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ブレストとは?「とりあえず生!」のテンションで「まずはブレスト!」は危険説

 

お疲れ様です!たけもこです。

 

2020年が終わってしまう。信じられない…。最近、時の流れの速さにビビりまくっています。今年は忘年会も難しいですね。各自忘年しましょう。

 

↑とある企画でいただいたビールかき氷。

↑とある企画でいただいたビールかき氷。

「ブレスト」とは

という話を今回させてください。タイトル通りですが。

広告に携わる友人と話していて思いついたテーマです。

 

企画に携わる職種の方であればなじみのある言葉だと思いますが、ブレストは「ブレインストーミング」の略語です。

「ブレスト」の意味を検索すると、下記が最上部にヒットします。

 

微妙に長いんですけど、意味を知らなかった方も、そして知っている方も一度読んでいただきたいです。

 

複数の参加者が自由にディスカッションを行い、アイデアをどんどん出していくことで、新しい考え方や解決策を出していく手法のことです。従来の会議などとは違って、既存概念や先入観にとらわれずに自由に発言することで、お互いの発想を利用して新たなアイデアを生み出すことができるという考えに基づくものです。ブレストの目的は、より多くのアイデアを出すことで、ブレスト中は参加者の発言に意見したり批判を行ったりしてはいけないとされています。

(引用:https://www.elite-network.co.jp/dictionary/brainstorming.html

 

 「ブレスト」の定義を整理したうえで、本題に入っていきます。 

私のブレスト神話崩壊

私が「ブレスト」を知り、実践したのは大学生のときです。

 

大学時代、企業や自治体の商品開発やプロモーションに携わる、いわゆる企画職のインターンをしていました。当時しばらくの間は、何の疑問もなく「ブレスト」をおこなっていましたし、みんなの意見が聞けて素晴らしい、さまざまな価値観を知れて面白い、名前がかっこいい、と思っていました。

↑大学3年生のときの竹本。

↑大学3年生のときの竹本。

 

ブレストに対して違和感を持ったのは、とある販促コンペへの応募がきっかけです。5名程でグループを組み、いつも通りブレストをおこないました。

前回のMTGで応募するテーマは決まっており、次回のブレストではなんとなくでいいから1人いくつかずつアイデアを持って臨もう、と話していました。

 

なんとなく考えている中で、1つかなり自信があるアイデアを思いつき、きっとみんな賛同してくれるだろうという謎の期待感すらありました。 

ブレストミーティングの当日、私は真っ先に例の自信満々アイデアを出してみました。正直、ブレストの段階にしては固まりすぎなアイデアだったので、みんな引いていたかもしれません。でも、それくらい自分の中ではお気に入りのアイデアだったのです。

 

経験のある方は分かるかもしれませんが、アイデアを思いついたときの興奮ってすごいじゃないですか。空気なんて読んでられないんですよね。早く言いたくて。

しかし、みんなの反応は思っていたより遥かに薄く、すぐに「あれ、だめか…。」と弱気になってしまいました。(豆腐メンタル)

 

そのままブレストは進行し、その日、最終的に企画の方向性は決まりましたが、なんとなくフワッとした状態で終わった記憶があります。

「あれ、今日話してたことって意味があったっけ?」と思いました。自分の案がウケなかったから、というわけではなく、感覚的に話が進んでいないような気がしたのです。

 

方向性、もしくはコンセプト、というと聞こえはいいですが、そもそもコンセプトという言葉自体かなり抽象的です。聞こえの良い抽象的な言葉でまとめてしまうことで満足してしまっているのではないか、と感じました。そこから具体化していくのにかなり時間がかかりますし、実際にかかりました。

 

どんな企画だったかは忘れてしまいましたが(忘れるな)、そのまま何とか形にしてコンペの審査結果発表を待ちました。結局、私たちのグループのアイデアは通りませんでしたが、衝撃的なことが起こったのです。

そのテーマで最優秀賞を取ったアイデアが、私が最初のブレストで出した自信満々アイデアとくりそつだったのです。ほぼ、同じでした。しかも提案者は1人の学生による応募です。

 

めっちゃくちゃに悔しかったです。

「もっと強気であのアイデアを押しておけば…」と数日間へこみました。

 

なんだか負け惜しみエピソードみたいになってしまってすみません。

でも、”あのブレスト”の無意味さの原因と、意味を持たせるにはどうすればいいかを確信した、ということをお伝えするために必要な経験だったのです。

ブレストの意義を考え直す

 ブレストそのものに意味がない、と言いたいわけではありません。

重要なのはブレストをおこなうタイミングです

 

冒頭で引用したブレストの意味において、ブレストの目的は「より多くのアイデアを出すことで、ブレスト中は参加者の発言に意見したり批判を行ったりしてはいけない」と記載されていました。

ブレストは企画の出発地点でおこなうもの、というイメージがありますが、それは上記のように「ブレストの目的は、より多くのアイデアを出すこと」だからです。まずは広げて、コンセプトを決めて、具体的なアイデアをさらに広げていく、というのは企画進行の型としてよく語られますよね。

 

ただ、私は上記ブレストの目的がすべての企画において最適解ではないはずだ、と思っています。テーマも違えば、準備期間も違い、メンバーも違うという条件下で、企画の出発はブレストから! という認識は、なんだか違和感を覚えます。 

出発点において、より多くのアイデアを出すこと、つまり量が重要ではない場合、大切なのは質になってきます。ここにおける私が思う質とは「穴のない完璧さ」ではなく、「発案者の想いの強さ」です。

 

企画は考えて終わりではなく、実行して初めて意味を持ち、インパクトをもたらします。むしろ実行フェーズに入ってからが本番です。面倒臭いこともたくさん起こる中で、企画に対する想いの強さは推進力に繋がります。

どんなに強い想いを持っていたとしても、ブレストの基本である「全員の意見を尊重」してしまうと、どこかで妥協が発生するでしょう。妥協により熱量も下がった状態では、実行へのモチベーションも下がってしまうこともあるはずです。

 

だからブレストは、最初の段階ではなく、軸が定まった後に初めておこなうべきではないか、というのが私の仮説です。

 

例えるなら絵具です。

誰かの「濃い赤」を軸と決めて練り上げる企画は、後からさまざまな価値観を追加しても「赤」から逸れることはありません。しかし、みんながなんとなく持ち寄った「薄い色」を重ねてできた色は、「結果的にできた色」にしかなり得ず、そしておそらく薄く、濁っていると思います。(もちろん、さまざまな薄い色を重ねて美しい色になることもあると思いますが。)

 

絵の具のようなもの

 

ただ、どれだけ想いが強くても、トレンドに沿っていなかったり、企画のターゲットにインパクトをもたらさないのであれば、そこには調整が必要です。軸が決まった後に、リスクヘッジが得意なメンバーからのアイデアや、クライアントと対峙している営業のアイデアを取り入れるためのブレストが、私が述べたブレストをおこなうべきタイミングです。

 

「濃い赤」を、企画のテーマに沿った「赤」に微調整していくためのブレストは、意義があると思います。

 

現在わたしは副業で企画のお仕事をすることもありますが、基本的に1人で考えます。1人なので。

1人である程度作り上げた後に、クライアントや、ときには友人に相談してフィードバックをもらう、という流れを取っていますが、インターン時代と比べても、企画進行のスピード感の違いを感じます。

まとめ

まとめると、いわゆるゼロイチの段階ではブレストは機能せず、熱い想いを秘めた軸を定めてブレストを展開した方が、クオリティもスピード感も上がるのではないか。「とりあえず生!」みたいなテンションで「まずはブレスト!」は危険ではないか。というお話でした。

 

はあ、2020年が終わってしまう。(本日2回目)

残りの2020年悔いなきように、生き抜きましょうね。

 

今年のさくマガ最終記事でした!読んでくださってありがとうございます。

よいお年をお過ごしください(/・ω・)/

 

 

執筆

竹本萌瑛子(たけもこ)

熊本県出身。現在はヤフー株式会社にてデジタル広告を扱う部署に所属。 SNSやイベントなど、マーケティングコミュニケーションを軸とした業務に従事する一方で、モデル・タレント・ライターなどパラレルワーカーとしても活動中。 X(@moeko_takemo)で、自身の野球少女時代の写真をユニークなコメントと共に投稿。大きな反響を呼んだことをきっかけに、活動範囲を拡大している。
Instagram : https://www.instagram.com/moeko_takemoto/

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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