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『フリーランス税本』著者の漫画家 あんじゅ先生「続けることが大事」

『フリーランス税本』著者の漫画家 あんじゅ先生「続けることが大事」

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あんじゅ先生:若林杏樹(わかばやし あんじゅ)さん

ニックネーム:あんじゅ先生。1988年生まれ。フリーランスの漫画家。元大学職員で入試広報を担当。5年間勤めた後、コネなし実績なしからSNSを通じて仕事を得ている。漫画家として活動を始め、1年半で『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが、税金で損しない方法をおしえてください!』(サンクチュアリ出版 共著大河内 薫税理士)を出版。10万部を超えるヒットを記録。

Twitter:@wakanjyu321

公式ブログ:https://anju-manju.com/

各業界の著名人にインタビューをして仕事のヒントを得ようという、この企画。今回はフリーランスの漫画家として活躍されている、あんじゅ先生にお話をうかがいました。『フリーランス税本』 こと『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』の秘話についてもお話しいただきました。

はじめて出版した共著本が大ヒット

ーーまずはじめに、現在おこなっているお仕事について教えてください。

最近、グラビアのDVDを出したりしましたけど、本業は漫画家です。書籍の依頼も来ますし、広告漫画の依頼も来ます。他の方の書籍内の漫画を描くこともありますね。

約2年前に『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが、税金で損しない方法をおしえてください!』を税理士の大河内さんと一緒にサンクチュアリ出版さんから出しました。

サンクチュアリ出版さんって1カ月に1冊出版する出版社さんなんですけど、締め切り日が厳しく決まっているんです。1日9ページ、合計100ページぐらいを10日間ぐらいで描きあげました。私はそれを「魔の10日間」って呼んでいます。

漫画が125ページぐらいあるんですけど、そのうちのほとんどを10日間で仕上げました。話を作るのはもっと前からで、トータルで3カ月ぐらい時間があったんですけど、清書の時間が少なかったです。かなりの労働を強いられていました(笑)。

共著の大河内さんとは前からの知り合いなんです。そんな大河内さんとのやりとりを世に出しただけなので、「こんなので大丈夫なのかな?」って半信半疑で描いていました。でも10万部以上売れたので、サンクチュアリ出版社さんの思惑通りという感じですかね。ほんとありがたいです。

フリーランス税本10万部突破
(イラスト:あんじゅ先生)

あんじゅ先生が漫画家になろうと思ったきっかけ

ーー私立大学職員を辞めて漫画家として活動をされていますが、漫画家になろうと思った理由について教えてください。  

小さい頃から絵を描くのが好きだったんです。小学校の頃に漫画を読みはじめて、その当時の夢が漫画家になることだったんですよ。

鳥山明先生の『Dr.スランプ』みたいな可愛い漫画が好きでした。中学・高校では趣味で絵を描く程度でしたね。特に専門の学校にも行かずに、普通の大学に行きました。その大学で漫画関係のサークルに入って、人前で漫画を披露するようになったんです。

その時に描いた4コマ漫画のウケが結構良かったんですよ。それで、やっぱり漫画って面白いなあって思ったんです。

でも、その後は普通に就職して大学の職員になりました。5年間働いていたんですけど、ずっと大学にいるのもなあ……。と思いました。その時に自分のやりたいことをやろう! ということで仕事を辞めてイラストや漫画を描きはじめたんです。

漫画を描くと、人が笑ってくれるから好きですね。しゃべって笑わせることも好きなんですけど、漫画を一生懸命描いてめっちゃ笑ってもらったら、やりがいを感じます。

大学職員からフリーランスへ

大学職員からフリーランスへ

ーー私立大学職員を辞めて個人で仕事をしていこうと思った理由について教えてください。

なんにも考えてなかったです(笑)。とりあえず好きなことで仕事すると決めて辞めました。本当になにも知らなかったんですよ。

だから、自分では無職だと思ってましたね。個人事業主やフリーランスって言葉を知らなかったですから。

今でも先のことは全然考えないです。考えるとしたら「これ描いたらウケるかな?」ぐらいです。

ーー漫画家のオンラインサロンを主催していますが、漫画家を目指している方がオンラインサロンに入ると、どのようなメリットがあるのか教えてください。

漫画家の友達ができるのが一番のメリットだと思います。漫画家って続けることがすごく大事なんです。描き続けて発信し続けることが重要だと私は思うんですよ。なので、人に読んでもらう場が必要なんです。

「こういう見せ方もあるよ」「このテイストならあの漫画家さんの作品を読んでみて」といったアドバイスをお互いにできるので、交流とアドバイスを得られるというのがメリットですかね。

私がオンラインサロンを作ろうと思ったのが、

・友達が欲しい

・私の原稿を手伝ってほしい

という理由だったんですよ。

以前に『バクマン。』という漫画を読んだ時に、みんなで一緒に漫画作りをしているシーンがあったんです。それを読んで「これいいな! 楽しそう!」と思ったのが、オンラインサロンを作るきっかけですね。

副業を考えているサラリーマンにもおすすめ

副業を考えているサラリーマンにもおすすめ

ーー『お金のこと何もわからないままフリーランスになっちゃいましたが税金で損しない方法を教えてください!』が10万部を超えるヒットになりましたが、本の中でもおすすめの箇所を教えてください。  

おすすめは4章です。これは経費になりますか? というお話で、アイドルのファンクラブは経費になるのか? みたいなことが描いてあるんですけど(笑)。

本に描いてある通り、実際に友達を集めて座談会をやったんです。その時の話を描きました。内容も面白いですし、細かい小ネタが描けたと思います。

フリーランスの方だけでなく、これから副業を始めたいと思っているサラリーマンの方にも読んでほしいですね。

ーー確かにサラリーマンも税金の知識は持っておいたほうがいいですよね。あんじゅ先生がお仕事をするうえで意識していることを教えてください。  

仕事中にインプットとアウトプットを同時にするようにしています。Amazonプライムビデオで映画を流しながら漫画を描いたり、漫画を読みながら漫画を描いたりしていますね。長時間の作業ができるような環境を作っているんです。

あとはクライアントさんや編集者さんと話すときは、自分から提案をするようにしています。最初の頃、言われたままやったら80%ぐらいボツをもらったことがあったんです。「面白くないから駄目」って言われたんですよ。

「いや、言われたことをそのまま漫画にしたんだけど」って思ったんですけどね(笑)。でも、そこから意識が変わりました。私に求められていることは面白くすることなんだなと思ったんです。今はクライアントさんの意向を考えながら、提案するようにしています。

クライアントさんも漫画家に仕事を頼むことってほとんどないじゃないですか。だから何を用意すればいいのかわからないと思うんです。なので、「こういう資料があればここまで書けますよ」とか、「納品希望日を逆算して何日までにこの資料を用意してください」というお話をしています。

私がわからないことを漫画にしても読者もわからないと思うので、知ったかぶりをしないようにしています。専門家の方に教えてもらって「うんうん、なるほど……。いや、わかんねえよ!」というのを漫画にすると面白いと思うんです。

商業誌で連載を持ちたい

ーーあんじゅ先生がお仕事をするうえで、現在の目標について教えてください。  

2つあります。1つ目が商業誌で連載したいということ。漫画誌や週刊誌といった紙媒体の商業誌で連載を持てたらいいなと思っています。

 2つ目が家族をハワイ旅行に連れて行くこと。去年、弟の結婚式に家族みんなでハワイに行ったんですよ。それがすごく楽しかったのか、実家に帰るとお父さんが毎日ハワイの映像を見てるんです。ずっとですよ! 本当に毎日見てるんですよ。

ーーハワイ旅行は結構お金がかかりますよね。これまでいろいろなお仕事をしてきたなかで、成功した経験と失敗した経験を教えてください。  

一番最初に仕事をもらったときのことが成功経験ですかね。永江一石さんが書いた電子書籍の本があったんですけど、そこでイラストレーターを募集していたんです。コンペがあって、それに参加したら採用してくれたんですよ。

失敗した経験ってなんだろうな……。請求書の書き方がわからなくて、お金をもらい忘れたことがあります。金額は4万円ぐらいでした。

90年代の漫画には全ての基本が揃っている

90年代の漫画には全ての基本が揃っている

ーー漫画を描くには集中力が必要だと思いますが、集中力を高めるコツを教えてください。  

私の場合は自分の作品よりすごい作品を読むことですかね。面白い漫画を読むと「うおお! 漫画描きたい!」って思うんですよ。

作業中も読んでます。話を考えるときはさすがに読めないんですけどね。漫画の作業って同じことの繰り返しなんです。

・話を作る

・ラフを描く

・下書きを描く

・ペン入れ

もちろん最後のほうの作業も重要なんですけど、漫画を読みながらできる作業なんです。

ーー作業をしている時に漫画を読んでいたらそっちに集中しませんか?   

そんなことないですよ。一時期はジャンプを左に置いて、『こち亀』と『ワンピース』を読みつつ、右で『キングダム』のアニメを流して漫画を描いてましたね(笑)。

『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』が好きなんですよ。漫画の基礎というか、背景もしっかり書かれているし、ペンの線も安定しているし、両さんの顔の表情がいっぱいあるじゃないですか。90年代の漫画には全ての基本が揃っているんです。

新型コロナによる漫画家への影響

ーーなるほど。話は変わりますが、新型コロナウイルス感染拡大によって、ご自身の活動にどう影響がありましたか?

仕事自体は増えていて、作業時間も確保しやすくなったんですけど、新しい刺激がないんですよね。描いてる漫画が面白くなくなった気がしてます。新しいネタを求めることが状況的に難しいので、それは困ってますね。

直接人に会ったり、見たりすることで漫画のネタが生まれることもあるので、影響は大きいです。オンラインで話せばいいじゃんって言われるかもしれないんですけど、なんか違うんですよね……。

ーー確かに直接会ったほうが刺激になりますね。あんじゅ先生はTwitterが非常に多くの方にフォローされていますが、営業ツールとしても利用されていると思います。運用するうえで意識していることはありますか?  

できるだけ多くの人に見てもらうことを意識してます。インフルエンサーの方にシェアしてもらえると、多くの人に見てもらえるじゃないですか。

だから、インフルエンサーの方たちのイベントに行って、その場で話してる内容を漫画にして、その場でシェアするんですよ。グラレコ(グラッフィックレコーディング)の漫画版みたいな感じです。

それをSNSに載せると、インフルエンサー本人もびっくりするし、会場もびっくりするんですよ。そうしたことを一時期やってましたね。

あんじゅ先生の「やりたいこと」

あんじゅ先生の「やりたいこと」

ーーさくマガのコンセプトが「やりたいことをできるに変える」なのですが、今後やりたいと思っていることを教えてください。

先ほども言いましたが、商業誌で連載をやりたいです。自分自身の甘えをなくせば企画などを考える時間ができるので、これを機に頑張りたいです。ゲームをする時間を削ろうと思います。

 漫画だけではなくトークも面白いあんじゅ先生。やりたいことを続けることは大変ですが、仲間を作ることで続けやすくなります。「継続は力なり」の大切さをあらためて感じました。

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執筆

川崎 博則

1986年生まれ。2019年4月に中途でさくらインターネット株式会社に入社。さくマガ立ち上げメンバー。さくマガ編集長を務める。WEBマーケティングの仕事に10年以上たずさわっている。

編集

武田 伸子

2014年に中途でさくらインターネットに入社。「さくらのユーザ通信」(メルマガ)やさくマガの編集を担当している。1児の母。おいしいごはんとお酒が好き。

※『さくマガ』に掲載の記事内容・情報は執筆時点のものです。

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