日のように使っているインターネットはデータセンタースタッフが支えていると言っても過言ではありません。通信インフラを支えるデータセンタースタッフは、まさにエッセンシャルワーカー(社会で必要不可欠な労働者)です。
今回はそんなデータセンタースタッフの3名にコロナ禍での働き方や、緊急事態宣言下の状況について語ってもらいました。
左上:内藤 功(ないとう いさお)
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 所属
東京(東新宿)データセンター勤務
右上:大野 凌(おおの りょう)
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 所属
入社して約6年。大阪(堂島)データセンター勤務
中央下:新発田 大地(しばた だいち)
クラウド事業本部 カスタマーリライアビリティ部 所属
北海道(石狩)データセンター勤務
データセンタースタッフの仕事
ーーよろしくお願いします。まずはデータセンターで働くみなさんがどのようなことをされているのか、仕事内容について教えてください。
大野 凌(以下、大野):サーバの構築から障害時の対応、終了時の撤去までを一貫しておこなっています。あとは設備全体の管理ですね。これはビルで発生するメンテナンスや人の入館の対応です。
新発田 大地(以下、新発田):大野さんと内容はほとんど同じです。拠点が違うので扱っているサービスや規模が違うとは思いますが。
内藤 功(以下、内藤):そうですね。私もお二人とまったく変わらないと思います。
ーーみなさんが業務の中でとくに好きなことはありますか? 中には配線にすごいこだわりを持っている人もいると聞いたのですが。
新発田:そういう人もいますね。ほかには、在庫を完璧に把握していて「歩く在庫システム」と呼ばれている人がいたりします(笑)。僕は業務を効率よく進めたり、達成したときにヨシ! と思うタイプなので、この業務が特別好きということはないですね。
内藤:配線作業やサーバに関する物理作業は頭の中を使わなくていいので、リフレッシュしたいときにいいですね。
大野:新しいことを考えずに集中できるので、在庫を触る業務が好きですね。ーー1回目の緊急事態宣言の際、出社頻度はいかがでしたか?
内藤:出勤予定日数については、すべて出社しました。
大野:私もずっと出社していました。
新発田:お二人と同じです。すべて出社しました。
緊急出勤手当が出たときの心境
ーーやはり業務内容的に出社する必要があったということですね。会社から緊急出勤手当が出ると発表されたとき、率直にどう思いましたか?
内藤:やっていることは変わらないのに、手当が出ることに対して、若干申し訳ないなという気持ちがありました。
大野:「ありがたいな」と感じました。私の通勤経路の場合、緊急事態宣言下ではほとんど人がいなかったので、感染リスクが少ない状態だったこともあるかもしれません。
新発田:ありがたいなと思いつつ、危機感を持ちましたね。車通勤なので移動中の感染リスクというのは、ほぼありませんでした。ただ「手当を出すくらい危険」ということなので、世の中すごい状況になっているなと感じました。
ーー「手当を出すくらい危険」というお話が出ましたが、データセンター内で「こんな状況で出勤させるなよ」といった声は出なかったですか?
新発田:私の周りにはいなかったです。危険だから、社員同士も距離をとって、しっかり気をつけようという感じでみんなの意識が上がりました。
「リモート前提の働き方」について
ーー2020年4月に会社から「リモート前提の働き方」になりますと発表がありました。みなさんの業務的にはリモートでの作業は難しい面があると思うのですが、発表後の働き方はいかがですか?
内藤:出社頻度や仕事内容など、働き方は変わっていません。人が使ったものやドアノブなどを除菌したりして気をつけているくらいですかね。
大野:出社頻度は私も変わらないですね。全員がリモート勤務というのは今も難しい状況です。
新発田:石狩データセンターでは、コロナが流行する少し前からデータセンタースタッフの働き方を変えていく取り組みがありました。夜勤を減らす方向で考えていたんです。なので実験的に在宅勤務をしようとしていたタイミングでした。私も今日は在宅勤務です。現地に一人、在宅で一人というイメージです。
ーー「リモート前提の働き方」についてどう思われていますか?
内藤:まだ私はリモートワークをしたことはありません。今の制度は「リモート前提」ということで、自分で出社かリモートを選ぶことができます。
今後も私は出社しようと思います。リモートワークは成果物を目に見えるもので残さないといけないのかなと思うので、プレッシャーを感じてしまいます。
大野:物理作業を担当する部署以外で、どうしても会社に来ないとできない業務ってそれほど無いと思うんです。多くの方が通勤の手間がなくなったので、良かったのではないでしょうか。連絡手段もSlackを使っているので、変わらないですよね。
新発田:最近になって初めて在宅勤務をしてみました。在宅の勤務環境を整えていなかったので、お尻と背中が痛いですね。
あとはインターネット回線の速度が気になります。無線だとどうしても不安定なので、長いLANケーブルを買って接続しているのですが、そこがストレスですかね。あらためて会社は快適な労働環境なんだと思い知りました。
出社する必要がある業務
ーーどうしても出社しないとできない業務は、どのようなことですか?
内藤:サーバの障害対応やラックを借りていただいているお客さまのアテンドです。こうした業務は現場で即時対応が必要になります。なかなか減らすのは難しいと思います。
大野:新しいサービスの構築や障害対応など、どうしても物理的な作業が発生します。あとはコロナの影響もあり、外部にお願いしていた一部業務を社内でやることになりました。今はその対応もしています。
新発田:そうですね。物理作業はどうしても発生します。
データセンターの働き方について
ーー物理作業を減らす方法を考えることはこれからの課題ですね。話は変わりますが、ここからは「働き方」について聞いていきます。みなさんが、さくらインターネットの働き方で魅力的だと思うことがあれば教えてください。
新発田:「さぶりこ※」のショート30※をよく使います。
※さぶりこ・・・会社に縛られず広いキャリアを形成しながら、プライベートも充実させ、その両方で得た知識や経験をもって共創へつなげることを目指し、2016年12月に策定したさくらインターネットの社内制度
※ショート30・・・業務が早く終わったら定時の30分前に退社可能な制度
それと副業がOKなので、隠す必要がないのは良いところだと思います。実際に僕も動画編集の副業をしているので、それは魅力的です。
大野:さぶりこショート30は私もよく使います。毎日のように使っていますね。あとは「連続有給手当※」です。
※有給休暇取得促進のため、2日以上連続で有給休暇を取得した場合に、1日につき5,000円の連続有休手当を支給(2日取得で10,000円、5日取得で25,000円)。1年度につき最大10日まで取得可能。
休んでお金がもらえるのはいいのですが、逆に休まないともったいないなと思ってしまいます。なかなか調整が難しいですね。
内藤:使う制度はショート30が多いです。大野さんと同じで、ほぼ毎日のように使っています。あとは「さぶりこ タイムマネジメント※」はいいですね。
※20時間分の残業手当を先払い支給する制度。
ーーショート30が人気ですね。さくらインターネット・社会全体問わず「こうなれば働きやすくなるのに」と思うことありますか。
新発田:夜勤がなくなるといいなと思います。若手がたくさん入ってくるような部署ではないので、ベテランが増えてきています。年齢層が上がってきているので夜勤がそろそろしんどくなってしまいます。なので夜勤を減らしていこうという動きは進めているところです。
大野:個人的に夜勤は好きなのですが、確かに夜勤をやりたくない人は一定数います。やりたい人はやってもいいけど、やりたくない人がやらないような仕組みになればいいと思います。
内藤:社会の話になりますが「土日休み」が根付いていますよね。コロナ禍で密を避けるという意味でも分散して休めるような働き方になればいいのでは? と思います。
ーー他社を含めて、ここのデータセンターで働いてみたい!という場所はありますか?
新発田:いやあ、別にないですね。今の石狩データセンターが好きなので。
内藤:石狩データセンターが面白そうだと思います。新しいサービスが多いですし、触れてみたいです。あとは西新宿データセンターですかね。一般のビルを借りてデータセンターに仕立てているので、どういう風に展開していくのか興味があります。
大野:場所は大阪がいいんですけど、設備が古くなってきているので、新しい設備のデータセンターを大阪に作れたらいいですね。
ーーみなさん、本日はありがとうございました。