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「人生観が変わった」←最初からたいした人生観もってないヤツ! 異世界で“当たり前”を探すインターネット放浪記

 

「もしかして、インターネットって世界につながっているんじゃないの?」

 

幼稚園生のころからiPadを使いこなす世代にとっては、至極、当たり前のことかもしれません。

でも、僕は自分の目で確かめないと信じられないバカなので、そのことに気づいたのはほんの数年前でした。

セーターをふざけて着たら、イギリスでCM出演することになった。

 2014年、セーターをふざけて着たら、イギリスでCM出演することになりました。

 

文章だけ見ると、意味のわからない支離滅裂なものになってしまいますが、そうとしか説明できないので仕方がない。

要するに、インターネット上にセーターをふざけて着た写真をあげたら、それがとんでもなく拡散されたというお話です。

 

セーターをふざけて着るセブ山氏(当時30歳)

セーターをふざけて着るセブ山氏(当時30歳)

 

その拡散が止らずにヨーロッパ圏にまで到達し、それを見た現地の広告制作会社からオファーが来たというわけです。

行ってみたら行ってみたで、先方は僕のことを「セーター芸のプロ」と思っていたみたいで、プロなら1日で覚えられるよね? とハードなダンスレッスンを受けさせられたのはいい思い出です。(地獄でした)

 

そもそも、「セーター芸のプロ」って何?

 

そのあたりのお話は、拙著「インターネット文化人類学」にまとめておりますので、狂った旅行記がお好きでしたら、あわせてどうぞ。

 

インターネット文化人類学

インターネット文化人類学

  • 作者:セブ山
  • 発売日: 2017/02/08
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

知識としては知っていたけど、体験としては知らなかった

そんな奇妙奇天烈な体験も、すごく楽しかったのですが、僕にとっては、「初めてひとりで海外に行った」という経験そのものが、ものすごく刺激的でした。

看板に書いている文字が全然ちがう、道に生えている植物が全然ちがう、みんなが話している言語が全然ちがう、建物の造りが全然ちがう。

 

僕が知っている風景(日本)とは、「全然ちがう」ものばかりでした。

 

「え、こんなに何もかも違う世界の人たちにも、自分が書いた記事が届いて、その人たちも面白いと思ってくれたの?」と、そこでようやく、インターネットは世界につながっているということを知りました。

 

もちろん、知識として「インターネットは世界につながっている」ということはわかっていましたが、体験としての「インターネットは世界につながっている」ということは、そこでようやく深く理解することができました。

 

オファーしてくださった広告制作会社の担当者さん(写真左)

オファーしてくださった広告制作会社の担当者さん(写真左)

 

日本に帰って来てからは、早くまた行きたいなぁと思うようになりました。

「言語も文化も価値観も、自分が生きている世界と、まったく異なる世界がある」

ということが、めちゃくちゃ面白かったんですよね。

 

物理法則は同じなのに、社会のルールが違う。

そういう意味でいうと、僕は「異世界転生」を疑似体験していたのかもしれません。

それから数年は、まとまったお金が舞い込むごとに、海外旅行に出ました。(だからずっと貯金ゼロ)

スペイン、シンガポール、ラオス 、台湾、ベトナム、カナダ、ニューヨークなどなど。

 

でも、ほとんど「観光」はしませんでした。あまり観光地にも行っていません。

じゃあ、何をしていたのかというと、僕はそこで「生活」をしていました。

「なるべく日本と変わらない日常生活を過ごす」ということをしたかったんですよね。

 

「日本と変わらない生活」をするなら日本でいいじゃん、と思われるかもしれません。

 

でも僕は、現実逃避したいわけではなくて、自分の中の「当たり前」がブチ壊されるのが気持ち良かったんですよね。(M気質なので)

 

シンガポールのコンビニにあった機械

シンガポールのコンビニにあった機械

 

たとえば、これはシンガポールのコンビニなのですが、レジの横にマッシュポテトの機械があったんです。

日本でいうところのコーヒーの機械が置いてある位置です。そこに、マッシュポテトの機械が。

 

最初に見た時は「そんなバカな」と笑ってしまいました。

 

マッシュポテト自体、そんなに馴染みがない上に、ソフトクリームみたいにマッシュポテトがうねうね出てくる姿を想像して。

でも、現地の人にとっては、マッシュポテトは当たり前の日常食で、おやつにもちょうどいい。手軽に食べることができて3150~(最高~)と、生活に馴染んでいるわけです。

 

よく考えたら、日本でもおでんの鍋がレジの横に置いてあったりします。もしかしたら、逆側から見ると「そんなバカな」と思われているかもしれません。

 

そういった「コンビニにマッシュポテトの機械があった」レベルの、ものすごく細かい違いが、何層にも重なって、言語や文化といった大きな違いが生まれているのだということがわかります。

 

自分が見ていた「当たり前」が、「当たり前じゃないかも」と変化していく瞬間です。

僕の頭の中では極楽とんぼ・加藤浩次さんが「当たり前じゃねえからな!」と叫び、その言葉がずっとリフレインしていくのでした。(Since2016)

「アイデア」は思い浮かんだり、降ってわいてくるものではなく、気付くもの

当たり前が、当たり前じゃなくなると、どんなことが起こるのかといいますと、アイデアに気付けるようになるんですよね。

僕は、「アイデア」は天才的に思いついたり、神からの啓示のように降ってわいてくるものではなく、「気付くもの」だと思っています。

 

アイデアは、ずーっと昔からそこに落ちていて、気付いた者だけが拾えるもの。

 

法律では、落し物は警察に届けないといけませんが、アイデアにその義務はありません。だから、拾えるだけ拾ったほうがお得です。

簡単に書きましたが、その「アイデアに気付く」ということが、めちゃくちゃ大変なんですよね。アイデアに「これはアイデアです」なんて書いてないから。

 

そのために、僕は「当たり前」の異なる「異世界」で、当たり前の生活をして、まだ誰も気づいていない「アイデア」を探し続けています。

 

あの時、セーターを「当たり前」に着なくてよかった

あの時、セーターを「当たり前」に着なくてよかった

「人生観が変わった」と簡単にいうヤツは、最初から大した人生観もってない

 

そうして、僕は今、日本以外の国で生活しています。

 

「海外に住んでいます」ではなくて、「日本以外の国」で「生活」しています、とわざわざ書いたのは、あくまで、自分の当たり前は、日本にあるからです。

完全に海外移住して、自分の中の「当たり前」が、現地の当たり前に吸収されたら、それはそれで、そこにある「おもしろ」に気付けなくなったら怖いので。

 

その国の「当たり前」、日本の「当たり前」の両方を持つことができれば、2倍、面白いんじゃないかと思っています。

 

タートルズと教会と

タートルズと教会と

 

海外に行って刺激を受けて帰ってきた人が、よく「人生観が変わった」と言いますが、それはそれで勿体ないんじゃないかと思っています。

自分が、自分のまま、異世界(この場合は、常識が異なる世界という意味)に行ったほうが、面白いんじゃないかと。

ていうか、人生観って、それこそ人生を通して、少しずつ培っていくものなんじゃないの?

 

そんなに簡単に変わらないほうがいいし、そもそもそんな簡単に変わるんだったら、あなたの人生観は最初からゆるゆるだったんでしょうね。

と記事のバランスを取るために、少量のディスりを添えて。

インターネットが世界につながっていてよかった

ここまで世界、世界と言っておきながら、お恥ずかしいのですが、僕は全く英語ができません。

 

どれくらいできないのかというと、「How are you?」はそういう挨拶だと思っていて、毎回、元気よく「ハーワーユー!」と返答していたくらい何もわかっていません。

 

でも、大丈夫。

 

インターネットがつながっていれば、翻訳サイトを使うことができるから!

インターネットが世界につながっていて本当によかった!

インターネットを世界とつなげてくれている「さくらインターネット」さん、3150~!

 

Pから始まっているからパクチーだと思って買ってきたらパセリだった (※パクチーは英語で「コリアンダー」)

Pから始まっているからパクチーだと思って買ってきたらパセリだった

(※パクチーは英語で「コリアンダー」)

 

インターネットが「ワイらだけが知っているアンダーグラウンド」から生活インフラに、成り上がった(あるいは、成り下がった)からこそ、僕はこうして生かされています。

 

この連載では、「インターネットは世界につながっている」という今時、小学生でも知っている事実をあらためてお伝えしていきます。 インターネットの再認識をあなたに。

 

 

執筆

セブ山

いろんな「おもしろ」を作って日銭を稼いでいます。おもしろいかどうかはあなたではなく、私が決めます。
Instagram : https://www.instagram.com/sebuyama

編集

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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